2019年06月26日

G20では、仮想通貨のマネーロンダリングやテロ資金供与への悪用が懸念される。6月の会議では、国際的な制度の設立を目標としており、20年までに最終報告書の提出を目指す。


「野口悠紀雄著:仮想通貨で重要なのは規制強化ではない、週刊ダイヤモンド、2019.5.25」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2019年6月8〜9日に福岡で開催されたG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、仮想通貨のマネーロンダリングやテロ資金供与を阻止するための新規制案が合意されると報道されている。取引時の本人確認の厳格化などを明確にし、資金の流れを透明化することが軸になった。
2.これまでもG20では、仮想通貨のマネーロンダリングやテロ資金供与への悪用が懸念され、議論されてきた。6月の会議では、国際的な制度の設立を目標としており、20年までに最終報告書の提出を目指すとされている。
3.日本では金融商品取引法と資金決済法の改止案が3月15日に閣議決定された。国会での審議・成立を経て、20年6月までに施行される見通しである。16年に資金決済法が改正された際には、仮想通貨に決済手段としての地位を与え、その普及を進めようとする意図があったと考えられる。しかし、17年に仮想通貨が投機の対象と化し、価格がバブルを起こした。これを踏まえて、今回は、仮想通貨交換業者や仮想通貨取引に関する規制を強化する改正となっている。
4.仮想通貨の呼称を「暗号資産」に変更した。このため、交換業者の名称も法律上は「暗号資産交換業者」となる。この名称変更は、国際的な慣習に合わせるためだと説明されている。確かに英語ではcryptocurrencyと呼ばれている。直訳すれば、暗号通貨である。この名称変更には、印象操作的な意図も感じられる。
5.「暗号」という言葉は、ネガティブなニュアンスを持っている。「仮想」という言葉を「暗号」に変え、かつ「通貨」という言葉をなくすことによって、「正式な通貨ではなく、本当は認められないものだ」というニュアンスを込めたと想像される。なお、本稿においては、これまで通り、「仮想通貨」という名称を用いる。
6.この改正で、次のような施策が導入される。証拠金取引について、外国為替証拠金取引(FX)と同じように、金融商品取引法上の規制対象とする。仮想通貨を用いる資金.調達であるイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に関して、一定の条件下で金融商品収引規制の対象となることを明確化する。また、投資家への情報開示や販売、勧誘などの規制を整備する。
7.G20の議論も日本の法律改正も、仮想通貨についての規制を強める方向のものである。しかし、取引所に対する規制をいくら強めたところで、マネーロンダリングやテロ資金供与などの問題を根絶できるわけではない。なぜなら、仮想通貨のシステムでは、取引に必要とされる暗号を作るための「秘密鍵」を、取引者が自ら作ることができるからである。実際、北朝鮮は仮想通貨取引所に対するサイバー攻撃によって、5億ドルを超える額の仮想通貨を奪ったと報道されている。国連安全保障理事会の専門家パネルの報告書によると、コインチェックでの流出にも同国が関与しているとされる。このような国家レベルでの犯行に対して、取引所での本人確認規制をいくら強化したところで意味がない。
8.本人確認とは、取引所で取引を行う場合に生じる問題である。本人確認だけでなく、一般に「規制」は、従来型の集甲管理システムを対象にした概念である。集中管理システムではないというのが、仮想通貨の本質である。仮想通貨の創始者たちが夢見たのは、政府や大組織の支配から離れた自由な経済圏をつくることである。彼らは、取引所「マウントゴックス」がつくられたときに、ビットコインの基本理念が脅かされたと深刻な危機感を抱いた。
9.現実には、人々は自分で秘密鍵を作るのではなく、取引所を用いて仮想通貨の取引をしている。そして、自分の仮想通貨を自分の秘密鍵で管理するのではなく、取引所に預けたままにしており、取引をする場合には、取引所を経由する。だから、現実には取引所を規制することによって仮想通貨をある程度は規制できる。しかし本当に重要な問題は、これでは防げない。一般の多くの利用者を規制するというだけのことである。本人確認の厳格化で仮想通貨を規制しようとするのは、分散型システムに対する誤解に基づいている。
10.このようなシステムが登場したことをどう考えるかを議論すべきである。問われているのは、「そもそも規制が可能か?」という問題である。分散型システムが使われることが引き起こす問題について議論するのであれば、議題はたくさんある。ブロックチェーンは、すでにさまざまな分野で使われ始めているが、通貨以外の金融でも使われている。これは、これまでの金融の世界を大きく変える可能性を持っている。こうしたことの社会的影響について議論すべきである。
11.「分散型」の定義は、あまり厳密にはなされていない。仮想通貨について述べたことは、本来の分散型システムである「パブリック・ブロックチエーン」(参加者が限定されないブロックチェーン)が持つ特質である。「プライベート・ブロックチェーン」(参加者が限定されるブロックチェーン)は、分散型システムであるとして議論されることが多いのだが、本来の分散型システムとは言い難い。そして、むしろ集中型システムの特徴を従来の集中型システムより強化する可能性がある。
12.プライベート・ブロックチェーンによる通貨で、今後導入される可能性があるもののうち重要なものとして、次の2つがある。第1は、日本のメガバンクによる仮想通貨である。三菱UFJフィナンシャル・グループのMUFGコインは、今年後半に実用化すると報道されている。これが実際に使われるようになれば、日本の金.融システムに大きな影響を与える。
13.現在日本では、QRコード決済の電子マネーが多数登場しており、乱立気味である。しかし、メガバンクの仮想通貨が広く使われるようになれば、これらの電予マネーを駆逐する可能性がある。それだけでなく、日本銀行券のシステムにも影響を与える可能性がある。国として、この事態をどう考えるかの議論が行われてしかるべきである。
14、第2は、これもブライベート・ブロックチェーン型の分散型システムだが、中央銀行による仮想通貨発行の可能性もある。仮にこれが導入されれば、経済社会に大きな影響を与える。他方で、プライバシーの侵害や銀行システムに与える影響も大きい。この問題に世界各国がどのように対応するかは、重要である。
15.G20こそ、そうした問題を議論できる場である。本来であれば、この問題がG20の最重要議題として取り上げられるべきである。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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 読売奨励賞
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