健康

2018年10月07日

1日30品目神話は過去の話


「井手ゆきえ取材:1日30品目神話は過去の話、週刊ダイヤモンド 2018.10.06」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.1985年、当時の厚生省が提唱した食生活指針に「1日30品目」というものがある。多品目をバランスよく食
べましょう、ということだが、この「30」という数字には根拠はない。結局、15年後の2000年には、指針から1日30品目という言葉が消え、「主食、主菜、副菜」を基本にバランスの良い食事を、という目標に変わった。
2.今年8月、米国心臓協会(AHA)が、「多品目を食べることが、適正体重の維持につながるという"エビデンス"はない」という声名を出した。声明の作成にあたり、米テキサス大学公衆衛生大学院疫学・ヒト遺伝学・環境科学のOtto氏らは、2000年1月〜17年12月に発表された食生活と体重に関する調査研究を解析した。その結果、多品目を食べることが適正体重の維持や健康的な食生活につながるとする根拠はないことが示された。さらに、多品目にこだわった食生活は、摂取カロリーが増加するばかりか、食事がパターン化して体重が増える可能性が示唆された。
3.声明では食品数をむやみに増やすのではなく、果物類、野菜類、豆類、全粒穀物、低脂肪の乳製品や植物油、鶏肉を適量食べ、赤身肉や菓子類、甘い飲み物を控えめにするよう推奨。「品目数よりも健康的な食品を食べ続けることが大切だ」としている。
4.米疾病対策センターの報告によると、米国では成人の実に4割が体格指数30以上の肥満体形だ。肥満が引き起こす2型糖尿病、心疾患などの治療に費やされる医療費は年間2000億ドルに達する。AHAが多品目神話にメスを入れたのも、肥満大国、米国の将来に危機感を覚えたからである。
5.われわれも「1日30品目」にこだわる必要はない。もっとシンプルに、日本食品標準成分表の大分類-穀類、豆類、魚介類、野菜類などの14カテゴリー(菓子類、調理加工食品類などを除く)から1品ずつ選び、1日1回は食べるだけで十分に5大栄養素をカバーできる。


yuji5327 at 06:41 

2018年09月11日

ロイテリ菌

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ロイテリ菌と混合培養された歯周病菌
ロイテリ菌によって増殖が抑制
代表的な歯周病菌すべてを試験
同様の結果
ロイテリ菌と一緒に歯周病菌は増殖できない


