2019年09月02日

安倍政権は外国人材を5年で34・5万人受け入れる方針だが、日本の過酷な労働条件を改善しないと、日本は選ばれない。外国人労働者にとって日本は待遇がいい国ではない。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題10、角川新書、2019.6.10」は参考になる。「第6権憲政史.h最長政権へ。安倍政権は日本をどこへ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.平成か始まったころ、バブルはピークだった。平成時代とは、そのバブルがはじけてからの30年だった。東西冷戦が終わってからの30年と重なる。ところか、日本はまたデフレから抜け出せずにいる。2020年に東京オリンピック・パラリンピック、2025年には大阪・関西万博と国際的なイベントの開催を控え、政府はこれらを成長の起爆剤としてその後の発展につなげる。逆にこうした巨大イベントが終わってしまうと、大盤振る舞いのツケで不況に陥ると予測する人のほうが多い。日本が成長できないのはなぜか。かつて日本が高度経済成長を実現させたとき、アメリカの社会学者エズラ・ヴォーゲルは「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言った。モノ作り大国となった日本。世界から賞賛されたメイド・イン・ジャパンはソニーのウォークマンをはじめ、オートフォーカスカメラ、ラップトップ型パソコンなど数多くあった。当時は、ピラミッド型の指揮命令系統の中で優秀な人材が育ち、ヒット商品が生まれるとみられていた。
2.世界時価総額ランキングの10位までに7社の日本企業がランクインし、上位50社のうち32社が日本企業だった。しかし2019年3月末時点でのランキングを見ると、トップ10に入る日本企業は1社もない。1位はアメリカのマイクロソフト、2位がアメリカのアップル、3位がアメリカのアマゾン・ドット・コムと、1位から6位までをアメリカの企業が独占している。そして7位に中華人民共和国のアリババ・グループ・ホールディングで、、ベスト10のうち8社がアメリカで2社が中国。日本はトップ50社の中の45位にトヨタ自動車が入っているだけである。
3.アメリカのシリコンバレーには、世界の名だたる企業が集結しています。そこでひときわ巨大なオフィスを持つのがフェイスブック社である。2004年、当時大学生だったマーク・ザッカーバーグが創業した。「知らない人とつながれる」という画期的なアイデアで爆発的な人気を誇り、世界で22億人、3人に1人が使っている。
敷地面積は東京ドーム9個分。会社とは思えない雰囲気で、就業時間の決まりもなし。好きなスケジュールで勤務ができる。日本は部署ごとに島があり、決められた席に座る。フェイスブックは敷地内のどこで仕事をしてもいい。仕切りのないテーブルで、異なる部署の人も、ベテランも新人も隣同士に座って、思い思いに仕事をしている。そこから革新的なアイデアが生まれ。重要なのは仕事の「質」である。日本企業もこれまでの日本流の働き方をしていたら世界に勝てない。政府は生産性向上と日本経済の再生を図るために2018年6月29口、「働き方改革関連法」を成立させた。
4.2018年、安倍晋三政権は重要法案を次々と成立させた。森友学園問題などの陰で、「改正水道法」を成立させた。これは国民の命に直結する大問題なのに、2018年7月の通常国会で、わずか8時間の審義がなされただけである。この法改正で主要なポイントは水道事業の運営を民間企業が行うことが可能になる点である。日本に住んでいると、水道水が飲めるのは当たり前と思っているが、世界で水道水が飲めるのは、アイスランド、ドイツ、フィンランド、ノルウェー、南アフリカ共和国、アイルランド、オーストリア、デンマークの8力国だけである。日本と海外では水道水に対する考え方が違う。日本では、水道水は飲むことを前提としているが、海外では水は買って飲むものという認識が一般的である。水道水は洗濯や入浴に使うもので、飲むことを前提にしていない国が多い。
5.日本でなぜ水道法の改正が必要だった理由は、2018年6月18日に起きた大阪府北部地震により、老朽化した水道管が破裂し、断水の被害が相次いだ。京都でも水道管の破裂や漏水が大小含め年間5500件も起きている。水道管の法定耐用年数は40年と定められている。日本では高度経済成長期に一斉に上水道管路が整備されたので、日本全国でその水道管の寿命がきている。早く交換すればいいと思うが、水道管の更新は大変な手間と莫大な費用がかかる。古い水道管を撤去し、新しい水道管20m分を設置する工事に作業員7人。コストは総額252万円である。水道事業は各自治体の独立採算性で、赤字体質の自治体が多くなっているので、お金がないので水道管を取り換えたくても取り換えられない。
