2019年09月11日

液晶や有機ELといった平面液表示装置の一つに、電子ぺーパーディスプレー(EPD)がある。EPDは、紙に似た表示品質を実現できる平面ディスプレーである。


「津村明宏(電子デバイス産業新聞編集長)著:電子デバイスの今、活用が進む電子ペーパー紙の用途を置き換えへ、週刊エコノミスト 2019.7.23」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.液晶や有機ELといった平面液表示装置の一つに、電子ぺーパーディスプレー(EPD)がある。EPDは、紙に似た表示品質を実現できる平面ディスプレーである。高精細な色表現や高速の動画表示は苦手だが、白地に黒の文宇や絵を表示するため視認性が高く、太陽光直下のような明るい場所でも鮮明に文字を判読できる。加えて、液晶や有機ELに比べて、消費電力が極めて小さい。こうした特性を生かし、主に米アマゾンの「Kindle」や楽天傘下の「Kobo」に代表される電子書籍端末に搭載されている。
2.現在使われているEPDは、マイクロカプセル型電気泳動と呼ばれる方式で文字や絵を表示する。帯電した黒と白の粒子および溶媒を入れたマイクロカプセルをプラスとマイナスの透明電極で挟み込んだ構造になっている。これに電気を流すと、白または黒の粒子が電極に吸い寄せられるため、白と黒の表示が切り替わる仕組みである。最近では、いったん文字や絵を表示させると、次に電気を流すまで表示を維持できる、極めて省エネなEPDも登場している。マイクロカプセル型.竃気泳動方式EPDの元になつたのが、電予インク技術を開発していた米国のベンチャー企業であるイー・インクだ。これを2009年9月に台湾のプライムビユー・インターナショナル〔PVI)が買収し、PVIは社名をイー・インクに変更した。その後、イー・インクは12年に同業の台湾サイピックスを買収し、EPDをほぽ独占的に製造・販売するようになった。
3.PVIは当初、韓国ハイディステクノロジーから買収した液晶ディスプレー事業も手がけていたが、現在はこれを終息させ、イー・インクとしてEPDに特化した事業を推進している。
4.電子書籍端末は現在もEPDにとって最大の用途であるが、現在これに並ぷ勢いで普及しつつある用途が篭子棚札、いわゆる店舗の値札である。EPD自体の視認性が高いことに加え、EPDと無線通信技術を連動させれば、特売日やタイムセールなどに応じて商品の値札を自由に書き換えることができる。手書きミスを防げるうえ、値札の貼り替え作業に人手をかけずに済むため、店舗オペレーションを大幅に効率化し、店員は接客など付加価値の高いサービスに集中できる。
5.これまでは一部店舗への試験導入に限られていたが、日本では家電量販大手のビックカメラが2月にオープンした町田店に全面導入したことを皮切りに、21年をめどに全店へ導入する方針を表明。これにエデイオンや上新電機なども続いており、普及に弾みがつく。こうした需要拡大に対応し、EPDの技術革新も続いている。従来は白と黒の2色しか表示できなかったが、イー・インクでは電子棚札用に黒+白+赤や黒+白+黄といった3色表示が可能なEPDを発売。さらに、シアン(青)、マゼンタ(赤〉、イエロー、ホワイトの4顔料マイクロカプセル化電子インクを使用し、8原色すべてを含むフルカラーを表示できるEPD「ACeP」も発売し、2月には伊勢丹新宿店のイベント告知用に採用された。
6.急成長している電子棚札に限らず、さらなる用途開拓も進めている。イー・インクの狙いは、まさしく「紙への印刷をEPDに置き換える」ことにあるためである。例えば、空港で手荷物を預ける際、手荷物にバーコードを印刷したシールが貼り付けられるが、スーツケースにEPDを搭載しておけば行き先情報などを小さな電力で自在に書き込み、書き換えることができるため、シールを使わずに済むようになる。
7.物流分野に関して、イー・インクは18年9月、富士通セミコンダクター、凸版印刷と共同で.バッテリーレスのEPDタグ・評価ボードを開発した。イー・インクの低電圧EPDモジュールと、富士通セミコンのUHF帯FRAMRFID LSIを組み合わせたもので、最長20cmの距離のデータ転送ができ、いつでもタグを更新できる。凸版が日本のコンビニエンスストアチェーン向けに開発し、物流管理業界や製造業にも順次提案していく方針である。
8.他の新規用途の一つとして、バス停などの交通表示板がある。イー・インクは18年2月、太陽光発電を利川した旅客情報ディスプレー技術のプロバイダーである英ベーパーキャスト・リミテッドと共同で会津バスのバス停留所にEPDサイネージのパイロット版を納人した。LPWA〔省電力広域無線)技術によって、バスの到着、時刻表、ルートデータ、ルート転送、サービスの変更および計画外のサービス変更といったリアルタイム情報を提供できる。日本には50万カ所以上のバス停留所があるが、90%に電源がなく、使用するディスプレーは低電力で、ネットワークケーブルを使わずに簡単に設置できる必要があるため、EPDが期待される。
9.医薬業界もターゲットにしている。イー・インクは17年10月、経皮吸収治療システムを開発している独LTSと共同で、スマートパッチのプロトタイプ開発パートナー契約を結んだ。開発するスマートパッチは、患者に経皮吸収によつて医薬品を簡便に投与する貼り薬で、関連する情報を表示できるEPDを搭載したもの。まず慢性疾患の治療をターゲットにして実用化を目指している。
10.18年4月には、医薬品や化学品の包装事業を手がける独ファウベルと、治験用医薬品パッケージ向けにスマートラベルを実用化したと発表した。バッテリーを使用しないEPDとRFIDタグを組み合わせ、必要に応じてラベルの情報を更新できるようにし、臨床試験時などのラベルの貼り替えの手間やコストを削減する。
11.教育関連もある。17年4月、イー・インクはソニー子会社のソニーセミコンダクタソリユーシヨンズとEPDを活用した商品開発などを行つ合弁会社を設立した。両社は04年からパートナーシップを築き、ソニーはイー・インクのEPDを搭載したデジタルペーパーや電子書籍端末などを商品化しており、18年6月には電子文書を紙のように読み書きできるA5サイズ相当のデジタルペーパー「DPT―CP1」を発売した。また、17年5月には、テラダ・ミユージック・スコアが世界初の2画面EPD楽譜専用端末「GVIDO」を開発した。13・3インチの2画面で楽譜とほぼ同サイズを実現し、内蔵メモリーやマイクロSDカードで大量の電子楽譜を1台で持ち運ぶことができるようにした。WiFi機能で楽譜の保存や楽譜の購入もできる。
12、EPDの適用範囲をさらに拡大するため、次世代技術にも手を付けている。イー・インクは6月、有機薄膜トランジスタ(TFT)技術を持つプラスチックロジック(香港)に出資すると発表した。プラスチックロジックが持つ有機TFT技術を使えば、電子インクに電気を流す基板や回路をフレキシブルにすることができるため、将来まさに紙のような薄さと柔軟性を持つEPDを量産できるようになる可能性がある。
13.イー・インクと異なるEPD技術を持つベンチャー企業も登場している。米クリアインクディスプレイズである。クリアインクは2月、中国の中小型ディスプレーメーカーの天馬微電子と開発パートナーシップ契約を結んだ。天馬はTFT駆動回路とEPDモジユール組立て技術を開発する。クリアインクは、18年5月に大手タブレットメーカーと初回注文で1000万ドル分のタブレット用デイスプレーを供給する契約を締結、19年から供給を開始すると発表した。19年1月には中国レノボから出資を受け、次世代タブレットを共同開発することになっている。EPDは今後ますます、私たちの身近にあふれるディスプレーとしてさまざまな用途に採用が広がっていく。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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