2019年11月27日

世界の年平均気温が100年当たり約0.7℃のペースで上昇している。今年も世界各地で熱波や豪雨などの異常気象が観測されているが、気候変動と地球温暖化の因果関係は解明されてはいない。

PRESIDENT (プレジデント) 2019年 11/29号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2019-11-08

「大前研一著:気候変動で対立する“G7対ブラジル”の裏事情、PRESIDENT、2019.11.1」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.南米アマゾンの熱帯雨林で過去最悪レベルの森林火災が続いている。アマゾンの60%以上を抱えるブラジル政府は軍を動員して消火活動を続けているが、9月を過ぎても収束するめどは立っていない。
2.ブラジルの国立宇宙研究所の発表によれば、今年年初から13万1600件上の森林火災がブラジル国内で発生した。2018年が約4万件だから、3カ月を残して前年の3倍以上の火災が発生したことになる。1月から8川までの焼失面積はブラジル国内だけで約4万3000平方km以上である。九州より広い規模の森林が失われた。
3.アマゾンの7月から10月上旬は乾期で、例年森林火災が発生しやすいが、今年の頻発ぶりは異常である。山火事の原因は落雷や木々が擦れ合って発生する摩擦熱など自然発火もある。しかし、多くの場合はたき火による失火や放火などの人災である。アマゾンの森林火災の原因もほぼ人災である。
4.熱帯雨林のような高温多湿の環境では、火災が発生しても時間経過とともに自然鎮火するのが普通である。しかし、アマゾンでは木材を得るために、あるいは農地や牧草地にするために森林伐採が行われてきた。伐採されて木が減少するとジメジメとした多湿環境が崩れて乾燥し、火災が起きやすくなる。さらに伐採した森を農地や牧草地にするために森林伐採が行われてきた。灰を肥料に使う焼き畑農業は伝統的に行われてきたし、牧草地にするために意図的に放火する畜産業者も少なくない。それらが同時多発的に発生する火災の原因になっている。
5.乾期に森林を燃やして、雨期に農業を行う焼き畑農業は、アフリカやアジアの熱帯雨林でも行われていて、やはり森林火災の発生源になっている。今夏、インドネシアのスマトラ島やカリマンタン島でも大規模な森林火災が起きているが、これも焼き畑が原因である。毎年のように焼き畑や森林火災による煙が隣国のシンガポールやマレーシアに流れ込んで、深刻な大気汚染を引き起こしている。
6.煙害のシーズンになるとマスクは欠かせないし、自動車は昼間からライトをつけて走っている。アマゾンでも森林火災の黒煙が3000km離れた最大都市サンパウロまで届いて、街全体が煙に覆われて真っ暗になるなどの被害が出ている。ブラジルのジャイル・ボルソナロ大統領は極右のリーダーである。選挙戦中に襲撃されて重傷を負いながら、18年10月のブラジル大統領選で初当選した。
7.ブラジルの経済発展を訴えて国民から支持されたボルソナロ大統領は、アマゾンを「重要な経済資源」と位置づけて農地開拓やインフラ整備のための森林開発を積極的に容認してきた。伐採や焼き畑によってアマゾンの森林は以前から減少傾向にあったが、ボルソナロ大統領の開発ポリシーによってそれが加速し、人為的な森林火災を助長した。記録的な数の火災を消し止める能力はブラジル政府にはない、と消火作業に消極的だったボルソナロ大統領に国際的な批判が高まった。
8.フランスのエマニュエル・マクロン大統領は「アマゾンの森林火災は国際的危機」という認識を示して、8月末にフランスで開催されたG7でもテーマに取り上げた。消火対策支援金としてG7諸国で約23億円を拠出することで合意した。しかしボルソナロ大統領はこれを拒絶し、「アマゾンを『助ける』というG7の国々の『同盟』は、我々を植民地か、誰のものでもない土地であるかのように扱う意図を隠している」と批判した。
9.「白慢のノートルダム大聖堂の火災を止められなかった国.を偉そうに言う。ブラジルの主権を尊重しろ」という。マクロン大統領の妻を巡って中傷合戦まで繰り広げたボルソナロ大統領だったが、「消火活動に真剣に取り組まなければ南米関税同盟との自由貿易協定{FTA〕を批准しない」とEUから脅されたリ、ブラジル製品の輸入規制や不買運動を求める声.が広がると、徐々に態度を軟化した。使い道をブラジル政府が決めるなどの条件付きでG7各国からの支援を受け入れることを表明した。消火活動にようやく本腰を入れて軍を投入、違法な伐採や焼き畑の取り締まりも強化した。
