2020年01月01日

オランダはバブルが弾けて、チューリップが美しく残った。日本はちっぽけなコインパーキングが残った。


「半藤一利、池上彰著:令和を生きる、幻冬舎、2019.5.30」は面白い。「第7章:日本経済、失われつづけた30年」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.いわゆる土地神話を日本人は信じ込んでいた。日本は土地が少ないのだから、下がるわけはないと信じ込んでいた。ちょっと下がったところで、的なもので、値段はすぐまた戻るとみながタカをくくっていた。しばらく不良債権処理をしなかった。みんなが土地を担保に金を借りており、金を返せなくなった場合は担保である土地を銀行が取り上げて、それを処分し換金する。土地の値段が下がっているときに処分すると損失が出る。土地を処分しないで我慢してもっていれば、いずれまた土地の値段は上がるはず、と見ていた。2.帝国陸海軍においても、「あるはずだ」と「あろうはずがない」が幅を利かせていした。これは、なぜか説得力をもつ。破竹の勢いで勝ち進むナチス・ドイツがイギリスに負ける「はずがない」。ソ連はドイツに牽制されてしまうから攻勢を日本にしかける「はずはない。欧州と太平洋と二正面作戦に力を引き裂かれたアメリカは戦意を失う「はず」だから、有利な条件で講和に持ちこめばいい。そうなるに違いない、と、ドイツの勝利をあてにして開戦へとぐんぐん歩を進めた
3.先送り体質もある。いまやると損害が出るからとりあえず先送りすればいい。銀行員は1カ所の担当がせいぜい2年か、3.年。いずれ異動する。不良債権処理をすると、それを決裁した先輩の偉いひとたちの、貸し出しの失敗を露わにしてしまう。そうすると自分の出世が危ないので先送りをする。ところが予想に反して地価はどんどん下がっていって、傷を深くした。どうしようもなくなり、銀行が潰れはじめた。土地は本来日本人みんなのもので、れを投機の対象にしたのがそもそもいけない。
4.有名な経済評論家が、「財テクをやらない経営者は無能だ」と言った。あの頃未来学というのが流行って、語られる未来はやたらと明るかった。ある会社の社長は、同業他社が財テクをやって儲けているときに、その会社はやろうとしなかった。社員は土地を買って、財テクをすべきだと社長に強く提案したが、社長は「そんなことをしてはいけない」と言っていっさい手を出さなかった。バブルが弾けたあと、同業他社はみな深い傷を負うが、その会社だけは無傷だった。
5.バブルは、過去に何度もあった。日本では、江戸が終わって明治になった頃、失職した武士のあいだでウサギを育てるのが流行り、一大ブームになった。ウサギが高い値段で売買されるようになったが、過熱ぶりを抑えるために政府がウサギ税を課すと、いっきにブームは去り、弾けたウサギバブルというのがあった
6.戦前の昭和は貧しいイメージが強いが、1933年ぐらいから景気がぐんぐん好転して、昭和12年の経済成長率は23.7%である。1927年にはじまった金融恐慌からすっかり立ち直った。昭和12年は、前年の軍事クーデター未遂「2・26事件」による緊張感を引きずって明けるが、日本経済は好景気に沸いていた。それでいい調子になったのが陸海軍である。
7.昭和12年に海軍は超弩級の戦艦、「大和」(排水量7万2000トン・乗員約3300人建造)をつくりはじめ、陸軍はこの年の7月に日中戦争を始めた。昭和史を見てもバブルというのがいかに危険かということがわかる。
8.バブルは18世紀初頭のイギリスでもあった。南海泡沫事件である。当時の英国政府は財政危機にあり、それを解決するため政府負債を国策会社・南海会社に引き受けさせた。そのかわり中南米の独占貿易権を与える。この会社の株価が暴騰したことで、短期間に投機熱が高まって、根拠のない株価の値上がりに人びとが狂奔した。しかし株価は急落し、多数のの破産者や自殺者を出した。
9.有名なのはオランダのチューリップ・バブルである。17世紀前半のこと、これが世界初の投機バブルとされている。オスマン・トルコからもたらされたチューリップの球根に、見る見るとんでもない価格がついた。あるとき、冷静になったとたん価格が暴落し、バブルが弾けた。その結果としてオランダには美しいチューリップ畑が残った。
10.平成の日本は、都内には、なんでこんなところにコインパーキングが、と思うことがある。クルマが、2台か4台しか駐車できないような狭いコインパーキングがある。バブルの傷痕である。バブルの頃、地上げ屋が住宅の密集している東京の下町の土地を手当たりしだい買い占め、更地がポコポコ空くことによって、居残った家に圧力をかけて処分させた。いずれ広い更地にして高層ビルを建てようとしたが、途中でバブルが弾け、あちこちに空き地が残った。それがコインパーキングになった。オランダはバブルが弾けて、チューリップが美しく残った。日本はちっぽけなコインパーキングが残った。


yuji5327 at 06:45 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード