2020年06月24日

ハイテク産業において、供給網の最要衝は半導体である。AIであれ、次世代通信規格(5G)であれ、半導体なしには実現しない。


「杉本りうこ、高口」康太(ダイヤモンド編集部)著:半導体巡る大国の思惑 週刊ダイヤモンド 2020.06.27」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.ソニーの革新的な技術と、マイクロソフトのクラウドAIが連携する。ソニーと米マイクロソフトは5月19目、法人向けのAI〔人工知能〕スマートカメラ事業での協業を発表した。ここで使われる重要部品が、ソニーが世界で初めて実現したAI搭載のCMOSイメージセンサー〔撮像素子半導体)である。CMOSは従来、主にスマートフオンやデジタルカメラに使われてきた。
2.今回ソニーが開発・製品化したのは、高性能のCMOSと画像をAI処理する半導体を積み重ねたパッケージである。ソニーがCMOSメーカーとしていち早くこれを実現できたのは、半導体を立体化する「積層化技術」が大きい。ソニーは2012年に積層型CMOSを世界で初めて商品化した。積層化はCMOSの高画質・高機能化と小型化を可能にし、韓国サムスン電子など競合メーカーも追随した。近年、スマホのカメラが飛躍的に進歩した陰には、ソニーの技術がある。
3.そもそも撮像素子半導体そのものが、ソニーが切り開いた分野である。1980年、世界で初めてカラーのCCDイメージセンサーを商品化して以来、技術力と市場シェアの双方で他社を圧倒してきた。今回のAI搭載半導体は、CCDの研究開始以来、50年分の技術とノウハウが凝縮された結晶である。この結晶を、マイクロソフトとの協業で法人向けのスマートカメラとして世界に売り込む。小売店の商品棚の欠品状況や、工場の運転状況を自動検知するようなAI処理が、高速かつ省電力・低コストでできるようになる。
4.この日米巨大企業の半導体を巡る協業を聞き、人知れず穏やかでない心持ちになったのは、中国のハイテクガリバー、ファーウェイ(華為技術)である。ファーウェイはソニー、特にその半導体技術に、以前から「並々ならぬ関心」を寄せてきた。ファーウェイはソニーから撮像素子半導体を購人するだけではなく、ソニーを重要な開発パートナーと位置付けている。現状でも親密な2社だが、これに飽き足りない「並々ならぬ関心」を物語る秘話を、東京に拠点を置くある調査会社の幹部が語った。
5.時は18年末から19年初、この調査会社はファーウェイの中国本社から、ソニーに関するある調査を依頼された。大まかに言えば、ソニーの半導体事業の技術優位性やイノベーション力に関する詳細な調査である。ソニーはなぜ優れているのか、その秘訣の全てを学びたいとの意向が、ファーウェイ側から伝えられた。ハイテク業界では、競争相手や取引相手の技術力を調査することは珍しくない。だがファーウエイの依頼の詳細は、通常とはかなり異なっていた。具体的な調査項目として、以下のような事柄が盛り込まれていた。「半導体事業のキーパーソンとなる技術者は誰か」「その技術者の連絡先は」「自宅の住所は」……である。
6.相手企業の個人情報を求めるような依頼は、これまでにない。対価は数干万円と、通常に比べて桁が違う。調査会社は、依頼を断った。何らかの形でソニーの重要人材にファーウェイが接触することが想定された。ソニーにとっては人材の流出につながるか、少なくとも半導体事業のノウハウが学び取られる。ファーウェイは19年5月、米国の輸出管理規則で事実上の禁輸制裁を受けた。この制裁ではソニーの半導体は対象外だった。両社は現在も取引を続けている。ただファーウェイはソニーへの並々ならぬ関心を今後、抑えざるを得ない。
7.そこにはソニーとマイクロソフトの協業が関係する。マイクロソフトには、ファーウェイのような中国企業や中国政府から見て無視できない側面がある。米国の政府調達の最有力サプライヤーであることである。特に国防総省や国土安全保障省、軍といった防衛や安全保障に関わる部門で貢献してきた。マイクロソフトが獲得した政府調達額は直近年度で約2255億円に上る。国防総省の巨大クラウド構築事業、JEDIを落札した。
8.このマイクロソフトとソニーは今後、さらに親密になる公算が大きい。両社は昨年5月に戦略提携を結んでおり、今回の半導体を巡る協業もこの包括的な提携の一環だからである。製品の売り切りから継続課金モデルに移行したいソニー、自社のクラウドを補完するハードウエアが欲しいマイクロソフト。互.いの利害が一致した。昨年5月に公開されたソニーの吉田憲一郎社長とマイクロソフトのサティア・ナデラCEOの握手が、両社の蜜月を象徴している。
9.両社の関係が深まれば、ソニーが米国政府の間接的なサプライヤーになる可能性も高まる。今回のスマートカメラ事業の販売先は政府ではなく一般企業である。それでも今、可能性を指摘する必要があるのは、米国が政府調達や国内企業の供給網に対し厳格になっているからである。
10.コロナ禍を受け、米中対立が深まっている。5月中旬に米国は、ファーウェイに対する制裁策を追加し、米国製の製造設備を使って自社設計の半導体を作れないようにした。この攻撃と同時に、重要な製品や技術をなるべく米国、あるいは中国以外の信頼できる国・企業から調達する供給網の防御も進めている。半導体受託製造の世界最大手、台湾TSMCが米国に新工場を造ることになったのも、その一環である。
11.ハイテク産業において、供給網の最要衝は半導体である。AIであれ、次世代通信規格(5G)であれ、半導体なしには実現しない。半導体産業で重要な企業は明確である。TSMCやサムスン・東京エレクトロン、オランダ・ASMLといった企業とソニーである。イメージセンサーの市場の半分はソニーが占めており、技術の水準も前述のように高い。
12.こういった重要企業に対して米国政府は、中国の供給網から距離を置き、米国の産業・市場への関与を深めるように求めている。特に今秋の米大統領選挙に向けては、トランプ氏は有権者に受けのいい中国たたきや安易な産業政策を相次いで打ち出すだろう。ハイテク産業の供給網において、中国の役割は無視できない。巷間でいわれるような、世界が米中を軸に2つの経済圏に分断するデカップリングはおそらくない。起こるのは供給網の「分岐」であり、その分かれ道で個々の企業に極めて難しい経営判断が求められる。
13.ファーウェイへの追加制裁を受け、ソニーの法務部門のスタッフは連日のように、経済産業省や法律事務所など貿易管理に精通した向きに、ファーウェイとの取引を続けて問題はないか、と問い合わせている。米中問の対立が日々エスカレートする中、ソニーの判断の難しさも増している。




yuji5327 at 06:29 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
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(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
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