2020年06月26日

変革の時代には、キャリアリスクを考えな方が企業のリーダーになる。急激に変化する状況では、今から手を打ち、機会損失のリスクを軽減した人が抜きんでる。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、危機で見直すべき三つのリスク 週刊ダイヤモンド 2020.06.27」は参考になる。
1.新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞で、日本企業のイノベーションへの取り組みが揺らいでいる。過去数年間、イノベーションを推進する部署を新設し、シリコンバレーに社員を送り込んでベンチャー投資や事業開発を始めた企業が急激に増えていた。しかしコロナ危機が本格化した途端、提携案件や新規投資をストップし、嵐が過ぎるのを待つ姿勢に変わってしまった。
2.米ボストンコンサルティング・グループが、米国の大手上場企業の業績を過去4回の経済危機前後でどう変化したかを調べたところ、市場全体が落ち込んだにもかかわらず、14%の企業が増収・増益を果たした。これらの企業を詳細に調べてみると、成功の鍵は以下の3つに集約された。すなわち(1)素早いアクション、(2)長期的な視野、(3)コストカットと成長の両方を目指すことである。コロナ危機において、日本企業は(1)の素早いアクションに関しては合格である。テレワークなどへの転換は早かった。(3)のコストカットも、デジタル化の推進で効率を上げる流れができている。問題は、(2)の「長期的な視野」と、(3)の「成長」を目指しているかどうかである。
3.未来を見据えて新しい事業機会を求め、困難をイノベーションで乗り切り、さらに成長の道筋を付ける企業が伸びるのだが、多くの日本企業の経営トップにはその覚悟が足りない。危機は事業環境の変化のときでもあり、事業イノベーションを起こす絶好の機会である。イノベーションは、余った収益で現場の改善を行うことではなく、企業の体質を根幹から変えるような、経営トップが関わる戦略的プロセスであるという大前提を理解すべきである。
4.経営トップは会社の将来のことを一番真剣に考えている人間である。多くはイノベーションによる飛躍を望んでいるが、なかなかイノベーション活動が続かない背景には、幾つかの根本的な問題がある。中でもリスクに対する考え方は、最も大きなもので、危機が起きると、企業活動を止めることがリスク回避だと考えている人が多いようである。しかし、活動を止める前にリスクには2通りあることを考えるべきである。
5.リスクには純粋リスクと投機的リスクがあり、自然災害やコロナによる死亡のように、損害だけを一方的に生じさせるのが純粋リスクである。それに対してあらゆる社会事象で「ロス(損)」と「リターン(得V」が相まって生じるリスクが、投機的リスクである。コロナ危機の広がりで、素早くテレワークに移行したのは、純粋リスクの低減のためである。しかし、投資や経営判断のような企業活動のリスクは、皆投機的リスクである。このリスクを追うことで、企業はリターンを獲得する可能性があるが、ロスのリスクを抑えながら最大限のリターンを求めるのが、投資や経営の醍醐味である。
6.リスクとは「危険」と同一義ではなく、危険だからロスを被るわけではない。リスクとは、その「可能性」であり、危険はその可能性に影響を及ぼす状態だから、企業活動を止めることは、純粋リスクの回避にはなるかもしれないが、投機的リスクにおいてはリターンの可能性も放棄することになる。コロナ危機での既存事業のコストカットや事業プロセスの合理化は、投機的リスクのロスの可能性を抑える最優先の施策である。
7.長期的視野に立ったイノベーション活動をどう扱うかは、将来に大きな花を咲かせるための種まきと育成だから、投機的リスクの観点からは、継続することが最重要である。継続しないと将来に期待できるリターンを逃す機会損失のリスクが極大となる。継続することによりかかるコストは、企業規模と比べ通常は小さく割り振られており、額は固定されているので、リスクは保有しても大きなロスとなる可能性は低い。
8.現在多くの企業で行われるようになった、スタートアップ企業への投資やコーポレート・ベンチャーキャビタル(CVC)の活動は、経済危機でも継続させるべきである理由はそこにある。ここで手を緩めると、リスクは抑えているように見えても、実際は今まで蓄積した経験やネットワークを損切りし、さらに将来の機会損失という目に見えない大きなリスクを増やすことになり、「継続は力なり」である。そのまま継続するのではなく、今までのイノベーション活動を棚卸しした上で、むしろ活動を加速すべきである。
9.イノベーション活動そのものが目的化していたら、スタートアップ企業の中から自社の事業を脅かすようなビジネスモデルを抽出して、事業改革のビジョンをつくるべきである。直接投資やCVCからの投資が進んでいない場合は、思い切って投資の専門家を配置し、投資に自立性を持たせる。投資は順調に行われているが、現業部門の事業改革や進化につながっていない場合は、投資側と現業側の責任と評価軸(KPI)を明確にして、相互の評価を開始した方がいい。
10.経営幹部のキャリアリスクという、イノベーション活動の維持を難しくさせる隠れた問題がある。長期的視野に立ち、リスクを負つて未来へ投資する場合、目の前のコスト増と成果までの長い時間は人事上のマイナス評価につながる危険がある。何もしないことによる機会損失のリスクはすぐには見えないので、人事評価の項目には入りにくい。だから経営幹部の目には、イノベーション活動を継続することは、キャリア上のリスクが高く見える。経済が悪化したときに、経営幹部がイノベーション活動に消極的になるのはこのためである。
11.これからの変革の時代には、キャリアリスクをあまり考えない人の方が企業のリーダーになる可能性が高い。急激に変化する状況では、今から手を打ち、機会損失のリスクを軽減した人が抜きんでるからである。アフターコロナに向けて、イノベーション活動を加速させるために、投機的リスク、機会損失リスク、キャリアリスクの3つの視点でリスクを見直すべきである。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 青山賞、春興賞の受賞:2回
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