2019年08月10日

日本を北海道、東北、関東、首都圏、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄の11の道州に分割し、憲法を改正してそれぞれに自治権を与える。各道州は知恵を絞る。

大前研一 世界の潮流2019〜20
大前研一
プレジデント社
2019-04-30

「大前研一著:世界の潮流2019〜20、プレジデント社、2019.4.30」は参考になる。「第6章 新時代、日本はどうすればいいのか」の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる
1.2019年、平成の世が終わり、文字どおり日本は新しい時代に突人する。いま世界は「Gー1(マイナス・ワン)とミー・ファーストを公言しているトランプ大統領のアメリカ」「理想主義的な西欧型民主主義国家という20世紀の国家モデルの崩壊」「米中企業が加速するデジタル・ディスラプション」という3つの要因によって激変している。日本は、これらの各要因にどのように対応すればいいか、大前氏の考えをまとめる。まず、アメリカのトランプ大統領。これは彼の発言にいちいち過敏に反応しないことに尽きる。中国のようにいちいち対抗処置をとるようなことを行えば、トランプ大統領は次なるディールを仕掛けてきて、地獄の底まで引きずり込もうとする。トランプ大統領の本性は不動産屋である。日本の安倍晋三首相も、性急に二国聞協議を進めないこと。そんなことをしても得なことはなにもない。いまのやり方を続けているかぎり、トランプ政権はいずれどこかで崩壊する。それよりもポスト・トランプに向けての準備を日本は進めたほうがいい。
2.国家モデルの変容に関しては、地方に軸足を移せばいい。たとえば、スペイン・バスク州のサン・セバスチャンは「ヨーロッパの美食の都」と呼ばれていて、もともと食事がおいしいといわれ、スペインの中でも、とくにレベルが高く、それを目当てに世界中から訪れる人たちで、年中にぎわっている。スペインという国が崩壊しても、美食の街という求心力をもっているサン・セバスチャンは変わらず世界の食通を魅了し、繁栄し続けることができる。
3.デジタル・ディスラプションは、AIやロボットに負けない人材を育成すれば脅威ではなくなる。ただし、負けないというのは、AIやロボットと競争して勝つことではなく、勘を働かせる、全体像をつくる、リーダーシップを発揮する、ゼロから一を生み出す……、こういった人間にしかできない能力を磨き、進化したAIやロボットを使いこなす側に立てばいい。
4.昭和から平成に代わった1989年の6月に私は、来る新時代への提言を「平成維新」という著書にまとめた。1989年のGDPは、日本の九州と中国がほぼ同じである。昭和がもうすぐ終わろうとしているとき、中国のGDPはまだ33.4兆円で、同じく34.5兆円の九州とほぼ同じだった。それから30年経った現在、中国は日本全体の、2.5倍になっている。この30年間で中国は、安価な人件費で世界の工場となり、さらにハイテクを武器に経済を発展させ、世界市場における存在感を着々と高めてきた。これに対し日本は、完全に世界の成長スピードから遅れ、少しも前に進むことができなかった。
5.大前氏は『平成維新』に、日本には明治維新や太平洋戦争の敗戦に匹敵するパラダイム転換が必要であり、そのためにこれを実行しなければならないという提案をいくつも書いた。憂慮していたのが、急激に進む日本の少子高齢化により、2005年には国民の平均年齢が50歳を超えるという現実であった。人口動態を分析することで今後の展開がかなり正確に予測できる。そして、平均年齢が50歳を超えると、大きな変化はきわめて難しくなる。そうなる前に、変革に着手してほしかったが、本は100万部以上売れたのに、そこに書いたことは何ひとつ実行されなかった。時の為政者がいくつかにでも真剣に取り組んでくれたら、この国は30年にもわたって低迷せずにすんだ。
6.日本が世界の進歩から取り残された最大の責任は、間違いなく政府にある。大前氏がまだ若手のコンサルタントだったころは、国が「鉄は国家なり」というような明確なビジョンを描き、それを実現するために予算を傾斜配分するなど、きちんとリーダーシップを発揮していた。通商産業省が白書を発表すると、誰もが目を皿のようにして読んだが、いまの政府には、新たな産業を立ち上げるといったビジョンもリーダーシップも期待できない。
7.2018年12月、経済産業省が多額の税金を投入してつくった官民ファンドの産業革新投資機構は、わずか3カ月で民間の取締役全員が辞任し、機能停止した。いまの経産省は新しい企業をつくる力などない。大前氏が代表を務める起業家養成に特化したビジネススクール「アタッカーズ・ビジネススクール」では、修了生がすでに810の会社を立ち上げ、その中から弁護士ドットコム、クラウドワークス、ミクシイなど10社を超える上場企業が誕生している。
8.休眠口座に毎年1200億円もの金が貯まる。この10%にあたる120億円があれば2000人もの起業家を生み出す。国が起業を奨励していけば、この国は確実に変わる。国は30年間、そうしたことをまったく行っていない。日本板硝子、オリンパス、ソニー、日産自動車、武田薬品など、日本にもグローバル企業が存在しないわけではないが、これらの企業の経営者の顔ぶれは借りてきた外国人が多い。日産自動車のゴーン前会長をみてもわかるように、やはり借り物には限界がある。グローバル人材を自前で育てることができなければ、真のグローバル企業、グローバル国家になることはできない。人材の育成は世界で活躍するための語学力、説得力と新しいものをゼロから生み出す構創力だ。だが、中央教育審議会の答申を端から端まで読んでも、世界で活躍できる経営人材の育成につながるような教育プログラムはどこにもみつからない。
9.2045年頃にはAIが人類の知能を超えるシンギュラリティに到達するといわれている。ならば、そのころまでにコンピュータに負けない能力を身につけておかなければならないはずだ。ところが、そういった教育プログラムも皆無。中教審の答申が実施されるのはいまから4年後だから、現在の小学校5年生前後が高校生になるときに対象となる。そして、彼らがちょうど35歳くらいになったとき、シンギュラリティが来る。そのときにまったく対応できない人間ばかりでは心配である。日本経済の停滞がこれだけ続いてもなお、文部科学省には危機感も、グローバル化やデジタル化に適応できる人材を育てなくてはならないという発想も行動力もない。
10.日本が低迷したまま浮上できないもうひとつの理由が、中選挙区制に代わって1996年に導入された、ひとつの選挙区から1人を選出する小選挙区制である。これにより人口30万〜35万人に国会議員がひとり選ばれることになった。ある政令指定都市の市長が、「私の地元には8人も国会議員がいる」と語ったあと「私が反対したら選挙には絶対受からない」と、国会議員より市長の自分のほうが上だといわんばかりである。中選挙区制の時代には、天下国家を論じられる外交や内政に強い国会議員が数多くいたが、いまはほとんどが交付金の運び屋にすぎない。そうやって市長にバカにされる。現行の小選挙区制では、市長よりもレベルの低い国会議員しか出てこない。日本という国を21世紀仕様に変えるには、選挙制度を変革して、大選挙区制にすることが絶対に必要である。しかし、選挙制度の改革を行うのは、現在の小選挙区制で選ばれた国会議員である。それを考えると絶望的である。
11.平成元年1989年3月の、世界の企業時価総額ランキングでは、上位10社のうち、IBMとエクソン・モービル以外の8社はすべて日本企業である。それに対し、平成終焉の前年となる2018年9月は、7、8位にアリババとテンセントという中国企業が2社入っているだけで、他はすべてアメリカ企業となっている。日本企業は下をずっとみていくと、ようやく42位にトヨタ自動車が顔を出す。この2つのランキングを並べれば、平成がどういった時代だったのか一目瞭然である。さらに、株価指数の推移をみると、アメリカのダウ平均株価が9倍強、イギリスのFTSE総合株価指数も約3倍となっているのに、日本の日経平均株価はマイナス43ポイント。名目賃金の推移も、アメリカ、ヨーロッパとも約2倍だが、日本はマイナス7ポイント。平成という30年間はこのように他国に対して圧倒的な差をつけられた惨憺たる状況だった。
12.GDPの推移をみるとアメリカ、EU、中国が高い伸びを示し、2018年にいざなぎ景気を超えたはずの日本はほぼ横ばいである。これを「好景気が史ヒ最長期間続いている」という政府と、それを黙って聞いている国民には世界を見る眼も歴史を振り返る力もない。人口は、カナダ、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ドイツがみな増加している中、日本だけがピークを越え減り始めている。こんな状態なのに、政府にも国民にも危機感が感じられないのは、将来から借金をすることで体裁を取り繕っているからである。債務残高の国際比較をみると、日本がいかに多額の債務を抱えているかがわかる。EUには、加盟国は累積債務がGDPの60%を超えてはいけないというルールがあるため、債務残高130%のイタリアはEU本部から叩かれていて、債務削減に苦労しているが、日本の債務はそのイタリアをはるかに上回る238%である。少子高齢化で人口が減り続けているのに、これだけの借金を日本の将来を背負う人たちが返せるわけがない。これは明らかに国家による犯罪、現役世代による将来世代からの窃盗である。
13.ポルトガルは400年かけてゆっくりと衰退していったが、日本はここまでくるのにわずか30年しかかからなかった。ただ、それでもホームレスが街にあふれていないのがまだ救いである。この静かなる衰退のメカニズムをぜひ社会学者に説明してもらいたい。
14.日本を再生するためにまず行うべきことは、主権国家から地域国家へのシフトである。ただし、いまの憲法のまま政府主導で地方を創生しようとしても、それは絶対に無理である。第2次安倍改造内閣で石破茂氏が地方創生担当大臣を務めるも、何も実現できなかった。それは、日本国憲法第8章が足かせとなっているからである。憲法第8章には、地方公共団体は法律で定められた範囲で組織、財産を管理し、法律の範囲内で条例を制定し執行せよと書かれている。つまり、日本の地方には司法、行政、立法という三権がまったく与えられていないので、自治を行うにもやりようがない。議会はあっても法律はつくれない。国で定められた範囲内で条例を定めるのが関の山で、日本の場合地方自治体といっても、実体は中央から業務委託をされた出先機関(憲法では地方公共団体、と記載されている)でしかない。世界をみると、北欧のノルウェーやスウェーデン、西欧のベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)やスイス、アジア地域国家のシンガポール、香港といったクオリティ国家。ドイツのハンブルクやミュンヘン、イタリアの「第3のイタリア」などの都市国家。中国の北京、上海、杭州、深圳、インドのムンバイ、バンガロール、イギリスのロンドン、フランスのパリのようなメガシティに世界から人が集まっている。これからの繁栄の単位は主権国家ではなく地域国家である。
15.「毎日人がくる、企業がくる、情報がくる、お金がくる」。これが、かつて大前氏が「地域国家論』に記した地域国家繁栄の条件である。日本の地方もこの地域国家の競争にぜひとも参加してもらいたい。そのためにも地方に三権をできる限り移譲すべきである。。地方が小さいながら繁栄するには、3つの切り口がある。1つ目が、宗教。メッカ、エルサレム、バチカン市国などがそうである。2つ目が、リゾート。モルディブ、プーケット島、バリ島、サムイ島などのアジアのスーパーリゾート、スペイン・バスク州のサン・セバスチャンなどがこれにあたる。3つ目が、企業。代表的なのはスペイン北西部のア・コルーニャにあるザラで有名なインディテックス、ストックホルムのH&M、シアトルのマイクロソフト、アマゾンなどである。日本の場合はユニクロ(ファーストリテイリング)、日立製作所、旭化成のように、地方で成功するとすぐ東京や大阪に進出する傾向にあり、これも日本の地方創生がうまくいかない理由の1つとなっている。
16.1人当たりGDPと人口規模を繁栄の単位とすると、首都圏はカナダと同じである。関西は台湾とほぼ同じで、オランダよりも人口が多い。九州はベルギーに匹敵する。四国はニュージーランドと同等。このように、表にしてみると、日本を道州に分けた場合、ほとんどの道州は国家と肩を並べられるくらいの経済力がある。
17.平成は日本にとって失われた30年だった。次の元号、令和の時代に日本がやるべきことは、その失われた30年を取り戻すしかない。しかし、すでに半ば機能不全に陥っている国にその力はない。だから、道州制なのである。日本を北海道、東北、関東、首都圏、中部、北陸、関西、中国、四国、九州、沖縄の11の道州に分割し、憲法を改正してそれぞれに自治権を与える。各道州は知恵を絞って世界からヒト、モノ、カネ、情報を呼び込み、各道州の首都は発展を競い合う。日本の地方にはそれができるポテンシャルがある。道州が自治権を得てお互いに競い合うようになれば、いままでのように中央からの金と指示を待っているだけの自治体とは抜本的に違ってくる。この道州制が機能すれば、日本はポルトガルのようにはならず、再び輝きを取り戻すことができる。いまの世界はメガリジョンの競争によって、繁栄を呼び込む時代である。自分の税金で栄えているところはない。世界へあるいは大きな国では他の地方からヒト、カネ、モノ、情報を呼び込んで栄える。自国民に税金をかけて繁栄するとか、他国を搾取して栄える植民地支配の時代ではない。



yuji5327 at 06:49 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード