健康

2019年06月15日

健康を研究する流れは、米国や英国や中国で、大規模なゲノム解析である。13年もかかったDNA解読が、現在では30分以内に終わる。


「池谷裕二著:闘論席、週刊ダイヤモンド、2019.5.14」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.発症してからでは遅い。健康なうちに先手を打つべし、と予防医学がうたわれる近年だが、いまだに体調の異変に気づいてから病院に足を運ぶ人が多い。現存す.る中国最古の医学書『黄帝内経」に収録された「素間・四気調神大論」には「聖人不治巳病治未病」〔聖人は既病を治すのではなく未病を治す)と記され,「未病」という概念が提唱されている。
2.未病のブームは臨床だけではない。基礎研究界でも病気の研究から「健康」の研究にかじを切っている。これまでは疾患を解明することで治療に役立てようというアプローチが主流だった。
3.しかし改めて考えてみれぱ、患者の数より健常人のほうが圧倒的に多い。健康について理解が進んでいないということは、人聞という生命体の動作原理が解明されていないに等しい。
4.健康を研究する代表的な流れは、米国や英国や中国で進められている大規模なゲノム解析である。 2003年に完了した「ヒトゲノム計画」当時は13年もかかったDNA解読が、現在では30分以内に終わる。 
5.こうした技術革新に後押しされ、海外では100万人規模の健営人のゲノムを解読」て「健康」の原理を解明しようとしている。健康状態を監視するヘルスケアツールも普及しつつある。
6.よい例はアップルが昨年発売した腕時計型の「アップルウオッチシリーズ4」である。加速度計や心拍計のみならず心電計も内蔵する。膨大な.身体状態がデータセンターに集約される。すでに不整脈の予備軍が発見され、思恵を授かった「健康な人」も少なくない。7.問題は日本である。大規模な健常人ゲノム計画はおろか、アップルウオッテの心電計の使用さえ、国の認可の壁に阻まれ認められない。倫理規制や承認制度など難しい問題もあるだろうが、有益な試みには柔軟な対応が望まれる。



yuji5327 at 06:37 

2019年06月10日

世界中の複数の集団でアルコール代謝に選択圧が働いていた。アルコール摂取量を減らす遺伝子変異が選択された。酒は百薬の長という言葉は、見直される。

「岡田随象(大阪大学教授)著:遺伝統計学で迫る日本人集団の適応進化、學士会会報No.936(2019-)」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.15万〜10万年前、アフリカの森の樹上で暮らしていた類人猿がサバンナに進出した時、ヒト(ホモ・サピエンス)への進化が始まったと言われる。その後、ヒトはアフリカ大陸を出て、多くの集団に分岐しながら、世界中に拡散していった。拡散の過程でヒトは他のホモ属と交雑したようで、現生人類のヒトゲノムの数%は、ネアンデルタール人由来
と考えられる。世界中に拡散したヒト集団は、異なる地理的環境で異なる選択圧に晒された。その結果、アジア人、欧米人、アフリカ人など集団ごとに、遺伝子変異の頻度に著しい差が生じました。この遺伝子変異に着目し、それがどんな環境や表現型に対応しているかを調べることで、その集団に特有の選択圧が分かる。
2.代表例がマラリアで、マラリアが蔓延する中央アフリカ地域では、ヘモグロビンβ鎖の遺伝子変異による「鎌状赤血球症」という貧血が高い発生率を示した。これは、マラリア耐性を獲得するため、この遺伝子変異が急速に広まったことに由来する。このように生物の形質が世代を経るごとに周囲の環境に応じて変化することを、「適応進化」と言う。います。
3.適応進化には、「優れた生き物に変化する」という意味はない。限定的な環境に適応し過ぎたため、結果として絶滅した生物も数多くいる。例えば、三葉虫はかつて世界中の海に生息し、長い棘の生えたもの、目玉が飛び出たもの、5伉度のもの、70冂兇里發痢甲羅を2つ折りに丸めるものなど、環境に適応して一万種以上の種がいたが、各種は徐々に絶滅し、最後まで生き残ったのは、最初に登場したのと同じ位シンプルな形の三葉虫だった。
4.「適応進化の検討」とは、「ヒトゲノム配列のどの遺伝子領域が、どの集団で、どの表現型との関わりで、選択圧を受けてきたか」を検討することである。この作業はホモ・サピエンスの歴史を知る上でも、現代人の疾患の背景を理解する上でも重要である。
5.ある集団内で特定の遺伝子変異が高い頻度で起きる時、「その集団は過去に何らかの選択圧を受けた」と考えられる。しかし、「その選択圧はいつ起きたイベントの結果か」については「おおまかに数万年前」としか分析できない。ある集団内で、ある遺伝子変異が高頻度で起きるまでには、数万年かかるからである。
6.数万年前、日本人の祖先はまだ日本列島に入っておらず、ユーラシア大陸や東南アジアにいた。近年、「集団内で極めて低頻度の遺伝子変異に注目すれば、数千年前という近い過去の選択圧を分析できる」と分かってきた。発生して数千年(ほぼ百世代)の遺伝子変異は頻度が低いまま保たれているからである。
7.低頻度の変異の例に、シングルトン(集団内で1サンプルしか観測されていない変異)がある。このシングルトンの分布を次世代シークエンサーで解析する手法を、SDSと言う。2016年、イギリスの研究グループが開発した。SDSにより、世界各地の集団がその地域に定住する過程で生じた、最近かつ集団特異的な選択圧の検討が可能になった。
8.イギリスの研究グループは、欧米人集団3000人の全ゲノムシークエンスデータにSDSを実施したことで、「過去数千年間で、身長を高くする遺伝子変異の頻度が急増した」と判明した。欧米人は身長が高くなる方向に選択圧を受けていたのである。これは「北方適応」(北方の寒冷な環境に適応するため、寒さに強い大きな体格になった)と考えられる。
9.「日本人集団は、どのような環境の中でどのような選択圧を受け、どのような形質を形成したか」については、長らく不明だった。大阪大学の研究グループは、理化学研究所及び慶慮大学との共同研究で、日本人集団約2200人を対象に、全ゲノムシークエンス解析を実施し、日本人集団の適応進化の謎に迫った。日本人集団に低頻度で起きた遺伝了変異の分布を検討したところ、「近い過去(約3000年前)に、日本人集団は4カ所の遺伝子領域において、強い選択圧を受けた」と判明した。
10.日本人が罹りやすい疾患と、その原因となる遺伝子変異は既に分かっているので、各疾患に対する選択圧の強さを定量的に検討したところ、「日本人集団は、飲酒量などアルコール代謝と、脂質や血糖値、尿酸値など栄養代謝に関わる形質に強い選択圧を受けた」と判明した。日本人集団が強い選択圧を受けて獲得したのは、高身長やマラリア耐性ではなく、アルコールや栄養に関わる形質だった。これら4カ所の遺伝子領域のうちの2つは、ADH1B、ALDH2という遺伝子で、ここで遺伝子変異が起きると、お酒に弱くなる。日本人集団では、過去数千年の間に、お酒に弱くなる変異の頻度が増えた。これらニカ所の遺伝子変異は、日本人集団だけでなく、稲作を営んできた東アジア人集団でも高い頻度で観測される。今回の解析を東アジア人集団に対して実施しても、おそらく近い結果が得られると考えられる。
11.日本人集団にアルコール代謝に関する強い選択圧が働いたのは、^酒が各集団におけるコミュニティ形成や生存競争に大事だった、古代日本人(縄文人、弥生人)の地理的な移住パターンを反映している、水田に住む淡水生の寄生虫への防御反応に、アルデヒド代謝が重要だった、で帯雨林と違い、日本では自然発生するアルコールはなく、酒が飲めなくても問題はなかった等が考えられるが、本当の理山は不明である。
12.最近の研究では、程度の差はあるが、世界中の複数の集団でアルコール代謝に選択圧が働いていたと指摘されている。アルコール摂取量を減らす遺伝子変異が正の選択を受けていた。「酒は百薬の長」という言葉は、近い将来に見直されるかもしれない。
13.「日本人集団の持つネアンデルタール人由来のゲノム配列に、選択圧は働いたか」について調べたところ、有意の結果は得られなかった。「ネアンデルタール人由来のゲノム配列は、選択圧を介して、ヒトの疾患の発症に寄与した」という従来の学説には、必ずしも一致しない結果だった。
14.遺伝統計学の研究を通じて一番に感じたことは、「歴史の研究は面白い。数千年前の日本に確かに存在していた自分たちの祖先に、何が起きていたのかを考えるのは、とても楽しい」ということである。しかし、日本は遺伝統計学の分野で顕著な人材不足に陥っている。この分野を研究する中国人とインド人は大勢いたのに、日本人研究者は本当に少なく、将来、日本はこの分野で大幅に立ち遅れると悲観されるので、次世代を担う若手研究者の育成を目指し、様々な活動を始めている。実際にゲノムデータ解析をしてもらっている。