yuji5327 at 06:58 

2018年08月26日

脳の血管は、猛暑で影響が出る。目まいなどで熱中症を疑うが、実は脱水で血液が濃くなり、血管を詰まらせて脳梗塞になる。高齢者は水分摂取に注意。


「大隅典子(東北大学教授):超音波で認知症、神経細胞を支える脳の血管、週刊ダイヤモンド、2018.08.04」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.神経細胞はデリケートな細胞だ。脳の血管が詰まつて酸素や栄養が補給されないと、数分のうちに壊死を起こす。脳の血管が破裂して出血することでも、神経細胞は死んでしまう。このような脳梗塞、脳出血などを脳卒中と呼び、現在でも全死因の1割を占める。
2.脳卒中で命が助かった場合でも、梗塞や出血が生じた脳の場所によっては、さまざまな後遺症が残る。手足のまひや言語障害が起こることも。さらに、認知機能障害につながることもある。
3.神経細胞の生存に欠かせない脳の血管。そして、近年はアルツハイマー型認知症.の危険因子としても、血管の病態が着目されている。例えば、加齢に加えて高血圧、糖尿病、脂質異常症など、動脈硬化症のリスクが高い人はアルツハイマー型認知症になりやすい。
4.脳の血管を標的として、認知症の予防や治療につなげられないかと考える研究者たちがいる。有名なテーマは、大人になってからも神経細胞が生まれる「神経新生」である。記憶障害や抑うつ症状などに深く関わる海馬という脳の領域には、神経細胞の元となる神経幹細胞が成体でも存在し、神経細胞になる。
5.ラットやマウスを用いて神経新生.の度合いが記憶や学習、うつ状態に関わることを示した論文は、世界中でそれこそ掃いて捨てるほど発表されている。マウスの飼育箱に回転車や遊び道具などを置き、複数匹を刺激の豊富な「エンリッチ環境」で飼育すると、神経新生は向上する。
6.このとき、海馬の中で増加するのが血管内皮細胞増殖因子(VEGF)という物質である。その名の通り、血管の一番内側にある内皮細胞を増殖させる効果があり、新たな血管を作るのに働く、
6.著者の研究室でも、神経細胞の突起伸長の制御に関わる「エフリンA5」という因子が、神経新生.にも重要であることを米科学誌「ステムセルズ」に2010年に発表したのだが、この研究.には裏話がある。
7.脳を顕微鏡で観察する際には、「還流固定」といって、心臓に針を刺して観察しやすくするための固定液を体の隅々まで行き渡らる必.要がある.、この実験をしていた研究員のH君が、「エフリンA5のノックアウト(KO)マウスの方が、還流固定が難しいんですよね……」とぼやいていた。
8.「もしかして、脳の血管が細いからでは?・だって、エクササイズで海馬の血管が太くなるっていう論文があったでしょう?」と伝えて調べてもらったところ確かにKOマウスの海馬の微小血管が細いことが分かった。
9.そこで、「降圧剤を使って血流を改善すれば、KOマウスの神経新生の低下を改善できるかも?」と考え、薬剤投与をする実験をH君に依頼した。だが、うちの研究室に来るまで
ウニの発生の研究を行っていたH君には、細い実験器具をマウスの口から胃に入れて降圧剤を投与することは難易度が高過ぎ、実験はうまくいかなかっな。研究は種々の理山により、考えた通りにはなかなか進まないものだ。
10.16年に東北大学の循環器丙科の下川宏明教授から連絡が入り、血管に着日してアルツハイマー病のモデルマウスの認知機能改善を試みているという。興味を持ち、共同研究
に携わることになった。
11.循環器内科グループの脳の血管を刺激する方法はユニークである。低出力パルス波超音波(LIPUS)を、マウスの脳全体に照射するという。LIPUSは聞欠的に超音波を照射するため、細胞や組織へのダメージが少ない。同グループはすでに狭心症や心筋梗塞などのいわゆる虚血性心疾患のモデル動物で、LIPUS照射によって、内皮型一酸化窒素合成酵素という物質が生じ、血管新生が起きることを報告していた。
12.狭心症の薬として古くから使われているニトログリセー2ンは、体内で加水分解されて一酸化窒素となって、血管を拡張する作用がある。そこで、脳血管性認知症のモデルマウスにLIPUSを照射したところ、脳の血流低下を改善することができた。マウスの行動でも認知機能の改善が認められた。
13.ヒトの家族性アルツハイマー病の遺伝子変異を有するマウスを用いて実験した場合でも認知機能は改善した。このときマウスの脳内では、アルツハイマー病特有の「アミロイドβ」という物質の蓄積が減少していた。LIPUSの利点は、体を直接傷つけないことである。同グループは6月より軽度アルッハイマー型認知症の患者を対象に、医師主導による治験を東北人学病院で始めた。
14.全18カ月に及ぶ観察期間で、安全性や有効性が確認できれば、将来的には検証のための治験の段階に進み、薬事承認の申請を行うことになる。ただ、LIPUSがどのように脳の血管新生を誘導するのかについては、まだまだブラックボックスである。同グループでは、超音波が血管内皮細胞表面のくぼみ構造(カベオラ)をのばすことで、細胞膜表面の「機械刺激受容体」というセンサーを刺激しているのではないかと推測しているが、今後の詳細な検討が必要である。
15.20世紀の生命科学は、いわゆる分子生物学的な技術で解決できる問題のみ深掘りしてきた。従って、物理.的な刺激に対して細胞がどう反応するのかについては、まだまだ未知の世界である。
16.東北大学加齢医学研究所の小椋利彦教授は、培養細胞に張力をかけると、細胞内で核の中に移動するような分子を見いだしている。小椋教授は「エクササイズピル」などへの応用の可能性を考えている。無重.力の宇宙に多数の人間が出ていく時代には、重要な基.礎研究となる。
17.注目度が上がる脳の血管は、猛暑によって影響が出ることもある。目まい、痺れ、ふらつき、など症状が出ると熱中症を疑うが、実は脱水によって血液が濃くなり、血管を詰まらせて脳梗塞になっていることもある。特に高齢者は水分摂取に気を付けた方がよい。


