2020年06月30日

9月入学は絶対にやめたほうがいい。6月に入って学校は再開されたのだから、夏休みを短縮したり、休日を活用すればキャッチアップは十分に可能である。


「大前研一著:9月入学にメリツトなし長い夏休みこそ見直せ PRESIDENT 2020.7.17」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.新型コロナウイルスによる感染拡大で休校措置が長引く中、にわかに浮上したのが「9月入学」を巡る議論である。4月29日に開かれたオンラインの全国知事会では9月入学の検討が提言された。「9月入学はグローバルスタンダード。実現するならこのタイミング」かない」(吉村洋文大阪府知事〕、「教育システム、社会システムを変えるきっかけにすべき」〔小池百合子東京都知事〕と賛同する声が相次ぐ一方で、「拙速な導入には反対。コロナに紛れてやるのかという批判もある」〔福田富一栃木県知事〕といった慎重論、反対論も聞こえてきて、永田町や霞が関、学校教育の現場を巻き込んで百家争鳴という状況になった。
2.当初、安倍晋三首相は、「有力な選択肢の一つ。前広に検討していきたい」と前向きに語っていた。自らの判断で一斉休校を要請して長期休校の引き金を引いた以上、子どもたちの学習の遅れをカバーできるようなアイデアが欲しい。その1案として政府は9月入学の検討に入った。5月19日には文部科学省が2021年から9月入学に移行する場合を想定した2案を提示した。一気に移行する第1案では、14年4月2日から15年9月1日生まれまで、17カ月分の児童を来年度に一斉入学させる。毎年13カ月分の児童を入学時期をずらしながら入学させて、5年かけて段階的に移行するのが第2案である。
3.どちらにしても制度移行期には児童の数が増えるので教室や教員が不足するし、将来の受験や就職では競争相手が増えて不利が生じかねない。一時的に急増する待機児童の問題、入試や資格試験との日程調整の必要性、会計年度など社会システムとのズレ等々、課題が浮き彫りになって、財政コストは6兆円超との試算も出てきた。学校現場や家庭の負担も大きく、教育関連団体やPTAなどから制度移行に伴う混乱を懸念する声や慎重な議論を求める声が相次いだ。
4.緊急事態宣言解除後の6月に学校再開の見通しが立った頃には、風向きは慎重論に傾いた。与党公明党や自民党から拙速な導入に釘を刺す提言がなされると、安倍首相は「今年度、来年度の法改正を伴う形での導入は困難」とあっけなく白旗を掲げた。コロナ対策の迷走ぶりや検察庁法改正案を巡る混乱によって安倍政権の支持率、求心力は急激に低下した。難題山積の9月入学を実現する突破力は、もはや安倍政権にはないということである。
5.今回の9月入学の議論を傍から眺めていると、4月入学の遅れに対処できていないという「日本の恥」をさらしたようである。4月の学校再開が間に合わず、5月の目処も立たない中、「9月入学なら間に合う」という安易な考えが9月入学に前のめりになった入たちの頭の片隅にあっただろう。9月入学はグローバルスタンダードと言われる。確かにG7(先進7力国〕で4月入学は日本だけで、G20でも日本とインドだけである。
6.入学時期のズレが日本の大学の国際化を遅らせる一因になっている(グローバルスタンダードの9月入学に移行すれば国際交流は促進されるし、留学もしやすくなる)という論調もよく聞かれる。しかし、9月入学のメリットにこれを挙げるのは留学の実態を知らない人である。現状、世界の一流大学に留学する日本人学生の数は劇的に減少している。理由は明白で、日本人の学力が非常に落ちているからである。「日本人の留学生は入学して2年くらいで、ようやく今日スタートしたら何とかなるレベルに到達する」とアメリカの大学で教えている日本人の先生はよく言う。他国の学生よりクラスでの発言も成績も、2年分遅れている。