yuji5327 at 06:35 

2019年06月07日

ロコモーショントレーニングの効用として、推奨している内容は、バランス能力の訓練である開眼片脚立ちと、下肢筋力強化の訓練のスクワットの2つで、効果は証明済み。

「岩本幸英(九州労災病院院長)著:ロコモティブシンドローム対策の効用、學士會会報No936(2019-掘法廚六温佑砲覆襦3詰廚鮗分なりに纏めると以下のようになる。
1.ロコモティブシンドロームの運動器は、私達の身体活動を担う骨・関節・筋肉・腱・神経などの総称である。ヒトの体を構成している組織・臓器には、それぞれ重要な役割と意義があるが、そのなかで運動器は、ヒトが自分の意志で活用できる唯一の組織・臓器である。
2.ヒトは、自分の意志に従って運動器を介する身体活動を行うことにより、自己の存在を証明し、自己の能力や精神性をも表現している。脳や心臓、肺、消化管などの生命維持臓器の重要性はいうまでもないが、運動器は人間の白律と尊厳を支える重要な組織・臓器である。
3.わが国では、近年の高齢化に伴い、加齢による運動器疾患が急増している。地域の研究結果から推計されるわが国の運動器疾患の有病者数は、変形性腰椎症3790万人、変形性膝関節症2530万人、骨粗鬆症(腰椎部)640万人、骨粗鬆症(大腿骨頸部)1070万人にも及び、これら3つの疾患の少なくとも1つ以上を有する国民は4700万人、上記疾患すべてを有する国民は540万人にものぼっている。
4.また、2013年度の国民生活基礎調査によれば、要介護・要支援の原因の第1位(25%)を転倒・骨折、関節疾患、脊椎疾患などの運動器疾患が占めており、介護予防、国民の健康寿命延伸のためには、運動器疾患対策が重要である。
5.以上のような背景のもと、2007年に日本整形外科学会(以下、日整会)は、ロコモティブシンドローム(和語は運動器症候群、以下「ロコモ」)という新しい概念を提唱した。ロコモの定義は、運動器の障害により、歩行・立ち座りなどの移動機能の低下をきたした状態であり、進行すれば要介護の原因となる。ロコモの原因は、加齢に伴う運動器疾患、筋力低下、バランス能力低下の3つに集約される。現在、日本整形外科学会は関連諸団体と連携し、ロコモ対策を通じた介護予防、健康寿命延伸に取り組んでいる。
6.ロコモ対策の効用として、運動器障害を包括的に診ることの効用がある。 現代医学は、対象とする各臓器の疾患を細分化し、深く探究することにより発展してきた。整形外科も例外ではなく、脊椎、膝、股関節などの部位別、骨粗懸症、関節症など疾患別の専門家が存在し、専門分野別の診療、研究を行う傾向にある。
6.しかし、高齢者では、加齢に伴う運動器疾患を複数合併している頻度が高いため、例えば大腿骨近位部骨折の手術は成功しても変形性膝関節症の痛みのために移動できないなど、一疾患のみにとらわれた治療では患者のADL・.QOLを改善できない場合がある。また、高齢者では、疾患だけでなく筋力低下、バランス能力低下が移動機能の低ドの原因となっていることが多く、この問題を併せて考えなければ問題解決にはならない。ロコモ対策では、常に移動機能を指標とし、運動器疾患、筋力低ド、バランス能力低ドを包括的に診る方針をとるので、患者の本来の望みである移動機能の回復を実現できる可能性が高い。
7.ロコモーションチェック(ロコチェック)の効用として、ロコモの概念の発表に合わせ、日整会は一般の方々でも日常生活動作を指標にロコモに気づくことができるよう、7つのチェックを発表した。その内容は、(匍嗄ちで靴下がはけない、階段を上るのに手すりが必要、2C琶眛擦鮴朕号で渡りきれない、15分くらい続けて歩けない、ィ恐箸涼罎任弔泙困い燭螻蠅辰燭蠅垢襦↓2堋度の買い物をして持ち帰るのが困難、Р箸涼罎里笋篏鼎せ纏(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難、である。
8.7項目のうち、ひとつでも該当すればロコモの疑いがあるとした。ロコチェックの各項目は、筋力低ド、バランス能力低下、あるいは運動器疾患の症状と関連がある。具体的には、,バランスの指標、△下肢筋力とバランスの指標、歩行速度を反映するは動いている状態で円滑に重心を移動させる動的バランスの指標、い持久力の評価、および腰部脊柱管狭窄症に見られる間歇性跛行が存在しないことの確認、イ転倒しやすさ(筋力、バランス力、関節、神経の障害が原因)の指標、ΝГ上下肢の筋力、バランス能力の低下、腰痛や膝痛がないことの指標などである。
9.ロコチェックで該当項[がある場合、筋力低下、バランス能力の低下以外に、運動器疾患が隠れている可能性があるので注意を要する。特に、急激な歩行能力の低ド、痛みなどの症状がある場合は要注意であり、早めに整形外科などの医療機関を受診し、適切な診断・治療を受けることが望ましい。疾患の存在の可能性が低い場合や、医師の診察を受けて疾患の存在が否定された場合は、筋力低下やバランス能力低下を改善するトレーニングを勧める。
10.ロコモーショントレーニング(略してロコトレ)の効用として、日整会では、ロコモ予防・改善のためにロコトレを推奨している。その内容は、バランス能力の訓練である開眼片脚立ちと、下肢筋力強化の訓練であるスクワットの2つであり、高齢者における運動機能改善効果は証明済みである。また、ロコトレは、運動強度が低く短時間で実施可能、特別な器具は不要で経費がかからず、自宅で実施可能など数々の利点があり、高齢者が長期間継続するのに適したトレーニングである。
11.医療経済の観点からも、ロコトレは経費・設備が不要なロコモ予防・改善法であり、介護予防につながる可能性もあるので、その効用は大きい。日整会およびその関連団体であるロコモチャレンジ推進協議会は、さまざまなメディア、市民公開講座などを通じ、ロコトレの意義と実践法の普及活動を行っている。
12.ロコモ度テストの効用として、2007年に発表した「ロコチェック」は、日常生活動作を指標として、一般の方々がロコモに気づくための主観的な自己チェック法であった。しかし、ロコモにおいては、メタボにおける腹囲のように、医療関係者が数値で客観的に判定する基準はなかった。そこで日整会は2015年に、医療関係者が移動能力を数値で把握し、ロコモの重症度を判定するための「ロコモ度テスト」を考案した。ロコモ度テストには、下肢筋力をみる立ち上がりテスト、大股で歩いた歩幅を測る2ステップテスト、生活や身体の状態を25項口の質問でチェックする「ロコモ25」の3つの方法があり、その結果によりロコモの重症度をロコモ度1(運動器の衰えが始まった状態)とロコモ度2(ロコモが進行し、自立した生活に支障をきたしている状態)に区分する。ロコモ度1と判定された場合、運動習慣や食生活の改善により、筋力、バランスカの改善を図る。ロコモ度2と判定され、痛みを伴う場合には運動器疾患の可能性が高いので、整形外科の受診を勧める。高齢者の移動能力、筋力、バランス能力に対する運動療法の介入効果は、軽度の障害には有効であるが、重度の障害には効果が乏しいことが知られている。ロコモ度テストの開発により、ロコモ度1という軽症例の早期発見が可能になったことにより、早期介入によるロコモ予防・改善、ひいては将来の介護予防に期待が寄せられている。今後の検証結果が待たれる。
13.健康寿命延伸については、健康上の問題がない状態で日常生活を送ることができる期間のことで、2016年に厚生労働省が発表した健康寿命は男性72.14.年、女性74.79年であった。平均寿命(男性80.98歳、女性87.14歳)に較べ、男性で約9年、女性で約12年短い。人は誰しも人生の最後まで、健康で生き生きとした生活を送りたいと思っており、健康寿命の延伸が望まれる。今後、ロコモ対策が、究極の目標である健康寿命延伸につながることを期待している。


yuji5327 at 06:46 

2019年06月06日

舌というのは結構大きな筋肉で、お風呂の中で舌出しをやる。97歳の父親が脳の血流を測ったら、40代の後半だという結果が出た。特に頭の血の流れを良くして呆けないようにする。

