2020年07月25日

気象とウイルスが互いに関係しているか。気象と感染症については研究があるが、ウイルスの活動が気温や湿度などに影響を受けるかは、確実な知見はまだない。


「木本昌秀(東大教授):“梅雨前線”に“線状降水帯”仕組みを知ってリスクに備える、週刊ダイヤモンド、2020.07.25」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。 
1.アンケートによると人気ナンバーワンの役所は気象庁である。新社会人なった40年前、先輩たちがそう誇らしげに語っていた。今も天気情報への関心度は変わりないだろうが、昨今は新型コロナウイルス情報により多くの関心が集まつている。いずれにせよ、人々が、なるべく不具合・不利益を避けるために必要な情報に関心を寄せるのは間違いない。損害を減ずるためには、できるだけ正確な現状把握と予測情報が必要である。
2.不都合な事象の起こる確率、対策を取りないでそれが起こったときの損害、そして対策のためのコスト、これらを勘案して最適なリスク管理を可能にするため、気象予報では確率表現や予測の信頼幅を定量化して伝える努力がなされてきた。気象とウイルスの2つのリスクが互いに関係しているかが関心のある点である。気象と感染症については少なからぬ研究があるが、今回のウイルスの活動が気温や湿度などに影響を受けるかどうかについては、暖かくなると衰えるというような確実な知見はまだ示されていない。
3.自粛生活で経済活動が停滞したことによって人為起源の湿室効果気体や大気汚染物質の排出量減少が起こっているはずが、気候変動に対して有利に働くのではないかも、残念ながら、あまり希望的観測はできない。確かに一時的に人為排山量が減ったという第一報は届いているが、温室効果気体についても大気汚染物質についても原理的に希望的観測が困難な理由がある。温室効果気体のほとんどは大気中での滞在時間が長く、少なくとも数10年以上である。
4.大気汚染物質は気体ではなく、小さいが固体の粒であるため、降水などで洗い流される効果が大きく、大気中の寿命は気体に比べてはるかに短い。数日からせいぜい数ヵ月程度である。このため、排出量減少が元に戻るとすぐ濃度も回復してしまう。人工衛屋による中国の大気汚染物質濃度のマップがNASAから公表されていたが、2月には中国・武漢付近を中心に例年より明らかに減少していたものの、4月の終わりにはほとんど、元に戻ってしまったようで、寿命の長短にかかわらず、短期間の偶発的な排川量減少に気候変動対策を頼るわけにはいかない、と考えられる。
5.ウイルスリスクにも気象リスクにも対処せざるを得ない。災害避難所での3密への対処については、たくさんの情報が発せられている。毎年、梅雨末期には豪雨が多いが、今年は、線状降水帯による大規模な豪雨災害発生の報がある。
6.大雨をもたらす梅雨前線と、線状降水帯の特徴は、世界中でも、梅雨前線のように中緯度で多量の降水をもたらす気象システムは他に例がない。前線は、南の暖かい気団と北の冷たい気団の境界の目安である。上空10km付近では偏西風の極大亜熱帯ジェット気流がこれに対応している。梅雨前線は、気温の差に加えて水蒸気量の南北差が大きいのが特徴である。
7.大陸東岸という条件は同じでも、北米よりもユーラシア東岸の日本付近の方が降水帯がより明瞭で、雨量も多い。日本南方が世界で最も水温の高い海域であり、ここからの水蒸気流入量が多いことや、西方のインド、南アジアのモンスーンからも大量の水蒸気流人があるためと考えられる。水蒸気が多ければ雨量は多くなるが、特に局地的な集中豪雨が多くなる。「今日は大気が不安定で、午後から積乱雲が発達し、夕立が発生しやすいでしょう」というのが夏によく聞く天気予報だが、このときの「不安定」は、気温の上下分布のことで、上空に冷たい空気があって、下層の暖かい空気が上昇したとき、周囲より軽いので上昇気流がさらに加速されるような状況を指している。
8.気温分布が同じでも、下層が湿つていると不安定度がより大きくなる。上昇気流中で水蒸気が冷えて水になるときの凝結熱が空気を暖めるからである。凝結熱による上昇気流の強化は、胴囲からの水平の流入もまた強化する。小さなスケールほどこのような自己増幅作用が効率的に働くため、日本列島を覆うスケールの梅雨前線の中に、たくさんの局地的な強雨域が現れる。
9.実際の避難に当たっては、雨雲レーダーなどを駆使して局地的な気象状況を見る必要がある。特に近年知られるようになった線状降水帯の発現が察知されたときは、厳重な警戒が必要である。線状降水帯では、上層〔この場合亜熱帯ジエット気流より低い地上3km付近)の風と水蒸気を多く含む下層の風の向きが少しずれており、その合流域が積乱雲の発生に好都合となっている。
10.直径10km程度の個々の積乱雲は下流に流されるが、次から次へと合流点付近で新たな積乱雲が生じる(バックビルディング)ため、数時間のスケールでは、線状降水帯が認識される。線状降水帯の走向は東西に限ったものではないが、上層と下層の気流の向きの関係など、見かけ上は梅雨前線の縮小版とも考えられる面がある。5分ごとに更新される雨雲レーダーなど、一般の人でもバックビルディングのような危険な兆候を察知できる環境が整いつつある。誰もがリスクを賢明に回避できる未来社会の実現を祈っている。




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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(常務理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
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