2020年03月24日

実体経済の悪化は20年の日本の実質GDP成長率は前期比1・1%減。東日本大震災のあった11年(0・1%減)以来のマイナス成長となる。


「野村明弘著:コロナ恐慌、最悪のシナリオ、週刊東洋経済2020.3.21」は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.注意すべきは、企業債務の姿がリーマンショック以前とは様変わりしていることである。規制が強化された銀行の貸し出しに代わり、企業債務拡大の主役になったのは低格付け社債に加え、レバレッジドローンと呼ばれる非投資適格企業向けの貸出債権である。これらの多くは、投信やETF〔上場投資信託}、CLO〔レバレッジドローンを担保にした証券)、私募投信に組み込まれた形で市場に流通する。そして、その金融商品に資金を投人しているのは個人投資家や企業年金基.金、生命保険、非大手銀行の一部という構図である。
2.つまり、現代の取り付け騒ぎは、現金を求めて銀行店舗に行列を作るのではなく、スマートフォン画面のタップで投信などを解約することで起きる。米国では低格付け社債に投資するETFからの資金流出が始まっている。投信などの解約が加速すれば、原資産である低格付け社債やレバレッジドローンの換金投げ売りで、投信やETFと連鎖した価格下落が起きかねない。パニック的な取り付けが起きれば、行き着く先は、企業の資金繰り危機や運用会社の破綻である。それが、さらに金融機関の決済システム不全へ波及してシステミックな危機を引き起こす、というのが想定される最悪の事態である。
3.3月9Hの暴落の最中、FRBは、レポ取引など短期金融市場に供給する資金.の規模を引き上げると発表した。これも金融危機の芽に対処するというサインである。「米国のモーゲージREIT(不動産投資信託)や日本の金融機関の一部は最大10倍程度のレバレッジをかけて、短期調達資金を元手にモーゲージ債など長期債を買う投資を拡大してきた」と村木氏は指摘する。
4.このレバレッジ投資拡大に加え、FRBがバランスシート縮小で資金供給を抑制したこともあり、昨秋、短期金.融市場の金利は急騰した。直後、FRBは短期市場への資金供給拡大へと転じ、事なきを得たが、金融不安の中でドル調達コストが再び急騰する局面になれば、レバレッジ投資は逆ザヤになって、ポジション解消による急激な資産売却を起こしかねない。このレバレッジ投資、さらに先述のCLOでは、日本の農林中央金.庫やゆうちよ銀行などが一定規模の投資を行っているといわれる。
5.全般にいえるのは、規制が強化されてきた米銀行のリスクは現状では低く、投信やETF、モーゲージREITなどシャドーバンキング(影の銀行)のリスクが巨大であることである。金融危機の行方は、これらの金融のひずみを解消し軟着陸できるかにかかっている。
6.金融危機が起こらなければ、実体経済の悪化はどの程度になるのかは、大和総研の試算によると、20年の日本の実質GDP成長率はメインシナリオで前期比1・1%減。東日本大.震災のあった11年(0・1%減)以来のマイナス成長となる。メインシナリオの前提は、ウイルスの流行が4月ごろまで続くというものである。これに対し、21年1月ごろまで長引くと仮定したリスクシナリオでは、3・4%減までマイナス幅が広がると予想される。
7.大和総研の小林俊介シニアエコノミストは、春闘や新卒採用活動が停滞しており、今後の所得環境の悪化も懸念材料だ、という。国民の関心を集める東京五輪の行方は、仮に中止になると、7947億円のGDP減少となる。東京都が昨年4月に公表した「東京2020大会開催に伴う経済波及効果」を基に直接的な今年の需要見込額を絞り込んだ結果である。これはGDPを0・2%程度押し下げるもので、さほど大きくないが、不動産業やスポーツ産業などでは大きな問題を引き起こす。社会的なインパクトも巨大である。
8.日本政府は3月10日、緊急対応策の第2弾を決定した。中小企業や個人事業主への無利子無担保融資制度の導入などが柱である。金融危機が起きれば、先の成長見通しが一段と低下するのは必至である。世界の中央銀行や財務省が連携して金融危機を抑え込めるか、闘いは待ったなしである。




yuji5327 at 06:32 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
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