「三浦雄一郎氏講演会:心房細動・不整脈を抱えてエベレスト登頂を成し遂げた、北海道心臓協会」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.三浦氏の父親、三浦敬三氏は101歳までスキーをやっており、100歳を超えても年賀状が1,000枚近く届き、万年筆で返事を出していた。99歳でヨーロッパで一番高い山モンブランの氷河を滑った。シャモニーという町からロープウェーで上がっていくと、富士山の頂上よりちょっと高い約3,900mの所に着き、こからスタートして25kmの大氷河を滑るのを白寿でやるんだと張り切って練習して、成功させた。
2.オリンピックのあったアメリカのソルトレイクで、子供たちも学校に通い、スキーをやった。三浦氏自身も1961年からソルトレイクを拠点にアメリカを中心にスキーをやり、家族にとって、そこが第二の故郷みたいだった。父親も同じようなことを随分いっておりました。そこで100歳の記念に、ソルトレイクのロッキー山脈のスノーバードという約3,300mの所からスキー滑降を親子四代で参加した。カーター元大統領も、一緒に滑った。
3.北海道心臓協会の講演には、自分が一番ふさわしいと思う。三浦氏自身も小学生のころから心臓に不整脈があった。父親も101歳まで元気だったが、やはり心臓病だった。家系はおばあちゃんの代も含め、心臓病が持病だった。昭和20年、中学校受験の時に不整脈で落第した。
4、70歳で、不整脈を騙して2003年にエベレストに登った時は、もう死ぬんじゃないかと思うような不整脈が富士山の頂上くらいの高度で出た。ペリチェというのヒマラヤの高山医学研究所で、心臓が心拍数60くらいしか動いていない。ほぼ4,000mで、高さにまだ体が慣れていない状態では90くらいないと心配になる。
5.3,600mの所で高山病が発症し、騙し騙し歩き、お昼にビスケット、紅茶、バナナなどを摂り、10圓らいの軽いリュックサックを背負って歩き始めたら、くらくらっときた。脈を診たら計測不可能で多分200以上の心房細動という、長島茂雄さんが脳溢血を起こしたとっきの現象が起きた。血液が空回りして心臓の中で血液が固まりつつあるという状態である。4時間かけて高山医学研究所のドクターのところへ辿り着いた。シェルパの家で休んだり、10分に1回くらい休憩して少しづつ水分を摂りながらだったが、不整脈は続いた。
6.高山医学研究所は日本人の登山の好きなお医者さんたちが作った病院で、30年ほど経つ。世界中の山好きなボランティアのお医者さんたちが交代で勤務している。その日のシアトルの登山家でもあるお医者さんいわく。「もしこの不整脈でエベレストに登れたら不整脈の新記録ができる、まあ行ってらっしゃい」。
7.2週間ほどして電話があり「すぐ院長室に来なさい」。一覧表には赤字がずらり、高脂血症に糖尿病、血圧も200近くあり立派な高血圧。あらゆる生活習慣病が揃い、特に腎臓の調子がおかしい。2年か3年の内に人工透析だ、と脅かされ。自覚症状もあった。随分前から、明け方に肩や胸の辺りが気持ち悪くなり、いつの間にか心臓がきゅっと締まる。狭心症の始まりで、不整脈と相伴って、この先あまり生きられないな、60を超えればもういいなとも思ってはいた。
8.ふと考えると、人生でまだやりたいことがいくつもあり、中でも、エベレストのてっぺんにだけは行きたい、との思いが強くあった。エベレストのベースキャンプまで行ってみたい、シェルパたちのお墓参りもしたいし、生き残っているシェルパたちにも会いたいと希望し、出かけた。案の定、ナムチェバザール辺りで高山病になり、ベースキャンプに着いた時にはふらふらで、もう限界だった。
9.一旦エベレストを諦め、諦めの反動が飲み放題、食べ放題になり、そのつけが全身に回った。親父も息子も頑張っている。このままデブで、心筋梗塞か脳梗塞で死んでしまうのなら、なんとつまらない人生だと思い、5年かけてエベレストの頂上に登るのを目標にトレーニング、山登りを再開した。トレーニングの第一歩として我が家の裏山の札幌の藻岩山は531mしかないのに馬の背まで行ったら動けなくなり、心臓の不整脈がひどくなる、脂汗は出てくる、足の痙攣は始まり、頂上を諦めてとぼとぼ降りた。
10.65歳の爺さんだけど、こんな山を登れないなんてかえって面白い。今は最低の状況だ。実年齢は65歳だが肉体年齢は85歳くらいと思い、もう一回、65歳の普通の健康体に戻ってみよう。手始めは、足首に1kg 背には10kgの錘をつけて、札幌駅や空港をうろうろするだけで1日3,000歩以上歩いた。足首の錘は2年目は2〜3圓箸いΧ餽腓望しずつ増やした。 それまで膝も痛めたし、ぎっくり腰にも何回もなり、その後遺症が今でもあり、病院の先生に診てもらったら、半月板が殆んど無いといわれた。った膝が治ってきました。手稲山と恵庭山に繰り返し登ったりして1年ちょっとで、富士山にも登り、500mの山も登れなかった三浦氏は、5合目から頂上まで約3時間で登れるようになった。
11.僅かな期間のトレーニングで、これだけの効果があった。検査もいろいろ受け、エベレストに行く前の検査では、トレーニング前は85歳の肉体年齢だったのが40代に、しかも骨密度は20代まで回復していた。総体的には30代後半である。人間は適切なトレーニングをすることで、こんなに若返ることができる。
12.エベレストでは、10人登ろうと思っても3人しか登れない。これは一流の登山家たちも含めての数字であ。死亡率は14%、7人に1人は死ぬ。10年ほど前までは、頂上に着いたら帰りは5人に1人は死んでいるというデータがある。 運動生理学者の計算でみましたら、20歳の登山家がエベレストの頂上に着くということは、この人の肉体年齢が90歳になるということである。要するに70歳加齢するということである。 酸素が1/3、気温−30℃という中で70歳加齢されるのなら、私は70歳で登ろうとしていたわけだから、プラス70だと140歳になる。少なくとも100歳若返らなければエベレストの頂上は無理だということになります。これが不思議なことに、4年間トレーニングを続けているうちにほぼ40歳の肉体年齢になる。携帯電話大の携帯心電図計をオムロンが開発し、これを持っていかされ、常に波動の乱れ、不整脈をインターネットで東京都老人研の白澤先生や登山家で医師の神尾先生に送られる。ドクターコールで今すぐ帰らないと死ぬという。ベースキャンプで既に帰れコールだったが、ここからスキーで滑って帰った。
13.カテーテルアブレーション手術受け、再度の挑戦を目指したが、その無理もたたって普段の生活でも苦しむようになった。階段を上ってもすぐ心臓がおかしくなる。薬では抑えがきかないので、思い切って、心臓のカテーテルアブレーションという手術を受けた。6時間の大手術だったが、ほとんど眠っていたので、手術が終わってやれやれという感じだった。心臓の調子が良くなり、不整脈があまり出なくなったので、よせばいいのに20圓らい背負って足首に5圓弔韻2時間くらい歩いたら、またひどくなった。膝も痛める。再度、先生に診てもらうことの繰り返しで、無理をしてはいけないという当たり前のことを守れないで、相変わらず失敗を繰り返していた。
14.もう1回ゼロからやり直して75歳の普通の健康体に戻って、それからまたといっても、もう時間が1年ちょっとである。今年は4月25日に出発して、標高6,470mのメラピークに行って、心臓の具合を調べ、山に登る力調べた。
15.人間は予定通りうまくいかない。歳をとればとるほどいろんな不都合、不具合が出てくる。そのような中で、一番励みになったのは父親の健康法だった。一つはスペシャルドリンクである。父は公務員で、子沢山で、貧乏だったので、玄米のご飯、安い鰯をすり鉢ですってつみれを作り、山菜やきのこを採りに行くのが普通だった。貧乏なお陰で父親は自然食だった。このような食事ではよく噛むことも欠かせない。父親の健康法の一つ、スペシャルドリンクというのは、大きめのコップに牛乳、ヨーグルト、胡麻の粉、きな粉を入れ、蜂蜜で味をつける。さらに、卵を酢に漬けておくと1週間で殻までぶよぶよに柔らかくなる。これを丸ごとジューサーにかける。これを朝起きてお茶の合間に一杯。余ったのは冷蔵庫に入れてその日のうちに飲む。
16.片方の鼻と口をふさいで深呼吸を一回、二回、三回、四回。右が終わったら今度は左で、これは朝起きたらテレビを見たり新聞を読んだりしながら、ゆっくり繰り返す。人間の唾液には殺菌作用がありますので、まず徹底して鼻呼吸をする。呼吸をすることは、ものすごい体力が必要で、呼吸をするための筋肉、横隔膜の力は鼻呼吸によって増える。
17.力いっぱい口を開けて、舌を思いっきり出す。出した舌を右、真っ直ぐ、左へと動かす。三浦氏の父親は朝起きたらこれを最低150回やっていた。どうしてやるのかと聞いたら、ヨガの本に舌を出すことが書いてある。舌というのは結構大きな筋肉で、お風呂の中で舌出しをやる。お腹の筋肉、横隔膜とかが全部動いている。舌の動きは喉の辺りにもおよんで甲状腺ホルモン、唾液ホルモンを間接的に刺激し、代謝、若返りを促す。97歳の父親が脳の血流を測ったら、40代の後半だという結果が出た。全身の血の巡りを良くし若さを保ち、特に頭の血の流れを良くして呆けないようにするには、舌出しが効果的である。
18.笑うことも最高の健康法である。声を出さなくても、笑う動作は腹筋や腹膜のものすごい運動になります。鼻呼吸、舌出し、笑う動作でも健康には抜群の効果がある。ウオーキングやストレッチなど健康情報はたくさんあるが、何時でも誰でもできるこの小さな健康法がエベレストの8,000m地点に行っても大きな力だった。心臓がだめだという時に、慌てて酸素も吸うが、その前に1回鼻呼吸をし、舌出しをやる。頭が段々すっきりして目が見えるようになる。生きる原点をもう1回甦らしてくれる大きな力だった。
19.心房細動がある人の脳梗塞発症率は年平均5%で、心房細動のない人と比べると2倍から7倍高いといわれています。しかし、心房細動と診断されたからといってすべての患者さんが脳梗塞になるわけではない。
20.脳梗塞の危険性が高いと判断された場合は、抗凝固薬(血をサラサラにする薬)の内服を始める。最近は食事制限が不要で副作用の少ない抗凝固薬も登場しているが、年齢や基礎心疾患(心臓病などの持病)の有無、腎臓や肝臓の障害の有無などで内服できる薬の種類や量が変わってくる。
21.心房細動は、初めのうちは数時間から数日以内には自然に止まる。しかし発作を繰り返す間に、持続時間の長い心房細動となり慢性心房細動に移行する。これを防ぐため、心房細動から正常なリズム(洞調律)に戻す、あるいは心房細動を予防するための薬(抗不整脈薬)を服用する。
22.心房細動に対する根治療法として、原因となる心臓の一部をカテーテルで焼いて治すアブレーションという治療も有効である。発作性心房細動では約70〜80%の成功率で、カテーテル治療により根治または軽快化が期待できる。しかし、すべての心房細動患者にカテーテル治療が有効とは言えず、またカテーテル治療に伴う合併症のリスクも存在する。


