2020年07月26日

日本企業はゼネラリスト志向のため、短期間で異動させ、専門的な知識や技能の習得は後回しになるる。シリコンバレーは、専門的な知識や視点である。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、人事ローテーションは必要か、週刊ダイヤモンド、2020.07.25」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.オープンイノベーションのために米シリコンバレーに派遣された駐在員には、長年の課題がある。シリコンバレーのベンチャーコミュニティーになかなか入れないことである。シリコンバレーは事業イノベーションの世界的中心地である。新しい事業の胎動は、何万社もあるスタートアップ企業やそれらに投資するベンチャーキャピタルなどから成るコミュニティーの中でこそ感じられるものである。そのインナーサークルにいないと、変化の兆しやその背景が理解できない。スタートアップ企業の急成長や潮流をニュースで知ったときにはもう遅い。
2.情報収集の巧拙の問題だと考える人もいるが、これは根の深い誤解である。イノベーションは何かの情報があればできるわけではなく、「情熱」を持った人がいろいろな知識や経験を頭の中で融合させる「再結合」から生まれる。情報ではなく情熱が全ての源であり、非常に個人的な営みなのである。
3.最近はそのような情熱を持った駐在員が少しずつ増えてきた。先日、ジェトロ〔日本貿易振興機構)のサンフランシスコ事務所がオープンイノベーションに関するオンライン討論会を主催した。登壇した駐在員たちははつらつとしており、それぞれが自社のイノベーションにつながった取り組みを紹介していた。
4.ある駐在員は、シリコンバレーの先進的なスタートアップ企業を自ら発掘することと、日本にいる経営幹部をいかに説得するかが成功の鍵だったと話していた。また駐在員が誰よりも高い熱量を持って、自発的に行動することが求められるとも語っていた。やはり、情熱は不可欠なのである。思い起こせば3年前、シリコンバレーの駐在員たちと同様のテーマで議論を交わしたことがあった。そのときは、日本側がシリコンバレーのエコシステムや文化を理解せず、日本的経営の発想で指示を出してくる問題が議論されていた。例えばシリコンバレーの事情を理.解してもらうために膨大な時間を割い資料提供や説明、調整をするが、日本側の意思決定が遅いことなどが指摘されていた。
5.しかし、先のジェトロの討論会から分かるように、3年前の問題を乗り越えた駐在貝が出現している。日本にいる経営幹部を巻き込み、実績を積むことで自分白身の立ち位置が強固になり、さらにプロジェクトが進む好循環を生み出している。もちろん、日本側にもシリコンバレーをよく理.解する経営幹部が増えてきたということもある。ある大企業の経営トップは、シリコンバレーに赴任する幹部社員にこう諭したという。「シリコンバレーに行ったら2つのことを守れ。まず、日本からの表敬訪問は受けるな。もう1つは、現地の日本人村には人るな」である。
6.指示を受けた駐在員はもともと自立心の強い人物だったこともあり、指示を守るのは難しくなかった。逆に経営トップや幹部を説得して、新しい投資ファンドまでつくった。この駐在員はシリコンバレーのインナーサークルに入り込む糸口を自らつかんだ。シリコンバレーでは、自分自身の考えを主体的に推し進める個人でなければ、コミユニテイーは受け入れてくれない。所属する会社は、それに力を与えてくれるパートナーと考えるべきである。個人が会社に従属するのではなく、両者は対等であるべきであ。会社が社員に投資をすることと、個人が会杜にもたらす価値が、ギブ・アンド・テークの関係なのである。
7.日本人駐在員の中に、シリコンバレーで通用する、情熱溢れる個人が増えてきたことは非常に喜ばしいことだが、新たな心配事が表出している。ほとんどの日本企業にある、人事ローテーションである。果敢に動き、コミュニティーに受け入れられ、手応えを感じ始めたところで、帰国命令が出てしまう。駐在貝たちは当然、シリコンバレーにとどまりたいと考える。しかし、駐在員自身がローテーションは会社員の運命だと考えている節があり、疑うことなく帰国の途に就いてしまう。駐在員の中には、ローテーションで人が入れ替わっても活動が継続される組織やシステムをつくろうとする人はいる。だがローテーションそのものを変えようとは思わない。
8.そもそもローテーションは、終身雇用を前提に、社員の能力開発と適材適所の人材配置を目的として、さまざまな業務・職場を経験させるための定期的な異動として発達した。社員が組織の中で活躍できるように、個入の適性を見極めると同時に、そのための業務経験を積ませる仕組みとしては優れている。一方で、日本企業はゼネラリスト志向のため、短期間で異動させ、専門的な知識や技能の習得は後回しになるというデメリットがある。シリコンバレーという世界最先端のイノベーションの中心地で習得すべきことは、専門的な知識や視点であり、またそこでの人脈である。短期聞の異動が前提では、シリコンバレーのエッセンスを吸い取ることは無理である。
9.今までのローテーションは、まず会社組織ありきで、社員を駒として配置する考え方が根底にある。既存事業を維持・成長させるなら、終身雇用を前提に、新卒採用した社員を一律にローテーションする仕組みは機能してきたかもしれないが、イノベーションは個人の営みであり、専門性が求められる活動である。既存のローテーションは足かせになってしまう。
10.事業革新や新事業創造を目指すイノベーションを起こすには、それに合つた人材配置やローテーションがあるはずである。イノベーションのためには「まず個人ありき」で、「尖った個人を会仕が支援して成功の確率を最大化する」考え方を取る。そのためには、社内外をくまなく探し、逸材を見つけて機会を与えることである。そしてその活躍に応じて、意思決定の権限と予算を持たせる。その権限の1つとして、そのような人材を、全社ローテーションの縛りから独立させるのがよい。つまり、本社の人事部門からイノベーション関連部隊へ、人事権の一部を移譲するのである。変革を迫られている多くの日本企業にとって、個人中心への人事システムの変革は避けて通れない。人事ローテーションを見直すときが来ている。


yuji5327 at 06:46 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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 青山賞、春興賞の受賞:2回
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