環境

2018年09月06日

「廃炉」という言葉は印象が良くない。グリーン技術として環境学科の科目にする。「グリーン」「環境」で表現すれば、成長産業である。廃炉はニーズがある。人材を確保して欲しい。

2018/8/31付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 167,103部)は「原子力産業/福島第一原発〜原子力事業は日本全体で1つの事業体で担うべき」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日経新聞は23日、「原発 膨らむ費用、再編迫る」と題する記事を掲載した。東京電力と中部電力、日立製作所、東芝が原子力事業で提携協議に入ったと紹介。原発事業は世界的にコストが膨らむ傾向にあり、4社とも「1社では事業を担えない」という共通の焦りがあり、今回の提携をきっかけに国内の原発はもう一つの連合との2陣営時代を迎える可能性もあるとしている。
2.一昔前は、BWR(沸騰水型軽水炉)とPWR(加圧水型軽水炉)の2つの陣営に別れていたが、今ではそれほど明確に分かれてはいない。BWR陣営には、日立、東芝、東京電力、中部電力、東北電力、中国電力、北陸電力。そしてPWR陣営には、三菱重工、関西電力、九州電力、四国電力、北海道電力。これがかつての2陣営の構図だった。
3.PWRを世界で初めて商用化したのはウエスチングハウスで、かつて日本国内では三菱重工が提携し、PWR陣営の一翼を担っていた。しかし、東芝がウエスチングハウスを傘下におさめたことで、東芝はBWRもPWRもどちらも対応できるようになっている。三菱重工は仏アレバと提携した。
4.全体として見ればBWR陣営、PWR陣営という区分けに敏感ではなくなっている。また「1社では無理なので4社で」原子力事業を担っていくとのことだが、4社でも不十分である。
5.東日本大震災が発生した3月11日の直後、大前氏は次のように提案していた。すなわち、9電力会社の原子力部分を全て切り離し、そこに日立、東芝、三菱重工を加えて、「日本原子力機構」という組織を作るべき、と。このように提案した理由は、とても1社だけでは無理だし、日本全体で1つにならなければ対応できないからである。
6.東京電力は相当大きな企業だが、それでも福島の原発だけで持て余す状態になっている。原子力損害賠償・廃炉等支援機構が資金を注入しなければ、存在できない状況である。中部電力は、浜岡原発を当時の菅直人首相に閉鎖させられて困り果てている。フランスでも実質的にアレバ1社に原子力事業が集約されているように、日本も「とりあえず4社で」などと言わず、全体として1つに集約されなければ原子力の体制を立て直すことは難しい。
7.福島第一原発事故もあって、日本国内で新しい原子炉を作るのはほぼ不可能な状況にである。これから先は海外に出ていくしかない。その意味でも、日本全体でまとまらないと企業体力の面でも厳しいことは明らかである。
8.日刊工業新聞の情報サイトは21日、「東京電力と大学の思惑一致せず…足りない廃炉人材」と題する記事を掲載した。福島第一原発の廃炉作業を支える人材育成について、大学が廃炉技術の研究者を育てている一方、実際に現場で求められるのは日々発生するトラブルに対応しながら計画管理ができるプロジェクトマネージャーであると紹介している。こうした人材を育てるには、自身の専門以外の基礎を働きながら学べる仕組みや大学と現場をつなぐ場が必要としている。
9.大前氏がMITで原子力工学を学んだときには、同級生が130人もいたが、スリーマイル島原発事故が起こって状況が一変した。97年頃私がMITに訪れたときには、原子力工学を学ぶ生徒は1学年で15人くらいに激減していた。しかも、その15人の中に米国人は1人もいなかった。ほとんどは奨学金をもらってアフリカから来ていた留学生だった。
10.大前氏が学んでいた時代には、原子力工学には夢があった。マンハッタン計画の後は、原子力の平和利用だと誰もが思っていたし、MITでも非常に有名な先生が教鞭を執っていたが、スリーマイル島原発事故の後、米国人の中に原子力を学ぶという発想はなくなった。
11.福島第一原発事故で、同じことが日本でも起こってしまった。当時の米国でもそうだったが、今、日本で原子力を学んでいると言ったら「将来性がない」と思われる。だから誰も学ぶ人がいなくなる。
12.この問題は廃炉人材がいなくなることになるので、極めて重要な問題である。廃炉のために外国人を雇用して危険な環境の中で仕事をさせるのは、国際的な批判も受けるし、難しい。とは言え、廃炉は絶対にやらなければいけない。「廃炉」という言葉も、その印象が良くない。グリーン技術の1つとして環境学科の科目にするなど工夫するのも1つの策である。「グリーン」「環境」という言葉で表現すれば、興味関心を持ってくれる生徒も増える可能性がある。MITでもそのようにしている。考え方次第では、これは成長産業である。なぜなら、廃炉は「絶対にやらなくてはいけないこと」だから、完全なニーズがある。「廃炉」という見せ方ではなく、成長が約束された環境産業として位置づけて人材を確保して欲しい。


yuji5327 at 06:55 

2018年08月15日

使用済み核燃料の処理問題は、まず、もんじゅに代わる有害度低減技術開発、次に、原発敷地内に空冷式冷却装置を設置しオンサイト中聞貯蔵、リアルな原発のたたみ方を準備すること。


