2019年09月14日

世界で最もキャッシュレス化が進んでいるのはスウェーデンで、98%を超えている。タクシーもクレジットカードで支払いである。クローネだとわからない。

池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題10、角川新書、2019.6.10」は参考になる。「第5章:AIとグローバル化の波に翻弄される私たち」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.学生たちから「AIによって将来、私たちの仕事はどうなるのでしょうか?」と質問されることが多い。Alは本当にそんなに万能ではない。今回の新元号が何になるか、AIに予測をさせたプロジェクトがあった。AIがさまざまなデータをもとに、予想される漢字2文字の組み合わせを考え出したAIが予想した元号は「日安」だった。見事にはずれた。元号にふさわしいか選定のルールが決まっている。過去に使われた247の元号を除外する。中国、などで過去に使われたものも除外する。明治(M)、大正(T)、昭和(S)、平成(H)と同じ頭文字になるものも除外する。これらの条件でアルゴリズムをつくると、かなり絞られるはずだが、当てることができなかった。AIに予想させた会社によれば、『万葉集』はデータに入れていなかった。これまでの日本の元号は、中国の古典から選ばれてきた。『史記』や、『論語』などのいわゆる四書五経などで、回数が多いのは儒教の書物からである。今回は「万葉集」で使われている漢字が設定されていなかったので、大外れだった。
2.安倍首相はわれず国書からでもいいのではないか」と、日本の古典を典拠とする意欲を見せていた。日本の古典の中から採用する可能性もあるという考えを、AIを動かした担当者が持っていたか?「万葉集』は、日本最古の歌集であるとともに、天皇や貴族だけではなく防人や農民といった幅広い階層の人々が詠んだ歌が収められ、「詠み人知らず」の歌も多くある。そこまで、アルゴリズムをつくった人が考えていれば、新元号「令和」を当てられたかもしれない。
3.AIは、大量の情報から一番適した答えを短時間で導き出す能力に優れているが、メリットばかりではない。例えば、2007年、アメリカのワシントンDCで、子どもたちの学力が低いことが問題になった。学力が低い原因は先生の教え方が悪いということになり、一大プロジェクトが組まれた。定期的にテストをし、子どもたちの学力水準がどれほど上がっていくか調べ、教えている先生をランク付けし、毎年、下位5%の教師を機械的にクビにすることにした、ダメな教師を排除していけば、生徒の成績は上がるとした。しかし、奇妙なことに、非常に教え方がうまく、生徒の成績を上げ、親からも信頼されてきた中学校の先生が下位5%に入り、学校をクビになった。おかしいと思って、教育委員会に基準を聞いてもわからない。小学校時代の答案用紙に改竄のあとが見つかった。教えている子どもたちの成績が上がらないとクビになると危機感を持った小学校の先生たちが、答案用紙の誤った答えを消して、正しい答えに書き換えて提出していた。
4.同じような例は、1983年、ロナルド・レーガン政権のもと、アメリカで『危機に立つ国家』という連邦報告書が出された。アメリカの学生・生徒の学力がどんどん落ち、アメリカの教育の危機的状況を訴えた報告書である。当時、大騒ぎになり、アメリカの教育は何が間違っているのか。アメリカの子どもたちに比べ、日本の子どもたちは学力が高い。どこが違うのか。日本の「学習指導要領」に倣って、アメリカ版学習指導要領をつくることになった。
5.アメリカの学生たちの学力が本当に下がっているのか検証された結果、学力が低下したのではなく大学へ進学する人の数が増えていたことが明らかになった。1980年以前は、アメリカで大学へ進学するのは限られた成績優秀者のみで、SAT(共通試験)を受けるのは、もともと成績がいい学生たちだけだったが、1980年代、大学進学率が急激に伸び、それまでなら大学進学を考えなかったような生徒たちもSATを受けるようになった。その結果、平均点が下がった。当時のアメリカの学力低下の裏に「大学の大衆化」があった。データだけで判断することが、いかに危険なことがわかった。
