健康

2020年01月07日

診断用AIの恩恵はこれだけにとどまらない。農村部や資源の乏しい地域での医療ケアへのアクセスを促し、医療の地域格差の改善も期待されている。


「池谷裕二著:闘論席、週刊エコノミスト 2019.12.3」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.人工知能(AI)による医療診断が発展途上国に広がりつつある。これまでAIは経済的に豊かな環境でより普及すると考えられてきた向きがあり、多くのAI開発者も先進国や富裕層をターゲットにしてきた。しかし、発展途上国では、モバイル機器の接続環境などのインフラが徐々に整ってきており、AI技術が広がる体制が整いつつある。
2.医療現場では、画像診断の迅速化と高精度化が進んでおり、条件さえそろえばAIは専門医をしのぐ成績をたたき出すことが示されている。公的な承認を受けた診断用AIが、すでに国内外に複数ある。
3.診断用AIの恩恵はこれだけにとどまらない。農村部や資源の乏しい地域での医療ケアへのアクセスを促し、医療の地域格差の改善も期待されている。いまケニアでは「モミック」と呼ばれるAIの導入が予定されている。子宮頸がんを検出するAIである。子宮頸がんは女性特有のがんとしては、乳がんについで多いが、生存率は乳がんより低く、早期発.見が決め手となる。
4.ケニアでは子宮頸がんの認知度が日本ほど高くなく、ほとんどの女.性は症状が現れてから病院にくる。その段階では多くは手遅れである。診断用AI「モミック」は手持ちの小型顕微鏡で撮影した写真から、悪性細胞を含むかどうかを判定する。検出率は高く、うっかり見落とす確率はわずか約5%にすぎない。一方、本来は正常なのにがんと誤診する「偽陽性」も約15%あり、診断精度にはまだ改善の余地がある。
5.しかし、ケニアでは、患者の組織や細胞を調べてがんの有無などを診断する病理医が不足する地域が多くあり、モミックのような簡便な診断用AIが、臨床現場に与えるインパクトが注目を浴びている。



yuji5327 at 06:54 

2020年01月05日

腕時計型の血圧計の精度が通常の血圧計に遜色無い、病気の早期発見には、スマホにデータを飛ばし管理する必要がある。シリコンバレーの技術が必要である。

2019/11/29 付けの大前研一さんの ニュースの視点(発行部数 160,002部)は「トヨタ自動車/ウエアラブル端末/三菱ケミカルHD/ キリンHD/リニア中央新幹線〜戦略が欠如した買収劇」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国の新車販売台数でトヨタ自動車が前年同月比5位から2位に浮上した。SUVなど現地の若者向けのデザインが成功した他、販売価格や豊富な品ぞろえ及び燃費の良さや環境対応などが評価されたもので、数年来力を入れている中国政府との関係強化策も功を奏した。
2.トヨタはかなり出遅れて約20年前に中国市場に参入した。当時から中国ではVWとGMが圧倒的な強さを誇っていた。そのGMを若干とはいえ、トヨタが上回り2位に浮上したのは画期的なことである。前年同月比で見ると、トヨタ、ホンダが伸びていて、GM、上海汽車が落ちている。日本勢では奮闘していた日産も落ち込んでいる。この20年間、トヨタは「天津が第二の故郷」という意気込みで、中国市場で奮闘してきたが、この結果は非常に評価できる。
3.日経新聞は23日、「身につける端末、病気の兆候つかむ」と題する記事を掲載した。これは腕時計型血圧計などのウエアラブル機器を健康管理だけでなく、病気の早期発見や発作の予知に活用する動きが広がっていると紹介している。
4.この分野には非常に難しい技術がたくさんあり、シリコンバレーでは、血圧だけでなく脈拍を測る技術など様々な研究が進んでいる。日本では、偶然にも腕時計型の血圧計の精度が通常の血圧計に遜色無いということで商品がヒットしたが、病気の早期発見や発作の予知に活用するとなると、もちろん血圧情報だけでは不足である。スマホにデータを飛ばし、様々な技術を使って総合的な情報として管理できるレベルまで達する必要がある。そうなると、シリコンバレーの技術には太刀打ちできない。
5.三菱ケミカルHDは18日、56%強を出資する上場子会社の田辺三菱製薬を完全子会社化すると発表した。TOBにより出資比率を100%に引き上げる方針で、医薬分野で進む新薬開発のデジタル化に対応するため、子会社化により総合力を高める考えである。今でも連結対象になっているから、あえて100%子会社化するメリットがあるのか疑問である。6.三菱ケミカルHDのセグメントは、ケミカルズ、機能商品、産業ガス、ヘルスケアとなっている。ヘルスケア分野の収益は出ているが、落ち込んできているので、ここにテコ入れしたいのだと思う。
7.報道では、三菱ケミカルから提供できる技術があり、それにより総合力を高めるということだが、そのような技術があるとは知らない。この点も含め、100%子会社化することでどれほどメリットがあるのか疑問である。子会社化や買収によって、実際にどのようなメリットがあるのか、具体的にイメージできなくては、単に2つが1つになったところで効果はそれほど期待できない。
8.コクヨとプラスが争う形になった、ぺんてるの買収についても同様の懸念を感じる。文具大手プラスが筆記具大手ぺんてるの株式買い付けに乗り出すことが20日、明らかになった。プラスが設立した合同会社が、1株3500円で12月10日までに買い付けることを
ぺんてるの株主に通知し始めたとのことで、コクヨによる敵対的買収の対抗策となる。
9.ぺんてるの経営陣がコクヨに対して良い感情を持っておらず、コクヨに通告せずにプラスと交渉を開始したということである。プラスは株式を1/3まで保有する見込みとのことだが、そこまで行けるのかわからない。このような手に打って出る前にもう少し話し合いをするべきだった。プラスがぺんてるを買収したところで、その後の事業展開の広がりはそれほど期待できない。
10.コクヨの事業規模は大きいが、国内がほとんどで海外はわずかである。その点、海外で売上の半分以上を上げているぺんてるに期待したいのだが、このぺんてるのチャネルをコクヨが有効活用できるとは限らない。コクヨの主要商品は「紙」である。コストが高いため、海外では非常に弱い状況である。それをぺんてるのチャネルを使って解消できるのかイメージできない。
11.オフィス製品にしても、海外勢には強い競合が目白押しである。ぺんてるが海外に強いというだけで買収しても、コクヨにとってメリットがある活用ができなければ意味がない。プラスも同様である。多少のメリットがあっても、市場・業界内でインパクトを残せるもの、あるいは将来そういった展望を見据えているものでないなら、魅力を感じない。12.キリンHDによる米クラフトビール会社の買収が発表されたが、事例である。キリンHDは20日、米クラフトビール大手ニュー・ベルジャン・ブルーイングを買収すると発表した。海外子会社を通じて2020年3月末までに株式を100%取得するとのことで、全米に販売網を持つニュー・ベルジャンの強みを活かし、海外のクラフトビール事業を拡大する考えである。高級ビール路線のアサヒビールに対して、キリンはクラフトビールを強化するという狙いらしいが、このような動きをとっても、世界の強豪と比べると足元にも及ばない。アサヒやキリンよりも、ジムビーム事業に1兆円ほど突っ込んだサントリーのほうが、展望が開けている。
13.日経新聞は23日、「リニア、静岡着工見通せず」と題する記事を掲載した。リニア中央新幹線の静岡工区が着工できていない問題の打開を目指す3者協議について、静岡県の川勝知事が協議に環境省や国交省の河川部局も加えるべきと主張し始めたと紹介した。川勝氏は、リニアの工事が大井川の水量に悪影響を及ぼすと反対姿勢を示しており、事態のさらなる混迷を懸念する国交省は難色を示していて、3者協議の枠組みは宙に浮いた状態である。川勝氏の狙いは、リニアではなく、東海道新幹線の利便性向上のための交渉である。リニア中央新幹線は地下も深いし、地理的にも不便で利用者が増えるとは思えない。静岡県にとっては、リニア中央新幹線にこだわらず、JR東海の新幹線を一部でも停車させるようにすることが重要である。JR西日本では一部の新幹線のぞみが福山などに停車する。
JR東海でも同様に、浜松や静岡で停車するようになれば、静岡県にとっては大きなメリットである。現在、JR東海の新幹線のぞみは、新横浜を出発後、名古屋まで停車しない。県をまたぐ新幹線の距離では日本一の長さである。
14.リニア中央新幹線にからめて、残土置き場問題などを提示しているが、本命はそれを交渉材料としてJR東海に働きかけ、何本かに1本は、浜松や静岡に停車する新幹線のぞみを実現することが川勝氏の狙いだと思われる。


