2020年06月20日

孫氏は21年3月期の配当について、万が一資金がさらに必要にならないとも限らない、としてゼロ配当もあり得る、と述べた。今後1年の資金繰りの厳しさが垣間見える。


「村井令二(ダイヤモンド編集部)著:ソフトバンク孫正義氏のジレンマ 週刊ダイヤモンド 2020.06.20」は参考になる。概要を続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.5月18日の決算で孫氏が、新規の投資について「慎重に」「用心しながら」「むちゃをしない範囲で」と控えめな発言を繰り返したのは、苦しい胸の内の表している。SBGの財務を見ると、これから孫氏が積極果敢に投資拡大に打って出るのは難しい。手元資金は3月末で約1兆8195億円あるが、21年3月期〜22年3月期の2年聞の社債償還は約1兆4500億円の規模に達する。同社には、2年分の社債償還資金を手元資金として持つ、との財務規律があり、ここから投資の資金は捻出しにくい。
2.現金収人は、投資会社のSBGにとっては傘下企業の配当金がそれに当たる。中国アリババ集団株と米TモバイルUS株は無配が続いているが、67%を保有する通信子会杜ソフトバンク株の配当収人は年問約2700億円にも上リ、安定的にキャッシュを生み出し続けている。ただ、SBGは、有利子負債の利払い費眉として年問約2000億円の重荷があり、これとほぼ相殺されるのが実態である。さらに、SBG自身が株主に支払う配当の原資も必要で、20年3月期の配当総額は910億円で、支出は何かとかさむ。
3.孫氏は21年3月期の配当について、万が一資金がさらに必要にならないとも限らない、としてゼロ配当もあり得る、と述べた。今後1年の資金繰りの厳しさが垣間見える。こうした厳しい財務事情を背景に打ち出しているのが、保有株の売却などを通じて4兆5000億円の現金を確保する計画である。すでにアリババ株の一部で金融派生商品〔デリバティブ〕を活用して1兆2500億円の現金を調達したほか、ソフトバンク株の5%を売却して3102億円を確保した。この他にも、Tモバイル株は3兆円前後の保有価値がある。
4.Tモバイル株には売却を制限するロックアップが掛かっているが、関係者によると、Tモバイルの筆頭株主のドイツテレコムとロックアップ解除の交渉に入っている。2兆円前後の資金確保に向けて売却先を探しているとみられるが、それが実現すれば、4兆5000億円の資金化計画は達成に近づく。
5.だが、その資金は、自社株買い2兆円と、税金コストなどを除いた2兆円の財務改善に充てる計画で、新規投資に充てる資金は十分にはない。もともとSBGはビジョン・ファンド2に4・1兆円もの自己資金を注人する計画だったが、その原資として想定していたのは、ビジヨン・ファンド1の、分配収入や新規上場株の売却収入だった。しかし、すでにそれは当てにできなくなっている。
6.19年3月期にはビジョン・ファンド1が好調だったため2200億円の分配収入を確保したが、巨額の評価損を計上した20年3月期の分配金は数百億円にとどまった。コロナ禍の先行きえにくい21年3月期も、ビジヨン・ファンドからの資金回収を期待できる状況にはない。むしろ、SBGは、ビジヨン・ファンド1に拠出を確約している約3・1兆円のうち、約5000億円の出資要請が未実施である。いわば出資の未払い金が、今後の負担としてのしかかる。ビジョン・ファンドの資金循環は、回収よりも支出が先行する逆川転を始めている。
7.5月18日の決算会見で孫氏は、ビジョン・ファンド1の上場8社の投資を回収するのは時間の問題とし、その資金をビジヨン・ファンド2の投資に充てるのは可能だと、主張している。しかし、そうした好循環が実現するのは、まだ先になりそうである。だ。現在、上場8社の保有状況は、累計リターンの合計は約1・4兆円に上る。だが、その半分以上はウーバー株の評価額の約7780億円が占めている。
8.赤字が続くウーバーは含み損の状態にある。自動運転技術への投資もこれから本格化する中で、その株式をすぐに現金化して他の投資に充てるというシナリオは無理がある。一方、それ以外の株式を見ると、がん遺伝子検査会社の米ガーダントヘルス、ビジネス用チャット大手の米スラック・テクノロジーズ、オンライン診療アプリ運営の中国・平安健康医療科技など含み益が出ている上場株の一部を20年3月末までに売却したことが分かっている。
9.だが、その売却収入も、ビジョン・ファンドの外部投資家とリターンを分け合う仕組みになっている。つまりビジヨン・ファンドの上場株を売却しても、SBGの取り分は、それに応じて減っていく。今後も上場8社の株式は、株価を見ながら売却を少しずつ進めていくことになるが、その全てがSBGの収入にはならない中で、新たな投資に允てるだけの十分な資金を確保するのは難しい。
10.また、コロナ禍の先行きが不透明な中、社債発行や銀行からの借り入れを増やすのも難しい。結果、このタイミングで孫氏が本気でビジョン・ファンド2の新規投資に打って出るなら、4兆5000億円の資産売却資金に手を付けるか、一段の資産の切り売りに乗り出すか、その2つに絞られる。だが、4兆5000億円の資金をビジョン・ファンド2の新規の投資に充てるために、株主還元と財務改善の方針を取り下げれば、市場の不信を招く。また、これ以上の資産売却に乗り出せば、将来の収入源の先細りにつながる。特に巨額の含み益を持つアリババ株の保有を減らせば、SBG本体の体力を減らすことになる。
11.すでに、高配当のソフトバンク株を5%売却したことで、約200億円の配当収人減になることが決まつているが、一段の売却に乗り出せば、この収入がさらに目減りするのは避けられない。コロナ禍にあっても、ビジヨン・ファンドが投資対象とするAI分野の次世代技術の競争は一段と激化する。それに立ち向かわなければ競争に後れを取る恐れがある中で、投資の財源をどう確保するのか。巨額赤字の傷を負ったばかりの孫氏に、新たな難題が降りかかっている。


yuji5327 at 06:35 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 青山賞、春興賞の受賞:2回
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