10.ボリビアやコロンビアなどアマゾンを抱える7力国の首脳らが協議して、大規模火災に対処するネットワークを構築したり、違法伐採の監視や森林再生などで協力していく協定を結んだ。
11.しかし、当事者たちだけでアマゾンの森林破壊を食い止めるのは難しい。いくらヨーロッパを中心とした国際社会が「アマゾンは地球全体の酸素の20%を供給する『地球の肺』、世界最大の執帯雨林を守れ」と叫んだところで、そこで暮らす人々にとってアマゾンは「酸素の供給源」よりも「生きる糧」、ボルソナロ大統領が言う「経済資源」である。
12.国際社会では批判されているボルソナロ大統領も、国内の支持率はおおむね良好である。大統領と同じように外国からの干渉に反発を覚える国民は少なくない。森林保護を国内政治だけで解決するのは難しい。森林火災の消火や森林保護にクラウドファンディングを利用する動きも出てきている。森林保護と開発のバランスが取れるように、上から目線にならない形で国際社会が力を貸していくことが必要である。
13.自然には再生能力があるから、焼け野原から若芽が芽吹いて、いつの日か森林は蘇る。高温多湿の熱帯雨林であれば、再生スピードも早い。しかし森林火災や開発によってアマゾンの熱帯雨林は「破壊」が進行している。世界の科学者たちが心配しているのは、執帯雨林の破壊が進んで再生不能の臨界点を超えてしまうことである。
14.世界最大のサハラ砂漠はかつて広大な森林地帯だった。アマゾンの破壊かこれ以上進行するとサバンナ化、さらには砂漠化するサイクルに突入する恐れがある。燃え続けるアマゾンの森林火災を地球温暖化の観点から懸念する声も多い。アマゾンの熱帯雨林は地球の酸素の供給源であるとともに二酸化炭素の吸収源であり、これを焼失することは地球温暖化につながるという見方である。
15、しかし、これは科学的とは言えない。確かに森林の草木は二酸化炭素を吸って光合成を行い、酸素を放出するが、同時に呼吸によって酸素を取り込み、二酸化炭素を叶き出している。草木が盛んに光合成している若い森林ならまだしも、アマゾンのような古い森林では光合成と呼吸がほぼ釣り合っているので、酸素と二酸化炭素の増減はゼロである。ただし、火災によって二酸化炭素や炭素の微粉「ブラックカーボン」が大量に放出される。ブラックカーボンは太陽放射を吸着するために、地球温暖化の一因になるといわれている。
16.地球温暖化といえば、9月23日に米ニューヨークの国連本部で各国首脳が地球温暖化問題を議論する「気候行動サミット」が開催された。温暖化対策の国際的な枠組みであるパリ協定が採択されたのが15年末。しかし、以降も温室効果ガスの排出増加に歯止めがかからない状況が続いている。そこでパリ協定の運用.が始まる20年を前に、国連事務総長の呼びかけで実現したのがこのサミットである。
17.各国首脳がパリ協定の目標達成のための対策をアビールした中で、会場を驚かせたのはパリ協定からの離脱を表明しているトランプ米大統領が姿を見せたことである。米政府の姿勢をアピールするでもなく、わずか15分で退場した。トランプ大統領は大統領選中から「地球は温暖化などしていない。でっちあげだ」と主張している。ブラジルのボルソナロ大統領も地球温暖化懐疑派である。
18.世界の年平均気温が100年当たり約0.7℃のペースで上昇していることは科学的に確かめられている。しかし、今年も世界各地で熱波や豪雨などの異常気象が観測されているが、そうした異常気象、気候変動と地球温暖化の因果関係は、いまだに解明されてはいない。たとえば地球自体の周期的な変化.が気候変動の要因ならば、いくら温暖化対策をしても異常気象はなくならない。
19.それでも地球温暖化が人為的なものであり、二酸化炭素などの温室効果ガスを削減する温暖化対策に早急に取リ組む必要がある、という考え方はヨーロッパを筆頭に国際社会の主流になっている。対して、「地球温暖化の責任は先進国にある。温室効果削減を我々に押しつけるのは先進国のエゴ。俺たちにも成長する権利がある」というのが途上国の言い分である。アマゾンの森林火災をめぐる温度差の根底にもこの対立がある。政治的には解決が難しい問題で、上から目線ではない世界ファンドを作るしかない。


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環境 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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