yuji5327 at 07:00 

2018年08月13日

サリンと同じ薬は昔からあった。カラバル豆という植物から取れる成分で、アセチルコリンエステラーゼを抑える。カラバル豆は、古代アフリカでは裁判に使っていた。


「池谷裕二著:進化しすぎた脳、講談社、2017年第34刷」は面白い。「第4章:人間は進化のプロセスを進化させる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.遺伝子が原因でアルツハイマー病を発症する人は全体の10%で、プレセニリンの遺伝子が悪かったかもしれないが、アルツハイマー病の90%は遺伝に関係なく起こる。その場合でも、プレセニリンというハサミでAPPが切られる。健常な人の脳でもハサミは働いている。長年かけてβアミロイドがたまって病気になるので、プレセニリンの働きを鈍らせてβアミロイドがたまらないようにすれば予防できる。プレセニリンを阻害する薬はもうできているが、このプレセニリンというタンパク質はβアミロイドを生み出すために人体に存在していない。プレセニリンはAPP以外のところで本当の役割をしている。
2.プレセニリンの働きを抑えると、ほかのより重要な体の機能に副作用が出る。APPが2ヵ所で切れるとβアミロイドがつくられる。一方のハサミはプレセニリンである。それを抑えてもβアミロイドの産生は同じように抑制される。こっちのハサミは「βセクレターゼ」というタンパク質である。
3.注目を集めている新治療法は、アルツハイマー病はβアミロイドという毒が脳にたまるから発症するのだが、βアミロイドそのものを注射するという方法である。若いころからβアミロイドを与えておくと、免疫細胞が抗体をつくって、その抗体によってβアミロイドを壊す。「βアミロイド・ワクチン法」という意外な治療法である。
4.アセチルコリンを専門に壊すハサミ、それは「アセチルコリンエステラーゼ」と呼ばれるタンパク質である。このハサミを抑制してやろうというのが、アルツハイマー病の治療の目標になった。これを抑制すればアセチルコリンは増える。研究者たちの熱意は実を結び、薬が完成した。1996年、日本の会社から世界ではじめてアルツハイマー病の薬が売り出された。
5.有名な毒、サリンはアセチルコリンエステラーゼを非可逆的に阻害するので、地下鉄サリン事件のような悲劇的な症状が出てくる。目の瞳孔を開いたり閉じたりするのはアセチルコリンで調節している。アセチルコリンが働きすぎると、虹彩がギューッと狭まって視界が暗くなる。サリン事件の被害者のなかには、光が目にあまり入ってこなくて、周囲が暗く見えるという症状が報告されている。
6.サリン事件でかろうじて助かった被害者は、頭のなかのアセチルコリンの量が上がっている。アセチルコリンは記憶に関係ある。その人たちは昔の記憶が次々に走馬灯のように思い出されて、すっかり忘れていたことまで、どんどん記憶がよみがえって、収拾がつかなくなった。アセチルコリンと記憶の関係を物語っている。
7.チョウセンアサガオの成分は、ヨーロッパでは「ベラドンナ」と呼ばれる植物にも含まれている。つまり、ベラドンナはサリンとは逆で、アセチルコリンの働きを不足させる。眼底検査をする前に、薬を注して瞳孔を開かせ薬もアセチルコリンを抑えているのだけれど、あの薬を注してしまうと、しばらくは外出できない。
8.サリンと同じ役割をする薬も昔からあった。「カラバル豆」という植物から取れる成分で、アセチルコリンエステラーゼを抑える。ハサミ酵素を抑えるということは、アセチルコリンの量が増える。カラバル豆は、古代アフリカでは「裁きの豆」と呼ばれ、裁判に使っていた。疑わしい容疑者がいて、その人が犯人かどうかわからないとき、この薬をたくさん飲ませ、中毒死したら有罪、生き延びたら無罪という判決を下す。
9.無罪の人は「どうせ自分は大丈夫だ」と思うから一気に飲み干すと、アセチルコリンの作用で気持ち悪くなって吐いてしまう。毒が体外に出るから死なない。真犯人は、こわがって少しずつ飲むから、ゆっくりと毒が作用するので吐けない。毒が体に回って死んでしまう。カラバル豆の中に入っている成分は「フィゾスチグミン」でコリンエステラーゼを抑える作用が強いから毒である。その作用点を詳しく調べて改良を重ねて完成したのが、アルツハイマー病の薬である。


yuji5327 at 06:31 

2018年08月11日

変異APPをネズミに組み込んだネズミは、生まれて数ヵ月で痴呆になった。記憶力がひどく低下しただけでなく、老人斑もできていたので、βアミロイドが原因であることがわかった。


「池谷裕二著:進化しすぎた脳、講談社、2017年第34刷」は面白い。「第4章:人間は進化のプロセスを進化させる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.アルツハイマー病患者の中には遺伝で起こる人がいた。アルツハイマー病の全体の90%は、遺伝とは関係なく突然発生で起こる。遺伝で起こるのら、どの遺伝子が原因かを調べていけばいいので、原因の遺伝子がわかった。1991年に原因の遺伝子は染色体の21番目にあることがわかった。
2.その原因の遺伝子の名前は「APP」と言う。遺伝子に書かれている情報はタンパク質だから、タンパク質に原因があるということである。APPは、細胞膜を貫いて存在しているタンパク質だった。APPはアミノ酸が800から900ぐらい連なった、大きなサイズのタンパク質である。そのアミノ酸の配列を1個1個調べてみたら、APPのアミノ酸の一部に「βアミロイド」に相当する42個のアミノ酸が含まれていた。
3.タンパク質を「APP」と呼ぶのは「アミロイド前駆体タンパク質」のことで、アミロイドがつくられる原料になるタンパク質、という意味である。APPの切れカスがβアミロイドでこのカスが脳にたまり、神経細胞が死んで老人斑ができる。遺伝性のアルツハイマー病では、800から900個あるAPPのアミノ酸のほんのーヵ所だけにミスがある。世界にはいろんなアルツハイマー病家系があって、アミノ酸のどこが間違ってるのかは家系によって違うのだけれど、いずれにしても、アミノ酸の配列にミスがあることで、βアミロイドが切り出されやすくなって、たくさんたまってしまう。
4.正常な脳でも少しずつβアミロイドは切り出されている。人々の脳でも切り出されている。少しずつたまって、あるレベルを超えると病気になる。APP遺伝子に欠陥や変異がある患者は、βアミロイドの生み出されるスピードが速いので、若い時期(30代から40代)で早くも症状が出てくることがある。いわゆる若年性アルツハイマー病である。
5.変異APPをネズミに組み込んだ実験があった。ふつうのネズミは痴呆にならない。年をとるとちょっとは記憶力が落ちるけど、基本的に痴呆のレベルとは違う。この改造ネズミは、生まれて数ヵ月で痴呆になった。記憶力がひどく低下しただけでなく、脳を開いて見てみたら、老人斑もできていたので決定的に、βアミロイドが原因であることは明らかである。
6.問題は、遺伝性アルツハイマー病の家系は世界中に多くあるが、そのうちの1%程度しか染色体の21番目に変異はなかった。つまりAPPの異常だけでは説明できない遺伝性アルツハイマー病のほうが大多数である。APP異常以外の多くの患者でも、同じようにして遺伝子を調べていったら、ある別の遺伝子に行きついた。1995年の話だ。予想通りAPPではないほかの遺伝子がおかしかった。
7.染色体の14番目から発見された。それは「プレセニリン」と名付けられた。14番目がおかしいとわかった時点で、「プレセニリン」と呼ぶことが決まっていて、見事に遺伝子が発見された。「老人」という意味である。プレセニリンとは〈老化の前段階〉という意味である。
8.このタンパク質が発見された当初、これが何の役目をしているのか全然わからなかった。似たタンパク質をほかに探してみたら、虫の遺伝子にこれと似たものがあった。虫の精子をつくるために必要なタンパク質だった。虫といっても昆虫ではなく、線虫というミミズの小さいもので顕微鏡で見なくてはわからない。
9.プレセニリンはタンパク質を分解する酵素だった。プレセニリンは、「APP」を切るハサミである。APPは2ヵ所が切れるとβアミロイドになるが、下の方を切るハサミがプレセニリンである。遺伝性アルツハイマー病の患者では、このハサミの機能がおかしくなり、ハサミの性能が上がり、βアミロイドがたまって、アルツハイマー病になる。

htobito

yuji5327 at 06:58 

2018年08月09日

85歳を越えると5人に1人以上がアルツハイマー病である。アルツハイマー病以外のボケというのは血管が詰まることが原因。脳で起こればボケ、心臓で起これば心筋梗塞、管の病気である。


