2020年01月08日

中国が、この40年で急速に大国化したわけ。日本が30年以上にわたって経済停滞している原因、に秘められたポイントを吟味する。


「大前研一著:中国にあって日本にない"国家繁栄システム、日本が学ぶべき中国大発展の原因と戦略、PRESIDENT、2019.12.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.10月l日、北京の天安門広場で中国建国70周年の祝賀大会と過去最大規模の軍事パレードが行われた。70年前の1949年10月l日、初代国家主席である毛沢東は天安門で建国を宣言した。同じ壇上に立った習近平国家主席は70年間の祖国復興の成果を改めて強調しつつ、以下のように演説した。
2.今日、社会主義の中国は世界の東方に高くそびえ立ち、いかなるパワーも我々の偉大な祖国の地位を揺るがすことはできない。いかなるパワーも中国人民と中華民族の前進を阻むことはできない。我々は『平和統一』『一国二制度』の方針を堅持し、香港とマカオの長期的な繁栄安定を維持し、海峡両岸関係の平和発展を推進し、すべての中華民族を団結させ、祖国の完全な統一の実現に向かって引き続き奮闘しなければならない。
3.香港や台湾の情勢に目配りしながらも、アメリカに比肩する超大国になった自信とプライドが滲む演説だった。中国が小平体制の下で改革開放政策に舵を切ったのは78年のこと。当時の中国は、毛沢東の経済政策の失敗と文化大革命の混乱で経済が疲弊し、ほとんどの国民が貧困に喘ぐ世界最貧国の一つだった。
4.改革開放政策以降、中国は飛躍的な成長を遂げ、2010年には日本を抜き去って世界第2位の経済大国まで上り詰めた。78年当時、中国の国民一人当たりの国民総所得門(GNP)は200ドル程度。それが18年には9470ドルに拡大した。日本は4万4420ドルだった。減速したとはいえ、18年の中国の経済成長率は6・6%。名目GDP〔国内総生産〕は日本の2・6倍に達している。
5.近代以降、「眠れる獅子」と言われ続けてきた中国が、この40年で急速に大国化したのはなぜか。日本が30年以上にわたって経済停滞している原因と処方箋を探るうえでも、中国の大発展の原因と戦略に秘められたポイントを改めて吟味してみる。人によっては大国化した理由は非常に簡単で、もともとそれだけの素養や能力があると指摘する。中国人は総じて教育熱心だし、頭もいい。
6.四川省の成都郊外に都江堰という名所旧跡がある。紀元前3世紀の中頃、秦の時代に蜀郡の郡守父子が民衆を率いて建築した古代の水利施設で、世界文化遺産にも登録されている。簡単言えば、竹と石{現在はコンクリー}で組み上げた人工の中州で、長江の支流であるみん江の流れを分水することで洪水を防ぎ、農業の灌概用水に引き込む仕組みになっている。
7.都江堰の圧倒的なスケールと科学的な構造を目の当たりにすると、2300年ほど前にこれだけの公共工事を成し遂げた中華文明の奥行きに感嘆する。2000年にわたって構築された万里の長城。北京から杭州まで延びる2500kmもの京杭大運河なども7世紀には完成している。そして、紙、印刷、火薬、羅針盤は士耗中国の4大発明と言われる。中国の製紙法や印刷技術が751年にタラス{イスラム〕、さらにヨーロッパに伝わって15世紀にグーテンベルクの活版印刷が花開いた。近年は「パクリ」のイメージが強いが、中国人の創造性、創意工夫する能力は歴史に裏打ちされている。
8.中国が大国化した重要なファクターの一つはやはり巨大な人口である。改革開放政策によって自由主義や市場経済のノウハウが導入され、一部の人間.か先に豊かになることが奨励された。当然、社会主義の計画経済下ではなかったような競争原埋が働くようになる。人口が巨大なだけに、一度火がついた競争のダイナミズムは社会を押し上げるパワーがある。
9.競争こそが成長、進歩の源泉であり、豊かになるための仕掛けなのだ、というと何となく資本主義のようだが、実はそこが非常に重要である。ある意味で、今の中国はアメリカよりもはるかに資本主義が徹底している。eコマースから流通、金融まで中国社会を広く支配しているアリババのような企業は、アメリカだったら独占禁止法でかなりの制約を受けているはずである。中国には今のところ、そうした規制がなく、むしろ2っあった鉄道会社が合併して世界最大の鉄道会社が誕生しているし、独占的だった国営企業のチャイナモバイル(中国移動通信〕がスマホ全盛の時代になって民間の新興企業に押されて劣勢に立たされている。
