2019年07月13日

新幹線に乗る利点は、誰にも邪魔されないまとまった時間があること。目的地まで時間がかかることを逆手に取り、多様化する二ーズに応えることが航空機に対抗する利点になる。


「柳澤里佳著(本誌)、浅野浩二(JR東日本研究開発センター所長)インタビュー、次世代新幹線試験車両ALFA-X、週刊ダイヤモンド、2019.06.08」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.22mのロングノーズで風を切り、最高時速(営業運転時)360kmを目指して突っ走る。JR東日本は5月に次世代新幹線開発の試験車両「ALFA・X」を完成し、東北新幹線の仙台〜新青森間で走行試験をスタートした。ALFA・Xのプロジェクトリーダーを務める浅野浩二は、同社の先端鉄道システム開発センター所長でもあり、車両の研究開発に長く携わってきた。
2.1988年、民営化でJR東が発足して入社した第1期生。「特段、鉄道好きではなかった」という浅野氏が、新しい会社でいろいろ面白いことにチャレンジできる、と大学に来た採用担当者から聞き、引き寄せられた。
3.入社後は、鉄道会社らしからぬ、駅ビルや店舗開発の部門に配属された。当時はまだ駅ビルのルミネもアトレもなく、駅ビルは持ち主も名称もバラバラだった。そこで統一に向けた買収手続きや新店開発に奔走。展示会に会社の紹介ブースを出すなどイベント企画も担当した。ここで柔軟性と発想力が磨かれ、1年半後、大学で流体力学を専攻していたことから、車体技術の部門に異動し、脱線のメカニズム解明の担当になった。鉄道研究の権威がいる大学の博士課程で学位を取得し、工場で実践を積んだ後、新幹線の研究開発に携わる。
4.82年に東北新幹線が開業して以降は航空機がライバルとなり、JR東は新幹線の速度アップを追求してきた。92年に完成した試験車両「STAR21」では最高時速425kmを達成し、2005年に完成した試験車両「FASTECH(ファステック)360」も営業速度の向上が主目的だった。浅野氏はFASTECHで台車の開発を担当。いかに車両を軽くして速度を上げるかに試行錯誤した。
5.実際の営業車両となると、STAR21の後に導入されたE4系(愛称Max)、FASTECHの後に導入されたE5、E6系(列車名はやぶさ、はやて、やまびこなど)とも安全性や騒音、費用対効果などを勘案した結果、試験で出した最高速度で営業することはなかった。現行の東北新幹線の最高時速は320kmである。
6.15年に次世代新幹線開発リーダーに任命されると、「新幹線の価値を再定義すること」から始めた。速度至上主義でいいのか自問した。北海道新幹線が16年に新青森〜新函館北斗で開業し、東北新幹線との直通運転を開始(北海道新幹線の車両はE5系を導入)した。最終目的は30年に予定する札幌延伸、全線開業である。従来通り速度を追求し、最高時速を引き上げて時速360kmで営業運転できれば、東京〜札幌を4時間半で結べる。とはいえ東京〜札幌の輸送シェアの大半は航空機で、たとえ新幹線が4時間半で結んだとしても、とてもかなわない。
6.「新幹線に乗る利点は、誰にも邪魔されないまとまった時間があること。寝てもいいし仕事をしてもいい。おいしいものを食べたり、おしゃべりに興じたりしてもいい」と考えた。目的地まで時間がかかることを逆手に取って、多様化する客の二ーズに応え、価値ある移動空間をつくることこそが航空機に対抗する利点になると狙いを定めた。
7.そこからコンセプトづくりと、プロジェクトチームのメンバー集めにまい進した。設計、車両、サービス、試験などさまざまな分野でそれぞれ詳しい人物に声を掛けた。散り散りだったFASTECH時代のメンバーも呼び寄せた。議論を繰り返して最終的な営業車両のイメージを固めた。そこから逆算した開発要素と4つのテーマ「安全性・安定性」「快適性」「環境性能」「メンテナンス革新」を基に、専用の試験車両であるALFA・Xを造る決断を下した。
8.最大の難関は、社内でALFA・Xへの理解を得ることだった。10両編成で総工費約100億円。大きな投資判断を仰ぐことになる。通り一遍の高速化だけではない次世代コンセプトには、メンバーの熱い思いが詰まっている。「それを経営に代弁するのが自分の使命」だった。反対意見も多数あった。例えば、ロングノーズにすると高速でトンネルに入ったときの圧力波により生じる騒音を緩和できるが、車両内の客席が減るため収益的にはデメリットだと指摘された。
9.そこでALFA・Xの先頭車両は片方をロングノーズ型、もう片方をE5系に近い16m型にした。「両極端なものを試験することで、さまざまな可能性を探れる」と説き、第一関門となる走行試験へのゴーサインを取り付けた。
10.走行試験は22年3月まで夜間、週2回ほど実施する。地震時に素早く止まるための「空力抵抗板ユニット」、着雪しにくい車体構造、上下制振装置など、技術の粋を集めた各機能を検証する第二関門の始まりである。
11.安全走行を検証した後は、サービス面での試験を予定する。利用ニーズによって内装をガラリと変えること、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、AR(風景にバーチャルな視覚情報を重ねること)も駆使し、情報提供を行うことなどを構想する。「東京から札幌に向かう家族に、途中駅から車椅子のおばあちゃんが合流すると、座席がバリアフリーの個室になる。あるいはビジネスマンが車内で会議できる空間があって、夕方になるとバーカウンターが登場したり、夢のストーリーを幾つも描いている」。これらの実現に向けて、将来の技術進展を予測しながら、外部連携も積極化して開発を進める。速度だけではない「世界一」の新幹線への夢は尽きない。


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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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