「橘川武郎(東京理科大学教授)著:福島後の未来をつくる、有害度の低減技術開発をリアルな原発のたたみ方、エコノミスト、2018.8.7.」は参考になる。
1. 核兵器非保有国である日本がプルトニウムを生む使用済み核燃料の再処理を行うことを可能にしているのは、日米原子力協定による米国政府のお墨付きがあるからである。その根拠になっていたのは、日本は核燃料サイクル政策を推進し、プルトニウムを平和的に管理する仕組みを有しているという判断だったが、2016年12月に高速増殖原型炉「もんじゅ」の廃止が決定されたため、核燃料サイクル政策はその「心臓部」を失い、事実上立ち行かなくなった。核燃料サイクルを支える主要な柱と想足されていたのは、高速増殖炉燃料サイクルの方であった。
2.日本政府は、もんじゅ廃止後も、既存原発の軽水炉でウラン燃料とプルトニウム燃料を混ぜて利用するプルサーマルを実施すれば核燃料サイクルの維持は可能だとしているが、プルサーマルだけでは日本が現.在国内外に保有する約47トンのプルトニウムはわずかずつしか減らない。しかも、そのプルサーマル自体が遅々として進まず、現在プルサーマル発電を行っている原発は3基のみ、電気事業連合会が目標としてきた16〜18基には遠く及ばない状況である。
3.国際社会は、日本が今後どのようなプルトニウム削減方針を打ち出すか.注視している。今年7月に日米原子力協定は自動延長されたが、同時に、日米どちらかが6か月前に通告すれば、協定を破棄できる局面にも突入した。日本が打ち出すプルトニウム削減方針が国際社会の納得を得られない場台、トランプ米政権が北朝鮮政策との整合性を取るため、日米原子力協定を破棄して、日本の使用済み核燃料再処理に対するお墨付きを取り下げることもありうる。日本の使用済み核燃料処理政策は、きわめて困難な岐路に立たされている。
4.注目したいのは、16年に廃止が決定される以前から、もんじゅが事実上、高速増殖炉としての役割を終えていたという事実である。14年に策定された第4次エネルギー基本計画〔今年7月の改定まで効力があった)は、使用済み核燃料の減容化について「放射性廃棄物を適切に処理・処分し、その減容化・有害度低減のための技術開発を推進する。高速炉や、加速器を用いた核種変換など、放射性廃棄物中に長期に残留する放射線量を少なくし、処理・処分の安全性を高める技術などの開発を国際的なネットワークを活用しつつ推進する」と述べていた。
5.もんじゅに関しても、「廃棄物の減容・有害度の低減や核不拡散関連技術等の向上のための国際的な研究拠点と位置付け、これまでの取り組みの反省や検証を踏まえ、あらゆる面において徹底的な改革を行う」としていた。
6.第4次エネルギー基本計画では、もんじゅの高速炉技術を、従来のように怯燃料の増殖のためでなく、使用済み核燃料の減容化・有害度低減に転用する方針が、すでに打ち出されていたのである。
7.日本政府が政治的判断で、減容化・有害度低減のために転用するはずだったもんじゅの廃止を決定したのは、その2年後だ。つまり、日本の核燃料サイクル政策は、もんじゅ廃止で行き詰まったわけではなく、それ以前からすでに破綻をきたしていたことになる。もんじゅ廃止は、厳密には、核燃料サイクル政策に対してではなく、使用済み核燃料の減容化・有害度低減の取り組みに対して痛手を与えたと言うべきである。
8.「バックエンド対策」と呼ばれる使用済み核燃料の処理対策は、原発への賛否にかかわらず社会全体が解決を迫られている重.大な問題である。それは決して日本だけでなく、人類全体にかかわる問題でもある。
9.使用済み核燃料を再利用するリサイクル方式を採るにしろ、1回の使用で廃棄するワンススルー〔直接処分)方式を採るにせよ、最終処分場の立地は避けて通ることのできない課題であり、実現は、きわめて難しい。
10.最終処分場では使用済み核燃料を地下深く「地層処分」することになるが、その埋蔵情報をきわめて長い期問にわたって正確に伝達することは至難の業である。リサイクル方式を採れば危険な期間は短縮されるかもしれないが、それでも「万年」の単位、つまり、伝達期間は何百ー何千世代にも及ぶことになる。原発推進派の中には「地層は安定しているから大丈夫」と主張する向きもあるが、それでは地上はどうなのだろうか。
11.プルトニウムの半減期は2万4000年だが、2万年前には北海道はアジア大陸と陸続き、本州から種子島まで陸続きで、日本列島の姿は今とはまったく異なっていたという。
12.使用済み核燃料の危険な期間が万年単位のままでは、いくら政府が前面に出ても、最終処分地が決まるはずはない。最終処分地の決定には危険な期問を数百年程度に短縮する有害度低減技術の開発が必要不可欠である。有害度低減技術の開発については、その困難性のゆえに.否定的な見解をもつ識者も多いが、どんなに高いハードルであってもそれをクリアしない限り、あるいは少なくともそれにチャレンジしない限り、人類の未来は開けない。
13.有害度低減技術の開発には長い時間がかかる。その間、原発の敷地内に燃料プールとは別の追加的エネルギーを必要としない空冷式冷却装置を設置する、使用済み核燃料の「オンサイト中間貯蔵」を行うことも求められる。さらにいえば、きわめて困難とされる使用済み核燃料の有害度軽減の技術革新が成果を上げず、バックエンド問題が解決しないことも想定しなければならない。
14.それに備えて、「リアルでポジテイブな原発のたたみ方」という選択肢も準備すべきだ。柱となるのは、_侘魯轡侫(送変電設備を活用した原子力から火力発電への転換〕、廃炉ビジネス(廃炉作業などによる雇用の確保)、オンサイト中閏貯蔵への保管料支払い(使い終わった電気が生み出した使用済み核燃料を預かってもらうことに対し、消費者が電気料金等を通じて支払う保管料}からなる、原発立地地域向けの「出口戦略」だ。この戦略が確立すれば、現在の立地市町村も、「原発なきまちづくり」が可能になるだろう。
15.使用済み核燃料の処理問題にどう向きあうべきかは、まず、もんじゅに代わる有害度低減技術開発の具体的な方針を確立すること、次に、原発敷地内に空冷式冷却装置を設置し「オンサイト中聞貯蔵」を行うこと、そして「リアルでポジティブな原発のたたみ方」という選択肢も準備することが重要だと思われる。