6.水道事業にも民間の力をというわけである。水道事業の民営化は以前から海外では行われているが、さまざまな問題が起きている。1999年、水道民営化に踏み切ったアメリカのアトランタでは、運営コスト削減のため職員を半分に減らした結果、メンテナンスが追い付かなくなり水道管が破裂。泥水が混じるなど水質も著しく悪化した。イギリスでは1989年に民営化したところ、水道料金が3倍になりました。一方でその水道業者の社長は年間4億円の報酬を受け取っていた。南米ボリビアです。水道料金が倍以上に跳ね上がり、抗議デモを武力で弾圧したところ200人の死傷者がでた。民間は儲けを出さなければ成り立たない。政府は「公共施設等運営権方式」を採用すると言い、運営権だけを売却し、所有権は自治体のままにして目を光らせるので海外のようにはならないという。
7.1987年、国鉄が民営化され、民営化されても地方の赤字路線も維持するという約束だったが、その後、法律が改正され、鉄道市業者は届け出を出せば赤字路線を廃止できるようになった。JR北海道では赤字路線が次々に廃止されたが、水道事業も、そんなことにならない仕組みが必要である。
8.2018年12月8日、改正入管法が成立した。外国人の労働者をどうするか、という話が出てきて、国会が紛糾したが、ものすごい勢いで強行採決された。背景にあるのは、深刻な人手不足である。地方へ行くと若い働き手がいない。たとえば広島のカキの養殖は、「技能実習生」という名の外国人労働者によって維持されている。
9.日本企業の99・7%は中小企業である。国民の約70%が中小企業で働いている。2025年に6割以上の経営者が70歳を超える。経済産業省の分析では、現状、中小127万社が後継者不在の状態にある。2017年、経営悪化により倒産した中小企業は8405件だが、黒字倒産は2万件を超えている。「痛くない注射針」で世界を驚かせた墨田区の小さな町工場の岡野工業も、後継者不在のため2018年に廃業となった。外国人に頼るしかないというわけで、法案成立を急いだのは、2019年4月の統一地方選挙と7月の参議院議員選挙に備えた安倍政権の選挙対策である。
10.人手不足に悩んでいる企業や農民・漁民などの自由民主党支持者から、早く外国人労働者を入れてくれと陳情されて解禁した。日本は移民を受け入れてこなかった。これまで日本が受け入れてきた外国人は、「高度な専門知識を持つ労働者」のみで、長期で働けるのは原則、医師やシステムエンジニア、教授などに限られた。しかしこれは表向きで、移民が合法化されていなかったので、「技能実習生」「留学生」というかたちで実際には大量の移民が入ってきていた。
11.いま日本のコンビニで働いている外国人の多くは、留学生として受け入れた人たちである。中には就学ビザが切れて、不法残留となっている留学生もいる。留学生は「週に何時間しか働いてはいけよせん」と決められているが、複数のアルバイトを掛け持ちしていてもわからない。「技能実習生」とは、日本で働きながら技術を習得して帰って自分の国で技術を役立てるという国際貢献の制度だが、日本に来てみたら、赤字を抱えた零細企業や、地方の農村、漁村で人手不足の穴埋めである。中にはまともな賃金が払われなかったり、上司に暴力を振るわれ、失踪する実習生もいて、大きな問題になっている。
12.今回の改正入管法は、留学生、技能実習生とは別枠で「特定技能1号」「特定技能2号」という在留資格を新設するものである。介護、建設、農業など、業種を限って、一定の技能があれば5年間は日本に住んでいいというのが1号、1号の中から、試験に受かった人は永住を認め、家族も呼んでいい、というのが2号である。
です。安倍首相は、これは移民政策ではない、と言っているが、実質的に「移民」である。国際的な移民の定義は「1年以上居住国を変更した人」である。
13.安倍政権はこの外国人材を5年で34・5万人受け入れる方針だが、日本は安すぎる給料や過酷な労働条件を改善しないと、受け入れを拡大したところで日本は選ばれない。外国人労働者にとって日本は待遇がいい国とは言えず、たとえば、日本は技能実習生の滞在期間は5年、シンガポールは14年、台湾は12年である。初期費用は日本の場合100万円から300万円かかるが、大韓民国は28万円、韓国は、制度改革を行った結果、外国人労働者に大人気の国となっている。韓国語を習得するための語学教室の費用は韓国政府が負担。困ったことがあれば母国語で相談ができる窓口を設置している。健康診断は無料、退職金(出国満期保険金)が出て、帰国の渡航費も負担してくれる。デメリットもある。待遇が魅力で今後、外国人労働者が増えすぎ、韓国人の雇用を奪ってしまう懸念もある。日本も、単純労働を禁じてきた外国人労働者受け入れの方針が、大きく変わる転機となることは間違いない。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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