10.優勝劣敗という意味では中国の資本主義は行き着くところまで行っている。「共産党万歳」とさえ言っていれば、政府は経営に干渉してこないから、資本主義の権化のような手法、つまり「金を持っているヤツが強い」という論理がまかり通る。それがこの15年ぐらいで中国企業が世界的に強くなった最大の理由である。
11.もう一つ、巨大人口のメリットについて言えば、安価な労働力がある。たとえば産業革命期のイギリスでは資本家と労働者が分かれて、労働者が酷使された。アメリカではアフリカなどから連れてこられた黒人が奴隷として労働力を提供した。そのような二重構造が中国社会にもあって、中国の場合は農村戸籍と都市戸籍という2つの戸籍が存在したことが廉価な労働者の確保につながった。
12.都市戸籍はもともと都市部の国営企業の従業貝など一部エリートのための戸籍で、教育や就職の自由などが認められているし、さまざまな社会保障が受けられる。しかし農村戸籍者にはそれらがなく、都市部では下級労働者として差別、区別されてきた。貧しい農村から仕事を求めて都市にやってきた農村戸籍者は「農民工」と呼ばれ、その数は3億人とも言われる。彼らのような低賃金の労働力が製造業の繁栄をもたらし、都市の発展に寄与し、中国の経済成長を支えてきた。
13.同じ人口大国のインドに比べて中国の経済大国化が進んだ大きな理由の一つは共産党一党独裁の政治体制にある。民主主義のインドでは改革しようにも、ついてこられない人々が5年に一度選挙で反対票を投じるからなかなか前に進まない。その点、中国は全体主義だから、北京政府の号令一下で前進できる。さらに大国化を促した重要なポイントを挙げれば、一党独裁の政治体制でありながら、地方自治が日本よりはるかに進んでいる。地方自治と言っても、選挙で首長が選ばれるわけではない。地方政府のトップの人事権は北京の中央政府が握っている。中国の地方都市には行政トップの市長と、お目付役兼裏方役の党書記がいて、いずれも細かな人材データを持っている北京が任命する。
14.クビを切るのも北京で、中国では3つの条件のどれかに当てはまれば市長はクビになる。1つ目は経済成長7%以下を3年続けること。2つ目は自分のテリトリーで起きたストライキや暴動を放置することで、一発でアウトである。中国では国防予算より、公安予算のほうが大きい。3つ目は汚職・腐敗で、本人が汚職をしても、部下がやってもダメ。一昔前まではそれも建前で汚職が横行していた。贈収賄の抜け道として編み出されたマカオのカジノを利用したマネーロンダリングである。しかし、習近平+王岐山の指導部か反腐敗キャンペーンに乗り出してからそれも使えなくなった。
15.以上が市長がクビになる3つの条件だが、逆に言えば3つの条件に抵触さえしなければ、ほかは自由に何をやってもいいというのが中国の地方自治の素晴りしさである。日本の霞が関のような中央集権的な規制がない。土地をどう使うか、建物をどれくらいの高さにするか、街をどうやって発展させるか、財源をどうするか、自分で自由に決めることができる。権限を与えたのだから自由にやれ。その代わり7%成長できなかったらクビというわけである。
16.大前氏はいくつかの都市の経済顧問をして実際に仕事をし、「アドバイスすると数年後に実現する」という信じられない経験を何度かしている。また、その経験を中国国営放送のCCTVが番組で紹介すると、その都度数十を超える自治体から経済顧問の要請があった。自治体間の競争の激しい。日本で地方の競争と言えば、霞が関での予算の分捕り合戦を意味し、限られたパイの奪い合いである。
17.中国の地方都市にパイを奪い合うという発想はない。そもそも北京政府はパイを用意してくれない。中国の市長が目を向けているのは世界。世界から自由にヒト、モノ、カネを呼び込んで発展を競い合う。成長と発展の原資は土地。中国では土地はすべて共産党政府の持ち物だから、農民から取り上げるのはわけない。それを開発して商業地として世界中に売る。正確に言えばリースするのだが、それで土地の値段は50倍にも、100倍にも膨れ上がる。これが中国共産党の土地マジックである。そうやって数百の都市が発展を競い合うことで、中国は加速度的に大発展を遂げた。



yuji5327 at 07:06 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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