yuji5327 at 06:48 

2018年07月18日

漂流するマイクロプラスチックには、海に残留する有害物質(PCB)などが、表面に吸着し、海の生物体内に摂取された化学物質が、食物連鎖を通じて人の健康に悪影響を及ぼす。


「足達英一郎〔日本総合研究所理畢)著:使い捨てプラスチック規制、象徴的なストロー流週禁止、EUの周到な経済戦略も背景、エコノミスト、2018.7.17 〕は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ブラスチックリサイクルの増加にょり、欧州の化石燃料の輸入依存が低減し、CO2排出が削減され、パリ協定(20年以降の温室効果ガス排出削減などの新たな国際枠組み)に整合する効果もアピールしているが、あくまで控えめな印象を受ける。
2.最も目を引くのは「欧州は、分別やリサイクル関連機器及び技術のリーダーシップを取る」という意志を表明している点である。使用済みプラスチックを循環させるという国際的需要の高まりとともに、関連する輸出も増大すると見ている。規制が新たな産業を作り出すという伝統的な欧州流の経済政策、産業政策が、今回も踏襲されている。
3.使い捨てプラスチック規制指令案と同時に公表された影響評価報告書には、興味深い記述がある。そもそも世界のプラスチック製品生産のうち、欧州での生産は2割弱にとどまる。特に流通全面禁止の対象になる使い捨て食器類や綿棒の大部分は、中国、インド、台湾などアジアと米国から欧州に輸入されている。規制が実施された場合の売り上げ損失は年20億〜50億ユーロと見込まれるが、大部分はEU外での売り上げ損失だと分析している。
4.EUにとって影響の少ない品目で象徴的に流通全面禁止を打ち出したに過ぎない。規制によって代替素材の開発を促進させ、その優位性を武器に、世界的な普及を目指す経済的な戦略である。
5.EUの規制と軌を一にして、世間をにぎわしているのが、「海洋プラスチック汚染」という新たな地球規模の環境汚染である。30年以上前から、海洋ごみの約7割を占めるプラスチックごみが、海の生物によって誤飲、誤食される問題は指摘されてきた。今、改めてこの問題に焦点が当てられているのは、大きさが5mm以下のマイクロプラスチックが、広範に海の生物の体内に摂取されている実態が明らかになってきた。
6.科学記事サイト「サイエンス・デイリー」が「マイクロプラスチックは、これまで認識されなかった汚染の脅威を提起する」という記事を掲載したのが07年11月。08年には、米ワシントン州立大学タコマ校で海洋におけるマイクロプラスチック破片をテーマに、初の国際研究ワークショップが開催された。それからほぼ10年の間に、マイクロブラスチックによる環境汚染は世界中の関心を集めるようになった。
7.プラスチックに使われる添加剤には、有毒性が指摘されているものも少なくない。これらは、マイクロプラスチックになっても残留し、さらに、漂流するマイクロプラスチックには、海に残留する有害物質、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などが、容易に表面に吸着する。海の生物の体内に摂取されたマイクロプラスチックに起因する化学物質が、食物連鎖を通じて人の健康に悪影響を及ぼす。