7.現地で厳しい目に遭って2年くらいもがけばようやく初年度の学生程度になる。そもそも英語に難があるから、向こうで語学学校に1年〜1年半通わなければ、大学の授業についていけない日本人学生も多い。1990年代にアメリカのスタンフォード大学とUCLAで教鞭を執った大前氏が一番心配しているのは、世界各国から集まる学生の中で日本人は全く目立たないし発言しない。60年代にMITに留学した頃は、日本人はそれなりに頑張っていたし、特徴ある学生も散見された。そういう情勢を踏まえれば、入学時期がずれているのは学力の劣る日本人留学生にとって決して悪いことではない。3月に卒業して4〜7月というのは貴重な準備期間であり、身辺整理や語学の勉強に充てられる。
8.9月入学になれば海外から優秀な人材が日本にやってくるというのは幻想である。海外の優秀な学生は、日本に留学するメリットは何もない。アジアの学生は、かつては韓国や台湾から日本にやってくる留学生は多かった。経営者は日本の企業とのつながりが重要視され、子弟を日本流に育てたかったからである。しかし韓国では金大中政権以降、欧米、英語圏に完全にシフトして日本に留学する学生はほとんどいなくなった。台湾人は義理堅いから親子3代慶応…みたいな家柄が今でもあるが、MBAを取るための大学院はペンシルベニア大学のウォートンスクールだったりする。
9.今どき、日本に来るとすれば中国の学生ぐらいで、欧米の一流大学に合格できず、なおかつ日本への留学で奨学金を獲得できた場合だけである。競争が激しい中国では優秀な人材は日本など見向きもしない。眼中にあるのは英米の一流大学であり、次が中国国内のトップ大学。その次がオーストラリアやカナダという英語圏である。格落ちの日本の大学の卒業証書は出世の妨げにしかならない。日本に留学するためには日本語を習得する必要がある。英諸圏のインドやシンガポール、香港の学生にしてみれば、英語たけで欧米の一流大学に留学できるのに、面倒な日本語を学ぼうと思う人は稀少である。台湾と韓国でも日本語を学ぶ人はめっきり減っている。インド人のエリートは一流大学でICTと英語を究めれば、GAFAをはじめグローバル企業から高給オファーが殺到する。
10.9月入学に変更すれば大学の国際化が進み、留学が活発化する、などいうのは実態を知らない人の言うことで議論自体がナンセンスである。2学期制の中で長期休暇のバランス見直しを冷静に考えて9月入学のメリットが一つあるとすれば、長い夏休みが学習の妨げにならなくなるということである。日本の大学の多くは前期が4月から始まって9月まで、後期が10月から次の年の3月までという2学期制を採っているが、勉強のサイクルとしては最悪である。4月に立ち上がったばかりの学期が1カ月半の夏休みによって腰砕けになる。ようやく勉強の調子が上がってきたところで夏休みモードに入って、長い夏休みが終わるとすっかりたるんでしまう。
11.入学時期が9月になれば、長い夏休みで勉強が腰砕けになることはないが、そのために9月入学にする必要はなくて、夏休みも冬体みも1カ月にしてバランスを取ればいい。ちなみに、BBT大学・大学院は4月入学と10月入学の2期制。好きなときに入ってくればいい。サイバー教育だから、夏休みは関係ない。4月入学と10川入学の割合は6一4というところである。BBTと提携してMBAコースを提供しているオーストラリアのボンド大学は2月、6月、10月と年3回入学のタイミングを用意している。3カ月単位で集中的に勉強して4カ月目に試験。このスケジュールなら頑張れば1年でMBAに必要な単位が修得でき、授業料を大幅に倹約することができる。
12.コロナ禍で学びの機会を失った子どもたちをリセットして再出発させる手立てとして、9月入学は絶対にやめたほうがいい。6月に入って学校は再開されたのだから、夏休みを短縮したり、休日を活用すればキャッチアップは十分に可能である。どさくさ紛れや絵空事の議論ではなく、グローバル時代に相応しい教育システムをいかに再構築すべきか、国民的な議論を深めてほしい。




yuji5327 at 06:33 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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