2019年12月13日

ヒューマニズムのための戦争という新しい戦争理論が主張された。宣戦布告なしの空爆は、国際法をまったく無視している。


「半藤一利、池上彰著:令和を生きる、幻冬舎、2019.5.30」は面白い。「第6章:戦争がない時代ではなかった」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.平成の時代、世界では、たいへんなことが起きていた。日本の国の元号が変わっても世界には関係のない話である。世界は西暦で動いている。ちょうど平成がはじまった頃に東西冷戦が終わった。平成の30年間というのは、東西冷戦が終わってからの30年ということになる。東西冷戦時代の世界は社会主義陣営と資本主義陣営の2つに分かれていた。それぞれに敵対していたが、それでも大規模な戦争、つまり第三次世界大戦を起こさないことは、ともに重要な課題だった。
2.ソ連とアメリカの、自分の陣営に勝手な真似はさせなかった。両陣営の接点である朝鮮半島やベトナムにおいては局地的な戦争が起きたが、それ以外の場所では抑えつけていた。核抑止力もあるなかで、ある種平穏な時代でもあった。
3.東西冷戦が終わってソ連がなくなり、イラクのフセイン大統領は、クウェートを自分のものにしてしまおうと攻め込み、て湾岸戦争が始まった。ユーゴスラビアのカリスマ指導者チトーは、資本主義諸国と対立するいっぽう、ソ連のスターリンの言うことは聞かず、ソ連に従わないという独自路線をとっていたので、ソ連から攻撃されるかもしれないという危機感を、ユーゴスラビアは絶えず抱えていた。
4.ソ連から離れようとした東欧のハンガリーやチェコスロバキアは50年代、60年代にソ連軍に攻め込まれていた。そういう危機感のもとでユーゴスラビアは、カリスマ指導者による統一がなされていた。6つの共和国。5つの民族、4つの言語、3つの宗教」などと言われていて、民族も宗教も言語も違う人たちが集まっていたが、きわどくまとまっていた。
5.チトーが死んで、ソ連が崩壊。危機感がなくなった結果、バラバラになっていく。クロアチアやスロベニアが独立し、さらにボスニア・ヘルツェゴビナが独立しようとしたら、ここで独立派のクロアチア系住民と、いまはボシュニャク人と言うイスラム教徒の人たち、さらに独立に反対するセルビア人の住民とこれを支援するセルビア国(ユーゴスラビア連邦維持を主張)が対立して、内戦状態:ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争になら。イスラム教徒と言っても民族的にはクロアチア系だったり、セルビア系だったりする。
6.クロアチアは力トリックで、セルビアは東方正教会のセルビア正教とあって、民族はおなじでも、宗教が違う場合もある。そして、オスマン帝国に支配されていた時代にイスラム教に改宗したセルビアやクロアチア系のひとたちが、ひとつの「民族」としてボシュニャク人と呼ばれるようになった。こうしてソ連崩壊後、複雑に人り組んだ勢力の三つ巴の戦争になっていった。
7.1992年、ユーゴスラビア連邦が壊れていくなかで、宗教的とも民族的とも言える、錯綜した抗争がはじまった。それはたとえば連邦からの独立戦争だったり、主導権争いの内戦であったりした。いずれにしても各地で凄.惨な戦闘、虐殺や無差別攻撃など、散々な殺戮殺教が行われた。その旧ユーゴでNATO軍が空爆をはじめるのが、7年後の1999年。セルビア政府に対してセルビアの南端に位置するコソボ自治州のアルバニア人が分離独立を要求したことがきっかけだった。ユーゴ紛争が起きてからセルビア共和国は「大セルビア」構想を唱えていて、分離独立派に武力攻撃を行っていた。その過程で「民族浄化」と呼ばれた、イスラム系住民に対する大量虐殺が行われた。
8.それをうけてNATOはアルバニア人の人権擁護のために、「人道的介人」として空爆に踏み切った。「ヒューマニズムのための戦争」という新しい戦争理論が主張されたのを見て、びっくりした。宣戦布告もせずに、いきなりの空爆は、国際法をまったく無視している。これが通用するなら、なんでも「ヒューマニズムのためにやっつけろ」となりかねない。ただ、NATOは事前にセルビアに対して警告している。米英仏とロシアなどが仲介して、調停をしようとした。9.NATO軍の攻撃の可能性をチラつかせて交渉したが不調に終わっている。それを経てNATO軍の攻撃となった。NATO軍は首都のベオグラードを空爆した。独立国であるセルビア共和国への空爆だから、これは戦争だった。国連安保理の承認も必要である。NATO軍司令官は「戦争ではない」と言っていた。このときセルビア側が一.方的に悪者にされたが、かならずしもそうではなかったという報道もその後出てきた。
10.「人道的介人」にもとつく空爆は、コソボ紛争の前、ボスニア内戦でも行われていた。ボスニア内戦では、国連から派遣された責任者、明石康さんが懸命にセルビアに停戦を働きかけたがダメだった。NATOは明石さんのやり方は手ぬるいと言って、明石さんを追い出した。NATOは「人道的介入をする」と宣言してセルビア勢力を攻撃した。国際社会ではその是非について議論が起きた。「武力介入による紛争解決」の結果、ボシュニャク人とクロアチア人の虐殺を防ぐことができたのだとNATOはその正当性を主張した。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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