yuji5327 at 07:01 

2019年05月29日

カテーテルアブレーションを受けたすべての患者が、心房細動と縁が切れるわけではない。1回受け、3か月後にずいぶんよくなっても、時々まれに心房細動の発作が出ることがある。

「山下武志著:
心房細動に悩むあなたへ、NHK出版、2012年」は参考になる。「心房細動を根治する確実な方法はある?」「ドキドキ感」を鎮める2つの方針」の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.発作性心房細動での具体的な成功率は、全く心房細動がなくなる確率は、アブレーション1回で約50%、その後もう1度アブレーションを行うと約80〜90%に上昇する。抗不整脈薬では、心房細動発作が全くなくなるということが見込めないので、それに比べると圧倒的に効果の高い治療法である。これはアブレーションを行ってから1年間が経過した時点での成績である。その後、経過観察を続けていくと、少しずつ心房細動発作が再発する患者がいる。したがって、現時点ではまだ、すべての方に対して完全な根治療法だとはいえない。
2.アブレーションで心房細動発作が全くなくなっても、その後も高血圧、糖尿病、肥満など心房細動の原因をしっかり管理する必要がある。一方で、カテーテルアブレーションは、体の中にカテーテルを入れて操作するという治療なので、全く副作用がないわけではない。副作用として、刺した部位(脚の付け根)からの出血、心臓タンポナーデ(心臓に孔が開いて心臓の周りに血液がたまること)、脳梗塞、血管損傷(動脈と静脈がつながって
しまうなど)などがあげられる。これらの発生頻度は5%ぐらいだが、このうち比較的重症なものは、心臓タンポナーデの約1%、脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)が1%弱と考えられている。
3.まれだが、重篤なものとして、左心房と食道がつながってしまうという副作用もある。カテーテルアブレーションに伴う死亡率は0ではない。0.1%程度と低いと考えられている。これらの副作用の発生率は、患者によって異なるので、担当医から、よく説明を聞くことが必要である。
4.カテーテルアブレーションが成功したら薬(抗凝固薬、抗不整脈薬)は全くいらなくなるとは言えない。もう心房細動とはおさらばだと考え、実際に、おさらばできている人もたくさんいる。しかし、カテーテルアブレーションを受けたすべての方が、その後心房細動と縁が切れるというわけではない。カテーテルアブレーションを1回受け、3か月後にずいぶんよくなったけれども、まだ時々まれに心房細動の発作が出るということがある。ここで、2つの選択肢が出てくる。もう1度カテーテルアブレーションを受けるか、あるいはずいぶんよくなったのでお薬で様子を見るという2つの選択肢がある。完全に心房細動発作がなくならない時もあり、2回目のカテーテルアブレーションを受けるか、薬で様子を見るかは、患者の気持ち次第である。
5.脳梗塞を起こす可能性の高い人が、抗凝固薬を服用して脳梗塞予防を行い、この患者がカテーテルアブレーションを受けて、1年後には自覚的に完全に心房細動発作がなくなったとしても、心房細動発作が出ているけれども、患者が気づかなくなっただけなのかもしれない。やがて再び心房細動発作が生じることがあるので、抗凝固薬の服用をすでにやめてしまっていたら、脳梗塞になってしまう可能性がある。抗凝固薬を服用したくないからという単純な目的のためだけに、カテーテルアブレーションを受けるの勧められない。
ません。
6.カテーテルアブレーションが向いている、と医師が考える人たちの特徴を述べると以下の通りである。若年者で、厳密な基準はないが、60歳前後までは特に向いている。少なくとも75歳以下が望ましい。それ以上年齢が上がると、副作用の頻度が増加する。慢性心房細動になると、カテーテルアブレーションの成功率は顕著に低下する。自覚症状がない場合、カテーテルアブレーションを行ったとしても、それが成功したのか、判断する根拠がなく、その後の治療方針を決めにくい。抗不整脈薬を試し、カテーテルアブレーションは焦って行う治療ではない。抗不整脈薬が効かない患者は向いている。高齢者の慢悠房細動は、カテーテルアブレーションに最も向いていない。
7.ローリスクの薬の種類は3種類である。
.献タリス(主な商品名:ジゴキシン)…心房細動の心拍数を低下させる。200年以上もの歴史をもつ伝統的な古い薬で、心拍数を低下させる効果は弱いが、現在でもよく使われている。高齢者では通常、服薬量は控えめに設定する。
▽村彙婆(主な商品名:メインテート、アーチスト、テノーミン)…薬としての歴史が古いだけでなく、現在は改良が進んだため、使いやすい薬としてよく用いられる。心房細動の心拍数を低下させる効果に優れている。患者ごとに心拍数を見ながら服薬量を決定する。若干、血圧が下がり気味になる。
カルシウム拮抗薬(主な商品名:ワソラン、ヘルベッサー)…-心拍数を抑える効果に優れている。ただし、心臓のポンプ機能を若干低下させるので、心臓の機能が悪いひとにはあ勧められない。
この3種類の薬は、安全性が高いからこそ、歴史の中で生き残ってきた。
8.電気ショックは、現在生じている心房細動を一度停止させ、正常な状態に戻す方法。あくまでもその効果は一時的で、心房細動の予防や根治とは全く異なる。
心臓ぺースメーカーは古くから用いられている方法で、遅い脈になった時にペースメーカーがそれを感知して、電気信号を心臓に送り、一定の程度以下に心拍数が低下しないようになる。