「池谷裕二著:進化しすぎた脳、講談社、2017年第34刷」は面白い。「第4章:人間は進化のプロセスを進化させる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.アルツハイマー病とは記憶が消えていく、お年寄りの老人ボケ、痴呆の一種である。その前に。「痴呆」という言葉は、「認知症」と改名された。アルツハイマーさんはお医者さんで、1907年、いまからほぼ100年前に、この疾患を発見し、彼にちなんで、この病気はアルツハイマー病と名付けられた。
2.老人性痴呆の原因には2つのパターンがある。1つは、脳の血管が詰まって、血液が通わなくなり、神経細胞が死に、ボケるパターン。もう1つがアルツハイマー病で、老人性痴呆の約50〜80%を占める。つまり、脳血管の障害によって起こるのが2〜5割、アルツハイマー病によって起こるのが5〜8割。日本だけでも100万人ぐらいアルツハイマー病の患者がいる。
3.85歳を越えると5人に1人以上がアルツハイマー病である。アルツハイマー病以外のボケというのは血管が詰まることが原因。たとえば油分の摂りすぎで血管が詰まりやすくなったりして起こる。血管は体中にある。脳で起こればボケ、心臓で起これば心筋梗塞。脳の病気ではなく、血管の病気である。
4.純粋に神経の病気として痴呆になるのは主にアルツハイマー病である。アルツハイマー病の症状は徐々に進行する。はじめは軽い物忘れから始まる。言葉が出てこないとか、置き忘れ、今朝食事をしたかどうか、自分の家への道順、家族の顔や名前など身近なものごとまで忘れる、進行すると、人格が崩壊する。自分がいる場所や時間、さらには自分がだれかさえも判断できなくなる。
5.全体の死因のうちガンは3割。ガンが治る確率が50%ぐらい。単純計算で6割の人は一生のあいだにガンになる。自分がガンになると思うのは確率的に間違っていない。病気の話はあまり他人事ではない。アルツハイマー病は、日本に100万人、アメリカに400万人。自分が将来アルツハイマー病になっても不思議ではない。
6.アルツハイマー病で亡くなった患者の脳を観察すると、すぐ気づくことがある。アルツハイマー病の患者では脳が萎縮している。脳のシワのあいだにスキマがあり、神経細胞の数が少ない。神経細胞が減少するスピードがアルツハイマー病では速い。
7.観察したら、茶色いシミがあちこちに見える。このシミは健康な人では少ない。このシミの多さがアルツハイマー病の特徴。このシミは老人の脳にある斑点だから「老人斑」という。------------
8.アルツハイマー病の患者に特に多く老人斑があるということは、この老人斑が病気の原因と関係している。老人斑に入っているものを調べた研究者がいる。予想通り特別な物質「βアミロイド」という物質が老人斑の中に多く含まれていた。βアミロイドはアミノ酸からできている。アミノ酸が42個つながったペプチドである。分子量は4000ぐらいである。
9.神経細胞をシャーレの中で培養して、そこにβアミロイドをかけたら、あっという間に神経細胞は死ぬ。そう、βアミロイドは猛毒なんだよ。この毒が脳の中で、蓄積して、それで神経細胞が死ぬらしいと。
10.βアミロイドは、水に溶けにくい。水に溶けないので沈澱してしまう。βアミロイド同士が互いに凝集し合って沈澱するので、脳にとって「ゴミ」になり、それによって物理的に神経細胞を殺しているという説もある。


