2019年09月05日

オスマン帝国が600年続いた理由は寛容さにあった。キリスト教とイスラム教が共存しているアヤソフィアは、とてもいい教材である。


「池上彰と増田ユリヤ著:オスマン帝国の知恵・トルコ、PRESIDENT、2019.8.2」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.6月23日に、トルコのイスタンブールで市長選挙がやり直されたが、エルドアン大統領〔65)率いる与党「公正発展党」は、再び敗れた。前回の選挙での得票率は0・25ポイント差だったが、この選挙では9ポイントもの大差をつけられた。イスラム主義色の強い公正発展党に対して、野党の共和人民党は世俗派と呼ばれるが、世俗派がイスタンブール市長の座に就いたのは四半世紀ぶりだ。
2.3月31日に行われた統一地方選挙で最大の焦点といわれたのが、首都アンカラと最大部市イスタンブールの市長選である。アンカラでは最大野党・共和人民党の新人ヤワシュ候補が勝ち、イスタンブールでも共和人民党のイマモール候補が、元首相のユルドウルム候補に0・25ポイント、約1万4000票差で勝利した。ところが与党側は、不正があったとして票の数え直しを要求したうえに、選挙自体の無効まで出張し、再集計の結果も野党の勝利だったため、エルドアン大統領は選挙管理委員会に圧力をかけ、開票に公務員以外の人間がかかわっていたなどの理由で、選挙のやり直しを決めた。市民の間ではこうした経緯に不満が募ったため、投票前から野党候補のりードが伝えられていた。
3.エルドアン氏自身、1994年にイスタンブール市長になって名を上げ、2003年には首相になり、14年に大統領に上り詰め、17年には憲法を改正して大統領に権力を集中させた。いわば独裁化の道を歩もうとしていた。選挙に負けたことで、政権の求心力低下は避けられない。そもそも、経済が低迷していることと、エルドアン大統領の強権的な政治手法に対して、反発が強まっているから。エルドアン大統領は、イスラム教を強調することで.不満を解消しようとしている。
4.トルコは政教分離の国だが、「愛国心をあおるにはやはり宗教た」ということである。エルドアン大統領が権力を握ってから、モスクが次々に建設されて、イスラム色もどんどん濃くなっている。そもそもトルコは、歴史的に見て寛容な国です。ヨーロッパとアジアの懸け橋であり、「文明の十字路」と呼ばれ、キリスト教とイスラム教が共存してきた。その象徴が世界遺産になっているアヤソフィアである。
5.イスダンブールが東ローマ帝国の首都でコンスタンティノープルと呼ばれていた5世紀に、キリスト教の大聖堂として建てられた。ローマ帝国が分裂して、キリスト教は西ローマ帝国で力トリックになり、東ローマ帝国では東方正教会になった。その東方正教会の総本山が、アヤソフィア大聖堂だった。15世紀半ばに東ローマ帝国が滅亡して、イスラム教のオスマン帝国が入ってきた。スルタンのメフメト2世は、大聖堂がとても素晴らしかったから壊さずに、壁の上に漆喰を塗り、周囲にミナレットという塔を建てて、イスラム教のモスクに改装した。、漆喰の剥げた古い壁から現れたのは、キリスト教の聖母子像である。手前にある円盤には「預言者ムハンマド」や「アッラー」を表すアラビア文字が書かれている。ひとつの建物の中にイスラム教とキリスト教が同居しているのは非常に珍しい。
6.オスマン帝国は寛容政策を取ったことで有名である。他国を征服しても、その民族の宗教や文化、言語をそのまま認めた。だから、アヤソフィアも壊さず、モスクに転用した。高校時代の世界史では、国名をオスマン・トルコと習った。「右手にコーラン、左手に剣」を合言葉に「イスラム教に改宗するか、そうでなければ殺すそ」と脅しながら支配地域を広げていったと。しかしその後の研究で、改宗は行われず、税金さえ払えばキリスト教徒もユダヤ教徒も認めていたとわかった。
7.だからこそ、最盛期には北アフリカから紅海の両岸、ウクライナから南ヨーロッパまで領土を広げ、600年も国が続いた。民族的にもトルコ人だけでなく、いろいろな人がいたとわかったので、オスマン帝国と呼ぶようになった。第一次世界大戦は同盟国と連合国の戦い。オスマン帝国は同盟国側に加わって敗れ、領土の大半を奪われたのをきっかけに滅亡した。そのあとにできたのが現在のトルコ共和国である。初代大統領アタテユルクが、1934年にアヤソフィアを博物館とすることを決めた。モスクのままだと、イスラム教徒しか入れないので。文化財として修復や保存を行って、一般公開が続いている。
8.アタテユルクは、トルコを近代化するために政教分離を決め、アルファベットも導人。建国の父と呼ばれている。アラビア文字を右から左へ書いていたのが、いきなり左から右へ書くことになったわけだから、劇的な変革である。ところがエルドアンが大統領になった5年前から、トルコは急激におかしくなった。言論弾圧も強まっている。今年3月、エルドアン大統領はアヤソフィアをモスクとして使うと言い始めた。オスマン帝国が600年続いた理由が寛容さにあったことを、思い起こすべきである。キリスト教とイスラム教が共存しているアヤソフィアは、とてもいい教材のはずである。世界のあちこちで宗教や民族の対立が広まっている中、ほかの文化が造った建造物を破壊しないでそのまま使うというオスマン帝国の知恵が、求められている。



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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
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○公募展の受賞、入選
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