6.最近、アメリカで大きな問題になっているのは犯罪予測システムである。アメリカのペンシルベニア州の小さな町で、犯罪予測システムを導入した。町のどこで、何曜日の何時ごろ、強盗があるなど、どのような犯罪が起きているかを調べてデータを入れていくと、一定のパターンが出て、たとえば「金曜目の夜11時ごろ、このあたりでひったくりが多い」といった予測ができるようになった。ビッグデータが犯罪予測を可能にしたというわけだが、分析結果に基づいて、犯罪が発生する確率の高い地域・曜日・時間帯に重点的に警察官を配置しておけば犯罪の防止につながる。ところが、警察官の多くは白人です。白人警察官の中には一定の"偏見"を持っている人がいる。「悪いことをするのは黒人だ」と、決めつけて、黒人の若者を見つけると片っ端から職務質問していく。たまたまマリファナを持っていた黒人がいたりすると、白人警察官は、次々に黒人を逮捕しが、結果的に凶悪犯罪は減ったものの、「黒人の犯罪率が上昇する」というデータができあがってしまった。
7.データを蓄積し、ビッグデータを用いて犯罪を防ぐという、そういう技術だけでは不十分である。「社会」がそもそもどうなっているのかを知ることも大切である。人間を知る、社会を知るということは、Alには不可能である。
8.AIを進化させるには、大量の学習データが必要で、ビッグデータが不可欠である。ビッグデータを簡単に集められる中華人民共和国は、AIのディープラーニング(深層学習)において圧倒的に有利である。人口約13億人のビッグデータを独り占めにできるので、AIとビッグデータ、キャッシュレス社会がつながると、思いもよらないことが起きる。中国人は現金を使わなくなっている。中国から大勢の観光客が日本に来ているが、一番不便なことが,「日本に来て最初に財布を買わなければいけないことだ」という。中国では露店だろうと、QRコードの紙が貼ってあり、全てスマホでそのQRコードを読み取ると、一瞬にして支払いが完了する。中国人はほとんどアリババのアリペイを使っているので、アリババには膨大なデータが集まる。アリババの経営者は中国共産党の党員だから共産党の指示によって動いている。
9.日本でも経済産業省がキャッシュレス化を推進している。2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、電子決済の普及を進めている。2027年6月までにキャッシュレス決済比率を4割程度にしたいという。しかし、日本は現金払いが主流で、2024年の上期には新紙幣が発行されるので、キャッシュレス化に逆行している。
10.中国でキャッシュレス化が急速に進んだ背景には、偽札が多かったという事情もある。印刷技術も悪いので、中国で100元札を払おうものなら目の前で透かしてチェックをされる。しかもお札が汚れている。日本はお札がきれいで、ATMから出てきたお札はほんのり温かいのはATMの中で殺菌をしているからである。現金社会のままキャッシュレス化が遅々として進まない。日本より遅れていた中国が、日本を飛び越して一気にキャッシュレス社会に到達した。これを「リープフロッグ現象」という。文字通りLeap Frogである。電話も同様で、アフリカや中東などでは、固定電話の回線がないため、固定電話の普及を待たずに携帯電話やスマートフォンが急速に普及した。
11、たとえばケニアには地方へ行くと銀行がない。支払いができる銀行がないので、スマホで支払いができる「エムペサ」というモバイル送金サービスが普及している。ケニア人の9割が使っている。ケニアの田舎に取材に行ってお米の売買を見たが、一瞬で支払いが終わった。世界でもっともキャッシュレス化が進んでいるのはスウェーデンで、98%を超えている。100ドルをクローネに両替したが、結局、使わなかった。タクシーもクレジットカードで支払いである。ドルやユーロなら、日本円でいくら使ったか把握できるが、クローネだとわからない。カナダでは、1セント硬貨が廃止になった。キャッシュレス社会のメリットとして、コストの削減がある。お金を製造するのは無料ではない。紙のお札より、アルミや銅などを使うコインはコストがかかる。将来的には、それぞれの人がどんなお金の使い方をしているのか、すべて一括して管理ができるようにしたい。中国はまさにそれをやろうとしている。日本では2019年10月から消費税率が10%になる。「クレジットカードを使えばポイントを還元する」と、少しでも消費税増税に伴う負担を軽減するのが狙いだが、キャッシュレス社会にしようと誘導している。



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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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