yuji5327 at 06:47 

2018年08月06日

妄想や幻想などの症状はドーパミンが働きすぎることによって生まれる、と薬を調べることでわかった。「薬を通して体を知る」というのは薬学の大切な役割である。

「池谷裕二著:進化しすぎた脳、講談社、2017年第34刷」は面白い。「第4章:人間は進化のプロセスを進化させる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.細胞の内部のカルシウム情報に作用して、結果として神経全体を興奮させる働きがある。麻酔にはいくつかの種類があるが、塗り麻酔も注射麻酔も成分は同じで、体の部分に効くので局所麻酔と呼ぶ。神経線維の上にナトリウムイオンを通す穴があり、穴の内側からふさぎ、神経に情報が伝わらなくなり、痛みの感覚を麻痺させることができる。
2.痛みの神経以外に全部止めてしまう。痛みの神経は特に麻痺しやすい。適量の麻酔薬を使えば、痛みだけを消すことができる。麻酔をかけすぎると死ぬ。麻酔薬はセンサーにくっついて、麻酔が解けるときにはまた離れるので薬として使える。1回くっついてもう離れないというすごい物質では全身が麻痺する。それは毒でフグの毒がそれである。
3.テトロドトキシンというフグの毒は、麻酔と同じで、神経にあるナトリウムイオンを通すチャネルをブロックし、全部の神経を完全に阻害し体の神経が働かなくなるから、全身麻痺になる。特に呼吸が止まってしまうと命が危険な状態になる。
4.薬や毒は、神経の仕組みと密接に関係している。「GABA」という物質は塩素イオンを動員して神経の活動を抑制するブレーキの役割をしている神経伝達物質である。このGABAのセンサーに作用する薬も多くある。ひとつは睡眠薬で、GABAの作用を抑えるのではなくて、GABAの作用を強める。
5.GABAが受容体にくっつく。受容体とは10nmのものでGABAがつくと筒のなかを塩素イオンが通る、そのトンネルのわきに睡眠薬がつくと、塩素イオンの通りがよくなり、その結果、神経の反対が強くなるから、活動しにくくなる。それが睡眠薬が効くメカニズムである。薬で強引に引き起こした睡眠だから、自然な睡眠とは少し違う。
6.神経という仕組みがわかって薬の仕組みがわかったと思うのは間違いである。神経の仕組みがわかったのはごく最近の話でしょ。それよりもはるか以前から薬は使われてきた。薬が神経に効く仕組みがわかるようになる前から、薬はずっと人類の役に立っていた。
7.薬が昔から存在していたということが、科学に貢献してきた。薬は世の中にすでにあった。中国だったら漢方薬は4000年くらい前からあった、その伝統薬がなぜ効くのかを後世の科学者が調べ、行き着いたところが、上記の仕組みだった、というのが正しい。
8.薬が効く、ということが前提としてあって、この薬は何をしているのか、と科学者は考えた。それを通じて体の仕組みが理解されるようになった。それが正しい歴史的経緯である。、薬は人体の解明に一役買ってきた、一種の「科学のツール」だった。
9.うつ病はどうして起こるかは詳しくはわかっていないが、うつ病に効く抗うつ薬は世の中にある。治療薬を調べると、どの薬もノルアドレナリンという神経伝達物質とセロトニンという神経伝達物質に効いている。だから、うつ病はノルアドレナリンやセロトニンのシステムがおかしくなって起こる病気だと、逆に推定できる。
10.「統合失調症」という病気は2002年にこの名前が変わる前は「精神分裂病」と呼ばれていた。統合失調症も、ある薬で治るということがわかっていて、その薬がどこに効いているか調べてみたら、ドーパミン受容体に効いてた。こうして妄想や幻想などの症状はドーパミンが働きすぎることによって生まれる、と薬を調べることでわかった。「薬を通して体を知る」という基礎科学も薬学の大切な役割である。


