2020年03月19日

量子コンピューターの活用に積極的な業界は、金融と化学業界。パートナー企業として日本勢は、三菱UFJとみずほ、三菱ケミカル、JSRの4社である。


「大矢博之、杉本りうこ(ダイヤモンド編集部)著者:乗り遅れるな量子ビジネス、MUFGは「1億回使った」金融・化学業界が応用に本腰、週刊ダイヤモンド 2020.3.14」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.米IBMがクラウド上で公開している量子コンピューターの。ヘビーユーザーの一人に、あるメガバンクの担当者が名を連ねている。これまでに、1億回以上使いました」と語るのは、三菱UFJ銀行システム企画部IT戦略グループの田中智樹調査役である。金融業界での可能性を探るべく、量子コンピューターを使い倒している。
2.2016年5月に5量子ビットの量子コンピューターをクラウド上で公開したIBM。それ以降も装置の性能が上がるとともに利用可能な台数は増えていき、現在は15台をクラウド上で触ることができる。
3.日本IBMの森本典繁執行役員によれば、15台の量子コンピューターの稼働率は97%以上。これまでに全世界で101社の20万人以上が利用し、累計で1400億回以上の計算が実行された。IBMが"虎の子"の量子コンピューターをクラウド上で公開する理由について、日本IBM東京基礎研究所の福田剛志所長は、「量子コンピューターを作り、単なる"箱“として売っても価値がない。ユーザーやアプリケーションが存在し、価値を引き出す企業がいて初めてビジネスが成立つ」と語る。ユーザー企業に積極的に関わってもらうことで、産業分野での量子コンピューターの使い道を見いだそうとしている。
4.今、量子コンピューターの活用に積極的な業界はどこかは、福田所長によれば、101社の中でも参加企業が多いのは、金融と化学業界である。パートナー企業として日本勢で名を連ねているのが、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とみずほフィナンシャルグループ(FG)、三菱ケミカル、JSRの4社。日本の金融、化学業界の雄である。
5.この4社は18年5月に慶応大学に開設された量子コンピューターの研究開発拠点「IBM Qネットワークハブ」の初期メンバーである。慶応大学の伊藤公平教授によれば、IBMから量子コンピューターの研究拠点にならないかと打診があったのは17年8月。最先端で今まさに成長している量子コンピューターを、実際に使えるという夢のような話だ、と打診を快諾。メンバー企業は伊藤教授が自ら足を運んで発掘した。量子コンピューターは今後、発達し続ける。学術的な興味はもちろんあるが、どんな問題を解かせるかを、企業が設定することに意味がある。
6.伊藤教授が参加企業に求めたのは、単なる資金提供だけでなく、常駐するメンバーも出してもらうことである。拠点には4社から6人の担当者が送り込まれ、常駐するIBMの技術者や慶応大学の研究者らと日々議論を交わす。困ったときにじかにIBM側に聞くことができ、コミュニケーションが早い」と田中調査役は拠点に参加したメリットを語る。
7.拠点での取り組みについて田中調査.役は、「量子コンピューターで何をやるかを見極めるところからスタートした。金融業務のどこで使えそうなのかという可能性を探ることが日的だが、同時に、この業務では利用が無理だと分かることも重要だ」と語る。金融業務では、資産運用のポートフォリオの最適化や経済予測など、量子コンピユーターのさまざまな活用例の可能性が示されているが、現在ホットなテーマはデリバティブ商品の価格計算である。
8.みずほ情報総研サイエンスソリューション部の宇野隼平チーフコンサルタントによれば、大手金融機関はリスクなどの価格変動に関わる要素を考慮した上で、利益を確保できるようデリバティブ商品の値付けをしている。ただ、考慮すべき要素は100万を超え、各社とも自前のスーパーコンピューターを使い、取引時聞の終了後に数時聞かけて日々計算している。この計算を素早く行って高速に値付けすることが、みずほFGから送り込まれた宇野チーフコンサルタントのミッションである。目下のところ、各金融機関が共通して狙う量子コンピューターの使い道である。
9.実際に慶応大学の拠点で、成果が出始めている。田中調査役らが見いだしたのは、量子コンピユーターを使った効率的なリスク計算の工夫だ。リスク分析などに使う計算は、理想的な量子コンピューターならば高速に計算できると目されているアルゴリズムが存在する。だが、現在使える量子コンピューターはエラーが多く、実際に使うためにはアルゴリズムの改良が必要だった。そこで田中調査役らは、既存の量子コンピューターでも計算できるよう問題を分割して"小型化〃した。量子コンピューターが得意な部分だけに特化した小さな問題を繰り返し計算させ、出てきた答えを、既存コンピューターを用いた最尤推定と呼ばれる統計手法を使い計算する手法を提案した。

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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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