2019年07月15日

米中間の貿易戦争が混迷を深めている。そこで使われる武器は、関税など従来のものからテクノロジーへと変化しており、大きな違いである。


「R W Forsythcho著 :貿易戦争、テクノロジー巡る攻防へ、週刊ダイヤモンド、2019.6.8」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米中間の貿易戦争が混迷を深めている。そこで使われる武器は、関税など従来のものからテクノロジーへと変化しており、大きな違いである。企業や消費者は、関税や為替の変更によって高くなった値段を支払うか、どうしても必要でなければ購入をやめるかを選択することができる。あるいは、代替となる課税対象外の商品やサービスを探すことも可能である。
2.しかし、中国の通信大手ファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)が米国でブラックリストに載せられているように、主要な売り手が主要な市場からブロックされている場合、それは単にドルか人民元かといった問題ではない。ファーウェイがハードウエアとソフトウエアの供給元として依存している米国のハイテク企業が同社への販売を禁じられていることも、全く次元の違う問題となっている。
3.ロンドンに本拠を置くTSロンバードのエレノア・オルコット氏は、トランプ大統領は米国で展開する5Gデータネットワークへのファーウェイのアクセスを拒否することによって、そしてそれ以上にファーウェイ向けの輸出を全て阻止することによって、ファーウェイに二重の打撃を与えた、と書いている。グーグルの親会社アルファベット(GOOGL)は、基本ソフト(OS)であるアンドロイドの非公開部分の提供を、90日間の猶予を設けた上で停止すると述べた。
4.ファーウェイは独自のOSを開発したと言っているが、それはアンドロイド用に作成された無数のアプリがそこで動作することを意味しない。そして、半導体などのハードウエアの供給が絶たれると予想される中、ファーウェイは製品の在庫を積み上げているが、これは一時的な措置にすぎず、さらにずっと大きな影響が考慮されなければならない。これはファーウェイが常に米国の供給に頼っている半導体にとどまる話ではない、とオルコット氏は述べている。それ以上に、半導体を設計する非常に複雑な装置が絡んでくる。その製造業者は全て米国企業であり、すぐにそれを複製することはファーウェイにはできないと、同氏は判断している。
5.経済問題は重大化すると、政治の領域に入ってくる。トランプ大統領と中国の習近平国家主席は来月、日本で行われる20力国・地域(G20)首脳会議で会う予定となっている。貿易協議では、相互に有益な合意を生み出すことが広く期待されていた。結局のところ、双方とも自国の経済や株式市場を傷つけない形での合意を望んでいる。しかし、習主席とトランプ大統領はどちらも負けが込んでいる。問題はどちらがより多く失うべきものがあるかということである。
6.歴史が示すように、米国の技術を防衛するために輸出規制に頼ることは、最終的には競争力の低下につながる、とオルコット氏は言う。過去のそのような措置は米国の情報技術への中国のアクセスを阻止した一方、米国市場から他の国の顧客もはじき出した。また、米国企業は規制される可能性のある技術への研究開発(R&D)投資を削減した。
7.中国は貿易戦争の激化を回避するかもしれないが、米国企業にとつてより厳しい状況になる可能性もある。特に、中国が米国に対して貿易赤字を抱えるサービス部門でそれが言える。その中で、ダウ工業株30種平均(NYダウ)は2011年以来初めて5週連続で下落した。長期米国債利回りは、24日に回復したものの、23日には17年10月以来の最低水準となった。
8.銅や原油価格も週次で下落した。極めつきは、IHSマークイット購買担当者景況指数(PMI)の速報値が、景気の拡大と後退の境界線とされる50近くまで下落したことである。どのような要因が働いているかはともかく米国経済は減速している。アトランタ連銀のGDPナウが示す今四半期の経済成長率予想は年率1・3%と、第1四半期速報値の3・2%から下がっている。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利引き下げのアクセルを踏めるような時代であれば、そこまで心配することはなかったが、貿易戦争中は状況が異なる。
9.電気自動車メーカーのテスラ(TSLA)をめぐる状況は、これ以上ないほど悪化している。同社の株価は年初来3分の1以上下落し、過去52週高値からほぼ半減している。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が今四半期には記録的な生産と納品ができると主張する内容の、漏えいした電子メールのスクリーンショットだけが、23日に株価の下落を止める役割を果たした。
10.あるアナリストが、テスラの株価が最悪シナリオで10ドルまで急落するとの見解を示した一方、別のアナリストはより慎重に下落余地を35ドルとした。よく知られているように、マスク氏は昨年夏に1株420ドルでテスラの非公開化を検討しているとツイートした。テスラは5月に入って、マスク氏にそれよりはるかに低い243ドルで株式を発行して資金調達することになった。それでも、23日の終値195・49ドルに比べれば結構な高値に見える。
11.アマゾン・ドット・コム(AMZN)が証明したように、市場は天才起業家に損失の計上を許すことがある。テスラの真の課題は、バランスシートと急速な現金の費消である。報道によると、マスクCEOは最近調達した27億ドルの資本がテスラを10カ月間しかもたせられないと従業員に告げ、さらなるコスト削減を求めている。その影響はテスラの社債にはっきり表れている。その下落ぶりは株価ほど急激ではないが、十分に劇的である。12.23日には、25年8月15日に償還予足の表面利率5・3%の社債は、100ドルの発行価格に対して81・35ドルに下落した。実質利回りは9・33%と、比較可能な無リスクの米国債を7・2%ポイントも上回っている。同社はこの社債を17年8月に18億ドル発行したが、当時のリスクプレミアムは3・2%ポイントほどと、現在の半分に満たなかった。この社債の格付けは、ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるとCaa1、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)ではBマイナスと、ジャンク債の最深部に近づいている。13.テスラが最近発行した、24年5月15日償還予定の表面利率2%転換社債は、3週間前の発行価格100ドルから、23日には88・50ドルまで下落した。比較すると、同時に310万株が発行された普通株式は19・6%下落している。転換社債の直近の価格に基づくと、満期までの利回りは4・62%と、国債を2・5%ポイント上回る。これを普通株式の長期コールオプションとしてみた場合、転換社債の転換価額に対ずるプレミアムは40%と、発行時の27・4%から上昇している。
14.多くの理由から、マスクCEOはアップル(AAPL)の創業者である故スティーブ・ジョブズ氏と比較されてきた。ジョブズ氏と同様、マスク氏はわれわれの生活を変える製品を作る会社を生み出した、天才的かつ傲慢な革新者だが、一つ大きな違いがある。ジヨブズ氏は、アップルの大流行の製品が生み出した現金をため込むことにこだわった。
15.この原始的な財務戦略は、ジョブズ氏がビジョンを推し進めるために十分な資金をもたらした。対照的に、マスク氏は野心的な計画を達成するために常に外部の資金を必要としてきた。そして、そのことは同氏の人格と相まって、企業を常に崖っぷちに置き続けている。今こそ同氏が苦境を乗り越えられるかが問われている。



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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(現在理事)
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