2020年05月17日

航空会社は新型ウイルスの犠牲者なのか、税金の投入先に値するかなど、政治問題の財務に関わる問題である。


「Jon Sindreu著:コロナ後の「ブラックスワン」備えは可能か、週刊ダイヤモンド、2020.5.16」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.新型コロナウイルス感染症は次のブラックスワン(事前に予測できないが、発生すると極めて大きな影響を及ぼす事象)にどう備えるべきかという難問を企業や投資家、政策立案者に投げかけた。明確な答えを見つけたくとも我慢するのが一番である。
2.航空会社は新型ウイルスの犠牲者なのか、税金の投入先に値するのかなど、さまざまな政治問題の中心にあるのが財務に関わる問題である。米国の航空会社は今月、連邦政府から約2兆7000億円の支援を受けることで合意した。一方で航空会社はこの10年、稼いだフリーキャッシュフローを投資や蓄えに回すよりもむしろ、基本的に全て、株主に還元してきた。
3.批判的な人々からは航空会社は破産申請に追い込まれるべきだったとの声が上がっている。UBSのビクトリア・カルブ氏など一部のアナリストは、新型ウイルス危機の終息後も規制当局や社会問題への関心が高いファンドマネージャーが自社株買いや配当にペナルティーを科す恐れがあると指摘している。
4.緊急時に株主への還元を制限することは理解できるし、役員報酬はもっと厳しくチェックされるべきである。しかし負債に苦しむアメリカン航空を除き、米国の航空会社は利益率が大幅に上昇した結果として投資家に還元しており、還元前に設備投資も増やしている。データを見ても、S&P500種株価指数構成セクターのうち株主還元が多いセクターは財務的に立ち直りが早い傾向にある。実際に欧米の企業はこの20年間で現金バッファーを大幅に増やしている。
5.議論は要するに、企業が想定外の事象に対処できるように、政策立案者が強制すべき備えの水準があるのか、という問題である。経済学者のフランク・ナイトやジョン・メイナード・ケインズ、それに数学者で予測不可能な事象を指すブラックスワン」という言葉をつくったことで知られるナシーム・ニコラス・タレブ氏は皆、過去の確率に基づいてある程度計測できる「リスク」と「不確実性」の違いを強調している。コイン投げに賭けた場合のリスクは50%の確率で負けることで、不確実性とは賞金をもらう前に落ちてきたピアノにぶつかって死ぬ計測不能の確率のことである。
6.リスクと不確実性の違いは、ロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM):数学的なリスクモデルを駆使してレバレッジ取引を行った巨大ヘッジファンドが1990年代後半のアジア金融危機というブラックスワンによって破綻した際に浮き彫りになった。不確実性への防衛策は現金だけではない。タレブ氏は暗号通貨を勧めているほか、オプション契約を使って常に株式市場の暴落に賭けるユニバーサ・インベストメンツに助言している。
7.顧客宛ての書簡によると、同社の第1四半期のリターンは4000%だった。同社ほど極端ではないが、同様の戦略に注目するユーリカヘッジ・テールリスク・ヘッジファンド・インデックスは今年、66%上昇している。しかし不確実性に値段が付けられるというこの発想こそ、検討に値する矛盾である。一部のデータによると市場は構造的に不確実性を過小評価している。例えばこれまでの実績を見る限り、利益が安定していて負債が少ない企業の株が市場を上回る収益率を上げている。しかしLTCMの破綻以降、オプション市場は明らかに不確実性に対する保険料を織り込んでいる。ユーリカヘッジ・テールリスク指数に2007年から投資を続けていたら投資家は損失を被っていただろう。長期的には保険会社が被保険者を犠牲にして金を稼ぐ傾向にあるのとほぼ同じである。
8.他の金融資産と同じように、不確実性についてもタイミングよく防衛策を購入できれば多額の金が稼げる。咋年末、レイ・ダリオ氏率いるヘッジファンド、ブリッジウォーターなどはオプションヘッジが自信過剰な株式市場に対して割安であることに目を付けた。ユニバーサの成功は極端な事象が起きる確率が過小評価されていたことを示唆している可能性さえある。この確率が今後も常に過小評価されるとは限らない。そもそも不確実性とは、投資家はヘッジを強化すべきかどうかを事前に知ることは絶対にないということである。
9.企業についても同じことが言える。世界の航空会社は収入がなくても3カ月生き延びるのに十分な現金.を保有していた。これは70%という前例のない航空交通量の減少が起きなかった過去の危機を乗り切るには十分な金額だった。しかし次の感染症の大流行に対しては、今のバッファーを10倍にしても十分ではない。となると、投資家と当局者は不
確実性をどのように考慮すべきなのか。個々の企業で言えば、脆弱な企業には現金.を積み増すよう促すべきだが、業界全体を考えた場合は公的機関の力が重要になる。
10.システム全体が危機に陥ったときに欧米の政府が時間のかかる破産手続きに頼らないのは正しい。政府が次の感染症の大流行が起きる前に医療資源を拡充することに加えて、企業や世帯を救うためのより迅速なメカニズムを設けておけば、その恩恵にあずかれる。こうした動きはリスクテイクを促すが、先進国はそうしたリスクテイクの上に成り立っている。
11.必要なときに介入できる機関を持たない新興国市場は一般的にディスカウントで取引されている。投資家が避けるべきは、不確実性に対して市場自体が提供する「保険」を信用しすぎることである。そうした保険はいとも簡単に、投資家が避けたいと願っているブラックスワンそのものになる恐れがある。



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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(現在理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
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