yuji5327 at 06:39 

2018年07月08日

鳥はすごい運動神経をしている。空を飛び、空中旋回する。餌を見つけて急降下する。鳥の運動神経はトップレベルで、小脳はすごく大きい。環境に応じて脳も変化している。

池谷裕二著:
進化しすぎた脳、講談社、2017年。10月34冊」は面白い。「第1章:人間は脳の力を使いこなせていない」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1. 水頭症の人は大脳の体積は健常な人の20分の1になるこもあるが、驚くべきことに多くの患者は正常である。それどころか、IQが126もあって、大学の数学科で首席を獲るほどの人もいた。大人になった彼は、あるとき病院でたまたま検査を受けて、はじめて自分の脳が健常な人の10%しかないことを知った。そのくらい生活面では周囲の人と差がなかった。
2. 統計によると、頭蓋骨の中の95%が空洞という重症の水頭症でも、ひどい障害が現れる人はわずか10%に満たなくて、50%の人はIQが100を超えている。つまり、人間が人間らしくあるためには、そんなに大きな脳を持つ必要はない。
3. 現実的には、大人になってから脳を90%も削ってしまったら、あきらかに障害が出てくる。水頭症の患者は、はじめから小さな脳として成長しているので、大きな脳と同じ機能を発揮できる。
4.人間の脳が、現在のような姿になったのが数十万年前。進化の過程で、ここまで発達してきた。その過程で、クロマニョン人などが現れた。たとえば、彼らの子どもを現代社会に連れて来ても普通に育つと思われる。たしかに彼らは原始的な生活をしていたので、大人になってからではだめだが、子どもを現代の社会に連れて来たとしたら、現代の言葉を話し、むずかしい数学の計算もできるようになる。脳そのものよりも、脳が乗る体の構造とその周囲の環境が重要である。
5.クロマニョン人は現代にも通用するような脳をすでに持っていた。ネアンデルタール人は現在の私たちよりも大きな脳を持っていた。そう考えると、人類の脳は、当時からすでに宝の持ち腐れである。脳は進化に最小限必要な程度の進化を遂げたのではなく、過剰に進化してしまった。
6.鳥はすごい運動神経をしている。空を飛ぶし、空中で旋回したりする。餌を見つけて急降下したりもする。鳥の運動神経は動物のなかでもトップレベルで、脳を見てもわかる。鳥の小脳はすごく大きい。部分的には環境に応じて脳も変化している。鳥は自分の環境に合わせて小脳を進化させている。
7.脳の活動そのものが心なのか、脳の活動とは別に心というものがあって、なんらかの形で脳と相互作用しているのか、という問題もある。悲しいという神経があったとして、その神経を刺激すると涙が出るのか、という疑問は核心をついてる。
8.心と脳を考えていく旅は、ほとんど哲学の世界で、心と体の二元論、つまり脳と精神は別だという考え方と、逆に一緒だという考え方は両方あって、脳科学者でも考えが一致してない。
9.サルには手の感覚を司る神経がある。遠くにものがあって手が届かないときに道具を使わせてみる。サルが棒を使ってものを引き寄せると、指の先で反応していた神経が、今度は棒の先端に反応するようになる。


yuji5327 at 06:30 

2018年07月05日

身体の代わりになる機械を神経を通じて操縦する手法を研究する分野を、「ニューラル・プロステティクス」と呼ぶ。未来の医療を担う新しい学問である。

「池谷裕二著:
進化しすぎた脳、講談社、2017年。10月34冊」は面白い。「第1章:人間は脳の力を使いこなせていない」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。」
1.自分で意志を持つて動くことが自分であることだ。と僕はおもうので、他の人にコントロールされればそれはもう自分ではないのではないか。快楽を求めるように仕向けられ、その刺激を他者から与えられていても、自分の意志に沿って移動しているから、自分だとも考えられる。
2.モチベーションは快楽だ。このネズミに「いまは快楽はいらないから指令とは反対に左に行こう」ということができない。そういう選択ができれば、自由、意志が媒介する余地がある。
3.単に脳を刺激したり記録したりするという原始的な実験の段階から、脳科学は一歩前進した。装置そのものは単純で、ネズミの部屋に水を与える給水管とレバーがある。ネズミがレバーを押すと給水管から水が出てくるので、ネズミはレバーを押せば好きな時に水が飲めることを学ぶんだ。
4.レバーを押すと水が出てくる。脳科学の手法を使って、脳がどんな活動をしているかを調べることができる。レバーを押した時の脳神経の反応を記録する。その記録データがあれば、今度は逆に、ネズミを観察していなくても、記録計さえ見ていれば、実験者はネズミがレバーを押したとわかる。
5.コンピュータ制御でリアルタイムのコントロールを試みる。脳がこういう反応をしたら自動で水が出る、という装置をつくることもできる。レバーを押したら水が出ることを知っているネズミに手術を施して、脳に電極を埋め、ネズミが「レバーを押す」という行動中の脳の反応を検出して、その反応があったらレバーとは関係なしに水が出るようにしておく。ネズミは最初、レバーを押して水を飲んでいたけれど、レバーを押さなくても、押そうと想像しただけで水が出る。そのことにネズミが気づくと、このネズミはレバーを押さずに〈念力〉だけで水が飲めるようになった。
6.TVゲームのジョイスティックを動かすと腕の形をしたロボットアームが自由自在に動く。動くだけでなくてものを掴んだり持ち上げたりもできる。けっこううまく動かす。いまはもっと巧妙なロボットアームができている。
7.訓練の結果、サルはこのロボットアームを自在に動かして、机の上に置いてあるものを掴んだり置いたりできるようになった。手術して脳に電極を刺して脳の活動を記録する。ロボットアームを動かそうとすれば、神経がたくさん活動する。それを細かくコンピュータで調べあげて、神経を一個一個分離していく。多くの場合は神経はグループとして活動する。これとこれの組み合わせの時は握ろうとする。する。別の組み合わせの時はアームを伸ばそうとする。自分の神経細胞の活動から記録されたデータに基づいてロボットアームの動きを再現する。ジョイスティックを経ずに、ロボットアームを脳から直接に遠隔操作していることになる。
8.サルの手を動かないように縛っても、サルは、巧みにロボットアームを操ることができた。これはものすごく重要な意味を持っている。たとえば交通事故などで全身不随になった患者でも、念じるだけで義手なり義足を動かせるようになる。車椅子も動かせるかもしれない。
9.このように、体の代わりになる機械を神経を通じて操縦する手法を研究する分野を、「ニューラル・プロステティクス(神経補綴学)」と呼ぶ。未来の医療を担う新しい学問である。
10.このサルはずっと電極が刺さったままだが、何ヵ月も電極が刺さったままでも、いまのところ異状や感染はない。ヒトが使うとしたら、長期的な安全がどのように確保されるかが次のポイントになる。
11.アメリカでは政府が2004年4月に、この装置を人間に応用することを許可して、脳卒中や脳性麻痺、筋萎縮性側索硬化症といった体が動かなくなる病気の患者たちに、脳チップを埋め込む手術が臨床の現場で開始される。



