2020年03月22日

冷戦時代にはモスクワ、モントリオールのように不参加国が多い中でも強行した五輪があるが、今回のような問題のときにIOCが強行の判断をするわけがない。


「大前研一著:東京五輪は強行できない、「延期」を提案するべきだ 週刊東洋経済 2020.3.21」参考になる。大賛成である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本における新型コロ日ナ問題は、3点に整理して考える必要がある。1つ目は、国内の感染をいかに防ぐか。2つ目は、東京五輪の中止をいかに避けるか。3つ目は、経済への影響、中国のサプライチェーン問題である。
2.1つ目の問題。現時点ではウイルスの実体がまったくわからない。それを防ぐ方法も、医薬品もない。そのため、ウイルスのパンデミックではなく、恐怖のパンデミックが先に発生している。実体がわかれば恐怖は広がらない。インフルエンザは致死率0・1%弱で、米国では今シーズンで2500万人も感染し、2万人近く死んでいる。ただ誰も恐
怖心を持たない。予防接種も治療薬もあるからである。
3.恐怖のパンデミックを止めるには、政府の広報戦略が極めて重要である。クルーズ船の患者を日本の統計に含めて発表しているマスコミを放置しているのはあまりにも無神経である。感染したとしても多くの患者が短期間で回復して退院していることを積極的に伝えて、国民に安心感を持ってもらう必要がある。現状わかっている範囲では、インフルエンザと比べて、格段に危険ではない、というメッセージも必要だ。
4.安倍首相が思いつきで緊急対策を出していくものだから、不安ばかり広がった。とくに感染率の低い年代の生徒を対象とした学校への休校要請は、完全な逆効果になりかねない。働く母親に対する補償など社会的な負担も無視できない。子どもたちは学校に行かないからといってじっとしているわけではない。原宿竹下通りが子どもたちであふれてしまっている。科学的な根拠もないまま、独断で物事を決めるという、いかにも安倍政権らしい愚挙といえる。
5.中国・習近平国家主席の来日を優先したため、米国やフィリピンのように中国人旅行客の来日を水際で阻止できず、全国に感染を招いてしまった。この責任は大きい。感染拡大防止は世界共通の課題である。これは時間の経過とともに終息に向かうが、日本にとって特別に重要なのが五輪である。
6.これが2つ目の問題である。今の状態では、夏開催はまったく無理だと思う。まだ発生源である武漢ですら終息の方向が見えていない。武漢が12月初旬から感染が本格化したのだとすれば今はそこから3カ月半経過しているが、終息がみえない。日本では現時点から3カ月半後も感染が広がっている状態になっているとみるべきである。
7.6月には、選手たちは7月24日の開会式の前に日本に来て練習などの準備を行うが、それができなくなる。そもそも中国が終息宣言をしない限り、中国の選手が日本に入れない。そうなると金メダルの3分の1分の選手が来ないことになる。冷戦時代にはモスクワ、モントリオールのように不参加国が多い中でも強行した五輪があるが、今回のような問題のときにIOCが強行の判断をするわけがない。
8.中国からの観戦客も激減するだろうし、もし大挙してくるようだつたら。その他の国が恐れて来日しなくなる。米政府が日本からの渡航を制限するようになるのも時間の問題である。それは日本政府の広報戦略に決定的な欠陥があったからである。「ダイヤモンド・プリンセス」を日本での発生件数に入れて「1000人超え」という報道をNHKや日経などが行った。海外の報道を見ても、五輪は無理という記事が多く出ている。
9.東京マラソンを一般参加不可とし200人の招待選手に絞ったのも、五輪を行うためには問題のある決断だった。消毒を徹底する、選手の検温を義務づけるなどの措置で実施できたはずである。一般参加不可としたことで、東京はそれだけたいへんなことになっているのか、という誤った印象を世界に発信してしまった。とはいえ、状況は刻々と悪化している。アジアだけでなくイランや欧州、米国でも感染が広がり始めており、五輪どころではない、という雰囲気は世界中に広がった。
10.そうなると日本が主体的に動くことも必要である。ぜひ行うべきは、10月への延期を提案することである。巨大スポンサーである米NBCなどが反対をするだろうが、この際、そのスポンサー代を肩代わりすると宣言すればいい。秋に延期するためにはいくら出せば妥協するのかをNBCなどと交渉し、国民に協力を呼びかける。クラウドファンディングによってそのギャップは埋められるはずである。足りない分は休眠口座に眠っているご先祖様のお金をいただく、などの策も可能だろう。もちろん10月開催の可能性は低いが、「何が何でも東京で開催する」という意思を示すことが重要である。



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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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