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2019年12月21日

今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は、低酸素応答の分子メカニズムの根幹を明らかにしたセメンザ博士、ラトクリフ博士、ケリン博士の3人に授与された。


「大隅典子(東北大学教授)著:高地トレーニングに貧血治療 低酸素応答解明にノーベル賞 週刊ダイヤモンド 2019.11.16」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.来年の東京五輪のマラソンと競歩が、暑い東京都を避け、薄鞍魎韓決まった。1964年の前回の東京大会では、エチオピアのアベベ選手がマラソンで2連覇を果たした。エチオピアはアフリカ大陸のアビシニア高原に位置し、、半均標高は2000mを超える。マラソンなどの選手が、標高1000〜2500mの高地でトレーニングを行つことは有名である。
2.空気の薄い高地では体に酸素が供給されにくくなり、血液中の酸素濃度が低下する。これに対応するため赤血球や血液量が増加し、持久力の向上につながるからである。この「低酸素応答」の仕組みは、今年のノーベル生理学・医学賞の受賞対象になった。
3.酸素は動物のエネルギー産生.に欠かせない。貧血や出血、梗塞などで血液中の酸素濃度が低下すると、体は赤血球を産生して対応しようとする。このとき働くのが「エリスロポエチン(EPO)」という造血因子である。大人ではもつばら腎臓で産生される。胎児期には肝臓でも産生する。EPOは血流に乗って運ばれ、骨髄中の「造血幹細胞」に作用し、この細胞が分裂して赤血球が生み出される。
4.日本の慢性腎臓病患者は1300万人以上。合併症としてEPOの分泌減によって生じる貧血〔腎性貧血〉も多い。従来、遺伝子組み換えヒトEPO製剤の注射が、腎性貧血の治療に用いられてきたので、体内でEPOの分泌を促すことができれば、腎性貧血の治療に役立つ。そこで、EPO遺伝子を活性化してEPOタンパクを産生させようと多くの研究者が挑戦してきた。
5.EPO遺伝子には腎臓や肝臓、低酸素によって活性化を誘導する領域が含まれている。2007年に筆者の所属する東北大学の山本雅之教授(東北メディカル・メガバンク機構長)らは、マウスの腎臓の中でEPOタンパクを産生する細胞を世界で初めて可視化した。この細胞は、尿を運ぶ尿細管同士の隙間の部分に存在していた。慢性の腎臓病にかかると、EPO産生細胞が線維化し、硬くなってEPOを産生できなくなってしまうことも分かった。
6.これ以前に別の観点からEPO産生機溝にアブローチしていたのが、米国ジョンズ・ホプキンス大学教授のグレッグ・セメンザ博士である。セメンザ博士らは、EPOを分泌する肝がんの細胞株を用い、低酸素状態でEPOを誘導する因子のスクリーニングにチヤレンジした。92年にHIF-1というタンパク質を突き止めた。95年にはHIF-1がαとβの2つの分子から成ることと、それらの遺伝子構造を明らかにした。その後、HIF-2αやHIF-3αも相次いで同定された。
7.細胞はどうやって周囲の環境が低酸素だと感じているのかは、英国オックスフォード大学教授のピーター・ラトクリフ博士らが、プロリン水酸化酵索〔PHD)というタンパク質が、微小な酸素濃度の変化を感知することを発見したのは01年のことである。
8.低酸素応容の仕紐みは、通常の酸素濃度では、HIF-1αにはPHDによって「水酸基(OH)」が付いている。ここにVHLというタ.ンパク質が結合すると、ユビキチン基がさらにくっつく。このユビキチン基は不用品の目印のようなもので、HIFはプロテアソームと呼ばれるタンパク質の分解工場に運ばれて分解される。結果としてHIFの濃度は低く保たれる。
9.これに対し.低酸素状態では細胞の核の中にHIF-1lαが運ばれ、HIF-1βと2量体を形成する。この2量体は標的遺伝子のHIF応答領域〔HRE)に結合し、その遺伝子のスイッチをオンにする。これにより、例えばEPOが産生される。このような低酸素応答メカニズ.ムの理解によって、新たな腎性貧血の治療薬が誕生した。
10.PHDの働きを抑えれば、結果としてEPOが作られ貧血を防ぐことができるからである。このような新規の赤血球造血刺激因子製剤として、HIF-PH阻害薬が開発された。この薬は飲み薬である点も、注射のEPO製剤と比ベメリットになる。H本では今年9月20日に製造販売が承認された。
11.低酸素状態となるのは腎性貧血の場合だけではない。がん細胞が著しく増殖すると、酸素を供給する血管から離れてしまうので、低酸素状態となる。このとき、がん細胞は低酸素を感知し、血管新生.因子を分泌することで周囲の血管を腫瘍組織に引き込もうとする。
12.VHLは、フォン・ヒッペル・リンドウ病という中枢神経系や網膜、腎臓や副腎のがんが多発する難病の研究から発見された、がん抑制因子である。米国ハーバード大学教授のウィリアム・ケリン博士が95年に同定した。VHLが正しく機能しないとHIFの分解が起こらなくなる。結果として、VHL遺伝子に変異を有するがん紐織には血管が誘導されやすくなり、がんは増大することになる。
13.今年のノーベル生理学・医学賞の受賞者は、このような低酸素応答の分子メカニズムの根幹を明らかにしたセメンザ博士、ラトクリフ博士、ケリン博士の3人に授与されることとなった。
14.アスリートにとって、酸素を効率よく運ぶ赤血球を増やすことは.記録の更新につながるため、EPO製剤はいわゆる「ドーピング」の薬としても知られている。HIF-PH阻害薬も同様の作用を果たすので注意が必要である。また、がん患者では血管新生作用によって悪化する可能性もある。一方、HIFはEPO産生や血管新生.以外にも多数の生理活性があり、HIF-PH阻害薬には肥満や糖尿病、脂質異常症の病態改善効果も期待されている。
15.地球は46億年前に生まれ、約40億年前に最初の細胞が現れた。ただ当時の地球に酸素はほとんどなく、生命が酸素を使うようになったのは、約25億年前にシアノバクテリアのような光合成を行う生物が出現してからである。その後の進化で、動物のほとんどが酸素によって生命を維持するようになることを鑑みれば、今年のノーベル賞は幾重にも意義深い。


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2019年12月07日

骨粗しょう症の治療や予防には、医薬品、運動、食事などがあるが、簡単にできることは毎日15分間程度、日光を浴びること


「段勲(ジャーナリスト)著:熟年世代の診察室、す粗鬆症、週刊エコノミスト、2019.10.29」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.最近、猫背になっている、と妻から言われた。60歳の誕生日を迎えたばかり。まだ猫背になる高齢者ではない。帰宅し、壁を背にして頭、背中、尻、かかとを付けてみると「猫背」疑いの症状として、壁から頭と尻が離れた。猫背になる原因として、姿勢の悪さのほかに、高齢化に沿って骨がもろくなる骨粗しょう症がある。
2.総合病院で「骨粗しょう症」の主な検査である「血液検査」(骨のカルシウム吸収と排出せきのバランス)、「X線検査」(脊つい椎)、「骨密度検査」(骨の強弱)などを受けた結果、「骨粗しょう症」と診断された。それよりもショックを受けたのは、身体の測定で、高校時の174cmの身長が、いつの間にか3cmも減っていたことである。
3.東京慈恵会医科大学病院の斎藤充准教授(整形外科)は、「骨粗しょう症の患者数は全国に約1300万人と言われている。そのうち治療を受けている患者はだいたい15%。残りの85%は歳のせいにして、治療を受けていない。だが、早期に治療しないと、骨の強度がどんどん低下して骨折などを頻繁に起こすようになる。身長が若い時代に比べて4cmほど低下したら、骨粗しょう症を疑ってほしい」と、警告している。
4.骨粗しょう症の治療研究は、長い間、「骨密度」が中心になっていた。斎藤准教授は骨密度のほかに、「骨質」も重要な要因だと学会などで発表している。「骨は、鉄筋コンクリートの建造物に例えるとわかりやすい。鉄筋に相当するのがコラーゲンというたんぱく質で、コンクリートに相当するのがカルシウム。骨の健康を保つには、両方が重要な役割を持っていることを忘れてはいけない」と言う。
5.骨質の検査は、血液と尿を調べて、骨を支えているコラーゲンの老化状態をチェックする。その結果、A「骨質劣化型」(骨密度は高いが骨質が悪い)、B「低骨劣化型」〔骨密度が低く骨質はよい)、C「低密度+骨質劣化型」(骨密度も骨質も悪い)の大きく3種類に診断できる。同大の統計によると、骨折のリスクは、Aが健康な骨に比べて1.5倍、Bが3.6倍、Cが7.2倍と高くなる。
6.骨折と聞くと、痛そうに感じるが、痛みがほとんどない患者もいる。そのためにいつの間にか、骨が潰れる形で骨折し、1度骨折すると1年以内に5人に1人が別な部位の骨が折れてしまう。斎藤准教授は、「骨粗しょう症の治療や予防には、医薬品、運動、食事などがある。でも簡単にできることのひとつは毎日15分間程度、日光を浴びること」と話している。



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2019年11月08日

養生という趣味も、白秋期の健康を考える上で、大事なことである。義務としてでも、健康法としてでもなく、おもしろいから楽しみでやる。むずかしいことはやらない。

「五木寛之著:
白秋期、日経プレミアシリーズ、2019.3.13」は面白い。「第5章:孤独のユートピア」の概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.養生という趣味も、白秋期の健康を考える上で、大事なことである。趣味と言ったのは、私も養生はある程度しているが、義務としてでもなく、健康法としてでもなく、おもしろいから楽しみでやっている。
2.むずかしいことはやらない。面倒なことは、1日はできても3日はつづかない。ヨガにしても、気功にしても、それがすぐれた養生法であることは間違いない、あまりにも厄介で、面倒なことが多すぎる。続けることに悩んだら、養生ではなく健康強迫症になってしまう。
3.養生法についても「いい加減」につきあっていると、長つづきする。「転ばないように、どういうふうにするか」「誤嚥をしないように、どういうふうにするか」「腰痛にならないよう、どういうふうにするか」とか、さまざまな視点があり得る。そういう小さなことを、一つひとつやっていくことがおもしろい。
4.病気には「突然」ということはほとんどないと思っている。クモ膜下出血にしても、脳卒中にしても、心筋梗塞にしても、必ず予兆がかなり以前からあるはずである。体との会話をしている限り、そういうものが信号として伝わってくる。枕は高いほうがよいか、低いほうがよいか、自分で工夫して、「ああ、やっぱりこのほうがいい」というように考えることは、すごく大事なことである。
5.日常生活のディテールさじを大事にする。「神は細部に宿る」というけれども、小さな人生の些事というものを大事にしてきた。「いい加減」な素人判断だが、大いに役立ってきた。日常的に体と会話をするということも、孤独のユートピアの楽しみのひとつである。それは生甲斐にもなる
6.養生というのは、永遠の命を養うことではない。今日一日の生命を生き生きと生きることにある。明日、斬首されるのがわかっていても、石田三成は前夜供された柿を「腹に悪いから」と言って断ったエピソードは有名である。今日一日のために養生をするのだから、明日も続ける必要はない。明日になったら、その日一日を無事に生きるめに、なにか別のことをすればいい。そのような養生をつづけることが、今日一日ために大事なことである。
7.俺はなにも関心がない、という人には、養生という趣味も、白秋期の健康を考える上で、大事なことである。義務としてでも、健康法としてでもなく、おもしろいから楽しみでやる。むずかしいことはやらない。面倒なことは、1日はできても3日はつづきかない。ヨガにしても、気功にしても、それがすぐれた養生法であることは間違いないが、厄介で、面倒なことが多すぎる。
8.続けることに悩んだら、養生ではなく、健康強迫症になる。養生法についても「いい加減」につきあうので、長つづきする。「転ばないように、どうするか」「誤嚥をしないように、どうするか」「腰痛にならないようにどうするか」とか、さまざまな視点がある。小さなことを、ひとひとつやっていくことがおもしろい。
9.病気は突然 ということはほとんどない。クモ膜下出血、脳卒中にしても、心筋梗塞にしても、必ず予兆がある。体との会話をしている限り、信号として伝わってくる。枕は高いほうかいいか、低い方がいいか、自分で工夫してやっぱりこのほうがいいと考えることは大事である。
10.白秋期の年代には頻尿で夜中におきる。仰向けに寝ていると喉を圧迫して起きやすいから、ブッダは右側を下にして横向きに寝ていたという。誤嚥の起きる原因は、無意識にある。「いまからこれを飲み込むぞ」と、脳からしっかりと指令を出して、喉の気管を閉じる動作をする。床に落ちているものを拾うとき、「いまから腰を曲げて、床に落ちているものを拾うそ。膝をできるだけ深く曲げて、腰は曲げないようにして拾おう」と、一つひとつの動作を意識的にやる。
11.「ゴホンときたら、よろこべ」と、整体協会の創始者・野口晴哉さんは言う。風邪は普通に生活している人間の体のバランスが崩れたときにひくもので、それにともなう発熱や下痢は、体のバランスを取りもどそうとする反応である。それらの症状は、体の自浄作用の結果起きていることなので、決して、薬で抑えてはいけない。下痢と風邪は、体の大掃除ということになる。薬など人工的なもので抑えずに、蒸しタオルで温めて痛みを緩和させる程度にして、風邪をひき切ることが大切だと、野口さんは言う。注意しなければならないのは、ひき終わり。熱が下がったら、しばらくゆっくりしていて、様子を見ながら動く。以前は、風邪を誇っていたが、大きな間違いで、年に2度ぐらい、上手に風邪をひく。
12.足の裏とか、足の指などについては、早くから大切にしてきた。左右の足の指を、ケアをしてきた。仕事に疲れると、足の裏や足の指をもむ。ツボを意識するのではなく、。押して気持ちのいいところ、痛いところも、まんべんなく手でもみ、さする。足全体の血行が良くな。靴も気をつける。歩いていて靴を忘れているような靴がいい。免疫療法のひとつに、手足の指を刺激する療法に人気が集まっているが、理論的裏づけはないが、何十年も前から、我流でつづけてきた。脳や、心臓や、その他の重要なところは、末端の部分が生き生きしていなければ活性化しない。手足がいつもポカポカしているように心がける。テレビを見ているときや、タクシーに乗っているときなど、無意識に手をもんだり、足首をぐるぐる回したりする。
13.歯は心臓よりも大事だと思う。自分のの歯が、現在、何本あるか無頓着の人が多い。目をつぶって、自分の上下の歯列がイメージできれば理想的である。歯を磨くときは、そっと優しく磨く。さちんと手を抜かずにする。土下の歯ぐきを指でこするのも推奨され、歯よりも歯ぐきのほうが大事なような気がする。歯を磨いたあとで、大きく回して、歯の外側を回転させるぜつようにします。これは結構きつい。頬の骨がゴリゴリ鳴ったりする。
14.食事の量について、一様に、「腹八分目」という常識に疑問を持っている。「腹8分目」というのは、30.代ぐらいの働き盛りの人の適量で、10歳、歳を重ねるにつれて、1分ずつ減らす。40代は7分。50代は6分、60代は5分。70代は4分。80代は3分は冗談のようだが、案外、支持者も多い。最近、「人は食べずに生きられる」などという説も出てきた。森美智代さんという女性は、一日青汁一杯で20年以上も生きているという。ほかにも、1日1食で充分という説もある。どっちなんだと、頭を痛めるのです。
15.腰痛の持病は、腰だけでなく、なにか動作をするときには、まず「いいかい?」と、体にたずねる。体に準備をさせ、体に不意打ちをくらわせるのはやめる。「では」とか、「さーて」とか、「どれ一丁やるか」とか、言いかたはなんでもいいが、あらかじめ身体語を発しておく。ぎっくり腰というのは厄介で、外国旅行で重いトランクを不用意に持ち上げたとき、ギクっときて、楽しいはずの旅行でひどい目にあったことがある人は多い。「さあ、いまから重いものを持ち上げるぞ」と、体にひと声かけなかったための失敗である。

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2019年10月28日

高齢社会で心房細動が増えている。不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、心房に血栓ができやすくなり、血栓が脳に飛ぶリスクが高まる。カテーテルアブレーション治療によって治る。

「鎌倉 史郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センタ)、鎌倉 令(心臓血管内科部門不整脈科元臨床検査部長)著:心房細動といわれたら - その原因と最新の治療法、WEB、2015年7月1日 発行」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.高齢社会と共に心房細動という病気が増えている。心房細動とは不整脈の一つで、心房が小刻みに動き、けいれんするような病状を指し、それにより心房に血栓ができやすくなり、その血栓が脳に飛んで脳の血管が詰まるリスクが高まる病気と説明されている。また、カテーテルアブレーション治療によって治る病気ともいわれている。
2.医師からそのような説明を受けても、今一つよくわからない。なぜ心房細動が起こるのか、なぜ発作が起こると苦しくなるのか、どうして治療が必要なのか、「アブレーション」という治療以外に方法はないのか、などの質問をよく受ける。心房細動の治療はこの20年で大きく変わった。心房とは心臓は四つの部屋に分かれ、上の方の2つの部屋を心房、下の2つの部屋を心室という。4つの部屋は外側が筋肉でできており、中は空洞で血液がたまっている。筋肉が収縮すると、中にある血液が心臓の外に出て行くようになっているので、心臓は血液を送り出すポンプである。
3.心臓の血液は心房から心室を通って全身へ出て行く。心房は心室の手前の部屋にすぎないため、仮に心房にけいれんが起き、心房の動きが止まったとしても、心室さえしっかり動いていれば大きな問題は起こらない。心房と心室の筋肉が動くのは、心臓に弱い電気が流れるからである。その電気をつくる猗電所瓩砲△燭訃貊蠅脇況訐瓩噺世辰董右房の上の方にある。洞結節で心臓全体に伝わる電気がつくられる。洞結節でできた電気は心房に伝わるが、心室には房室結節だけを通って伝わる。筋肉の中には目には見えない電線のような組織が網の目状に張り巡らされていて、それを通って電気が伝わる。
4、電気は心房から心室へ直接伝わるのではなく、心房と心室の境界にある房室結節という、猜囘貼雖瓩量鯡椶鬚垢訃貊蠅鯆未辰匿桓爾愿舛錣襦K室七訐瓩脇況訐瓩ゆっくり電気を作る時は、それをそのまま通すが、洞結節や心房から多くの電気が流れてきた時は、それを間引いて通す。
5.心房細動の原因は人間は、胎児としてお母さんのおなかの中にいる頃は、洞結節以外に心臓内の種々の場所に猗電所瓩鬚發辰討い襪、生まれる前に、洞結節以外の猗電所瓩漏犬鬚気譴導萋阿鯆篁澆掘洞結節からだけ電気を送るようになって生まれてくる。しかし、年をとったり、甲状腺機能亢進症などの病気になると、この蓋が外れて変な場所から電気を流すようになる。その変な場所で最も多いのが、左房に直結する肺静脈(肺からきれいな血が戻ってくる血管で4本ある)の付け根にある個所である。ここは胎児の頃、発電所のあった場所で、再び発電を始める。胎児の心拍が速いのと同様に、非常に高い頻度で電気を流す。加えて、年をとると、電線の役もしている心房の筋肉が変質し、一部の電線は電気を伝えにくくなる。網の目状の電線回路の中で、断線したりショートしたりして、電気が旋回する。
6.心房細動のある人は、左房に直結する肺静脈の付け根から異常な電気が起こる。図では肺静脈は左右に2本ずつ計4本ある 。肺静脈から高い頻度で生じる電気だけでも心房が速く動くうえに、この刺激をきっかけに起こる電線回路内のいろんな場所での電気の旋回(これを医学用語でリエントリーといいます)によって、さらに心房が速く興奮し、細かく動きます。これが、心房細動の原因である。つまり心房細動ではこれらの電気的な異常興奮によって、心房が1分間に300〜500回もけいれんするように動く。
7.肺静脈からの電気興奮をきっかけに、心房の中で毎分300回から500回の異常な電気旋回(リエントリー)が生じ、心房細動が起こる。
これは、心房細動の主な原因が肺静脈からの異常な電気興奮であり、それらを起こす大きな原因が加齢であることを意味している。言い換えれば、心房細動は誰にでも起こりうる病気で、一生のうち4人に1人は心房細動になる。
8.心房細動になると、心臓全体も速く動くのではない。心房の電気は心室に伝わりますが、変電所の働きをしている房室結節が、伝わる電気の量を調節してくれるからである。例えば、心房が毎分300〜500回動いていても、心房の電気が5つに1つくらいの割合で伝わると、心室は1分間60回から100回程度動き、正常な心室の動きと変わらず、動悸などの症状は出にくくなる。
9.しかし、2つに1つ、または3つに1つくらいの割合で電気が伝わると、心室は1分間100回から200回ほどの速さで動くことになり、一生懸命に走っているときか、それ以上の心拍数となるので、動悸や息苦しさが起こる。突然そういう状態になると、心臓が送り出す血液量が減って、血圧が下がる。そのため、脳に行く血が少なくなって、ふらついたり、ひどい場合は意識を失ったりする。つまり、心房細動時の症状が出るか出ないかは、この房室結節の調節次第で決まる。
10.一般に3人に1人は、心房細動があっても自覚症状は出ない。その多くは房室結節の変電所としての働き(調節)がうまくいっているからである。房室結節の調節が全く利かず、心房でつくられた電気をそのまま通してしまうことは、ごく一部の特殊な心臓病の人以外では起こらない。心房がけいれんしているのなら、心室もけいれんするのではと心配される方がいるが、そういうことは起こらない。
11.心房細動では、房室結節での電気の伝わり方が不規則になるので、心室の動きも不規則になるので、心室の動きで生じる脈も当然、全くばらばらになり、多くは速くてわかりにくい脈になる。


yuji5327 at 06:44 

2019年10月27日

心房細動による脳梗塞は、心房細動を持っている人すべてに起こるわけではない。高血圧、糖尿病、心臓の機能低下、75歳以上の高齢などの一つ以上を持っている人の一部に起こる。

「鎌倉 史郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センタ)、鎌倉 令(心臓血管内科部門不整脈科元臨床検査部長)著:心房細動といわれたら - その原因と最新の治療法、WEB、2015年7月1日 発行」は参考になる。概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.心房細動で注意すべき点は2つある。1つは、房室結節の調節機能がうまく働かない人では、心室の動きが速くなって頻脈になることである。もともと心臓病を持っているか、いないかにもよるが、おおよそ1分間140回以上の頻脈が長く続くと、心臓(心室)の働きが悪くなって心不全という状態が起こる可能性がある。
2.人間の心臓は一生のうちに動く回数が決まっているので、早く動いてしまうと、早く弱ってしまう。このため、心房細動では、不整脈自体の治療として、心房から心室に電気を速く通さないように、または頻脈にならないように、薬剤(抗不整脈薬)で房室結節機能を調節するとともに、できれば心房細動を止める必要がある。
3.2つめは、心房細動では心房に血栓(血の塊)ができやすく、それが血流にのって脳などの動脈に流れ込んで、ふさいでしまう塞栓症(脳であれば脳塞栓症)を起こす可能性が高まることである。心房細動では、心房自体が震えるようにしか動かないので、血がよどんで塊ができやすくなる。これは心房細動が時々起こる「発作性心房細動」の人でも、常に起こっている「持続性心房細動」の人でも、その危険性は同じである。だから心房細動では、塞栓症を予防するため、血栓をできにくくする薬剤(抗凝固薬)を飲む必要がある。
4.心房細動によって起こる脳梗塞を心原性脳塞栓症という。これは心房細動を持っている人すべてに起こるわけではない。高血圧、糖尿病、心臓の機能低下、75歳以上の高齢、脳梗塞の既往、僧帽弁狭窄症(これらを脳梗塞のリスク因子といいます)のうち、一つ以上を持っている人の一部に起こるとされている。
5.血栓は発作性心房細動でも48時間以上続くような場合、または持続性心房細動で、できやすくなると言われが、このうち血栓ができるのは一部の人にすぎない。脳梗塞の予防薬は、古くからあるワルファリンのほかに、ダビガトラン(プラザキサ)、リバーロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)の4種の新しい抗凝固薬(NOACという)が発売されている。一般にNOACは、ワルファリンより出血などの副作用が少なく、薬剤や食物との相互作用(薬剤の効果を弱めたり、強めたりする作用)が少なく、脳梗塞予防効果はワルファリンと同じかそれ以上である。どの抗凝固薬を選ぶかは、腎機能、肝機能、年齢、もともと持っていた心臓病などを考えて決める。過去に脳梗塞になったことがなければ、抗凝固薬を正しく服用していれば、どんなに長く心房細動が続いていても、たいていの場合、脳梗塞を予防できると考えてよい。
6.心房細動が長く続けば続くほど、脳梗塞になりやすくなると心配される方も多いが、抗凝固薬を飲んでさえいれば、心房細動発作がすぐに止まらないからといって病院に駆け込む必要はない。一方、アスピリンなどの抗血小板薬は、心房細動による脳梗塞を予防する効果が弱く、テレビや雑誌などで話題になっている血液をさらさらにするという種々の食物なども、ほとんど予防効果のないことが証明されている。
7.心房細動では、心房から心室に伝わる電気の割合が多くなれば、心室が速く動き頻脈となって、動悸や息苦しさといった症状が出てくる。夜間や安静時に突然、胸が苦しくなって、時には胸の痛みなども伴い、心臓の血管が狭くなる狭心症とよく間違われ、ニトログリセリンなどを服用する方がいるが、心房細動には効かない。
8.動悸などの症状は、持続性心房細動よりも、発作性心房細動の人で強く出る。理由は、心房細動が長く続いていると、だんだんその脈に慣れてくるのに対し、正常なリズム(非発作時)と異常なリズム(発作時)の両方を持っている人では、異常なリズムの心房細動になった時に症状の違いを感じやすいからである。
9.心房細動の治療法は、/緩失抛阿糧作を止め、同時に発作を予防する薬が必要になる。そのためには、心筋細胞にナトリウムイオンやカリウムイオンが出入りするのを遮断して不整脈を防ぐ、10種ほどの抗不整脈薬がある。しかし、いったん心房細動が起こるようになると、これらの薬で心房細動を完全に生じなくするのは困難である。心房細動の停止薬・予防薬は、主として心房細動の回数を減らす、症状を軽くする、持続時間を短くする、などの効果を期待して使う。次に⊃看鐃瑤鯆汗瓩垢襦文困蕕后北瑤鰺僂い襦それらにはβ遮断薬という薬を中心に3、4種の薬剤があり、いずれも房室結節の機能を調節(電気を通じにくくする)してくれる。症状のある心房細動には、アブレーション治療の前に/緩失抛阿鯆篁漾ν祝匹垢詭瑤鉢⊃看鐃瑤鯆汗瓩垢詭瑤領省を使い、症状の改善を図る。ただし、脳梗塞を起こすリスク因子のある人は、これらの抗不整脈薬と並行して、抗凝固薬を服用する必要がある。
10.心房細動があっても、症状がないか、あまり動悸を感じない人がいる。一般に安静時の心拍数が1分間80以下だと、運動や仕事は普通にでき、運動時にもひどい頻脈にならない。したがってこのような人は心不全にもならない。これらの人には△凌看鐃瑤鯆汗瓩垢詭剤は不要である。また,凌緩失抛阿鯆篁漾ν祝匹垢詭剤も不要な場合がある。さらにアブレーション治療による根治療法も不要な場合が少なくない。
ただし、脳梗塞のリスク因子がある場合は抗凝固薬が必要である。持続性心房細動の人では、一度は正常なリズムに戻るかどうかを、薬剤または電気ショックを与える方法で試してみるのも良い。
11.頻脈なのに、症状のない、または少ない人がいる。こうした人では、いつの間にか心臓の機能が低下していることがあるので、症状がないからといって安心できず、症状のある場合同様、しっかりとした治療が必要になる。心房細動による動悸がおさまった時に、めまいやふらつき、失神が起きる人がいる。こうした人の多くで、心房細動による頻脈発作が止まったときに、極端に脈が遅くなる徐脈や、一時的な心停止が見られる。このような状態を徐脈頻脈症候群(または洞不全症候群)と呼ぶ。このような人に対して、心房細動が起きているとき、抗不整脈薬によって心房細動を停止させ、心拍数を調節する治療を行うと、頻脈は出なくなるけれど、徐脈がひどくなって、ふらつきや失神が増えることがあります。つまり、すべての抗不整脈薬は、頻脈を抑えることはできる反面、徐脈をもたらす可能性がある。これらの人では.▲屮譟璽轡腑鷦N鼎膿緩失抛絢体を起こさなくする、または△泙坤據璽好瓠璽ーを植え込んで、徐脈を起こさなくしたうえで、薬剤で頻脈を抑え込む治療をする。
12.心房細動がずっと続いていて、止める必要がある場合々撹埓位薬電気ショック(電気的除細動という)アブレーション治療、の3つの方法がある。抗不整脈薬には静脈注射と内服薬があり、この薬剤で心房細動が止まる確率は10〜50%である。電気ショックは、100ジュール前後の直流電流を一瞬、体に流して不整脈を止める治療法で、ほとんどの心房細動を停止させることができる。人が集まる施設で見かけるAED(自動体外式除細動器:心臓救命装置)も電気ショックを起こす装置だが、これは心房細動ではなく、心室細動を止めるために用い、心房細動時の電気ショックの2倍以上の強力な電気を流す。
13.心房細動を止める電気ショックでも強い刺激を与えるので、患者には、静脈注射で数分〜10分ほど眠ってもらい、その間に治療をする。初めてこれを行う場合は、最低1、2日間入院してもらう。ただし、何度も電気ショック治療を受けて慣れている患者さんには、日帰りで行うこともある。電気ショックは、薬剤を試した後に行うが、症状のひどい場合は直ちに行うこともある。ただし、心房細動をなくす根本的な治療法でないため、これで心房細動が止まったとしても、すぐ(数秒〜数時間内に)再発する人がいる。
14.数か月以内に再発した場合、再度電気ショックをしても効果は期待できないので、アブレーションが次の治療の第一選択肢となる。電気ショックでは1%前後の人が脳梗塞を発症する可能性があるので、受ける前と後の3週間以上にわたって抗凝固薬を飲む必要がある。できれば受ける前に、食道に超音波内視鏡を入れる「食道エコー検査」で、心房に血栓のないことを確かめた方がよい。


yuji5327 at 06:39 

2019年10月26日

発作のない時は運動をしても徐々に心拍数が上昇する。心房細動時には突然増えるので、心拍数が急に上がり、血圧がやや下がり、息苦しくなる、発作が続く時には無理をしない。

「鎌倉 史郎(国立研究開発法人国立循環器病研究センタ)、鎌倉 令(心臓血管内科部門不整脈科元臨床検査部長)著:心房細動といわれたら - その原因と最新の治療法、WEB、2015年7月1日 発行」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.心房細動の根治療法であるアブレーション治療は、主な原因が左房の肺静脈の付け根から出てくる電気的興奮だから、その電気が心房内に拡散しないようにするのが、この治療のポイントである。当初は電気の発生部位の一つずつに高周波電流を当てて筋肉を焼く(火傷させて発生部位を取り除く)方法だったが、うまくいかないことがわかった。そこで、右側2本と左側2本の肺静脈をまとめて、その周囲をリング状に焼き、電気が肺静脈から出て行かないようにする、つまり電気的に肺静脈を隔離する方法が行われるようになった。 左側2本ならびに右側2本の肺静脈をまとめて、その周囲にリング状に焼灼(焼くこと)する。
2.1回の通電で約5个猟垢気両銅泙できるので、2つのリングを形成するのに約30〜80回の焼灼が必要である。それにより焼いた部分の筋肉が変性し電気を通さなくなり、肺静脈内にある発電所からの興奮が心房に拡散しなくなる。焼いた後に筋肉が一部再生して、再び電気を通すようになると心房細動が再発する。現在では、これに加えて、4本の肺静脈の入口に順番に風船(バルーン)を押し当て、その部分を−70℃前後に凍らせる「冷凍凝固バルーン法」が行われている。
3. 肺静脈の付け根に風船(バルーン)を押し当て、凍結させるか、加熱して、肺静脈の入口の筋肉を変性させ、肺静脈からの異常な電気の拡散を止める。肺静脈は4本あるので、4〜8回バルーンを押しつける。また2015年度内には風船を高周波電流で暖める方法「ホットバルーン法」も承認される予定である。バルーン法は、風船を押し当てた周囲の心筋を凍結させるか、もしくは熱で変性させるため、肺静脈でできた電気が心房に拡散できなくなって心房細動が治る。いずれも患者が麻酔で眠ったまま治療でき、入院期間は、問題が生じなければ5〜7日間である。バルーン法は従来の方法に比べ脳梗塞などの合併症が少なく、治療時間が短く、再発率が低い(30%以下)と報告されている。
4.冷凍凝固バルーン法は、左房や肺静脈の形により、治療可能な人と、そうでない人があるほか、ごく一部の人には横隔膜神経麻痺などの合併症が起こる可能性が指摘されている。注意したいのは、心房細動が長く続くと、数年から10数年かけて徐々に左房が大きくなってしまうことで、一般に左房の直径が50舒幣紊砲覆襪函▲▲屮譟璽轡腑鷦N鼎寮功率が低下すると言われているので、根治を希望する人は、あまり左房が大きくならない前に治療を考えた方がいい。
5.このほかの根治療法に、血栓のできる場所(左心耳という)を、胸腔鏡を用いてはさみで切り取ってしまう方法や、カテーテルを用いて左心耳に小型の傘状の機器を押し込んで蓋をし、左心耳に血栓ができなくする方法も報告されている。
6.アブレーション治療では、治療前に最低1か月間、治療後に約6か月間は抗凝固薬を服用する必要があるし、多くの人では治療後も一定期間、抗不整脈薬を継続する必要がある。また、治療前に食道エコー検査などいくつかの検査が必要となる。
7.これまで述べてきたどの方法を試しても、心房細動を根治できず、発作時の自覚症状が残って苦しむ人がいる。その場合、最後の手段として房室結節をアブレーション治療で焼いてしまい、心房から心室に電気が伝わらないようにしたうえで、ペースメーカーを植え込む方法がある。心房細動が続いていても、ペースメーカーによって心拍数は一定になり、症状がなくなる。
8.発作が続いた時は無理に動かず、薬を飲んで治まるのを待つ。心房細動のある人は、発作が起こっているときに体を動かすと、房室結節が電気を通しやすくなる。発作のない時は運動をしても徐々に心拍数が上昇するのに対し、心房細動時には心房から心室に伝わる電気の割合が突然増えるので、心拍数が急に上がり、血圧がやや下がり、息苦しい症状が出やすくなる。発作が続いて苦しい時にはあまり無理をして動こうとせず、薬を飲んで心拍が治まるのを待つ。
9.心房細動の診療については、国立循環器病研究センター病院『不整脈科』のページも参照する。.



yuji5327 at 06:50 

2019年10月15日

心房細動は病気というより、一種の老化現象なので、いったん出始めると完全には元には戻りにくく、薬も効きにくい。ある程度改善するものである。、

「国立循環器病研究センター著:心房細動、WEB」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.心房細動は、時々心房細動が出現する「発作性心房細動」と、心房細動の状態がずっと続く「持続性(慢性)心房細動」に分けられる。心房細動によく似た不整脈に心房粗動があるが、心房粗動では心房の中で一定の回路を通って規則的な電気の旋回が起こっている。
2.心房細動は70歳を超えると、病気のあるなしに関係なく1割から1.5割の人に現れてくる不整脈で、原因は心房の筋肉の一種の老化現象である。若い人にも出ることがあり、多くは体質的な理由で起こり、高血圧、肺疾患、甲状腺機能亢進症、弁膜症、心臓の手術後では、より生じやすくなる。
3、心房細動自体は、危険な、命にかかわるような不整脈ではなく、元に心臓病がない場合は、心房細動のために寿命が短くなるというものでもない。心房細動があっても3分の1近くの人は自覚症状がないため、まったく正常な生活を送っている。
4.心房細動の治療は、原因となる病気がある場合はそちらの治療をまず行う。原因疾患がなく、かつ症状もない時は治療が必要でないことが多いが、動悸などの症状がある場合は治療が必要である。特に心房細動では、運動をしたり精神的に興奮したりすると一時的に房室結節の調節が利かなくなって、急に脈拍数が増加して息切れやめまいなどの症状が出ることがある。また発作性心房細動では発作開始初期に血圧が下がって意識を失うこともある。そのような場合、脈拍数をコントロールする薬剤や、発作自体を起こしにくくする薬剤が使われます。
5.心房細動が長く続き、そのため一時的に心臓の機能が低下したり、症状が強く出たりする場合は電気ショックで正常のリズムに戻すことがある。ただ発作性の心房細動では、このような治療を行っても発作回数が減らずに増えていく人がいる。この場合、病気が悪くなっているのではないか、慢性の心房細動に移行するのではないかと悲観する人がいるが、その必要はまったくない。
6.心房細動は病気というより、一種の老化現象なので、いったん出始めると完全には元には戻りにくく、薬も効きにくい。だから抗不整脈薬の多くは頻度を減らし、症状をある程度改善するものと考えてよい。心房細動を完全になくそうとすると、多種多量の抗不整脈薬が必要になる可能性がある。その場合むしろ薬剤の副作用の方が心配である。仮に薬が効かなくて発作を予防できなくても、たいていの場合はそれで心不全が起こってきたり、余病を併発したり、命が短くなるわけではない。
7.心房細動の症状は、心房細動を完全に予防しなくても、その時の脈拍数をコントロールすることで、かなり改善する。また発作性心房細動よりも、むしろ慢性の心房細動になった方が、体がその状態に慣れてきて、症状は楽になることが多い。
8.心房細動時には心房が細かく動くだけで、十分な収縮ができませんので、そこで血液がよどみ、血栓ができ、それが頭や手に飛んでいって血管が詰まる(脳であれば脳梗塞になる)ことがある。そのため最近では心房細動に対しては、脳梗塞を予防する目的で、血液を固まりにくくする薬剤(ワーファリンなどの抗凝固薬)が使用されるようになっている。
9.脳梗塞は心房細動を持つ人のすべてに起こるのではない。これは心房細動が48時間以上続くような人の中のごく一部に起こるにすぎず、特に心臓病や高血圧、糖尿病を持たず、家系にも脳梗塞の人がいない場合は、たとえ心房細動があっても、脳梗塞の発症率は正常人と変わらない。
10.適切な量のワーファリンを服用していれば、どのようなタイプの心房細動であっても、脳梗塞を予防できるし、大出血を起こすこともない。ワーファリン服用中であっても手術は可能だし、仮に出血しても、押さえてやれば、ちゃんと血は止まる。心房細動があるから脳梗塞になるのではないか、ワーファリンを飲んでいるので、出血するのではないかと、むやみに神経質になる必要はない。


