2019年11月17日

日本ですらコントロールできない原子力発電は、ごみ収集もちゃんとできないのに管理できるわけない、とイタリア婦人が言った。

「半藤一利、池上彰著:
令和を生きる、幻冬舎、2019.5.30」は面白い。「第3章:原子力政策の大いなる失敗」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.非常用電源の、管理の重要性は痛いほど学んだはずだったのに、と思う。「原発は日本人ですらコントロールできない」と他国は学んだが、原発事故から学んだことも、あったにはあった。人びとの節電意識はいまや当たり前のことになった。再生可能エネルギーの施設増強が事故後、加速した。世界的にも新規投資が増え、それにともなって発電量も増えた。平成30年10月13日と14日の土日の2日間、九州では太陽光発電の一時停止、出力制御をした。朝の9時から16時までだが、使用予想電力を大きく超えて供給することになるから、原子力発電はそのまま供給しておいて、太陽光のほうを止めろ、と。
2.電力が増えすぎると供給が不安定になって、大規模停電が起きてしまう。ドイツでは、余剰電力を使って貯蔵できるようにする技術がすでに実用化されている。再生エネルギー発電の割合が急激に増えたことで、電力供給系統が不安定化していた。太陽光や風力などは気象条件しだいという面があるから、供給量が変動する。その調整を火力発霞がやっていたが、採算性の問題や環境負荷の問題などで次つぎと閉鎖された。そのため大規模な商用蓄電池プラントが求められ、ドイツ各地で、実用化がはじまっている。
3.日本の企業も参加している。日本では送電網をもっている電力会社の力が強いので、地域に合った発電・供給を実現する新しい取組みがうまくいかず、いつもギクシャクし、いまだに原子発電にしがみついている。ドイツは、メルケル首相が福島第一原発の大事故を見てエネルギー政策をすぐさま転換した。前の年にメルケルさんは従来の脱原発政策を緩和させて、運転延長の方針を打ち出したばかりだったが、あの事故を契機に原発廃止に明確に舵を切った。
4.「あの日本ですらコントロールできないものは止めるべきだ」と言った。イタリアでも、2011,年の事故後の6月、原子力発電の再開の是非を問う国民投票があって、政府の再開計画が否決されている。反対票を投じたご婦人が、ごみ収集もちゃんとできないイタリア人が、管理できるわけない、と答えていた。
5.当事国である日本の政治家は福島の大災害からまったく学んでいない。逆に、原発輸出に熱心になっている。原発問題は、平成が残した大課題である。事故後、国内の原発再稼働がままならず、ましてや増設もできなくなった。事故で多くのひとが避難生活を送るなか、原発の増設なんかとんでもない、というのが国民の偽らざる気持ちである。
6.あれから8年経つが、再稼働はいま9基である。事故前に54基あった原発は24基が廃炉の方針である。平成30年7月に閣議決定した新しいエネルギー基本計画でも、政府は原発の新増設を容認する、という文言の明記は見送った。政府はエネルギー基本計画で、2030年度までに総電力量に占める原発の割合を20%という目標を掲げている。この数値は30基を稼働させないと達成でないので無理である。
7.昨年末の、インドネシアの火山の噴火と津波のような天災が日本列島のどこかで起きたら、また原発がやられてしまう。日本には火山が山ほどある。いわゆる核のゴミ、使川済核燃料をどうやって最終処分するかという問題もまったく解決の目途がついていない。日本中、そこらじゅうに火山があり、あるいは地下水が豊富にあるから、核のゴミを埋めて超長期に安全に保管できる場所なんかない。
8.候補地を政府が勝手に選定したが、その第一段階の「文献調査」に入った自治体はひとつもない。いまフィンランドでは西部のエウラヨキ島という場所に、世界初の放射性廃棄物の最終処分場、「オンカロ」の建設が進められている。地下400m超のところに2020年から5000t以上もの廃棄物の埋設をはじめるという計画である。岩盤で地下水がまったーないところを選んで掘って、そこに、10万年貯蔵するという。
9.核廃棄物は水分による腐食が怖いので、鉄製の容器に入れた使用済核燃料を分厚い銅の容器に入れて地下坑に運ぶ。さらに地盤の揺れや浸水を防ぐ粘上状の素材で覆って、最終的にはトンネル自体もそういうもので埋める。日本はどこを掘ったって地ド水や温泉がふきだすから、無理ということで、国内にはもう展望なしと見て安倍政権は海外に活路を求めた。海外への原発輸出をアベノミクス、成長戦略の柱に据えた。官邸主導で民間企業の後押しをやった。安倍さんとトルコのエルドアン大統領のトップ会談で三菱重工の受注が決まったのが2013年である。ベノミクスは買いです。BuymyAbenomics!と宣伝したあ、翌年から台湾、ベトナムが、原発計画を凍結ないしは撤回した。
10.2017年に東芝がアメリカ・テキサス州の原発計画から撤退して、三菱もトルコの原発を断念(2018年)。2019年)に入るとすぐ、日立がイギリスでの原発計画を断念した。けっきょく原発輸出はことごとく失敗した。日本の企業が断念せざるを得なくなったのは、安全対策にコストがどんどん膨らんでしまって採算がとれないことがわかったからである。これが成長戦略の柱だったのである。
11.中曽根康弘氏は日本の原子力政策を推進したと自負しているが、原発事故を受けて「原子力の平和利用には失敗もあった」と言っている。「失敗」という言葉を使ったのは、初めて原子力発電研究に予算をつけたからである。1954年に国会に予算案を提出して成立させた。その額は2億3500万円。その金額の理由を問われてウラン235からとったと答えた。当時、中曽根氏は、読売の正力松太郎の参謀みたいな顔をしていた。この5年後には第二次岸信介内閣に科学技術庁長官として入閣し、原子力委員会の委員長になった。



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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
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