yuji5327 at 06:27 

2019年05月28日

カテーテルアブレーションは、心房細動が起きなくなることを目指している。その成功率は、発作性心房細動に対しては確立された治療法である。

「山下武志著:
心房細動に悩むあなたへ、NHK出版、2012年」は参考になる。「心房細動を根治する確実な方法はある?」「ドキドキ感」を鎮める2つの方針」の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.この効果をよしとするかどうかは個人次第である。一般的によく用いられる抗不整脈薬の特徴は以下の通りである。
・ジソピラミド(主な商品名"リスモダン)…古くからある薬。前立腺肥大症や緑内障があると使えない。副作用として、口渇感、便秘、尿が出にくくなることなど。
・ピルジカイニド(主な商品名…サンリズム)…現在最もよく使用されている、国産の薬である。腎臓の機能が悪いと使えない。
・フレカイニド(商品名"タンボコール)…次にあげるプロパフェノンと同様、世界的に用いられている薬。
・プロパフェノン(主な商品名"プロノン)…世界的に用いられている薬で、心拍数が減少する効果も併せもつ。
・シベンゾリン(主な商品名"シベノール)…やや強めの効果がある薬で、ジソピラミドと類似した副作用が見られる。
特殊な患者に限って用いられる抗不整脈薬
・アミオダロン(商品名・アンカロン)…心不全のある人が唯一いることができる薬、副作用は多彩で、肺障害(間質性肺炎)・甲状腺機能障害、肝障害などに注意が必要。
・ベプリジル(商品名・ベプリコール)、ソタロール(商品名・ソタコール)…特殊なお薬、限られた人にだけ用いられる、副作用には眩暈・失神。
2.カテーテルアブレーションは、血管の中を通して心臓まで細い管(カテーテル)を入れ不整脈の原因となっている場所を探して、その部位を焼き、不整脈の原因を取り去る治療で実約20年の歴史をもつ治療で、すべての病院で行われているわけではないが、すでに一般的な不整脈の治療法として認められている。
3.心房細動以外の不整脈では、不整脈の原因となる場所にカテーテルの先端を置き、
その場所でカテーテルの先端から高周波のエネルギーを出し、心臓の筋肉の限られた範囲(数仍擁)だけを焼くことによって治療を行う。カテーテル先端の温度は、50〜60℃といった最低限の温度を用いて病変のみを焼くことができる。この手法は安全性が高く、肝癌治療など他の分野でも広く用いられている。心房細動以外の多くの不整脈では、病変の範囲が小さく、比較的短時間で根治することが可能である。
4.このカテーテルアブレーションが心房細動の治療に用いられ始めて約10年が経過した。さまざまな試行錯誤が行われ、技術が洗練され、最近ではどの医療機関でもほぼ一定の方法で施行されている。発作性心房細動では、約90%の患者さんでその原因が肺静脈にあるということがわかっている。肺静脈は、肺できれいになった血液が左心房への帰り道として使っている血管である。
5.心房細動は心房が原因とばかり信じられてきたが、肺静脈の中で異常な電気信号が生じて心房に伝わることが原因だった。肺静脈は左右2本ずつ、計4本あり、いずれも左心房につながっている。この4本の肺静脈の根元にカテーテルアブレーションを行い、異常な電気信号が肺静脈から左心房に入ってこないようにする。医療機器が発達したおかげで、最近ではあらかじめ心臓のCT検査で撮った画像を利用しながら安全に行うことができる。
6.カテーテルアブレーションの特徴は以下の通りである。.▲屮譟璽轡腑鵑鮃圓ι位は左心房と肺静脈の境界部分です。この部位にカテーテルの先端を送り込むためには、脚の付け根にある静脈→右心房→心房中隔(右心房と左心房あなの問にある心臓の筋肉の壁)に針で小さな孔を開ける→左心房」というやや複雑な入れ方をする。左心房では4本の肺静脈すべての付け根を焼かなければならないので、比較的広い範囲に対してアブレーションを行う必要がある。その他の不整脈に比べて治療の時間が長めで、約3〜4時間かかる。
7.∈舷緩爾妊テーテルを操作している時、左心房に血栓があったり、カテーテルの先に血栓が付着したり、焼いた部位に後から血栓が付着したりすると、血栓が脳に流れて脳梗塞を起こすことがあるため、それを予防する。そのため、カテーテルアブレーションを行う前後には血が固まりにくいようにする処置を行う必要があり、入院期間は約1週間と長めである。
8.左心房と肺静脈がつながる部位の近くには、食道やさまざまな神経が走っているので、それらを傷つけないようにするために、安全性を考えてあまり高い温度でアブレーションを行うことができない。また、心房細動でも肺静脈に原因がない患者もいるが、それを事前に判定することができないため、1回の治療では完令に焼いてしまうことができずに"生焼け"状態から回復してしまったり、肺静脈以外の場所が原因であったということが後にわかることがある。このような場合、さらにもう1回、計2回のアブレーションが必要になる。
9.ぅ▲屮譟璽轡腑鵑脳討い辛位に血栓が付着することがある。また、焼いた部位が一時的に心房細動の原因になることがある。そのため、アブレーションを行った後の3か月間は抗凝固薬を服用する必要がある。アブレーションの効果判定は、焼いた部位が落ち着く3か月後に行う。アブレーション後の3か月間のうちに生じた心房細動は気にしないことが必要である。。
10.カテーテルアブレーションは、抗不整脈薬と違って、心房細動がその後全く起きなくなることを目指している。その成功率は、発作性心房細動と慢性心房細動では大きく異なり、現在は発作性心房細動に対しては確立された治療法である一方で、慢性心房細動に対しては高い成功率は見込めないと考えたほうが無難である。



yuji5327 at 06:54 

2019年05月27日

心房細動に対する治療に、理想的なものはない。治療法にローリスク・ハイリターンはなく、正解はまだない。医者と患者で話し合い決めいく。

「山下武志著:
心房細動に悩むあなたへ、NHK出版、2012年」は参考になる。「心房細動を根治する確実な方法はある?」「ドキドキ感」を鎮める2つの方針」の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.生命への影響、脳梗塞、心不全に対する万全の備えをしても、まだ心房細動に関わる問題がすべて解決していない。解決していないのは心房細動そのものの症状や、心房細動に対する不安感である。症状の性質や程度は患者さんによってさまざまだが、命の心配よりもまずこの症状を取ってほしい(心房細動を取り除いてほしい)」と言う症状がひどい場合がある。
2.症状はさほどでない場合でも、「生命への影響、脳梗塞、心不全などに対応する前に、その原因となっている心房細動を取ってほしい。心房細動をなくしたほうがよい」と言う人もいる。
3.心房細動の仲間の病気に、高血圧や糖尿病がある。高血圧や糖尿病を完全に治す方法はない。薬で管理することはできるが、完全に治して病院にかからなくてもよくなることはまれである。生活習慣の是正に努力して、薬がいったん不要となっても、年を重ねるとまた血圧や血糖の値は高くなる。心房細動を薬で完全に治すことはできない。薬でできるのは管理(コントロール)することだけである。
4.これが現在の医療レベルの限界だが、心房細動に対する薬の役目は、高血圧や糖尿病の場合と変わらない。「カテーテルアブレーション」については別に述べる。少なくとも100%に近い確率で心房細動を根治できる方法はない。安全に、確実に根治できる方法がないからこそ、将来を考えて、最も重要な生命への影響、脳梗塞や心不全に対する備えが必要があった。薬やカテーテルアブレーションでよくなったと思っても年を重ねれば高血圧や糖尿病と同じように、心房細動が再発する可能性がある。
5.「ドキドキ感」を鎮める2つの方針の考え方は以下の通りである。 峇袷瓦砲覆せなくても、できるだけ薬で心房細動をなくす。ある程度の副作用は仕方がない」◆峇袷瓦砲覆せないのなら、あまり副作用の強い薬はのまない。ある程度心房細動があるのは仕方がない」「生命への影響、脳梗塞、心不全に備えができていれば十分。心房細動とは仲良くやつていく」ぁ嶌治できる可能性があるのなら、薬ではなくカテーテル治療をする。多少の重い副作用がありうることは受け入れる」。これらの考え方は全部正しい。このような患者の望みに沿った治療法は提供できる。ただし、ァ嵒作用やリスクを伴う治療法は嫌だが、心房細動はきちんと取り除いてほしい」という治療法は、提供できない。
6.現在の心房細動そのものに対する治療に、そのような理想的なものはない。残念ながら、心房細動そのものに対する治療法にローリスク.ハイリターンはない。治療法について正解はまだない。医者と患者で話し合い決めいくが、その時重要なこなことは、‐評はどの程度強いのか? 症状はどの程度日常生活の妨げになっているのか、⊆N鼎鉾爾Ε螢好をどの程度受け入れられるのか? 症状が強く日笙活の妨げになっていれば、治療に伴う副作用やリスクはある程度受け入れやすい。無症状で今何も困っていなければ、治療に伴う副作用やリスクは最低限にしたいと思う。
7.2つの全く異なる治療方針を用意している。/緩失抛阿魏椎修覆ぎリ少なくする方法:心房細動を停止さげたり、起きないようにする薬(抗不整脈薬)を用いる。満足できない場合はカテーテルアブレーションを行う、⊃緩失抛阿鮗け入れて管理する方法:心房細動の症状の多くは、心房細動そのものではなく、心室の収縮で起こる心拍数や脈拍数が高いことによる。。そこで、心房細動は停止させずそのままにしておいて、心室の収縮に関わる仕組みに薬で働きかけて、心拍数や脈拍数を下げ、管理していく。高血圧や糖尿病と似ている。心拍数を下げる薬の副作用は、抗不整脈薬やカテーテルアブレーションよりも小さい。自然に心拍数や脈拍数が管理できていれば、心拍数を下げるお薬は不要で、心房細動そのものに対する治療は行わないこともある。
8.いくつかの治療法の中で試行錯誤しながら、患者ごとにフィットした治療法を選ぶのが、現在の医療が提供できるベストである。しかし現時点で・すべての響さんでベストと断言口できる治療法はなく、死亡率、脳梗塞、心不全などの発症率と治療法の選択は関係しないので、医師が患者に代わって選択する根拠がない。
9.心房細動そのものに対する治療法の選択では、患者の希望が優先される。若年は症状が強いことが彰抗不整脈薬やカテーアルアブレーションを選択する。高齢者は心拍数を管理する治療法を選択する。
10.心房細動には、「日頃は正常だけれども、時々発作的に心房細動が生じる発作性心房細動と年中心房細動が持続している慢性心房細動がある。発作性心房細動は早期、慢性心房細動は早期を過ぎた状態と考えられる。発作性心房細動と慢性心房細動では、抗不整脈薬やカテーテルアブレーションの効果はずいぶん違う。
11.症状のある発作性心房細動では、通常、まず症状を取るために抗不整脈薬が処方されることが多い。1か月に4〜5回の心房細動発作があり、数時間で自然に治まるものの、発作の頻度が多くてつらくなってきたという患者が、毎日抗不整脈薬を服用する一般的な効果は、抗不整脈薬は完全に発作を予防することはできない。発作の頻度を約1/3になるのが一般的な効果である。抗不整脈薬を服用すると、発作の頻度が1か月に1〜2回となり、発作の持続時間も短くなる。


