2019年06月18日

EU残留と結果が出てくる。半年の猶予で「再投票派」が勢いを増しイギリスらしい英知を示すことを期待する。

PRESIDENT (プレジデント) 2019年 7/5号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2019-06-14

「大前研一著:メイ首相に伝えたいブレグジッドの解決策、PRESIDENT、2019.6.3」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.イギリスのEU離脱〔ブレグジット〕の期限とされてきた3月29日が何事もなく経過した。2016年6月23日の国民投票で「EU離脱」を選択〔51・9%〕が離脱を支持〕したイギリスは、17年3月29日に政府がリスボン条約第50条を履行した。リスボン条約第50条はEUからの離脱手続きを定めた条項で、イギリスがEUに対して正式に離脱を通告したことで、リスボン条約第50条は発動したことになる。それから2年間、イギリスとEUに離脱協定の交渉期間が与えられて、2年後の今年3月29日がタイムリミット、すなわちEUとの離脱交渉がまとまってもまと孝bなくても、イギリスがEUから自動的に離脱する期日とされてきた。
2.離脱交渉は17年6月からスタートし、18年11月にはイギリスとEUの間で合意された離脱協足案が発表された。しかし、今年-川のイギリス議会で、離脱協定案は歴史的大差で否決される。タイムリミットが差し迫った3月12日、メイ首相はEUとの再交渉の結果をまとめた修正案を議会に提出したが、これも大差で否決された。もはや案を作成して議会に通したうえでEUと再交渉する時間的余裕はなく、このままではEU側と何の取り決めもないまま、いわゆる「合意なき離脱」に自動的に突入してしまう。
3.イギリスとEUとの離脱協定案には、ブレグジットによる急激な変化を避けるための「移行期間」が設けられている。当然、離脱協定案がまと孝bずに「合意なき離脱」となれば、移行期間は発動しない。イギリスはEU諸国との貿易にいきなり閲税がかかるようになり、通関業務が必要になる。
4.ほかにも各種規制や法整備が間に合わずにヒト、モノ、カネの移動の自由がなくなれば、イギリス経済への影響は計り知れないが、EUも無傷ではいられない。メイ首相が持ち込んだ離脱協足案をことごとく否定したイギリス議会も「合意なき離脱」は避けたいらしく、3月13日に「合意なき離脱」を拒否する動議を可決、さらに翌日リスボン条約第印条を延期する動議も可決した。
5.具体案を持たずにブリユッセル(EU本部〕まで出かけてそのまま会談を拒否されて帰ってきたり、ようやくまとめた離脱協定案を議会に拒否されたり、議会に拒否された案の修正に固執したりと、迷走を続けてきたメイ首相だが、結局は3月29日の見切り発車は不可能と判断してEUに離脱延期を甲し入れた。
6.EU側はイギリスの求めに応じて、離脱協定案が議会で承認されれば5月22日、承認されなければ4月12日まで離脱期限を延期することを決定。これによって3月29日フレグジットは完全に消えた。その3月29日、メイ首相は「採決されれば辞任する」と自らのクビをかけて3度目の離脱協定案の議会採決に臨んだが、これも否決。4月12日の期日が迫った4月に入って、メイ首相はEUに離脱の再延期を要請した。
7.EUは臨時首脳会議を開催してイギリスの離脱日を10月31日まで再延期することで合意、イギリスもこれに同意した。「合意なき離脱」はひとまず回避された格好だが、離脱協定がイギリス議会で町決される見通しはいまだに立っていない。合意文書では5月に行われる欧州議会選挙にイギリスが参加しなければ、6月l日が離脱Hとされている。その場合、5月22日までに離脱協定案が可決されなければ、再び「合意なき離脱」のリスクにさらされる。
8.イギリスの国民の多くは国民投票をした時点でEU離脱がこれほど大変だとは知らなかった。今頃になって離脱をけしかけたジョンソン前外相やファラージ前独立党党首らの無責任ぶりを非難する声が聞こえてくるが、国民投票のときは「移民や難民が雇用を奪う」とか「ブリュッセルの指図なんて受けたくない」といった声が圧倒的で、EUにとどまるメリットを語る人は少なかった。
9.北アイルランドの国境問題をめぐる忌まわしい歴史が再現しかねないと誰が考えただろうか。アイルランド島の北側にある北アイルランドはイギリスの一部だが、同じEU加盟国であるアイルランド共和国との国境に検問を置かず、ヒト・モノ・カネの往来を自由にしてきた。しかし、ブレグジットとなれば北アイルランドとアイルランドの国境管理が大きな問題になってくる。
10.国境管埋が厳格化されて、ヒト・モノ・カネの自由往来ができなくなれば、アイルランド島は再び分断される。「イギリスに分捕られた北アイルランドを取り戻して、祖国を統一せよ」という勢力の台頭を招き、血生臭いことにもなりかねない。ブレグジット後に国境管埋を厳格化しないことで、イギリスもEU側も意見は.致している。しかし、「従来通りの国境管埋をしている限り、EUの言い分を聞かなければいけない。それではブレグジットの意味がない」とイギリス国内の離脱強硬派は主張するし、EU側にも「離脱しておきながらイギリスが北アイルランドを通じてEU市場にアクセスできるのはおかし
い」という意見がある。
11.北アイルランドを特別扱いするスキームがさまざま出てきているが、北アイルランドを中途半端な状況に置くことは、独立の気運を高めてユナイテッドキングダムの崩壊につながる、との見方も出ている。一方、スコットランドは14年にイギリスからの独立の是非を問う住民投票を行い、僅差で独立は否決された。スコットランド自治政府のスタージョン首相は「イギリスがEUを出たら、もう一度住民投票を行う」と公言していて、これが実現すれば、今度は独立賛成派が勝利するのは確実である。
12、イギリスがEUのメンバーでなくなれば、前回の国民投票と違って、スコットランドのEU加盟に反対する国はいないからである。ユナイテッドキングダムから北アイルランドが抜け、スコットランドが抜ければウェールズも独立運動を始めると思われる。スコットランドに先を越されるのは、ウェールズの人々は我慢できない。つまり、EUを離脱すればUK(連合王国〕はイングランド・アローン(イングランドだけ〕となる運命に向かう。
13.イギリスの失業率は4%台。歴更的に最低の水準である。人手不足で企業や飲食店などは経営が危ぶまれて、「難民でも誰でもいいから人を入れてくれ」という状況である。「雇用を奪われるとブレグジットを煽ったのはどいつだ?」と怒っている経営者は少なくない。イギリスの主な輸出品であるランドローバーや日産のクルマは、10%の閲税をかけられて競争力を失う。ジャガー・ランドローバーは4000億円の引当金を積んで、さらに4500人の雇用削減を公表し、ホンダは21年までにイギリス工場を閉鎖すると発表した。「ブレグジットで何かいいことがあるのか?」「再投票させろ!」という声は日増しに強まっている。
14.いくら離脱延期を繰り返しても、迷走して信任が地に落ちたメイ首相に有効な打開策は見出せないと思う。EUとしても、そう何度も離脱延期を認めるわけにはいかない。メイ首相が第一にやらなければならないのは、EUに出した離脱届を一旦引っ込めることである。EU側も一度提出した離脱届を引っ込めるのにEUの合意は要らない、というシグナルを送っている。
15.恥を忍んで離脱届を引っ込めて、時間をかけてブレグジットの損得を洗い出し、議論して、そのうえで再国民投票に持ち込む。離脱の緩和策が何通りも出ていて、ある一つの案に収束させることはもはや不可能である。メイ首相は「自分はもともと離脱に反対だったが、国民が離脱に投票したので、それを実現する任務を負っている」と言い続けてきた。離脱再延期の事態に至っても、「EUと協定を結び、できるだけ早く離脱する必要がある」と離脱協甲定にこだわっている。
16.「今の国民はEUに残ることのメリットのほうが大きいと考えているのではないか」という発想に至らずに、キャメロン前首相が掛けたボタンをそのまま引き継いでいるのだ。紳士の国ではボタンの掛け違えを指摘する人もいないらしい。賢明なはずの国の、頑固な女性首相が、2年以上前に自分に与えられた任務に忠実なあまり、その後の状況変化に気がつかずに目の前の崖から飛び降りようとしている。EU側は離脱届を引っ込めて再度国民投票することを密かに望んでいる。
17. その場合にはかなり明確にEU残留、と結果が出てくるだろう。分裂した保守党も、貧乏くじを引きたくない労働党も明確な方針を出せていないが、半年の猶予で「再投票派」が勢いを増しイギリスらしい英知を示すことを期待する。つまり大山鳴動してネズミ一匹出てこない。EUがイギリスにかなり長い時間的猶予を与えたのは、イギリスの七転八倒を見れば将来離脱に傾きかねない他の加盟国に対する明確な抑止力となる、と密かに思っているからである。


yuji5327 at 06:30 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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