2020年02月07日

英国や中国、オーストラリアなど世界中の住宅市場が勢いを失いつつある。


「Sarah Chaney著:世界経済に新たな陰り住宅市場の「同時減速」国境を越えて経済成長や金利が横並びの動きをする傾向が強まっている、週刊ダヤモンド2020/02/08」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.英国や中国、オーストラリアなど世界中の住宅市場が勢いを失いつつあり、昨年の成長率が金融危機以降で最低に沈んだ世界経済の見通しにさらなる影を落としている。オックスフォード・エコノミクスの分析によると、米ダラス連邦準備銀行が発表する主要23力国の住宅価格指数は、2019年7〜9月期には前年回期比1・8%の伸びにとどまり、直近のピークだった16年の4・3%から低下した。また経済規模が大きい18力国による世界的な住宅投資は、19年7〜9月期まで4四半期連続で前年同期より減少。08〜09年の金融危機以降で減少が続いた最長期間である。
2.主因のーつは過去2年間の世界的な景気減速で、これが住宅需要や住宅価格の上昇を抑えている。大都市では手頃な物件が限られていることが、購入希望者の多くを思いとどまらせる。また外国人による不動産投資意欲も冷え込んできた。米中貿易戦争、英国の欧州連合(EU)離脱、香港の反政府デモなどで先行き不透明感が高まり、それが住宅購入者の心理に重くのしかかっている。
3.これは大問題だ。住宅市場は消費支出に大きな潜在的影響をもたらす巨大資産市場だからだと、オックスフォード・エコノミクスのエコノミストであるアダム・スレーター氏は話す。このセクターが好況の時は好況となり、不況の時は不況となる傾向がある、と。この減速は市場崩壊への点滅サインではない。むしろ世界経済の見通しや不透明感に左右される部分が大きい。国際通貨基金(IMF)は1月20日、世界経済の伸びは昨年の2・9%から今年は3・3%、来年は3・4%に改善すると予想した。それでも金融危機後の平均水準には届かない。
4.住宅は大豆や自動車部品のように交易可能ではないが、世界の住宅価格は次第に似たような動きを示すようになった。IMFによるとこれは多様な要因を反映している。例えば、国境を越えて経済成長や金利が横並びの動きをする傾向が強まったことなどである。5.ニューヨークやロンドン、カナダのバンクーバーのような世界的都市では別の要因が作用しているとIMFは指摘している。世界金融危機に続く低金利時代を迎え、利回りを追求する裕福な投資家は、主要金融センターの不動産を一挙に買い占めた。実際、そうした都市の住宅価格は株式や債券のように世界的に同じような動きをした。英不動産コンサルティング会社、ナイトフランクがまとめた45都市の富裕層市場指数によると、現在、大都市の住宅価格は仲び悩んでいる。同指数は19年7〜9月期には前年同期比1・1%上昇し、18年7〜9月期の3・4%、17年7〜9月期の4・2%から上げ幅を縮めた。
6.住宅は株式と同様、消費者の資産の一部であるため、住宅市場の減速により、住宅所有者の楽観ムードが後退し、支出を手控えるならば、世界経済を一段とむしばむ可能性がある。これが一部の国では現実になったと思われる。
7.国際決済銀行(BIS)の19年の年次報告書によると、住宅価格の下落に伴い、カナダとスウェーデンの支出の伸びは18年に1ポイント余り低下した。住宅価格上昇を抑えるもつ一つの要因は不動産市場の相次ぐ規制強化である。バンクーバーは16年に外国からの購入者を対象に15%の課税を導入。18年に20%に引き上げた。韓国・ソウルは住宅ローン規制を強化し、住宅価格に上限を設けた。ニュージーランドは18年に外国の投資家が既存住宅を購入することを禁止した。
8.冷え込む住宅価格にはプラスの影響もある。高価になりすぎた住宅が手頃になるほか、不動産市場が崩壊する見込みが低くなる可能性がある。目下の減速は、世界の信用ブームが終わり、主要都市で住宅価格が最大6・6%落ち込んだ08〜09年の危機を前にした状況とは異なると、オックスフォード・エコノミクスは指摘する。
9.政策担当者の住宅バブルに対する警戒感は強く、銀行は住宅ローンの承認を厳格化している。家計債務の増大がリスクを示す国はあるものの、BISによると危機を引き起こした多くの国々では、家計債務の対GDP比率が危機前の水準を下回っている。多くの国で住宅価格の伸びは所得の伸びを上回っているが、危機かいり前の数年間ほどには乖離していない。ダラス連銀のエコノミスト、エンリケ・マルティネスガルシア氏は指摘する。「住宅市場に当時のような危険を知らせる赤信号はともっていない」。万一いまの減速がより深刻な崩壊を招くならば、それは中央銀行を試すものとなる。
10.中銀の多くは自国経済の緩衝材となるように昨年金利を引き下げた。理論上、利下げをすると住宅ローン金利が安くなり、住宅需要を押し上げる。米国ではある程度それが実現した。連邦準備制度理事会(FRB)が昨夏に利下げして以降、米住宅購人は上向いている。ただ、世界中で金利はすでに歴史的低水準にある。マルティネスガルシア氏は、長期金利低下による住宅投資の下支えがもはや難しくなる局面にいずれ到達する」同氏は話す。また今後数年間に予想される世界経済の成長鈍化や、不動産規制、出生率の低下といった住宅市場の長期的な足かせを考えると、利下げの効果は限られるし、働き手が住みたがる多くの都市で住宅供給は低調となっている。これらの要因は多くの国に共通している。



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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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