yuji5327 at 06:38 

2018年07月17日

問題は、これまでリサイクルの出口が、焼却によって熱エネルギーを回収・利用する「サーマルリサイクル」に大きく依存してきた点にある。


「足達英一郎〔日本総合研究所理畢)著:使い捨てプ一7スチック規制、象徴的なストロー流週禁止、EUの周到な経済戦略も背景、エコノミスト、2018.7.17 〕は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.マイクロプラスチックの由来には大きく二つがある。第一は、洗顔料、化粧品などに使用されている微粒子、マイクロビーズである。これらは、「1次マイクロプラスチック」と総称される。第二は、海に流れ出たプラスチックが外的要因(特に紫外線紮外線や波の影響)を受け、徐々に劣化して、小さな細片状になったものである。これらは、「2次マイクロプラスチック」と総称される。
2.欧州プラスチック戦略においても、マイクロプラスチックの問題への対応が明示された。ただ、使い捨てプラスチック規制指令案で流通全面禁止とされた製品群は、2次マイクロプラスチックの発生源のごく一部である。このため欧州の規制も、2次マイクロプラスチック対策としては、最初の一里塚に過ぎない。
3.日本でも、1次マイクロブラスチックの使用抑制を企業に求める「改正海岸漂着物処理推進法」が6月15日に国会で可決、成立した。中国・蘇州で開催された第20回日中韓3力国環境相会合でも、マイクロブラスチックを含む海洋ごみ対策などについて、意見交換が行われた。
4.国連環境計画の報告書(18年)によれば、日本は1人当たりの排出量でみると、世界有数の包装プラスチック大国である。欧州と同様に、使い捨てのプラスチック食器類、食品容器、飲料カップ、ペットボトルなどについて、どう使用抑制を図るか、議論する好機である。
5.12年のロンドン五輪・パラリンピックでは、スタジアムに入る観衆にペットポトル飲料の利用をやめ、無料の水道水を水筒に入れて利用しようと呼びかけた。20年の東京大会でも同様の呼びかけを行うことは、意義がある。
6.プラスチック全体でみれば、既に日本は容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、自動車リサイクル法などの整備により、世界有数のプラスチック・リサイクル大国となっている。住民の資源回収に関する分別意識も高い。問題は、これまでリサイクルの出口が、焼却によって熱エネルギーを回収・利用する「サーマルリサイクル」に大きく依存してきた点にある。
7.欧州企業は、新興国や途上国で急速に拡大する廃棄物管理に関するインフラ・システム整備、設備投資の売り込み機会を狙って、ブラスチックリサイクル技術や代替製品開発のイノベーションに注力してくる。日本も、成長戦略におけるインフラ輸出の有望領域として環境分野に注目している。実際、廃棄物焼却プラントなどでは、実績も出ている。欧州は「これからは焼却ではなく物質循環である」と、優位性を確立しようとしている。日本も、サーマルリサイクルに依存したリサイクル概念を見直す必要がある。
8.今後の規制対象の焦点は、2次マイクロプラスチックの発生抑制になる。自動車タイヤ、漁網、塗料、靴、衣料、床材など、2次マイクロプラスチックの発生源となりうる製品は幅広い。こうした領域で、欧州がどのような規制を打ち出してくるかが注目点である。例えば、合成ゴムの組成や生分解性などに規制がかかれば、世界のタイヤメーカーのシェア争いにも直結する。グローバルに事業を展開する日本企業には、この先の欧州の規制動向を先取りした対応が必要となる。


yuji5327 at 06:43 

2018年07月16日

欧州委貝会は、プラスチックを敵視してはいない。プラスチックは経済活動において重要な素材であり、今日の近代的な生活はそれなしには不可能という認識が前提にある。


「足達英一郎〔日本総合研究所理)著:使い捨てプラスチック規制、象徴的なストロー流週禁止、EUの周到な経済戦略も背景、エコノミスト、2018.7.17 〕は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.EUのプラスチック規制が大きく動き出している。EUの行政執行機関である欧州委員会は5月28日、「使い捨てプラスチック規制指令案」を公表した。指令案は、2019年5月までに欧州議会と加盟国の承認を目指し、加盟各国での国内法の整備を通じて、21年からの実施を目指すという。
2.日木国内の報道では、使い捨てのプラスチック食器類〔スプーン、フオーク、皿、ストローなど)を軸にプラスチックを使う綿棒、風船に付けるプラスチック棒の流通を全画禁止して、他の代替素材に切り替えることを命じる規制内容がセンセーショナルに伝えられている。
3.日常生活での不便を最小限にする調整が図られた。例えば、食品容器や飲料カップは流通禁止とはならず、加盟国に数値目標の設定や有料化などの対策を課す。生産者には廃棄物管理や海の清掃費用などの一部を負担させるという線に落ち着いた。
4.EU各国では、既にレジ袋の有料化が進んでいる。さらに、ペットポトルも、25年までに90%の回収率達成を義務づけ、リユース(再使用)、リサイクル〔再生利用)に力点を置いた。
5.使い捨てプラスチック規制は、欧州委員会が今年1月に発表した「欧州プラスチック戦略」に基づく。戦略には、/靴燭陛蟷顱Ω柩僂竜_颪鯀禄个掘↓30年までにEU市場における全てのプラスチック容器包装をリサイクル可能なものとし、使い捨てプラスチック製品を削減し、こね留染対策としてのマイクロプラスチック(大きさ5mm以下の微小なプラスチックごみ)の使用規制を検討することが、盛り込まれた。指令案は、△鉢を具体化するための根拠となる。
6.EUは15年12月、「循環経済に関する政策パッケージ」という行動計画を定めた。「循環経済」とは「線形経済」の対となる概念で、消費して廃棄するという資源が一方向に流れる従来のモデルとは異なる。消暫されたあと資源を回収し再生・再利用し続けることで、制約を克服し、環境対策と経済成艮を.両立させるという新たなモデルを意味する。
7.日本でも「リサイクル社会」というビジョンが語られてきた。これに似た考え方だが、廃棄物の再生利用にとどまらず、再使用、財の再製造〔使用済み部品を再使用し機器などを製造)、メンテナンスによる寿命延長、共有化(シェアリング)を包含する点に画期性がある。
8.この行動計画の優先分野がプラスチックに関する措置だった。海洋のプラスチック汚染が注目されるようになったのが背景の一つである。この政策文書の特徴は、環境政策であると同時に経済政策、産業政策としての色彩を強く有している点にある。
9.欧州委貝会は、プラスチックを敵視しているわけではない。「プラスチックは経済活動において重要な素材であり、今日の近代的な生活はそれなしには考えられない」という認識が前提にある。一方で、環境や人々の健康に悪影響を及ぼす側面もあるので、「使い方」を変革しようというスタンスで、プラスチック産業には発想の転換を求めている。
10.プラスチック製品、またはプラスチックを含む製品が、酎久性、再使用、高品質なリサイクルを拡大するように設計されるべきという主張がある。同時に、分別回収の改善、技術革新を通じて、リサイクル関連座業を創出し、安定的な収入と雇用確保を実現すべきだという指摘がなされている。
11.欧州のプラスチックリサイクル能力は、30年までに15年の4倍に拡充・近代化され、域内で20万人分の新規雇用を生むという見通しである。