yuji5327 at 06:39 

2019年05月23日

脈は60以下にならないと眠れない。目を閉じて、寝ようと焦っていても余計寝られないので、テレビなどでリラックスしていると、脈が下がって自然と眠たくなる。


「南和友著:解病-病気から解放される生き方、アチーブメント出版、2011年」の第5章実践:病気から解放される生き方」は参考になる。の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.家族や親戚に心臓病の人がいる方は、自分で簡単にチェックしてみると良い。少し早歩きをしたり、階段を駆け上がってみる。そのときに脈がどれくらい上がるかをチェックする。たとえば、安静時の脈拍が1分間で70だとして、階段を2階まで駆け上がっただけで100を簡単に超えてしまうと、心臓の弱い疑いがある。
2.運動不足の人はすぐに上がるので考慮しなくてはいけないが、普段の運動量が同じくらいの人と階段を上っても、自分だけ脈が上がり過ぎるような場合には心臓血管系に異常があるのかもしれない。血圧が上がったまま下がらないのも問題である。血圧が測れなくても、ずっと胸がドキドキしている状態なら問題があります。
3.運動しても脈拍が上がらない人がいる。極端に脈拍が低い(40回/分)人はベースメーカーをつける必要がある。脈が上がらなくては身体に十分な酸素が行き渡りませんから、息切れしてしまいます。心臓病のリスクを測りたければ、安静時と運動時に脈と血圧、呼吸回数をチェックするのが簡単な方法である。
4.普段から脈拍を測っていると、脈の打ち方を感じるだけでだいたいの脈拍数が予想できる。夜寝る時間なのに眠くなく、手首に指を当ててみると「90くらいかな」と感覚でわかる。そんなときに無理して寝ようとしても寝られるわけがない。脈は60以下にならないとなかなか眠れない。目を閉じて、「寝よう、寝よう」と焦っていても余計寝られないので、本を読んだりテレビを見てリラックスしていると、そのうち脈が下がってきて自然と眠たくなる。
5.一番悪いのが、「明日は仕事だから早く寝なきゃ」と睡眠薬を飲むことである。脈が90打っているのは自律神経がそういう指令を出している理由がある。たとえば、食べ過ぎていると胃を活動させるために血液を流さなければならない。睡眠薬を使うと自律神経がうまく働かなくなってしまう。
6.より健康的に過ごすために、心臓に負担のない生活をすることが大切である。心臓に悪影響のあるものは「肥満」「高コレステロール」「喫煙」「運動過多」「ストレス」である。、心臓に良い生活とは、健康なときから意識して休養を取ること。過度な運動は心臓に負担である。
7.人間の身体は、ホルモンの影響で朝の4時か5時には自然と起きてくる。身体の原理に逆らって働いても効率は上がらず、また、充実した睡眠もできない。著者は毎朝5時前には起床するが、何か書き物をしたり読まなくてはならない本などがあれば7時の出勤時間までにその時間を使う。
8.朝食は果物と水分補給、お昼は普通に食べ、夕食は野菜や魚介類中心の献立を早めの時間帯に食べるとよい。人間の身体の70パーセント近くは水分で構成されており、食事以外に毎日1・5リットルの水を飲むこと。


