2020年03月25日

株価の不調が続くだけなら、まだいいが、次に顕在化しかねないリスクは、企業債務で、米企業の債務残高は19年9月時点で約1600兆円、対GDP比でも過去最局の74%となっている。


「野村明弘著:コロナ恐慌、最悪のシナリオ、週刊東洋経済2020.3.21」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.昨年末に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、わずか3カ月で金融危機という別次元の領域へ世界を連れていきつつある。今や最大の焦点は、リーマンショック級の危機の再来があるか否かである。歴史的な大暴落3月9日、ロシアとの協調減産合意に失敗したサウジアラビアが増産に踏み切ると報道されると、原汕価格は前日比30%超急落した。
2.投資家心理は気に冷え込み、同日の米ダウ工業株30種平均は過去最大となる2013ドル〔7・8%)の暴落となった。同様に米S&P500種株価指数は寄り付き直後に7%下「落し、自動的に取引を15分間停止するサーキットブレーカーが発動。米シェール関連など低格付け会社の社債が売られ、ドル円市場では安全ムヒ資産とされる円に資金が向かって一時 1ドル=101円台に突人した。この日の暴落が想起させたのは、コロナ恐慌への足取りが着実に速まっているということである。
3.万一、グローバル金融危機になれば、ウイルスの感染拡大という問題を超えて、より深刻な状況に陥ることになる。今後、どんな展開が考えられるのか、日本など中国以外のアジア諸国で緩やかな感染拡大と景気悪化が進んでいた2月中旬までを第ーステージとすると、世界の金融市場の動揺が本格化した2月21日以降が第2ステージとなる。2月21日金曜日の株式市場の大引け後、米国とイタリアで経路不明の感染者の拡大が判明し、「対岸の火事」と見ていた米欧の金融関係者はパニックに陥った。
4.その直前まで投資家はアクセル全開だった。低金利下での高利回り追求、米中摩擦の緩和期待などから、株価はほぼ、一本調子で上げ、NYダウのPER(株価収益率}は過去平均の15〜17倍に対し、22倍まで膨張。そこヘコロナショックが襲い、週明けからの1週問で3583ドル〔約12%}というリーマンショック時以上の下落幅を記録した。このときの主役はVIXの急騰〔ジャンプ)だった。VIXは別名「恐怖指数」とも呼ばれ、S&P500の予想変動率を表す。.株価急落時にはVIXの数値は跳ね上がる。
5.国際金融市場に詳しいSMBC日興証券の村木正雄ストラテジストは、好調な相場の中で、ヘッジファンドなどがVIXの売リポジション(株価変動の安定で儲け、大きな変動で損出が出る〕に偏りすぎ、ViXのジャンプが起き、それらは大きな損失になった、という。ヘッジファンドは損失をカパーするため株などの資産売却に殺到し、1週間に及ぶ歴史的な急落を現出させた。.慌てたFRB(米連邦準備制度理事会)は3月3日、0・5%の緊急利下げを実施。G7の財務相・中央銀行総裁も政策協調を行うとの声明を発衣し、株式市場はいったんリバウンドした。
6.その後も欧米での感染拡大が衰えを見せない中、株価は下落と上昇を繰り返す不安定な展開に。9日の暴落はまさにそうした中で起きた。今後はどのような展開が爆疋されるのか、村木氏は、VIX投資の盃みはほぼ解消した。今後は株価、社債スプレッド、ドル調達コストの3つを注視する必要があると指摘する。感染拡大が長引くとボディーブローのように効いてくるのが、企業収益の.悪化とPERの低下である。NYダウのPERは足元で18倍台まで低下してきたが、リスクプレミアムの拡大でPERはさらに下押しされる可能性が高い。企業の1株利益低下とのダブルパンチで株価下落に直結する。
7.こうした状況が続くと、これまで動きが比較的遅かった巨大プレーヤーも本格的な株売りに傾斜し始める。それが投資信託や企業年金基金などであ.り、資金の大きさはVlXジャンプのときの比ではない。リーマンショック後、「ボラティリティーターゲット戦略」や「リスクパリティー戦略」と呼ばれる運用手法が拡大した。株や債券などの組み入れ比率について、価格変動の大きなものは少なくし、価格変動の小さなものは多くすることで運用資産全体の価格変動リスクを抑制しようというものである。
8.リスクパリティー戦略をうたう個人投資家向けの投信も増加中。今や一般になじみの深い戦略である。IMFによると、この戦略を採用する運用主体として、リスクパリティーファンドがL500億〜1750億ドル、変額年金が4400億ドル、CTA(商品投資顧問、ヘッジファンドの一種}が2200億ドルの資産規模を持つ(17年半ば〕。19年初頭では、合計1兆ドル(約102兆円)程度に達していた可能性がある。
9.このうち、CTAは動きが速く、すでに株売却を実行済みと考えられるが、長期運用主体のリスクパリティーファンドや変額年金はまだである。3月9日の暴落でVIXは、リーマンショック以来となる62台まで一時跳ね上がった。高水準が続けば、遠からずリスクパリティー系は株売りを本格化させる。
10.現在のように株価の不調が続くだけなら、まだいいが、次に顕在化しかねないリスクは、企業債務である。FRBによると、金融機関を除く米企業の債務残高は19年9月時点で15・7兆ドル(約1600兆円)に達し、対GDP比でも過去最局の74%となっている。金融市場の動揺とともに、社債スプレッド(米国債に対する上乗せ金利)は低水準ながら若干拡大していた。それが、3月9日の原油急落で米シェール関運企業を中心に低格付け社債が一段と売り込まれることになった。



yuji5327 at 06:29 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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