yuji5327 at 06:36 

2018年07月14日

1ポンド〔454g」のステーキを1枚食べれば約7000Lの水を捨てるこになる。増え続ける人類に好きなだけ肉を供給できるほどの水も土地も、この地球上にはない。


「クレン・カール( 本誌コラムニス、元CIA工作員)著:100億人の世界人口が文明を破壊する、Newsweek23,2018/07/18」は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.現在、誰もが地球温暖化の事実を認めている。温暖化は地球にとって何百万年の歴史における最大の変化であり、人類の生存に関わる喫緊の問題である。そう遠くない未来に海面上昇によって全国民が難民化する国もある。何百万円もの人々が住む場所を失い、安全保障の体制が崩れる。
2.シリアが深刻な、干ばつに見舞われ、食糧不足から社会的な緊張が高まった背景には地球温暖化の影響があり、それが混沼の内戦の引き金となった。最近も、南極大陸の氷の消失スピードが予想以上に速く、過去5年聞に限っても3倍に加速した。海面の上昇が予想以上に進み、世界各地で洪水による被害が頻発する。それだけではない。南極と北極の氷が全て、向こう30年以内に消欠する可能性もある。.
3、今、生まれた人が80歳まで生きれば、その頃の海面は今より1〜2m高くなっている。沿岸部の都市は水没し、太平洋の島国は海にのみ込まれる。アメリカならフロリダ州の客都市やニューヨーク市の一部,ヨーロッパならオランダやイタリアのベネチア、アジアならバングラデシュや中国の上海などが、人口と化石燃料消費の増加がもたらす温暖化の脅威にさらされている。最悪の場合、今世紀中に何億もの人が家を捨てて高台に避難せざるを得なくなる。
4.海面上昇のほかにも、温暖化はさまざまな影響をもたらす。世界中で干ばつが頻発し、嵐は今よりも強くなる。地面が乾き、砂漠化が進む。竜巻も増え、深刻な熱波の襲来が増える。巨大ハリケーンによる水害が増える一方、人口の増加は水の供給不足や水資源をめぐる争いが起こる。
5、30年における水需要は供給可能な量を40%も上回る。人類が消費する水の70%は今も農業に使われているが、水資源は絶対的に足りなくなる。地下水の枯渇も深刻である。一部の帯水層は、あと何十年かで空っぽになるが、それを再び満たすには1万年の歳月が必要である。南アジアで何億もの人に水を供給してきたガンジス川も不滅ではない。その水源であるヒマラヤの氷河は、過去30年で最大5分の1縮小した。
6.30年までには、人類の半数以上が深刻な水不足に悩まされる。人口の増加により、世界の食糧需要は30年までに30%増える。20世紀の後半に年率2%台を維持していた農業生産性の向上率も,今は1.1%程度で頭打ちである。産業革命以降、ほぼ一貫して下降傾向にあった食品価格も、今後は世界的に上昇に転じていく。
7.都市住民は肉食を好むという問題もある。食肉需要の増加は地球の生態系と私たちの社会経済システムに持続不能な負担をもたらす。例えば食肉1kgを生産するには鶏肉でも約4300L、牛肉なら約1万5400Lの水が必要とされる。水稲1kgの生産に必要な水は約2500L、パン1kgなら1600L、,ジャガイモ、1kgら300Lで済む。
8.1ポンド〔454g」のステーキを1枚食べれば約7000Lの水を捨てるこになる。増え続ける人類に好きなだけ肉を供給できるほどの水も土地も、この地球上にはない。だから生産と消費の在り方を変えていく必要がある。いま生産されている食糧の半分以上は、人々の腹を満たすことなく流通過程の非効率のせいで廃棄されている。自然災害としての飢謹ではなく、人為的な原因による「食糧不足」が社会不安をあおる恐れがある。


yuji5327 at 06:36 

2018年06月25日

プラスチックゴミ海洋汚染

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日中韓3か国の環境相会合
中国で開催
海の生態系への影響
小さなプラスチック
マイクロプラスチックを含む海洋ごみ
問題解決に向けて連携
世界の海洋環境の保全に重要


yuji5327 at 06:57 

2018年06月09日

日本では、自動車リサイクル法で、使用済み自動車のリサイクル率95%以上という目標値がある。原料から製造、使用、廃棄に至るリサイクル体制が不可欠である。


「尾崎望(みずほ銀行産業調査部素材チーム調査役)著:伸びる炭素繊維、世界シェア6割の日系3社積極M&Aで自動車向け進出、エコノミスト、2018.6.5.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.炭素繊維の世界市場は15年には約6万tだったが、20年には14万tを超えるとみられる。中でも自動車の需要の伸びが大きい。
2.日本の炭素繊維メーカーが自動車市場を狙った川下領域のM&Aを活発化させている。東レは18年3月、炭素繊維を樹脂に浸したシート状のブリプレグ〔硬化させるとCFRPになる中間基材〕の知見や成形加工技術を有するオランダ・テンカーテの買収を発表した。買収金額は約1230億円を予定しており、同社として過去最大級の買収である。
3.テンカーテのメインビジネスは航空機向けであり、今後、中小型機を中心に.需要の拡大が見込めることから、ボリュームゾーンを押さえるというのが第一の目的である。また、熱可塑性樹脂は熱によって軟化するため、プレス加工によって量産化を図りやすいという特徴を持ち、加工コストを下げることが可能となる。
4.中長期的には、東レが有する素材の知見とテンカーテが有する加工のノウハウを組み合わせ、コスト面の競争力を上げることで、自動車への展開を標傍しているものとみられる。
5.帝人は、17年1月にガラス繊維強化プラスチックなど樹脂性部品の成形加工技術を有する米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(以.卜、CSP〕を約900億円で買収した。こちらも帝人として過去最大級の買収であ.る。CSPは米国のみならず欧州、日本の完成車メーカーとも取引があ.り、販路拡大が期待できることは言うまでもない。さらに、帝人は、以前より素材メーカーからティアー(1次部品メーカー}への転身を表明している。加工技術と合わせて自動車向け部品設計のノウハウを獲得することで、完成車メーカーに対する提案力向上を目指すと考えられる。
6.三菱ケミカルも、17年3月にCFRPの部品設計を営む米ジェミニコンポジッツを買収した。さらに、同年10月には自動車部材の設計技術に加えてCFRPの成形加工技術を有するイタリアのCPCに44%を出資した。東レ、帝人同様に炭素繊維を素材として売るだけでなく、川下領域に積極的に進出している。
7.自動車という新たな市場を切り開くために、素材を提供するメーカーにとどまらず、加工技術や部品設計の知見を取り込むことで、完成車メーカーに対して最適なソリューション(課題解決策〕を提供する姿勢、そして、そのためには大型のM&Aも辞さない覚悟が各社に共通している。
8.現在、CFRPは、月産数台から数十台の車種が中心だが、月産数干台クラスにも徐々に広がっている。日系完成車メーカーでは、トヨタ自動車が17年に発売した「プリウスPHV」のバックドアに、量産車向けとしては初めてCFRPを採川した。海外に目を転じると、欧州系完成車メーカーがCFRPの採用を加速させている。独BMWは、13年に発売した電気自動車「i3」では車体の骨格部位に、15年に発売した「7シリーズ」ではルーフ周りを中心とした補強材にCFRPを採用した。独アウディも「RS5CouPe」や「A8」の部品の一部にCFRPを使うなど、採用は着実に増えている。日本の炭素繊維メーカーによる欧米企業買収が相次いでいるのも、ここに理由があると考えられる。
9.軽さ、強さだけを見ると夢のような素材だが、炭素繊維が自動車、とりわけ大衆車に普及するためには、価格が高いこととリサイクルが難しいことの大きく2点が課題として挙げられる。
10.まず炭素繊維の価格は、1kg当たり4000円前後と、自動車用素材の代表格である鉄鋼の約60倍、炭素繊維同様に鉄鋼の代替素材として期待されるアルミの約20倍高い。この背景としては、原料のPANを焼いて炭素化する際にかかるエネルギーコストの高さや歩留まりの低さが主な要因となっている。加えて、現在の自動車の生産ラインは鉄鋼を前提として組まれており、メインの素材としてCFRPを使うためには、接合や塗装など、既存の工程に打人きく手を入れる必要があ.る。
11.BMWが「i3」を製造するために新工場を建設した際には約800億円を投じた。確かに、軽量性や強度を考慮すると、素材の使用量や部品点数が減少し、ある程度コストが抑制されるとは考えられるが、素材そのものの価格に加えて、生産工程の変更にかかる費用などを含めると鉄鋼とのギャップは大きく広がる。
12.2点目にリサイクル上の課題がある。炭素繊維の製造工程やCFRPの加工工程で発生する廃材や、最終製品に使用されるCFRPのリサイクル技術は現時点では確立されていない。代表的なリサイクル方法として、CFRPを炭素繊維と樹脂に熱分解した上で、新しい製品の原材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、焼却時の熱をエネルギーとして利用する「サーマルリサイクル」がある。しかし、いずれも分解時に多量のエネルギーを必.要とするためコストと環境.面で負荷が大きい。このため、廃材となったCFRPの一定割合は廃棄処理されているのが実情である。
13.日本では、自動車リサイクル法で、使用済み自動車のリサイクル率95%以上という目標値が掲げられるなど、完成車メーカーは、原料から製造、使用、廃棄に至るまで環境.問題に取り組まなければならない。大衆車市場を考える上で、リサイクル体制の確立は必要不可欠である。
14.日本の炭素繊維メーカーも手をこまねいているわけではなく、価格、リサイクルに対して、各社で、あるいは産官学一体となって課題解決に向けて取り組んでおり、進化を続けている。炭素繊維は、自動車軽量化の最適解として、成長するポテンシャルを秘めた素材である。創成期から市場を牽引し、数々の困難をきり抜けてきた日本の炭素繊維メーカーが、主役の座.にすわり続けることを期待する。



yuji5327 at 06:41 

2018年06月08日

日本の炭素繊維メーカーが期待を寄せるのが自動車。CFRPはレーシングカー、2000年代には高級車へ、次のターゲットは大衆車。

「尾崎望(みずほ銀行産業調査部素材チーム調査役)著:伸びる炭素繊維、世界シェア6割の日系3社積極M&Aで自動車向け進出、エコノミスト、2018.6.5.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ここ数年、炭素繊維が、日本を代表する高機能素材として取り上げられる機会が増えている。炭素繊羅は、ゴルフクラブや釣りざおなどスポーツ用途から始まり、ボーイング787やエアバスA380に代表される航空機用途、最近、特に注目を集める自動車用途など、需.要を創出することで成長を続けてきた。
2.現在、日本の炭素繊維メーカーは、素材の域にとどまらず、加工工程など川下領域に進出することで、自動車という新たな市場を拡大しようとしている。炭素繊維の歴史を振り返り、日本のメーカーの動向と、自動車に用途を広げる上で直面する課題は以下の通りである。
3.炭素繊維は、19世紀末に発明王トーマス・エジソンが木綿や竹の繊維を焼いて炭素化し.白熱電灯用のフィラメントとして使ったことに端を発する。.ISO〔国際標準化機構)により「有機繊維を焼成して得られる炭素含有率が90%以上の繊維」と定義される。その原料や製造方法によって特性が大きく異なるが、現在主流となっているのは、1959年に大阪工業技術試験所の進藤昭男博士が発明したPAN〔ポリアクリロニトリル)を原料とするPAN系炭素繊維である。
4.日本で生まれ、日本企業が中心となって育ててきたことから、世界市場を牽引しているのは東レ、三菱ケミカル、帝人の日系3社である。東レは、2014年に買収した炭素繊維メーカー米ゾルテックの生産能力を合算すると、世界シェアトップの40%超を有するリーディング企業である。次いで、三菱ケミカルが13%、帝人が11%を有しており、日系3社を合計した世界シェアは65%に達し、日本を代表する高機能素材と言える。
5.立ち上がりから順風満帆だったわけではなく、創成期から苦難の時代は長く続いた。この間、欧米の大手化学メーカーの多くが撤退する中、長期的な目線で研究開発を続けた先人たちの苦労の上に今の姿がある。
6.炭素繊維は、繊維単独で使われることはほとんどなく、樹脂と組み合わせてCFRP〔炭素繊維強化プラスチック〕として使われることが一般的である。CFRPに使用される樹脂は、熱を加えることで固まれる樹脂は、熱を加えることで固まる熱硬化性樹脂と、熱を加えて変形させた後、冷却することで固まる熱可塑性樹脂に分かれ、求められる特性によって便い分けられる。現状では、ほとんどの用途で熱硬化性樹脂が使われている。
7.「鉄の10倍強く、重さは4分の1」と言われるが、その軽量性と強度、剛性が最大の強みである。加えて、さびない、耐熱性や耐薬品性に優れるなどの特性が評価され、さまざまな分野で使われている。1970年代にゴルフシャフトや釣りざおなどスポーツ用品に採用されたのを皮切りに、風力発電用ブレード,、天然ガスタンクなどの産業用途に広がった。
8.最大の市場となっているのは航空機である。ユーザーとのすり合わせにより地道な用途開発を続けた結果と言える。
日本の炭素繊維メーカーが、今、最も期待を寄せるのが自動車である。CFRPは、1980年代にレーシングカー、中でも多くのF1メーカーに採用され、その後1台数干万円するスーパーカー、2000年代には高級車へと徐々に普及していった。次なるターゲットと目されるのはボリュームゾーンの大衆車である。環境規制が厳しくなる中で、軽量化を実現する素材として炭素繊維が注目を集めている。


