2020年05月09日

英国の耳鼻咽喉学会が、新型コロナウイルスに感染することと嗅覚の低下・消失の間に関係があるらしい、米国の耳鼻咽喉学会も味覚障害を感染者の選定の参考にする提案をした。


「藤田一郎(大阪大学大学院生命機能研究科教授)著:新型コロナと「嗅覚』の異常緊急下で進む研究の新動向 週刊ダイヤモンド 2020.5.2」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.4月7日、新型.コロナウイルス奪への感染拡大を受けて政府による緊急事態宣言がなされ、引き続いて自治体による外出、イベント、施設営業などの自粛、さらには学校の休校や自宅待機の要請が出ている。これらの方策が感染の広がり防止に奏功するかどうかは、発症までの最長潜伏期間である2週聞を経て初めて分かる。
2.ジョンズ・ボブキンス大学のシステム科学技術センタ-(CSSE〕の集計によれば、4月2日からの10日間、世界中で毎日8万ー10万人の感染者が新たに確認され、その累計は4月13日時点で185万人、命を落とした人は11万4000人を超えた。恐ろしい数宇だが、これにさらなる不安を加えているのは、実際の感染者数が分からないことである。
3.その理由は感染の有無を調べるPCR検査(核酸増幅法)が限定的にしか行われていないからである。だが、新型コロナウイルス感染症に固有の症状があれば、それに基づいて感染の可能性が高い人を見いだすことができ、効率的なPCR検査や先手を打った自主隔離により感染拡大を防ぐことができる。
4.新型コロナウイルス感染陽性者の多くが匂いや味を感じられなくなるとの報告が相次いだ。すでに複数の著名人の感染例で報道されているように、「シャンプーの香りがしない」「食べ物の風味が感じられない」という異変が多くの患者で生じている。3月20日には、英国の耳鼻咽喉学会が、新型コロナウイルスに感染することと嗅覚の低下・消失の間に関係があるかもしれないとの声明を出した。その翌々日には、米国の耳鼻咽喉学会が、嗅覚の消失・低下および味覚障害を感染者のスクリーニングにおける症状として取り上げるように提案し、これらの症状がある人は自主隔離するように勧告した。
5.この二つの発表は、確固としたデータと解析に基づいたものではなく、中国、韓国、イタリア、フランス、米国の医師たちからの逸話的事例が集まった段階で出された。その後、英国のキングス・カレッジの研究グループが行ったオンライン調査によれば、新型コロナウイルス感染陽性と判定された579人のうちの6割が嗅覚や味覚の消失を経験したと回答した。一方、陰性と判定されたl123人の中の18%も嗅覚や味覚の異常を感じていた。また、米国の研究グループは、他の症状がマイルドである軽症あるいは感染初期の患者に限って調べると、嗅覚障害が85%に上ると報告している。
6.これらの調査結果は、嗅覚や味覚の異常は、他の症状が出ていない段階で感染者候補を見つけ出すのに有効であることを示している。もちろん、この症状だけで新型コロナウイルス感染の確定的な診断を下すことができない点は留意しておく必要がある。前述の英国での調査においても、陽性者の4割は嗅覚・味覚の異常を示しておらず、その逆に陰性者の2割近くが異常を訴えているし、また、他のウイルス〔例えばインフルエンザウイルス)への感染やアレルギーなどでも、嗅覚や味覚.が働かなくなることがあるからである。一部の研究者は、これらの結果が問診だけによっていることが問題だとして、精密な感覚機能検査と新型コロナウイルス感染のPCR検査を合わせた検討が必要だと指摘している。
7.新型コロナウイルスは遺伝物質としてのリボ核酸〔RNA〕とそれを包むエンベロープと呼ばれる殻〔タンパク質と脂質)から成る。宿主の細胞に感染する際には、エンベロープと標的細胞の細胞膜が融合する。その際に、エンベロープに埋め込まれている「スパイク」と呼ばれる突起物のSタンパクが、細胞側の特定のタンパク質と作用し合う。
8.細胞のどのタンパク質と相互.作用するかはウイルスの種類によって異なり、どのタンパク質を持つかは標的細胞によって異なる。つまり、どのウイルスが体の中のどこに感染するかは、この相互作用の特異性によって決まる。
9.この2-3カ月の間に、新型コロナウイルスのSスバイクの相手はアンジオテンシン変換酵素と呼ばれるタンパク質であり、さらにエンベロープと細胞膜との融合に際しては、SタンパクがTEMPRSS2と呼ばれる酵素により切断されねばならないことが解明された。次のステップとして、これらの物質が鼻の中のどの細胞に存在するかを知ることは、嗅覚障害のメカニズムの理解を進める上で重要である。
10.鼻の奥の空洞表面のほとんどは呼吸上皮によって覆われており、吸い込んだ空気に湿気を与える。一方、上方の一部を占める嗅上皮には、匂い物質を受け止め電気信号に変換して脳へと情報を送る嗅細胞が存在する。ハーバード大学のサンディープ・ダッタ博士のグループが調べたところ、嗅細胞にはのいずれも認められなかった。このことは、新型コロナウイルスは匂い物質を受けACE2とTEMPRSS2止め嗅覚情報を脳に送る過程を直接に妨害しているのではないことを示唆している。
11、しかし、嗅上皮の中で嗅細胞をサポートしている支持細胞や、新しい嗅細胞を生み出す幹細胞、さらには呼吸上皮の多くの種類の細胞が伝子を発現し、二つが合成されていることが判明した。これらの細胞が新型コロナウイルスを取り込み、備蓄している問に、何らかの仕紐みで嗅覚が阻害されるらしいが、その詳細はまだ不明である。
12.新型コロナウイルスに関する研究はまさに日々進展し、毎日のように、新たな発見が論文やプレプリント(専門家による査読を経ていない原稿〉の形でインターネット上にアップされている。おそらく発表されたデータや主張には吟味が不十分なものもあるに違いない。しかし、この危機的な状況下、一つでも多くの命を守り、感染終息に向けて助けとなり得る知見を、一刻も早く世界中で共有することが優先されている。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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