2020年02月13日

心房細動アブレーションの合併症とその対策については、すべての医学的治療は副作用、合併症を起こす可能性を持っている。薬剤、注射、カテーテル手術、外科手術、すべてである。


「桑原大志著:発作ゼロ・再発ゼロをめざす心房細動治療、 幻冬舎 2016.11.15」参考になる。第3章 発作の恐怖と決別する。完治を目指すカテーテルアブレーションとは」の概要の続きは以下の通りである。
1.心房細動アブレーションの合併症とその対策すべての医学的治療は副作用、「合併症を起こす可能性を持っている。薬剤、注射、カテーテル手術、外科手術、すべてである。副作用、合併症と拡、その医療行為によって患者や医療者が望んだ効果以外の、患者にとって不利益なことが起きるということである。それは、医療者の不注意によって起きることもあるし、いくら注意していても避けられない必要悪のものもある。
2.心房細動カテーテルアブレーションに起因する重大合併症は3つある。それは脳梗塞、心タンポナーデ、そして食道関連合併症である。世界レベルの調査によると、結果として死に至る重篤な合併症は0・1%、1000人に1人の割合で発症している。このアブレーション治療は非常に有効な治療方法だが、心房を焼灼するという新しい治療戦略のために、今までの治療方法では、起こりえなかったような合併症も経験してきた。この治療方法を、安心して患者に受けてもらい、世の中に普及させるには、安全性の担保が必要である。そのため、今まで、この合併症をゼロに近づけるために、ありとあらゆる工夫と努力をしてきた。
3.0・1%の頻度で、脳梗塞を合併する。アブレーション中は、体にとって異物であるカテーテルを、ある一定時間、体内に留置することになる。カテーテルには血栓がつきにくくなるような処置が施されているが、それでも付着することがある。高周波通電中に高温に達したアブレーションカテーテルの先端に、血液が凝固することもある。これらの術中に発症する血栓に対して、予防対策がとられている。
4.ワルファリンやDOACなどの抗凝固薬を継続したままアブレーションを実施することである。以前は、術中の出血性合併症の発症を危惧して、アブレーション前の抗凝固薬は中止していたが、これにより血液がサラサテの状態でなくなり、アブレーション中に、`カテーテルに血栓が付着しやすい状態になっていたのである。
5.術直後も同じである。アブレーション直後には、電気ショックなどにより、心臓の動きが、一過性に悪くなる可能性がある。その間は、血栓ができやすくなるが、ワルファリンやDOACの抗凝固薬が効いていれば、血栓予防につながる。抗凝固薬が効いた状態で、出血性の合併症を引き起こしたらどうなるのか。薬が効いた状態では、なかなか血が止まらない。しかし、ワルファリンには中和剤があり、それを投与すると、ワルファリンの効果はたちどころになくなる。この中和剤は、DOACのリバーロキサバン、アピキサバン、エドキサバンにも有効である。
6.ガイドライン上は、CHADS2スコアが0の心房細動患者は・抗凝固薬を内服する必要がない。患者でも、心房細動アブレーションを実施する際には、手術に起因する脳梗塞を予防するために、術前に抗凝固薬を内服したほうが良いの。
7.抗凝固薬を内服してアブレーションを実施することで、脳梗塞の合併率は1%から0.1%に激減した。しかし、未解決の問題もある。無症候性脳梗塞である。アブレーション後に、症状を自覚しない、数伉度の脳梗塞を発症する人がいる。術後に特殊なMRI検査を実施して初めて分かる。著者の調査では、アブレーション後、2・5%に認められた。他の研究者の報告では、10%に達するものもある。いくら症状のない小さい脳梗塞でも、血栓が詰まる部位によっては大きな麻痺を引き起こす。この無症候性脳梗塞も使用する器具の種類により、発症率を下げることが分かってきた。
8.心タンポナーデとは、心臓に小さい穴が開き血液が漏れ出てしまい、心臓の周囲にたまり、心臓を圧迫してしまう合併症である。発生頻度は1%程度で、多くは、心臓の周囲に漏れた血液を抜き取ることで、出血は自然停止する。稀に、出血が止まらず、外科的に開いた穴を縫い合わせる手術が必要になることもある。さらに稀には、開いた穴が大きかったり、発症に気づくのが遅れたりすると、重篤な状態になる。
9.心タンポナーデが起こってしまう要因は、大きく3つある。(1)心房中隔穿刺時に中隔以外の心臓に針を刺し、穴.が開いてしまう、(2)カテーテル操作時に心筋を押しすぎて心筋が裂けてしまう、(3)心筋を焼きすぎて穴が開いてしまう、ことである。しかし、これら3つの要因も技術開発により、ほぼ起こさずに済むようになった。心房中隔穿刺は心腔内エコーと高周波穿刺針を用いることで、他の心筋を誤穿刺することはない。
10.コンタクトフォースアブレーションカテーテルにより、カテーテルが心臓を押す力を数値化できる。ブダの心筋を用いた実験では、70g以上の力で心筋を押すと、心臓に穴が開いてしまうリスクが上昇する。人でアブレーションする際には、40〜50g以上の力がカテーテル先端にかかると、警告が出るように設定している。焼灼中の通電回路内のインピーダンスを測定することで、過度な焼灼が行われていないかもモニター可能である。テクノロジーの発展は、治療効果のみならず、安全性の向上にも寄与している。
11.心臓の治療なのに、食道に合併症を起こすことがある。食道は心臓のすぐ後ろに位置しており、アブレーションによる熱が伝わりやすい。軽度の食道炎を含めれば、心房細動アブレーションを実施した患者の10〜20%が食道障害を来す。極めて稀に、大きい食道潰瘍が形成され、心臓との間に連絡路ができてしまい、心房食道痩という合併症を起こす。激しい胸の痛み、高熱、脳梗塞症状を呈する。これらの症状は、アブレーション後数週間して発症するので、患者さんも医師もその症状がアブレーションに起因するものだと考えつかず、診断が遅れる原因となる。心房細動アブレーションにともなう重症合併症の一つで、重篤化すると死亡する危険性が高いので、早期発見が重要である。そのような症状があれば、すぐに担当医に相談する。医師は、この合併症を疑えば、胸部CTを実施し、診断されれば、多くの場合は外科的治療が必要である。
12.胃蠕動障害という合併症もある。食道の壁を走行している迷走神経を熱でやけどさせることで発症する。迷走神経は、胃などの消化管の勅きを調整しており、その障害により、食事をしても、胃腸の動ぎが悪く、腹部膨満感を自覚する。根本的な治療方法はなく、基本的には経過を見るしかない。多くは数カ月から半年で症状は改善する。これらの食道関連合併症を予防するために大切なことは、アブレーションの際に、食道近くの心房を焼灼しないことである。そのために手術時には、造影剤を飲んで食道の走行を確認する。どうしても食道上の心房を焼灼しなければならないときは、食道の温度を測定しながら、焼灼する。このような予防対策をとることで、現在では、心房食道痩や胃蠕動障害といった重症の合併症はほとんど起きていない。ただし、軽度の食道炎は起きている。多少の食道炎は致し方なく、完全になくすことはできない。たとえ、食道炎が発症したとしても、胃酸分泌を抑える薬で、多くは1週間以内に改善する。



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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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