yuji5327 at 06:42 

2018年06月30日

肝臓は、どの部分も同じ役割をしているので、再生能力がある。場所によって役割が違うのは、脳以外にない。視覚/聴覚/触覚と分かれていて、聴覚野の中でさらに役割が局在化してる。

池谷裕二著:
進化しすぎた脳、講談社、2017年。10月34冊」は面白い。「第1章:人間は脳の力を使いこなせていない」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.脳の後頭部は「視覚野」と言って、たとえば「これは赤い色をしたボールだ」などの光の情蓑をまずここで処理する。視覚野はネズミの場合はここにあって、ネコならここ、ヒトの場合はここにある。つまり頭の後ろ側にあるね。すべての哺乳類に共通で、後頭部に見たものの情報を処理する場所が集まっている。
2.これは不思議なことである。後頭部だから不思議と言うわけではなく、この場所だけが見たものを処理するように専門化している。脳のわきの部分は音を聞く場所。音の情報を処理する場所だから「聴覚野」と言う。上の方部分は「体性感覚野」と言って、痛いとか熱いとか、触っているとか、そういった情報を分担している場所である。
3.目の情報や耳の情報など、さまざまな情報を処理する場所が局在化していることは不思議である。大きな肝臓のどの部分もほぼ同じように機能しているから肝臓はものすごく増殖能力が高くて、肝臓を80%取り除いてしまっても、数ヵ月のうちにもとに戻る再生能力がある。これは、肝臓のどの部分も同じような役割をしているからこそできる。
4.脳は、場所によって役割が違う。働きがそれぞれの場所に分かれて専門化しているのは、脳以外にない。視覚/聴覚/触覚と分かれているだけではなく、音を認識する場所、聴覚野の中でさらに役割が局在化してる。音のヘルツ数にしたがって、聴覚野の働く場所が違い、音の低い方から高い方へと、反応する場所がきれいに分かれて並んでいる。これを調べるには、電極を脳に刺して、いろいろな高さの音を聞かせて、脳の反応を観察する。ここら辺の脳はこれくらいの音の高さに反応し、隣の細胞を刺してみると、同じ聴覚野の内部でも、漠然と音に反応するのではなくて、細かく調べるとヘルツ数順にきれいに並んでいることがわかる。
5.それぞれ体の部分が脳のどの部分に対応している体性感覚野もきちんと部分部分に分かれてる。顔、目、鼻、口、指、胴体、足などに対応する部分が並んでる。これを脳地図と呼ぶ。
6.ホムンクルスと言って、大脳皮質の表面積の比で、体を表した模型がある。ホムンクルスは体のそれぞれの部分が脳でどのくらいの表面積を占めているかを示す。人差し指がほかの指に比べて大きい。唇がすごく大きいが、胴体はあまり大きくない。指先はものすごく敏感だけど、胴体はどちらかというと鈍い。感覚器として重要な部分がホムンクルスでも大きな比率を占めている。
7.ほかの動物でも、ヒトと同じように「ホムンクルス」はすぐれた表示方法で、ネコやウサギはヒゲに相当する部分がかなり大きい。



yuji5327 at 06:55 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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