2019年12月04日

人類は平和になってきた。集団間の競争の種はあっても、戦う以外の選択肢もある。現代の世は、紛争解決のために他の道を目指す。


「長谷川眞理子(総合研究大学院大学学長)著:人類が刻んできた戦争の歴史動物にもある"戦いと闘争" 週刊ダイヤモンド、2019.10.26」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.人類は、有史以来ずっと戦争をしてきた。20世紀の2つの世界大戦は言うまでもなく、紀元前のペルシャ戦争、モンゴルのチンギスハンによる侵略と虐殺、中米のアステカ文明での戦争など、戦争と虐殺の事例は枚挙にいとまがない。
2.ヒト以外の動物でも、このような戦争はあった。区別しておかねばならないのは、個体同士の攻撃と、個体が集まった集団同士の攻撃である。同じ種に属している個体同士の聞では、食物や配偶相手を巡る競争がかなり激しい。そこで、同種の個体間には、しばしば攻撃行動が見.られる。しかし、相手を殺すところまで攻撃がエスカレートすることは多くない。例外は雄による子殺しである。サルの仲間やライオンなどで、新しく群れを乗っ取った雄は、その群れにいる離乳前の赤ん坊を全部殺すことがある。それは、前の雄との間に生.まれた赤ん坊に雌が授乳していると、その間、雌は発情しないので、新しい雄自身の繁殖のチャンスが奪われるからである。赤ん坊を殺してしまえば、雌は発情し、その雄の配偶のチャンスが来る。これは、繁殖を巡る競争が非常に強い場合の雄の戦略である。シカなどの有蹄類は、雄同士が角を突き合わせて戦う。雌や縄張りの獲得が目当てである。そのとき、運悪く角が刺さってしまえば、それがもとで死んでしまうこともある。このような闘争による雄の死亡率は、1〜3%ぐらいと推定されている。負けそうだと判断したら、雄は戦いをやめて退却するので、死に至るケースは少ない。
3.個体同士の間の攻撃でなく、集団同士の戦いは、群れを作って一緒に暮らしている動物では、餌や縄張りを巡って、集団間の闘争が起こることがある。例えばライオンは、血縁関係にある雌同士が集まって群れを作っている。別の集団の雌とは血縁関係にない。そして、雌の集団同士の間には、縄張りを巡る激しい競争がある。.雌の中で一番順位の高いアルファ雌は、周囲の群れが縄張りを荒らしに来ないか、常に見張っている。そして、別の集団が近づいてくると、彼女が先頭に立ち、みんなで結束して闘争する。この戦いで傷つく雌もいるが、どんどん殺されることはない。形勢が悪いとみた方の群れが撤退するからである。
4.ライオンというと、たてがみの立派な雄を思い浮かべるが、雄は、このような戦いには関係しない。彼らは、よそからやって来て、群れに居候させてもらっている身であり、ライオンの群れとは、血縁関係にある雌たちの集団である。霊長類であるチンパンジーは、ライオンとは逆で、こちらは、血縁関係にある雄たちの集団である。チンパンジーの雄同士は、時に結束して、隣接する集団を襲う。野生チンパンジーの行動観察は、幾つかの場所で、何十年にもわたって続けられており、長期研究から明らかになったのは、彼らが隣の集団を襲ってそこの雄を殺してしまうことがある。そんなとき、群れの雄たちは、音を立てないように注意しながら、みんなでこっそりと隣の縄張りに侵人する。そして、単独でいた雄を見つけ、みんなで襲い掛かって殺してしまう。
5.タンザニアのゴンベ国配公園のチンパンジーの観察では、このようにして1匹、また1匹と雄が殺され、一つの群れが消滅してしまったことが記録されている。そうなると、雌は全.部、勝った方の群れに合流する。こうして、勝った群れは、餌も雌も手に入れる。これは、ヒトが行う戦争という行為に一番近い。自集団と他集団との区別があり、相手を襲うという計画のようなものがある。
6.ヒトの戦争では、ヒトは、同じ文化を共有する「内集団」と、そうではない「外集団」とを区別し、内集団で互いに共感することにより、目的を共有し、自己犠牲も厭わない。また、物事の因果関係を推論することができるので、競争の状態や戦ったときの結果、何をすれば相手を確実に殺せるかなどを理.解できる。このあたりは、チンパンジーとは違う。昔からのさまざまな部族社会において、集団間戦争がどのくらいの頻度であったのか、その様牲者はどれほどであったのかを調べた研究がある。それらによると、狩猟採集民、農耕民、牧畜民などの小規模な伝統社会においては、集団間の戦いは1年から5年に1度ぐらいは起こっていたらしい。いつもほとんど戦争状態という社会も多くあった。
7.そして、年間10万人当たりにして40人から700人ぐらいの犠牲者が出ていた。米ニューヨークの殺人率が高かったときで、殺人の犠牲者は10万人当たり10人ほどだったので、この数字のすごさが分かる。
8.2016年に、ケニアのトゥルカナ湖のほとりで1万年前の狩猟採集民の遺跡が見つかった。遺骨の状態を調べたところ、何人ものヒトが虐殺されていたことが分かった。多くの骨に、明らかな撲殺の跡があった。戦いの原因は不明だが、先史時代の狩猟採集社会も、平和とは限らなかっ。
9.進化心理学者のスティーブン・ピンカーは、戦争をはじめとするあらゆるタイプの暴力の人類史を研究し、有史以来、現代に至るまでの間に、人類の暴力が徐々に減ってきたことを明らかにしている。2度の世界大戦や、最近のテロ事件などはあるが、大筋として、人類は.平和になってきている。集団間群れの競争の種はあっても、戦う以外の選択肢もある。現代の世に近づくにつれ、人命は尊いものとなり、紛争解決のために他の道が目指されるようになってきた。-


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
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