yuji5327 at 06:33 

2019年05月22日

多くの人は、がんができやすい体質と、心臓病、血管病になりやすい体質に分かれる。おおまかに言って、がんになる人はやせ型に多く、心臓病になる人は太めの人に多い。


「南和友著:解病-病気から解放される生き方、アチーブメント出版、2011年」の第2章知っておくべき病気はたったの5つ」は参考になる。の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本人の死因の、約6割は「がん」「心臓病」「脳卒中」のいずれかに当てはまる。死因には自殺や事故なども含まれるので、病死だけでの割合を出せばもっと高くなる。病気のリスクや不安から解放されるためには、かかりやすい病気の種類、症状、リスクを把握した上で正しい生活習慣を送る必要がある。
2.病気を5つのカテゴリーに大別している。「脳」「血液」「がん」「代謝」「心臓」である。「血液」「代謝」「心臓」の病気は、一般に「生活習慣病」と呼ばれる。ほとんどの病気にストレスと食生活が大きく影響する。いまの生活だとどんな病気にかかるリスクが高いか、自分の生活に当てはめながら考そることが必要である
3.脳の病気は、大きく分けて2つで、1つは、脳の血管に異常が起きる。脳の血管が詰まって浮腫やこぶができる。これらは脳の中で出血をするケースで、脳の外側にある血管が出血する「くも膜下出血」で、脳の外側は「くも膜」という薄い膜で覆われていて、そこには毛細血管が通っている。その血管が破れると血液の塊ができてしまい、脳の神経を圧迫して、手足が動かない、目が見えないなどの症状を起こす。
4.毛細血管は自然に破れてしまう場合もあれば外的要因の場合もある。通常、頭を打って血管が破れると腫れて外側にこぶができるが、内側にできるとくも膜下出血になる。スキーに行ったときに転んで強く頭を打ったが、そのとき、とくに異常がなく1000kmくらい車を走らせて自宅へ帰り、3日ほどしてから急に頭痛がして、吐き気も止まらなくなった。CTスキャンを撮ったら大きなこぶ(血の塊)があった。手術によって一命をとりとめた。
5.大きな脳出血が起こると、脳の神経自体を摘出せざるを得ないので、後遺症が残ることも多い。手術ができないことも多く、脳が吸収するのを待つだけという場合もあり、吸収されないことがほとんどで身体が麻痺したり、言語障害が起きたりする。症状は出血した場所によって異なるが、前頭葉だと感情のコントロールできなくなる。くも膜下出血は、脳の外側から神経が押されているだけなので、こぶを摘出すれば正常に戻ることがほとんどだが、放っておくとその部位の脳の神経が委縮して回復できなくなる。
6.もう1つの脳の病気が「脳腫瘍」である。一言でいえば脳細胞のがん。通常、腫瘍は「良性」と「悪性」に分けられる。突然変異した細胞が増殖して大きくならず転移もしないのが「良性」、増殖して遠隔転移するのが「悪性」、すなわち「がん」である。これは細胞学的な観点からの「良性」「悪性」の分け方となるが、脳の場合、腫瘍が「良性」でも少し大きくなっただけで神経が侵され、身体が麻痺してしまうので、ほかの臓器では「良性」「悪性」と区別されても、脳ではすべて「悪性」と判断される。
7.脳の病気では、神経系の異常も脳のカテゴリーに入る。人間の神経は、脳から集まってきた神経の束が首の後ろ(延髄)を通り、背骨の中(脊柱管)を通って全身に行き渡っている。その神経にがんができたり、炎症を起こすことがある。神経に異常が起こって首を絞められたように細く、狭くなる「脊柱管狭窄症」と、下半身不随や手が動かないなどの症状が起きる。さまざまな理由があるが、多くは運動不足などで筋肉が硬化し、脊柱管が圧迫されてしまうことが原因である。お年寄りに多い病気だと思われが、若い人も安心はできない。多くの人が問題を抱えている末梢神経の病気がある。腰痛の主たる原因である「椎間板ヘルニア」という病気で、背骨は、脊椎という骨が連なって形成されているが、骨と骨のあいだには、椎間板という衝撃を吸収するクッションのようなものがある。それがずれてしまうのが椎間板ヘルニアである。
8.血液も病気にかかる。血液とリンパ液の違いは、身体には、血管とリンパ管のふたつがあり、血液は血管の中を、リンパ液は、場所によってリンパ管を通る場合と血管を通る場合がある。食べ物は腸で吸収されて、タンパクやアミノ酸、脂肪などに分解されて血液中に取り込まれるが、脂肪だけはリンパ管を通して流れていく。血管に入ってしまうと血液がどろどろになって流れないことがあるからである。しかし、動脈は、普通太くて流れが早いので脂肪でも詰まる心配がない。リンパ管は脂肪が流れにくい静脈部分に多く、あるところから血液とリンパ液が一緒に血管を流れるようになる。
9.血液には赤血球と白血球があり、リンパ液にはリンパ球がある。通常5千前後の白血球の数が、20万や30万まで極端に増えてしまうのが「白血病」で、白血球のがんと言える。現代では効果的な抗がん剤も出てきており、昔と違って治るものもある。赤血球にも、数が増えすぎる「多血症」という病気があり、血がどろどろと油のようになり、酸素が運べなくなるので息苦しくなったり、身体中の血管が詰まってしまう。白血病や多血病は、がんの原因がわからないように直接的な原因は解明されていない。遺伝子の関係で突然変異ができてしまうと思われる。
10.血管には動脈系と静脈系があります。左側の心臓から押し出された赤い血は動脈を通して脳、肝臓、腎臓、腸、手足といったすべての臓器に送られ、酸素や栄養分を供給する。その後、それらの臓器で使われた血液は老廃物と一緒に青黒い血として静脈を通って腎臓や肝臓で濾過されたあと右側の心臓に戻る。酸素の消費された血は肺に送られ、ふたたび酸素を取り入れて赤い血となったら、左側の心臓に戻っていく。もし、どろどろの血が血管を傷つけて血の塊(血栓)が動脈を詰まらせ臓器に血液が供給されなくなると、脳であれば「脳梗塞」、心臓の血管であれば「心筋梗塞」、腸であれば「腸梗塞」といった臓器が機能停止する重篤な状態に陥る。
11.静脈血栓とは、長い立ち仕事や、手術後などで数日間寝たきりになっていると静脈系の血管にも血栓ができやすくなる。水分不足などで血液がどろどろになっているとその危険性はさらに増す。足の深部の静脈系にできた血栓が、そのまま血中に流れると右の心臓を通過して肺の血管を詰まらせてしまう。大量の血栓が両側の肺に詰まれば血液は左側に行かず、脳などの臓器に血が流れなくなる。ある程度は流れていても酸素化されなくなり、意識がなくなったり、心臓も止まってしまうのが「肺梗塞(=肺血栓塞栓症)」と言われる死亡率の高い病気である。エコノミー症候群もその例であり、水分を補給したり、同じ姿勢で寝たり座るのを避けることである。
12.「肺梗塞」は脳梗塞や心筋梗塞のようにそれほど頻繁に起こらない。年に6千人の患者を手術している病院でも年間4・5人の患者を治療するくらいの頻度である。最近、1ヵ月間で3人の肺梗塞患者を経験することになり、うち1人はCTを撮ったところ血栓は肺の血管をほとんど塞いでいて心臓はいつ止まってもおかしくない状態にあった。緊急手術をして肺動脈に詰まった手のひらいっぱいにもなる血栓を取り出し、さいわい、その患者は3週間ほどで無事退院した。肺梗塞は突然発症する。日常生活こなんら支障がなくても、足にできた血栓が重篤な状態を引き起こす可能性がある。
13.がんは日本人の死因で1番である。すべての臓器にできる可能性があり、注意するにもしきれない。どれだけ健康に気をつけていても、骨にがんができることもあり、煙草をやめても肺ガンのリスクはある程度抑えられるかもしれませんが、骨がんは対処のしようがない。多くの人は、がんができやすい体質と、心臓病、血管病になりやすい体質に分かれる。おおまかに言って、がんになる人はやせ型に多く、心臓病になる人は太めの人に多い。がんの理由として、ウイルスや菌に感染して発症するケースもある。胃がピロリ菌に侵されると、壊れた細胞を再生しようとする過程で突然変異した細胞ががんになることもある。基本的に、がんは細胞の突然変異のため防ぎようがないが、子宮頸がんの場合はワクチンの接種で防ぐことができる。腫瘍が良性であれば、脳以外の臓器では手術をしない場合もあると説明したが、突然悪性に変わることもあるので経過観察が必要である。突然変異の病気だが、家系の例に見られるように偏った食生活や嗜好性でがんになりやすい体質がつくられる。濃い味付けばかり好んでいないか、最低限の予防策として食生活の見直しをしてみる。がんに対するストレスの関与は科学的に完全には立証されていない。なんらかの関連性があることは想像に難くない。ストレスがかかるとアドレナリンが分泌されて血圧を高め、臓器を構成している血管が緊張して血液の流れが悪くなり、血液が十分に行き届かなくなると細胞が壊れる頻度が高まり、その分、壊れた細胞を修復しようとする頻度も高まる。突然変異は細胞が再生する過程で起こるため、がんのリスクも高まる。
14.新陳代謝が悪くなると、さまざまな病気にかかる。コレステロールには、「善玉」と「悪玉」があり、悪玉コレステロールが多いと血管の壁(動脈壁)が硬くなったり詰まってきて「動脈硬化」が進行する。それを軽減するのが善玉コレステロールである。一般的に善玉1に対して悪玉2の割合であればバランスが取れていると言われる。もし悪玉が150と高くても、善玉が75あれば問題ない。ただし、善玉は多くても70から80程度だから、悪玉が150以上だとカバーしきれなくなる。かつて悪玉が増えて引き起こされた病気は、高脂血症とか高コレステロール血症と言われていたが、善玉とのバランスが原因なので「脂質代謝異常」と呼ばれるようになった。
15.糖分も代謝系の病気に大きくかかわる。脂質と糖分はどちらもエネルギーになるが、大きな違いがある。脂質は細胞膜や血管の壁、つまりタンパクをつくるために必要でエネルギーとしてはゆっくり消費されます。糖分は身体が瞬発力を発揮するときに使われる。マラソン選手は持久力をつけるために糖分ではなく脂質を摂る。
16.「上の血圧」と「下の血圧」という言い方をする。上の血圧とは、心臓がぎゅっと縮まって、血液を押し出す圧のことで収縮期圧と言う。下の血圧は、心臓が拡張して血液を肺や全身から取り込んでいるときの圧である。これを拡張期圧と言う。血管がゴム管のように柔らかければ、上下の差が大きくなる。差が少ないほど血管が硬いということで、40ほどの差が適当である。弁がなんらかの異常で閉まらなくなると、押し出された血液が心臓へ逆流するので下の血圧は低くなる。映画などでよく女性が怖いものやぞっとするものを見たときに卒倒するシーンがあるが、これは血管が開いたときに血圧が下がり過ぎて、脳に血液がいかなくなることが原因である。普通は驚いたとき、自律神経が血管をきゅっと締めて、さらに心臓の鼓動を早めるので血圧は上がるが、上がり過ぎた血圧を戻さなくてはいけないので、今度は血管をぱっと開く。このときバランスが崩れると開き過ぎてしまう。
17.心臓の病気には、先天性のものと、後天性のものがある。先天性のなかにも何十種類という病気が存在するが、ほとんどは心臓の形が正常ではないことが原因である。後天的な心臓の病気で最も多かったのは弁の異常によるものだったが、いまでは心筋梗塞である。心臓の周りには冠状動脈という血管が巡っていて、心臓に酸素や栄養分を送っている。この血管が詰まって血が通らなくなると心筋梗塞が起こる。3分の1はその場で亡くなる恐ろしい病気である。心筋梗塞は、必ずしも急に起こるわけではない。徐々に進行していく人もいる。急性の心筋梗塞は、運動や仕事をしたときに胸が痛くなるなどといった比較的軽い症状から、ある日突然起こってしまうが、自覚症状がないうちに心筋梗塞が起きているケースもある。冠状動脈には大きく分けて3本の血管があり、1本が徐々に詰まってしまっても残りの2本でカバーする。酸素の届かなくなった場所には、ほかの動脈からも応援が来る。じわじわと手が伸びてくるようなイメージである。血管が新しく増えるというよりも、それまで使われていなかった血管が開いて使われるようになる。
18.心臓の手術が必要な人のうち、10〜15パーセントが「大血管疾患」である。梅干しや味噌汁、漬け物、醤油など、日本食では塩分を多く摂るので、腎臓でアルドステロンというホルモンが過剰に出てしまい、酵素の一種(レニン)が、血圧を上昇させる物質(アンギオテンシン)をつくり、高血圧になってしまう。塩分の過剰摂取には注意が必要である。心臓病で、手術が可能な場合には、ほとんどの人が治る。手術ができない患者は、一般的に高齢者(90歳以上)や高度石灰化を伴う動脈硬化症のある人で、手術しなければ50パーセントの確率でなくなる。