yuji5327 at 06:38 

2018年03月10日

世界の気候はいま大きく変化しつつある。この2〜3年、ヨーロッパと北米には大寒波が襲来して交通が麻痺し、大停電が起こり、多くの死者が出ている。

「深井有著:
地球はもう温暖化していない、科学と政治の大転換へ、平凡社、2015年」は参考になる。CO22削減の国家プロジェクトに参画した自分にとって共感できる記述も多い。「第1章:CO2温暖化論が破綻するまで」の「1.変わりつつある地球温暖化」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.1998年以来、CO2は増え続けているのに温暖化がまったく起こっていないので、多くの人々が温暖化の科学的根拠に疑問をもち始めた。IPCCは2007年の第4次報告書まで気温の頭打ち現象に目をつぶってきたが、それが20年近く続くことになり、第5次報告書では触れないわけにはいかなくなった。何らかの自然要因で温暖化が「一休み」しているのだということにした。CO2温暖化論を信奉する人たちはその要因探しに躍起になっていて、いま蜂の巣をつついたような騒ぎになっている。
2.世界の気温は過去100年に波打ちながら上昇し、1998年からは頭打ちになった。気温が上昇したのは100年のうち半分しかない。IPCCは過去100年間の平均気温上昇を大気中CO2の増加によるものと仮定して、大気大循環モデルの枠組みの中でスーパーコンピュータによる予測を行った結果を報告している。
3.計算ではCO2の増加は必然的に気温上昇をもたらすことになるので、最近16年間の頭打ちはまったく表現でぎず、その食い違いは将来ますます大きくなる。このことは第5次報告書には明記されていない。報告書は数千ページからなる大部のもので全3部からなっており、まず第1部「自然科学的根拠」の簡約版、30ぺージほどの「政策決定者向け要約」が2013年末に公表された。
4.そこでは地球温暖化が人為的要因によるものであることが2007年の第4次報告書よりさらに強調されているが、16年来、CO2の急激な増加にもかかわらず気温が頭打ちになっていることにはほとんど触れておらず、計算による気温予測が観測と大きく乖離していることにはまったく触れていない。
5.「政策決定者向け要約」を見る限り、人為的温暖化がますます確実になったと誰しもが思う。その後に公表された第2部「影響・適応・脆弱性」、第3部「気候変動の緩和策」ではこの「自然科学的根拠」に基づいて、さらに温暖化の脅威を煽る記述がされている。これは間違っている。
6.現実に起こっている16年間の気温の頭打ちを説明できないのに、50年先、100年先を予測してみせることに意味がない。第5次報告書のCO2主因論に基つく気候モデルには大ぎな欠陥があって、ほとんど予測能力がないことは今や明らかだが、「政策決定者向け要約」しか読まない政策決定者やマスコミにはそのことが認識されずに、相変わらず温暖化防止キャンペーンが行われている。
7.世界の気候はいま大きく変化しつつある。この2〜3年、ヨーロッパと北米には大寒波が襲来して交通が麻痺し、大停電が起こり、多くの死者が出ている。2014年も例年よりケ月も早い降雪があり、10月にはシベリアの広域がすでに雪に覆われて、北半球は前年以上の厳しい冬になると警戒された。2015年1月には米国東海岸の大雪で非常事態宣言が出された。日本では2014年秋に出された季節予報で冬はほぼ平年並みとされていたが、年末からの寒波襲来で、年明け早々に気象庁は予報を訂正した。
8.寒冷化の予兆ぱ数年前からあった。2009年4月に英国気象庁がそれまでの冷夏続きから一転して今夏ぱ「バーベキューサマー」になるという長期予報を出したが見事に外れて冷夏となり、その夏7月には暖冬を予告したところがヨーロッパ全域が50年来という大寒波に襲われてしまった。気象庁は国中から非難を浴びて、以来、長期予報は止めてた。温暖化が続くという固定観念は通用しなくなった。
9.2015年のドイツでは春の花が開くのが28年前に比べて20日遅くなったと報告された。植物にはすでに寒冷化の足音が聞こえている。これからの気温を知るために、まず産業革命以前の気候変化を眺めてみる。太陽が大ぎな影響を及ぼしていることが見えてくる。1600年ごろと1800年ごろの太陽活動極小期は世界的な寒冷期に当たり、1000年前後の極大期は中世の温暖期に当たっている。両者の相関は数億年前から確認されている。
10.太陽活動はこれまで100年間の極大を経て現在は急激に弱まっている。太陽活動がこれほど強くなったのも、これほど急に弱くなったのも極めて稀なことで、太陽研究者たちは今後の推移を見守っている。これまで100年間の温暖化は太陽活動の活発化に対応していて、今後は太陽活動が弱まるにつれて寒冷化に向かうことが推測される。


yuji5327 at 06:39 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
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