2019年09月04日

米国と中国との貿易問題でも関税合戦を繰り広げ、ファーウェイを標的にしている。スマートフォンやおもちゃなど約33兆円相当の中国製品に最大25%の関税を上乗せする方針である。


「大前研一著:イランとは戦争しないトランプの裏事情、PRESIDENT、2019.8.2」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アメリカとイランの閲係が緊迫の度を高めている。仲介役を買って出た安倍晋三首相がイランを訪問したタイミングで、イラン沖のホルムズ海峡を航行中だった日本のタンカーなどが攻撃を受けた。トランプ大統領は証拠映像を示してイランの関与を断定したが、イラン側は断固否定している。
2.そうして両国の軍事的緊張が高まる中、今度はイランが領空を侵犯した米軍の無人偵察機を撃墜したと発表した。アメリカは「飛行していたのは国際空域」と主張、トランプ大統領は「イランは大きな過ちを犯した」とツイートした。偵察機撃墜の対抗措置としてトランプ大統領は限定的なイラン攻撃を一時承認したものの、イラン側に150人の犠牲者が出るとの報告を受けて、作戦実施の10分前に中止を命じた。ここまでくると、米軍のイラン攻撃は時間の問題のようにも思えるが、トランプ大統領はそこまで踏み込まないと思う。なぜならトランプ大統領の頭の中は、来年2月から始まる大統領選挙一色だからである。
3.このままイランとの戦いに突入したら、選拳戦が不利になるのは目に見えている。開戦1週間程度で決着をつけられるならいいが、イランはそれほど簡単な相手ではない。イランは大産油国であり、人口約8000万人、国土の広さは世界17位の大国である。ペルシャ帝国の伝統を受け継ぐ中束の先進国で、国民の教育レベルは高い。
4.イラクを支配していたフセイン政権はイスラム教スンニ派の少数派だったが、イランは最高指導者や国家元首以下、国民の9割以上がシーア派というシーア派大国で、宗教的な団結力や忠誠心は強い。経済制裁に慣れている国民は戦時下の窮乏にもそうそうくじけない。しかも、アメリカがイランと戦端を開いた場合、「反米」で同調しやすいロシアやシリア、イエメン、さらにはトランプ政権との関係が悪化しているトルコや中国などもイラン側に回る可能性がある。直接イランに与しなくても、この機に乗じてフーシー派やイスラム過激派がテロ活動を活発化させることも十二分に予想できる。
5.一方で湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン派兵のときのようにアメリカに協力して出兵する国があるか疑問である。まずヨーロッパ勢は協力しそうにない。トランプ政権イラン核合意{米英仏独ロ中とイランによる2015年の合意〕を勝手に離脱したことが一つの発端だからである。少なくともイランとの経済的な結びつきが強いフランス、ドイツなどは動かないだろう。イランを敵視しているイスラエルは間違いなくアメリカに同調する。しかし、やっとのことで総選挙に勝利した右派ネタニヤフ政権は盤石ではなく、汚職スキャンダルに揺れている。
6.イスラエルはハマスなどのパレスチナ武装組織との戦いは得意だが、越境して空爆したなどの例外はあってもイランと直接戦争したことはない。 対イランとなるといくつかの国が中間にあるので構えるところがある。従って、イスラエルがアメリカと組んでイラン相手にドンパチやるシーンは考えにくい。周辺国でいえば、アメリカから武器を大量に買っているサウジアラビアは一貫して「金持ち喧嘩せず」を貰いてきた。従って、後方支援に回ることはあるだろうが、直接前面に出るとは考えにくい。米軍が駐留するイラクもイランとの開戦を望んでいない。イラク領内にはイランが支援するシーア派民兵が多数入リ込んでいて、アメリカとイランが激突すれば、再びイラクが戦火にさらされる危険性が高い。せっかく安定してきたイラクがまた不安定化しかねないということで、米国内ではイラン攻撃を回避させるためのロビー活動も盛んに行われている。
7.1979年に起きたイラン革命はシーア派の宗教指導者ホメイニ氏による宗教革命だったが、これを嫌って国外脱出した人々が大勢いた。アメリカに逃げてきた人もいる。彼らは比較的インテリが多く、米国内で一定の影響力を持っている。アメリカにもイランにシンパシーを持っている人がそれなりにいる。再選が最大関心事のトランプ大統領はそうした国内情勢に目を配っているし、自らの大統領選にとって対イラン戦争が長引くのは得策でないこともわかっている。トランプ大統領の腹の内は「戦争回避」である。実際、「イランと戦争しようとは思わない」「前提条件なしで協議する用意がある」と公言している。