yuji5327 at 06:47 

2019年05月21日

深呼吸をすると息苦しさが改善されるのは、胸郭と腹部を隔てる横隔膜がお腹のほうに下がるため胸郭内の陰圧が大きくなり空気が肺に吸い込まれるからである。

「南和友著:
解病-病気から解放される生き方、アチーブメント出版、2011年」の第3章心臓に良い生活が身体を守るの「解病の鍵は自律神経とホルモン」は参考になる。「私たちの身体を支配する自律神経」の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.健康増進のもうひとつの大切な要素は「身体の仕組みを知ること」である。医者のような知識がなくても、身体の基本的な仕組みをわかった上で正しい行動をとれば病気をしっかり予防できる。私たちは自分の意思で身体をコントロールしていると思いがちだが、実際には、ほとんどが自律神経によって機能している。
2.集中力はある程度自分でコントロールできるが、実際には自分の意思だけで完全に調節できるわけではない。身体の疲れや睡眠不足など、身体のさまざまな要因からあなたが無理をしないように自律神経がコントロールしている。早足で歩いたときに心臓の鼓動が早まるが、血液の循環を良くして酸素を身体全体に供給するためである。酸素が循環しなければ、乳酸が溜まってしまい、筋肉がつったり動かなくなる。70程度の脈拍を早歩きのときに90まで高めるのを頭で考えなくても勝手に指示をしてくれるのが自律神経である。
3.この働きと仕組みを理解することが病気予防に役立つ。身体の状態を把握して健康的に過ごす鍵は、自律神経の理解である。交感神経と副交感神経があるが、心臓の動きを促進したり、手に汗を握らせたり、驚いたときに目を開くなど活発化させる指令を出すのが交感神経である。副交感神経は、身体を休める方向へもっていく。人は、このふたつの自律神経のバランスで生きている。
4.人はどこかのタイミングで必ず休まなくてはならない。交感神経がずっと働きどおしで我慢できなくなると、副交感神経が勝ってくる。閉まっていた血管を開いて、血の巡りを良くなるので、心臓もゆっくり動くことができるが、休むと同時に老廃物が一気に流れ始める。これは身体に多大な悪影響を及ぼし、肝臓または腎臓に高い負荷がかかる。意識では大丈夫だと思っていても、根を詰めて働き詰めるのは身体に良くない。
5.身体をコントロールしているものには、自律神経以外にホルモンがある。血管が収縮したり弛緩するのは、神経とホルモンの影響で、血管には神経が張り巡らされていて、末端から神経伝達物質(アセチルコリンなど)が流れる。神経伝達物質を受けた血管は、交感神経、副交感神経のいずれかによって収縮したり弛緩する。さらに、ホルモンによってもコントロールされる。血管や各臓器にはレセプターというホルモンを受け取る組織があり、神経の指示によって血液を流れるホルモンに反応する。
6.神経とホルモンの作用が典型的に現れるのは、心臓移植である。心臓移植ではドナーの心臓と神経は切り離され、移植を受ける患者に移植したあともつなぐことはしない。神経は細過ぎてつなげない。それでもホルモンの力だけで心臓は動く。神経が臓器や組織へ直接作用するのに対して、ホルモンは神経から指令を受けた臓器のレセプターに取り込まれてから色々な臓器へ働く。つまり、神経は素早く作用するが、ホルモンはゆっくりである。心臓移植をした人の場合、階段を素早く駆け上がっても、鼓動がなかなか早くならない。
7.神経伝達物質は分泌されても、その場ですぐに枯渇するのに対して、ホルモンには持続性がある。両者は補完的に機能している。たとえば、マラソンの走り始めは神経の作用で心臓の鼓動が早くなるが、数分後からはホルモンの影響で心臓は働き続ける。夜になって副交感神経が活発になってくるのも同じ原理である。日中は交感神経が勝っていて、カテコラミンというホルモンを出しているので目が覚めていて集中できるが、夜になると副交感神経が活発になり、カテコラミンをストップさせるので、鼓動も落ち着いてしだいに眠くなってくる。
8.人は活動的なときにストレスを与え、身体を活発にさせるホルモンであるアドレナリンを出す。反対に睡眠中はエンドルフィンというホルモンが出てくる。快適ホルモンとも呼び、ストレスを取る効果がある。楽しい思いをしたり、美しい絵や風景を眺めたり、映画を観て「素敵だなあ」「爽快だなあ」と思えるときには脳の下垂体からエンドルフィンが出る。日中はアドレナリンが血管を締めることで血圧や心拍数を上げて身体を活動的にさせるが、夜はエンドルフィンが勝るので、血管は開く。
9.不眠症の原因は、アドレナリンである。気が休まらなかったり、ストレスがかかっていると身体は疲れていてもアドレナリンが出過ぎているので眠れない。自律神経やホルモンがうまく働いていないことになる。高齢者が早起きなのもホルモンが影響している。仕事や運動などをしなくなり、若いころと比べて刺激がなくなる生活になると、日中でもアドレナリンの分泌量が少ないので睡眠を取って身体を休ませる必要がなくなり、血圧が早く高まり、自然と朝早く目が覚める。
10.交感神経ばかりを働かせて無理に仕事を続けていても能率は落ちる一方。しっかりと神経を休ませて、枯渇したアセチルコリンを充填しておいたほうが効率的なのは明らかである。
11.肺と心臓は一体となって身体の大切な役割を果たしている。どちらが欠けても酸素を豊富に含んだ血液を脳、肝臓、腎臓といったほかの臓器へ送ることはできない。肺は空気で満たされているときにはピンク色をしたスポンジのようなもので、片手では持つことができないほどの大きさである。口から入ってきた空気は気管を通して肺の中に取り込まれます。胸部の骨格(胸郭)内はつねに外部より圧力が小さく陰圧の状態にあります。もし肺に穴が開いて空気が外に漏れるとあたかも風船に穴が開いて萎んでしまうように手のひらに乗るくらい小さなものになる。それが「気胸」という状態で、典型的な症状は胸の痛みと呼吸困難である。
12.深呼吸をすると息苦しさが改善されるのは、胸郭と腹部を隔てる横隔膜がお腹のほうに下がるため胸郭内の陰圧が大きくなり空気が肺に吸い込まれるからである。横隔膜は何枚かの筋肉でできているため、鍛えることができる。普段から腹式呼吸をしたり腹筋を使う運動をすれば間接的に肺の機能を良くすることにつながる。また、たくさんの人が集まった場所にいると"あくび"をする人がいる。体内の酸素不足を脳が察知して横隔膜神経を刺激し、横隔膜を下げて空気を取り込もうとする。身体は、自分の活動に合わせて最適な形で働いてくれる。正しい理解をして不摂生な生活をしている人は改め、身体のためにも自分自身を大切にしてほしい。


yuji5327 at 06:29 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード