2019年07月11日

不正融資をしたスルガ銀行に非があるが、日本経済の課題は、金利がつかない今の時代に地方銀行が生き抜く方法を示すことである。

2019/5/31付けの大前研一さんの「ニュースの視点」(発行部数 161,826部)は「財政赤字/スルガ銀行」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日経新聞は23日、「財政赤字容認論 MMT、政府と日銀警戒」と題する記事を掲載した。インフレにならない限り財政赤字の膨張は問題ないとする「現代貨幣理論(MMT)」について、ニューヨーク州立大のステファニー・ケルトン教授が「日本政府と日銀がMMTを実証してきた」と主張している。
2.この理論は政府と日銀が目指す財政健全化とは正面から対立するのに加え、足元では景気が陰り、財政支出を求める声が出やすい現状で関係者は火消しに躍起になっている。このステファニー・ケルトン教授の見解を聞いて感じたのは、これまでの米国の経済学者同様、日本及び日本経済に対する理解・認識が甘い、ということである。
3.ポール・クルーグマン氏、ジョセフ・スティグリッツ氏といった米国を代表する経済学者は、「アベクロ政策」の初期の頃に、金利を下げ、マネタリーベースを増やして、マーケットをお金でジャブジャブにすればいい、と提言していた。
4.しかしこれらの政策は日本経済には全く効果はなく、クルーグマン氏など自らの提言の過ちを認めて敗北宣言をするに至った。この見誤りの原因は、日本及び日本経済に対する理解の甘さである。
5.具体的には、日本の低欲望社会に対する理解不足である。日本をミクロ経済で見たとき、個人が低欲望のため、金利を低くしたところで何も効果を発揮しなかった。米国という高欲望社会の国に育ち、自らも非常に高欲望に生きてきた彼らからすれば、全く理解できないことである。
6.いまだに日本では、1800兆円にのぼる個人金融資産が、金利0.1%に満たない銀行預金に塩漬けされている。世界中を見渡しても、このような国は見当たらない。ケルトン氏が提唱する「現代貨幣理論(MMT)」は、インフレにならない限り、日本の財政赤字は問題ないとしている。
7.将来に対する期待が高まるとインフレになるから、逆に言うと、今の低欲望社会の日本においてはインフレの心配はほとんどない。ケルトン氏はこの状況を踏まえているが、
ケルトン氏の日本及び日本経済に対する理解は甘い点がある。
8.たしかに今大きな金融資産を持っている高齢者の世代は、貯蓄奨励の教育を受けてきた「低欲望」の世代だが、次の世代はまた異なる価値観を持っている。いわゆるバブル世代の人たちが50代になろうとしていて、次の世代になるのはこの人たちである。この世代の人たちは今の高齢者世代に比べて、もっと「高欲望」で、派手に生きてやろうという人が多い。
9.金利が無いならどんどんお金を借りてチャレンジしてみようという考えの人もいる。もしそうならば、日本経済は将来に対する期待が高まった結果、インフレの方向へ動いていく。そしてインフレになると、多額の国債を抱え込んでいる日銀が困ったことになる。本来、国の借金である国債を日銀が購入するのは禁じ手である。その借金を財産呼ばわりしながら、無理やり抑え込んでいるのが現状でである。
10.日本経済がインフレに振れれば、日銀は耐えられなくなり、破綻・即死することになる。ケルトン氏の見解は、過去の日本を見る限り、現時点では正しいが、さらに日本を分析し、今の状況を生み出している要因を知ると、その見通しはやや甘いと言わざるを得ない。
11.日本の場合には、世代、年代、時代に合わせて、ミクロ的に個人がお金に対するどのような思考を持っているのかを知ることが重要である。今の状況を前提にして安心していると、あるとき日銀のダイナマイトが爆発して、一巻の終わりである。日銀が抱えるダイナマイトのことを考えれば、一刻も早く財政赤字を減らしていくべきである。今現在は爆発する恐れがないからといって、ダイナマイトをさらに溜め込んでもいいわけはない。
12.不正融資が多数発覚し経営が悪化したスルガ銀行は15日、不正が疑われる融資は総額1兆700億円に達したとする調査結果を発表した。また同日、新生銀行と個人向け金融など幅広い分野で業務提携することも発表したが、当初取り沙汰されていた資本提携には踏み込まなかった。1億円を借りる余裕すらない人に、2億円を貸し付けていたような不正融資の総額が1兆円を超えていたのだから、まるで米国のサブプライムローンである。
13.不正融資をしたスルガ銀行に非があるが、日本経済全体の課題として認識すべきは、金利がつかない今の時代に地方銀行が生き抜く方法を示すことができていないことである。これだけの不正融資が発覚したスルガ銀行を抱え込むことは、相当リスクが高いから、新生銀行が資本提携まで踏み込むことはないと思う。



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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
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