2020年09月12日

スペインは中立国で、報道管制がない。スペインの国王が風邪にかかったことがニュースになり、「スペイン風邪」と名付けられた。スペインで発生したわけではない。


「池上彰著:知らないと恥をかく世界の大問題11、KADOKAWA 2020.6.10」
は参考になる。「第5章 グローバル時代の世界の見えない敵」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.WHOのテドロス・アダノム事務局長はついに、「パンデミックと言える」と述べた。パンデミックとは、日本語にすれば「感染爆発」。WHOが定めている感染症のフェーズ(段階)というのがあって、エピデミックは局地的な感染症の広がり、パンデミックは世界的な大流行を意味する。
2.感染が広がったイタリアでは特別な理由がない限り全土で外出禁止。保健省次官が感染したイランでは、刑務所での集団感染を防ぐため受刑者約7万人を一時釈放した。観光大国フランスも生活必需品以外の全店を休業させ、不要不急の外出を禁止した。日本でも全国の小中高校が休校となり、多くのイベントが開催の延期や中止に追い犠まれる異例の事態となった。各国が危機対応に追われているが、世界恐慌を心配する声も強まっている。
3.過去にはウイルスが突然変異をして世界が大きく変わったり、そもそも歴史が変わったりしたこともある。そういう観点で新型ウイルスの流行を見ておく。今回の場合、コロナウイルスというありふれたウイルスが突然変異をしたものといわれている。
4.コロナウイルスとは、ウイルスの本体が球形で、表面にいくつもの突起があり、王冠のように見えることからコロナウイルスと名づけられた。コロナとはラテン語で「王冠」、ウイルスはラテン語で「毒液」を意味し、冬場、いわゆる普通の風邪が流行しているときの35%くらいの人がこのコロナウイルスによる風邪だといわれている。インフルエンザウイルスがインフルエンザの病原体であることがわかった。インフルエンザで大騒ぎしなくなったのは、ワクチンや治療薬ができたからである。
5.従来のコロナウイルス自体はそれほど恐れるものではない。厄介なのが、「突然変異」である。ウイルスは細胞を持っていない。遺伝子がタンパク質で包まれているだけの構造である。生き物とは細胞を持っているものをいう。細胞があるものに関しては抗生物質が効く。抗生物質が細菌をやっつけてくれるが、ウイルスは細胞を持っていないので抗生物質が効かない。だから、ウイルスは生き物かそうでないかという議論がある。細胞が持っているDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)の増殖機構を乗っ取ってウイルスを増殖させる。つまり自分のコピーをつくるが、その過程でコピーミスが起きる。これが突然変異である。ウイルスは、コピーミスがあっても、ヒトの細胞のように修復されたり、細胞死したりすることもなく、そのまま違った遺伝情報を伝えるウイルスが誕生する。
6.この突然変異の中で、ときどき非常に強いウイルスが生まれてしまう。こうした過程で生まれたものにSARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)がある。今回の新型コロナウイルスによる感染症は「COVID-19」と名付けられ、2002年から2003年に中国でカントン大流行したSARSと症状などが似ている。SARSは中国広東省でコウモリのコロナウイルスがヒトに感染したものと考えられている。感染した中国人が香港へ移動し、ホテルのエレベーターのボタンを押した。その後、同じフロアに宿泊していた別の国の観光客がそのボタンに触れたことで感染が広がった。感染者が世界各地の自分の国へ帰ることで爆発的に広まった。当初、中国はこれをひた隠しにした。国内でも感染を食い止めることができず爆発的に広がった。多数の患者と死者が出て、当時の胡錦濤国家主席の威信が大きく崩れた。SARSはそれまで絶大だった胡錦濤の力が急激に弱まるきっかけになった。
7.習近平国家主席は当時の失敗に学び、情報がそれなりに発表されたが、全部がすぐにオープンになったのではない。習近平国家主席は2020年1月20日になって「全力で感染防止に取り組まなければならない」と指示を出した。それでやっと現場が正確な数字を出すようになった。それまでどれだけ情報が隠蔽されていたか、独裁国家の弊害です。私たちは、こうした独裁国家ともつきあっていかなければならない。
8.新型ウイルスによるパンデミックが本当に危険だということがわかったのが「スペイン風邪」である。1900年代の初頭、世界中で大流行し、日本だけでも39万人―45万人死んだという推定もある。第1次世界大戦を終わらせた大きな要因はスペイン風邪だった。当時は風邪とインフルエンザの区別がついていなかったので、インフルエンザもみんな「風邪」と呼ばれた。第1次世界大戦の泥沼の中、スペイン風邪が両軍の兵士に広がった。アメリカ軍にもフランス軍にも、敵対していたドイツ軍にもスペイン風邪が蔓延しました。死亡例のほとんどが65歳以下で、15〜35歳の健康な若年層における死亡例がもっとも多かった。元気な若い兵士が次々に倒れて死んでいった。ところが戦争中、「わが軍の兵士が風邪にかかってバタバタと死んでいる」などという事実は極秘事項で、ひた隠しにした。
9.当時スペインは中立国だったので、報道管制などない。スペインの国王が風邪にかかったことがニュースになり、「スペイン風邪」と名付けられた。スペインで奇妙な風邪が流行っていて国王もかかったが、実際にはスペインで発生したわけではない。そもそもどこで生まれたのかについては主に2つの説がある。ひとつはアメリカという説である。ヨーロッパの紛争には関与しないという「モンロー主義」を捨て、第1次世界大戦にアメリカが参戦することになり、ドイツに宣戦布告した。アメリカ中から若者が集められ、集団で軍事訓練を受けた。広い屋根の下で集団生活をする中に患者が紛れ込み、そのまま船で大西洋を渡ってフランスへ。船の中で次々に兵士に感染し、フランスに上陸すると、フランスでも感染を広げ、その後ドイツからヨーロッパ中へと広がった。


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健康 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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