2020年01月18日

インターナショナルスクールやインターナショナルコミュニティもある便利な街だが、中国本土から見れば香港の存在価値は大きく低ドしている。

PRESIDENT (プレジデント) 2020年 1/31号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2020-01-10

「大前研一著:"嫌香港"が中国本土で急増中、PRESlDEN 2020.1.3」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国が大国化した理由と戦略について考察した。巨大な人口と広大な国土、奥深い中華文明の歴史は、大国化のファンダメンタルである。それを束ねる共産党一党独裁は、人権抑圧などの問題を抱えながらも、政府の号令一下によるスピード変革を可能にして経済成長を促した。
2.さらには中央集権的な政治体制の一方で、地方の首長や党書記に経済・経営面での権限を与えて自由に開発させる地方自治を徹底Lたことで、世界からヒト、モノ、カネを呼び込む開発競争が中国全土で巻き起こり、大国化の巨大な推進力になった。
3.このように大国化した中国は、こへ向かうのかは、最高権力者である習近平国家主席の国家観、国家構想が中国の行方に大きく閲わってくる。習近平は2012年11月に胡錦濤や温家宝などのいわゆる第4世代の指導者が引退した後を受けて、中国共産党のトップである中央委員会総書記の座に就いた。翌13年3月の第12期全国人民代表大会杢人俺国会に相当第1回会議において国家主席、国家中央軍事委員会主席に選出され、党、国家、軍の三権を完全掌握した。任命した李克強首相とともに第5世代のリーダー習近平による指導体制が幕を切った。
4.当初はポスト習近平を狙う第5世代、第6世代のライバルもいた。習近平体制は決して強い政権ではなかったが、しかし虎からハエまで叩く「腐敗撲滅運動」という名の権力闘争を仕掛けて、ライバルや足を引っ張る者を徹底的に追い落とした結果、ポスト習近平のめぼしい候補は、今では誰一人いなくなった。
5.17年から2期目がスタート。任期の折り返しで、これまでならチャイナセブン〔党内序列の上位7人。中央政治局常務委員〕に次世代のリーダー候補が入ってくるのが通例だったが、このとき次世代リーダー候補は入らなかった。むしろ権力集中、独裁体制の強化が進んで、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」という文言が行動指針とLて党規約に明記された。政治思想に個人の名前を冠されるのは毛沢東、鄭小平に次いで3人目のことである。習近平が毛沢東や鄙小平と同等の地位まで「神格化」されたことを意味する。
6.さらに18年3月の全人代では国家主席の任期を「2期10年」までとする規制を撤廃する憲法改正案が採択された。これで習近平は、2期目が終わる23年以降も国家主席として居座り続けて、超長期政権を築く可能性が出てきた。文化大革命以降、過度な権力集中を防いできた中国の集団指導体制は終わりを告げて、習近平は中国伝統の「皇帝」、しかも引きずり下されることのない「終身皇帝」になった。
7.「皇帝習近平」は何を目指すかは、17年の共産党大会の演説で、習近平は21世紀半ば門(2049年が中国の建国l00周年に当たる〕までに「社会主義現代化強国」を築くという新たな目標を打ち出している。社会主義現代化強国とは、民主主義や自由主義などの西洋の価値観に毒されることなく、中国本来の社会主義思想をもって、それを時代に適合した形で発展させ、特色ある社会主義思想となり、強国化していく、ということである。
8.すでに世界第2の経済大国だが、経済力も国防力も高めて強国化する。習近平は今世紀半ばまでに世界一流の軍隊を建設することも目標に掲げている。総合的な国力でアメリカに対抗できる覇権国となって世界をリードするという構想である。
9.このような習近平の思考といつまでも収束しない香港の問題を分けて考えることはできない。今年10月l日の建国70周年記念式典の演説で習近平は「一国二制度は堅持する」と述べた。しかし、習近平の本質は強烈な一国主義者であり、ウエイトが置かれているのは「二制度」ではなく、あくまで「一国」である。国の根幹を揺るがす二制度など許されない。一国二制度というのは中国が貧しく弱々しかった時代に台湾や香港、マカオなど、かつての植民地を大陸に統合していくための「方便」として考え出された統治構想であって、強大になった今の中国には閲係ない。むしろ邪魔なだけ、というのが習近平の本音と思われる。