8.トランプ大統領は戦争になった場合、「かつて見たこともないような完全破壊が起きる」{国家の消滅}というあまり外交では使わない過激な言葉を用いてイランを牽制する。こうした相反する言動も、トランプ流の劇場型政治とらえると理解しやすい。トランプ大統領といえば実業家時代にテレビのリアリティ番組のホストMC兼プロデューサーをしていたことで知られる。複数の番組参加者が課題に挑戦して、最後の5分で番組ホストのトランプ氏が一人の脱落者を指名する。そのときの決め台詞が「お前はクビだ」である。サスペンスな展開で視聴者をハラハラさせて、「お前はクビだ」で落とす。トランプ大統領の政治ショーもこれに通じている。自分から相手を挑発してサスペンスを演出、「この先、どうなってしまうのか」と国民をハラハラさせておきながら、チープなエンディングで「オレがこの問題を解決した。オレだから解決できたのだ」とアビールする。まさにトランプ劇場である。
9.北朝鮮の核開発問題でも、当初は金正恩朝鮮労働党委員長を「ちびのロケットマン」と呼び、軍事攻撃を示唆して対立を煽った。初回の米朝首脳会談が決まってから注文をつけたり、中止をちらつかせて世界をハラハラさせたうえで、歴史的なコンタクトを演出した。手のひらを返して「優秀」「優れた交渉者」と金委員長を褒め称えるチープ・エンディングに世界が呆気にとられた。
10.2度目の米朝首脳会談が決裂して北朝鮮がミサイル実験を再開すると、安倍首相やボルトン米大統領補佐官は「国連安保理決議に違反する」と非難した。しかしトランプ大統領は「オレは気にならない。金正恩は信頼できる男だ」と言ってはばからない。「オレと交渉してから、北朝鮮はアメリカに届くミサイルは撃ってない。核実験もやっていない。オレだから北朝鮮を抑えられるのだ」という自分の物語にできれば問題なし。選挙戦の最後まで自分が決着できる形で北朝鮮力ードを取っておきたいのである。
11.中国との貿易問題でも中国と関税合戦を繰り広げ、ファーウェイをスケープゴート{標的〕にしてサスペンスを演出してきた。制裁関税第4弾は過去最大規模で、スマートフォンやおもちゃ、衣料品など約33兆円相当の中国製品に最大25%の関税を上乗せする方針を示している。もはや値上げは避けられないとして、米企業や業界団体は大反対しているし、一般消西貿者も騒いでいる。そうやって緊張感を高めておいて、「習近平と直接会って決着をつける」とトランプ大統領は息巻いていた。
12.トラブルの種を自分で蒔き、相手を罵って緊張感を高め、緊張の極みというときに直接会って取引に持ち込む。周囲が固唾を呑んで見守る中、何だかよくわからない合意をして握手、「素晴らしい会談だった」と矛を収める。G20の米中首脳会談もそんなドラマとなった。
13.イラン問題でもプロデューサーであるトランプ大統領の演出が随所に垣間見える。イラン合意を離脱して、対イラン経済制裁を再開した第一幕は、トランプファミリーと縁の深いユダヤ人国家イスラエルと、武器を大量に買ってくれるお客さん:サウジアラビアへのサービスである。もちろん大統領選に向けた国内のトランプ支持派に対する露骨なアピールでもある。しかし屈強なイランと本格的な戦争に突入する意思はないし、大統領選挙も不利に働く。従ってイランに対しては寸止めである。それでも「オレは言うことは言った。国連やイラン合意では核開発は止められない。だからオレがイランにタガをはめてやった」と自分が主役の物語にできれば選挙を戦えるのだ。
14.前回の選挙戦を含めて3年近く見てきたトランプ劇場はあまりにチープである。アメリカは世界の指導者ではなく単なる脅し屋で、しかも、世界の合意した枠組みをいとも簡単に破棄、離脱。損得だけで判断すると「日本は貿易で儲けていて防衛費の負担が少ない。ホルムズ海峡などをアメリカが守ってやる必要はない」と言うに及んで、いよいよ幕引きの引導を渡すときがきたと世界は感じている。アメリカの選挙民もそろそろトランプ劇場を見飽きたと感じているだろう。これがあと1年半後の大統領選挙で形となって現れてくることを祈りたい。



yuji5327 at 10:16 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
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 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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