2020年02月21日

心房細動アブレーション後に生活習慣を改めると、心房細動の再発率は低下する。この差は劇的である。


「桑原大志著:発作ゼロ・再発ゼロをめざす心房細動治療、 幻冬舎 2016.11.15」参考になる。第4章 再発リスクを徹底排除。術後の生活改善で発作ゼロの毎日を手にいれる。」の概要は以下の通りである。
1.心房細動を起こさない、再発させないための食習慣、食事に関連することで、心房細動の発症に直接関わってくるのは「飲酒」間接的に関与するのは「塩分摂取」「魚油の摂取」である。
2.多量飲酒家は、心房細動の発症リスクが高くなる。多量飲酒家とは、アルコールを3単位/日以上飲む人のことである。アルコール1単位とは、純アルコールで20g。これは、ビールならば中びん1本(500ml)、日本酒は1合(180ml)、焼酎0・6合(110ml)、ウイスキーはダブル1杯(60ml)に相当する。その3倍以上を飲む人が、多量飲酒家である。飲酒は脳に悪影響を与える。晩酌により、毎晩、脳が酩酊した状態が続くと、大脳が萎縮し、認知症のリスクが上がる。
3.心房細動患者の6割は高血圧を合併している。心房細動の3大原因は「加齢」「高血圧、心臓病」「飲酒」である。高血圧は心臓病の基礎疾患として最も多い。また、高血圧は特に心臓病を介さずとも、「直接、心臓にストレスをかけ、心房細動を発症させる。したがって、血圧をコントロールすることは、心房細動の発症リスクを減らす上で極めて重要である。アブレーション治療後の再発予防にもつながる。
4.高血圧と言われたら、まずは「減塩」である。日本人の約半数は食塩感受性です。食塩感受性とは、取った塩分を尿に排出せずに、体の中にため込む性質である。この性質を持った人は、血液中の高くなった塩分濃度を下げるために、飲水量は増えますが、体の中の水分量を維持するために、尿量は減少する。体の総水分量は増加すが、それを収納する血管の容積は変わらないので、血圧が上昇する。
5.日本人の平均食塩摂取量は約10g/日で、世界の中でもかなり多いほうである。摂取塩分の9割は、しょうゆや味噌などの加工食品からとされており、日本の伝統的な食生活が高血圧を引き起こしやすい。少なくとも食塩摂取量を6・5g/日まで下げないと、有意な降圧は達成できない。少しだけでの減塩でも、無駄ではない。
6.野菜にはカリウムが多く含まれる。野菜を取って血液中のカリウム濃度が上昇すると、体は細胞の中にカリウムを取り込む。その際、カリウムの交換として細胞内のナトリウムが血液中に放出されるのです。血液中のナトリウムが増えると、腎臓でのナトリムの再吸収が抑制されて、尿中へのナトリウムの放出とともに利尿がつき血圧が下がる。特に食塩感受性高血圧の人ほどこの野菜の降圧効果は明らかである。カリウムが多く含まれる野菜にはトマト、カリフラワー、キャベツなどがある。ただし、腎臓が悪い患者やワルファリン内服中の患者さんは、野菜の摂取を制限する必要があるので担当医に相談する。
7.食事の最初に野菜を食べると、同じ量の炭水化物を摂取しても、その後の血糖値の上昇速度がゆるやかになる。血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンが分泌され、インスリンによって血糖は細胞に取り込まれ、細胞が活動するエネルギーとして使用される。余分な血糖は、糖原(グリコーゲン)として肝臓や骨格筋に貯蔵されるが、さらに余分な血糖は、体脂肪として体の各所に蓄えられる。この程度が過ぎた状態が「肥満」である。食事の内容、もしくは食べ方により、食後に血糖が急上昇することがあります。その血糖が、体が必要としているエネルギー以上のもので、なおかつ、肝臓や骨格筋に十分な量の糖原が蓄えられていれば、それは余分なものとして脂肪に変換されます。つまりは、「血糖の急上昇は肥満を招来する」ということである。野菜を最初に完食すると、その後の炭水化物による、急激な血糖上昇を抑制してくれる。肥満は、直接的にも、間接的にも心.房細動の原因となる。
8.脂の乗った青魚は、古来日本人が好む食べ物です。この脂の正体は、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸という、不飽和脂肪酸と呼ばれるものである。手術後に、この脂肪酸を取ると、心房細動の発症を抑制するというデータがある。また、これを食べると血圧が下がる可能性もある。これまで、不飽和脂肪酸と血圧の関係を調べる研究はたくさん実施されてきた。その多くは、不飽和脂肪酸は血圧を下げると結論しているが、中には関係がないとするものもある。実のところ、「青魚を食べると血圧が下がる」ことは多くの人に支持されているが、一部の人は不賛成だということである。しかし、青魚は抗血栓作用(血栓ができにくくする)、血中脂質(コレステロール、中性脂肪)低下作用を有しているのは間違いない。炭水化物、たんぱく質、脂肪は三大栄養素です。脂肪は人が活動する上で必要なエネルギーとなり、また、細胞の骨格をなしています。つまり、脂肪は必ず摂取しなければならない。
9.脂肪の一つである不飽和脂肪酸は、ヒトが自分でつくることができないので、食物により外から摂取しなければならない。飽和脂肪酸(バター、ラードなど)と不飽和脂肪酸は両者とも体に必要なものなので、バランスよく取らなければなりらない。しかし、西洋化した現代日本人の食事を考慮すると、摂取の頻度が少ない不飽和脂肪酸、つまり青魚は積極的に食べたほうがよい。
10.心房細動予防の大きなカギとなるのが運動である。運動には有酸素運動と無酸素運動の大きく2種類があり、心房細動の予防には有酸素運動を日々継続して行うことが効果的とされている。有酸素運動とは、酸素を使い、糖質、脂質を燃やして、エネルギーにする運動のことである。無酸素運動とは、酸素を使わず、グリコーゲンを燃やして、エネルギーにする運動のことである。
11.有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳のことで、血糖、中性脂肪の低下、内臓脂肪の減少が期待できる。これに対し無酸素運動とは、短距離走や重量挙げなど、短時間で強い負荷がかかる運動のことである。有酸素運動でも、強度が上がっていくと結果的に無酸素運動になってしまう。有酸素運動をしている間は、呼吸で取り入れた酸素がエネルギーをつくる材料となる。しかし強度が高くなると、その酸素だけではエネルギーの産生が追いつかなくなるため、筋肉のグリコーゲンを使用した解糖系という別のシステムからエネルギーをつくり、調達しなければならなくなる。このとき、筋肉から疲労物質もつくられ、それが心臓に負担をかけてしまう。1万6000人の健康な成人を調べ、各人の運動量を1週間に0回、1回、1〜2回、3〜4回、5〜7回に分けて、その後の心房細動発症との関係を調べた研究があります。それによると、50歳以下の人に限定すれば、週に5〜7回運動する人は、週に0回の人に比べ、1・7倍の多さで心房細動を発症した。
12.アスリートと非アスリートの心房細動発症率を比較した6試験の解析によると、アスリートは非アスリートに比べて、5・29倍も心房細動になりやすいと報告された。運動に関しては「過ぎたるは及ばざるが如し」であり、ほどほどが望ましいと思われる。どの程度が"ほどほど"な運動なのか、一つの目安に「嫌気性代謝閾値」がある。これは、これ以上きつくなったら無酸素運動になってしまう境目を指す"ぎりぎりのライン"ということである。嫌気性代謝閾値は、医療機関で運動負荷試験を行い、心拍数や酸素摂取量、呼気ガスデータから算出できる。しかし、この測定は、手間がかかる。嫌気性代謝閾値の簡単な目安ば、「少し汗をかき、息があがらず、会話をしながらできる程度」の運動である。全く汗をかかない運動では、健康改善効果は得られにくいのですが、汗を大量にかきながら行っても、効率の良い有酸素運動にならない。ウォーキングでも ジョギングでも、周囲の景色を楽しむ余裕があるくらいのスピードで20〜30分というのが一例になる。そして、できるだけ毎日続けることが望ましい。
13.心房細動アブレーション後に生活習慣を改めると、心房細動の再発率は低下する。心房細動アブレーションを受けた患者を2つのグループに分け、一方のグループの患者には、アブレーション後、食事制限、運動、節酒、禁煙を実施し、生活習慣を改めてもらう。他のグループには、生活習慣は好きにしてもらう。アブレーションを受けた後の心房細動再発率は、生活習慣を改めたグループは16%でしたが、生活習慣をそのままにしたグループは42%だった。この差は劇的である。アブレーション治療の内容には、2つのグループで違いはありません。生活習慣を改めたグループでも、アブレーション直後は、生活習慣をそのままにしたグループと同じ程度の心房細動起源が残存していたはずである。14.この結果は、生活習慣を改めると、残存している心房細動起源の活動性が低下し、心房細動を起こさなくなる可能性があることを示唆している。心房細動の発症と生活習慣は、密接な関係があるということである。カテーテルアブレーションを受けて、仮に心房細動起源をすべて焼灼したとしても、再発のリスクがまったくゼロになるわけではない。治療時には正常だった心筋から、時間の経過とともに新たな心房細動起源が生じる可能性がある。その引き金となるのは、「加齢」「高血圧」「心臓病」「飲酒」である。加齢は致し方ないとして、「高血圧、心臓病」は生活習慣を改善することにより予防可能である。
15.心房細動は、超高齢社会にともない患者数が急増しているにもかかわらず、その治療法は今でも、「薬を飲み続けてうまくコントロールしていく」ことに主眼が置かれ、「根本的に治す」治療へ踏み込み切れていない医療者が多いことに、もどかしさを感じる。89歳という高齢の方でも、アブレーション後、元気に生活している。


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健康 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
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 春興賞の受賞:2回
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