10.一国二制度が現実の統治システムとして用いられたのは、1997年に香港の主権が英国から中国に返還されてからである。当時、香港の生活水準は高く、中国本土からすれば仰ぎ見るくらいうらやましい存在だった。小平が改革開放政策の先行モデルである特別区を香港の隣の深圳に設置したのも、香港の繁栄の「おこぼれ」が欲しかったからである。11.当時の深圳は人口30万人程度の貧しい漁村だった。しかし今や人口は1300万人にまで膨らんで、GDPも香港を凌ぐまでになっている。国内外のハイテク企業がひしめき、世界中からヒト、モノ、カネが集まってくる。深圳以外にも北京、上海、杭州、温州、成都、重慶など都市の発展も著しい。となれば、中国政府が「香港の歴史的使命は終わった」と考えても不思議ではない。
12.習近平の頭の中では、しゃぶり尽くした香港はすでに用済みになっていると思われる。香港には多くのグローバル企業がヘッドクオーター(本部〕を置いているが、中国本土の仕事となれば深馴や上海にやって来なければならない。香港は単なる中継基地、海外ビジネスパーソンの家族が生活する拠点でしかない。インターナショナルスクールやインターナショナルコミュニティもある便利な街だが、中国本土から見れば香港の存在価値は大きく低ドしている。
13.中国本土では香港人に対する感情が悪化Lて「嫌香港」が拡大しているという。香港では「自分たちは香港人で中国人ではない」と思っている人が多い。抗議活動がエスカレートするのも、「中国は香港に高度な自治を認める『一国二制度』をねじ曲げ、さまざまなことを形骸化させて『一国一制度』に持ち込もうとしている。デモを『テロ行為』と呼んで警察力をもって鎮圧すべしと香港政府に圧力をかけていると言う主張を強めてきたからである。そうした香港人の言動に反感を覚えて、「香港人は大陸の中国人を下に見ている」と感じる中国人が増えている。「嫌香港」という中国人の感情の裏側には、「自分たちはデモをしたらすぐに捕まるのに」というジェラシーもある。それが「香港の奴らはなぜあんなに偉そうなことを言っているのか」「そんなに中国が嫌なら出て行けばいいじゃないか」といった声に転化して、ネット上に溢れている。
14.アメリカのNBA(全米プロバスケットボール協会〕のあるチームのGMが「自由のために戦おう」「香港とともに立ち上がろう」と香港デモの支持をツイッターで投稿したところ、中国総領事館が抗議声明を出Lたり、中国国営中央テレビが当該チームの試合を放映中止にする騒ぎになった。ネットも盛り上がって「香港で違法行為をしている連中に味方するNBAの試合なんかもう見ない」といった反発の声が中国国内で高まった。
15.本土の中国人は息を潜めて香港情勢を見守るものと思われていたから、「嫌香港」の広がりは予想もしていなかった動きである。しかし中国の動向を見定めるには、こうした動きを見逃さないことが重要になってくる。11月末に行われた香港の区議会選挙で、民主派が議席の約85%を獲得して圧勝した。投票率71%、投票者数約294万人はいずれも香港返還後、過去最高を記録した。民主派は選挙結果を「抗議運動の住民投票」と位置付けたが、そんなことで中国政府は折れない。逆に中国本土の「嫌香港」がさらに激化することも考えられる。
16.問題が長引けば香港の魅力が失われて、海外の企業や優秀な人材が逃げ出したり、観光客が来なくなる。結果、中国のダメージになるという指摘もある。しかし習近平は歯牙にも掛けない。どのみち香港に未来はない。栄えるのは深洲や上海なのだから、香港を脱出した企業や人材が本土に来てくれれば大歓迎という。
17.仏教徒の多いチベットも締め付けている間におとなしくなったし、指導者ダライ・ラマはインドで遠吠えしているだけである。イスラム教徒の多い新彊も、ウイグル族の教化をしていけば、やがて漢民族には逆らわなくなる。世界がなんと言おうが時間をかけて"一国〃に仕上げてみせる。少なくとも皇帝習近平は民主化運動に与することも、妥協することも、同情することもないだろう。彼の頭の中での香港は、火山に飲み込まれて一夜にして歴史から消え去ったポンペイのような姿に見えていると思われる。



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大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
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 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
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