yuji5327 at 06:28 

2019年10月08日

脳は情報を処理する生体器官である。その情報は外界由来のもの、体の中からくるものがある。脳の働きを理解するためには、取り扱う情報の性質を理解する必要がある。


「藤田一郎(大阪大学教授):大ざっぱと丁寧を使い分ける私たちの脳の情報処理システム、週刊ダイヤモンド、2019.08.24」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.脳はつまるところ情報を処理する生体器官である。その情報は外界由来のものであったり、体の中からくるものであったりする。従って、脳の働きを理解するためには、脳そのものだけではなく、それが取り扱う情報の性質についても理解する必要がある。
2.情報や通信の数学的な基盤を研究する学問分野は「情報理論」と呼ばれ、1948年にクロード・シャノンが発表した「通信の数学的理論」によって誕生したとされる。そしてその数年後の54年に、ブレッド・アトニーブが、情報理論の立場から視覚について考察した最初の論文を発表した。シャノンの論文ほど有名ではないが、選び抜かれた明快な言葉とシンプルな思考実験からなる、エッセーのようであり詩のようでもある素晴らしい科学論文である。
3.その論文でアトニーブは、「私たちが受け取る視覚情報のほとんどは冗長である」と主張した。彼によれば、
机の上の端に置かれたインク瓶の図があり、背景は白い壁、机は木製で茶色、インクは黒であるとすると、このような情景から目および脳が受け取る視覚情報は、この絵を画素に分解したときのその数ほどは多くない。例えば、この図を横方向に80、縦方向に50に分割し、4000個の画素に分けてみる.そして左下の角の画素から右に向かって一つずつ移動していったとき、それぞれの画素が白、茶、黒のうちのどの色だと思うかを被験者に当てさせてみても、何のヒントもないので最初は間違えるが、白が続くことにすぐに気付き、白と答える。机の左辺にやって来たときには、茶であると答えなくてはいけないのに対して白だと答える。その後は茶の画素が連続することに気付き、また正解が続くようになる。つまり、被験者が間違えるのは色が変化するところや輪郭の在り方が変化するときに限られる。言い換えれば、視覚情報として大事なものはそれらの部分に限られており、他の部.分から受け収る情報は冗長である。
4.視野の中のほとんどの場所において、その一点がどのような情報を持つかは、その周りの点がどのよ・妥情報を持つかによってたいてい正しく推定できる、これがアトニープの主張である。この主張をサポートするために、アトニーブが示したもう一つの例は、38個の点とそれを結ぶ直線だけから成るこの絵が、寝ている猫であることは即座に分かる。輪郭の中で方向が大きく変わるところ〔曲率が高いところ)だけを結び、その他の微妙な曲線の様子を全てなくしてしまっても、猫のように見慣れた物体を認識することは可能である。線画からは、猫の色、模様、毛艶の情報が捨てられてしまつているのでわからない。しかし、アトニーブと正反対のことを言うようだが、それらの情報があったとしても、私たちの認識は必ずしも正しいわけではない。注意深く眺める、これは陶器でできた置物なのである。つまり、色や模様の情報があったとしても、この写真が置物であって、本物の猫や、さらにはクロワッサンでないことを知るためには、詳細な画像情報を処理する必要がある。
5.脳は大ざつばな処理と精密な処理を両立させている。何かの課題を行おうとするとき、その達成に必要とされる時間と得られた結果の質の間にはトレードオフが存在する。身近な例として、数学の問題を解くときのことを考えると、早く仕上げようとして急いで解くと誤りを犯す危険性が高まる。一方、正確さを第一として丁寧に問題を解くと時間がかかる。脳というのは時に間違えてもよいから粗く速く計算を行う方式と、時聞がかかってもよいから精密な計算を行う方式を、さまざまな視覚の側面のそれぞれにおいて併用している。
6.2つの例がある。一つ目は、他者が威嚇をしてきたり、恐怖の表情を示していることは、何らかの危険が身の回りに迫っていることを示す重要な視覚情報である。そのような情報は、通常の顔認識の情報経路である大脳皮質での処理過程を迂回し、視床から感情や自律神経反応を制御している扁桃体へと直接伝えられる。90年代に提唱された説であるが、その厳密な証拠は、この数年になって得られつつある。もう一つの例は両眼立体視である。私たちが二つの目で見る世界は、片方の目だけで見るときには感じられない明確な奥行き感を持っており、真の3Dとなっている。これは、二つの目が左右に離れて顔に付いており、異なった視点から世界を見ていることに原因がある。目の前の数々の物体の像は、右目と左目では異なった位置にずれて投影される。どのくらいずれるかは、その物体が注視面に対してどのくらい手前にあるか、あるいは奥にあるかによる。このずれは両眼視差と呼ばれ、脳は目における映像の情報に基づいて、これを計算する。この際にも粗くて速い処理と、丁寧で精密だが時問のかかる処理を並列に行っている。これもこの10年で科学的な証拠が得られつつある。
7.心理学者・経済学著であるダニエル・カーネマンによれば、このようなデュアル処理は視覚に限らず、人間が持つ認知機能一般に普遍的な特性である。彼はこれらをオペレーションシステム1〔OS1〕、オペレーションシステム2(OS2)と名付けている。これらの提唱されている動作アルゴリズムの実体は、今後も神経科学的に探究されていく。


yuji5327 at 06:46 
池上技術士事務所の紹介
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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