環境

2017年03月06日

国連世界観光機関は、2016年の国際観光客到着数は、12億3500万人と発表。過去最高を更新。日本は2020年までに4000万人と言われるが、12億人から考えれば少な過ぎる。

3月3日付けの大前研一さんのニュースの視点は「世界海外旅行者数・民泊・決済サービス 〜4000万人対応には民泊を活用せざるを得ない 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.国連世界観光機関(UNWTO)は、2016年の国際観光客到着数は、前年比3.9%増の12億3500万人と発表した。テロの影響で外国旅行を手控える動きが一部に出たものの、世界的な経済成長とグローバル化の進展を背景に7年連続のプラスで過去最高を更新している。将来的に2020年までに4000万人の外国人が来日すると言われているが、それでも世界の12億人という人数から考えれば少な過ぎる。
2.旅行産業というのは 今最も成長が確実な産業といえる。人々は豊かになると車を買って乗るという生活スタイルから卒業して、観光・旅行にでかけるという時代になってきている。旅行先としての一番人気はフランスで、年間約8000万人である。昨年テロがあったが、それでも激減はしな。
3.フランス以外にも、スペインイタリアなど欧州は人気が高い地域である。アジアで見ると中国やタイといった国が日本よりも人気がある。日本は4000万人の外国人観光客に対応するとなると、民泊を使わざるを得ない。すでに1900万人で既存の旅館やホテルは年間稼働率が80パーセントで満杯状態で、全く予約が取れない。
4.4000万人に対応する手段で、民泊をめぐる法整備について、政府・自民党は先月8日、年間営業日数の上限を地域の実情に応じて制限する調整に入った。国土交通・厚生労働両省は昨年12月、上限を180日にする妥協案を決定したが、これに対し、旅館業界や自民党の一部が「長すぎる」と反発している。生活環境の悪化などを招く場合、地方自治体が営業日を減らす条例を定められるようにする。
5.昨年1900万人の外国人観光客でホテル旅館は満杯になったため、実際には370万人はエアビーアンドビーを使っていた。これがなかったら、4000万人どころか昨年の2000万人レベルでも対応できていない。それにも関わらず、未だに民泊を制限しようと動いている。既存のホテルや旅館の人たちが働きかけている。
6.そんな権利があるのか疑問である。民泊に関する様々な問題(納税や自治体への届け出等)は、積極的にエアビーアンドビーが対応して解決に向けて動いている。一方で、180日制限などを受けると、既存の空きスペースならいいが、新築だとペイしない、あるいは鍵の管理などに人を雇うのもむずかしくなるなどの問題がある。
6.お役所仕事なので、完全に自己矛盾に陥っている。国は民泊を制限するということで4000万人の受け入れをあきらめるのか、それとも4000万人を受け入れるために民泊を活用していくのか、方針を決めるべきである。
7.日経新聞は先月8日、2020年までに激変する日本の決済システムを予測する記事を掲載した。QRコードを使うなど新たな決済サービスが普及、非接触IC決済端末が国際規格に対応、FeliCaが国際的に普及など3つのシナリオが考えられるということで、それぞれの最新動向も交えて解説している。
8.日経新聞は上記のように書いているが、実際にはすでに終わっている。QRコードを使いスマホだけで決済が完了(銀行口座から直接引き落とし)するアリペイ、ウィチャットペイが圧倒的である。
9.日本もフェリカで対抗しようとしているが、香港などで多少使われているに過ぎず、国際的には約10億人が利用するアリペイ、ウィチャットペイで決まりである。もともと、Edyはソニーが開発した技術である。ユーロ、ドル、円という主軸通過を不要にするという非常に優れた発想と技術だが、当時のソニー経営陣は単なる「部品」としてこの技術をJR東日本に売ってしまった。このとき国際標準になる千載一遇の好機を逸してしまった。10.現在、アリペイ、ウィチャットペイの利用者は約10億人。5億人くらいは重複しているが、それでも圧倒的な数字である。QRコードで読み取るという方式が世界標準になってい。すでに日本でも、免税店ではない3000の小売店がアリペイやウィチャットペイ対応をせざるを得ない状況であり、他のお店も追従すると思われる。楽天ペイもあるが、5億人が使う決済システムの実績とシェアには勝てない。



yuji5327 at 06:39 

2016年09月23日

マータイ氏は総合的なアプローチを採り、民主主義や人権特に女性の権利までを含めた、サスティナブルな開発を目指してきた。世界的視野に立ちつつ、地域に根ざした活動をしている。

「池上彰著:御茶ノ水女子大学特別講義
世界を変えた10人の女性、文藝春秋、2013年」の「第9章ワンガリ・マータイ」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ワンガリ・マータイさんは「Mottainai運動」を始めたことで日本では知られている。「子供たちに環境の大切さを教えていくことが大事だ」と力説していた。2004年にノーベル平和賞を受賞している。アフリカの大地に木を植えるグリーンベルト運動が評価された。お茶の水女子大学の名誉博士号も受けている。
2.植林で、ノーベル平和賞? マータイさんのあと、アメリカのアル・ゴア元副大統領もやはり環境問題に取り組んだことが評価されて、2007年に受賞している。ノーベル平和賞はかつては、戦争を終わらせるために、なんらかの取り組みをした人に与えられていた。ベトナム戦争で和平協定を結んだ当事者双方に対して与えられたが(元米大統領補佐官ヘンリー・キッシンジャーと、ベトナムの政治家レ・ドク・ト)。レ・ドク・トは「まだ平和になったわけではない」と辞退した。
3.ノーベル平和賞を誰に与えるかは、大変難しい。政治的に使われる場合もある。南アフリカのアパルトヘイトに対する取り組みをしていたデズモンド・ムピロ・ツツ大主教(1984年)。チベット亡命政府のダライ・ラマ(1989年)。ビルマの民主化運動のアウンサンスーチー(1991年)。東ティモールの独立運動のジョゼ・ラモスーーホルタ(東ティモ
ール民主共和国前大統領)とシメネス・ベロ司教(1996年)が有名である。
4.ノーベル平和賞というスポットを当てることによって、人種差別や軍事独裁、人権問題や民族独立などの問題に世界の注目が集まる。それによって、事態を進展させようという意図がみられる。事実、南アフリカではアパルトヘイトが撤廃され、東ティモールはインドネシアから独立を果した。チベットの問題のようにいまだに解決していない問題もある。2010年には中国の劉暁波という人権活動家にノーベル平和賞が与えられましたが、中国の人権状況はまったく改善されていない。
5.ノーベル賞が創設されて110年ほど経っているが、当初の戦争終結に向けて何らかの取り組みをした人、からもっと幅広く、人権問題に取り組んでいる人など少しずつ趣旨を変えてきた。
6.ワンガリ・マータイさん、あるいはアル・ゴアが受賞したあたりから、またノーベル平和賞の性質が変わってきた。環境問題に取り組んでいる人に平和の賞を与えるというようになった。アル・ゴアは、地球温暖化に対する取り組みをしている。環境が悪くなると、異常気象が起きる。アフリカのようなところでは、食料危機が起きる。食料や水の奪い合いで、紛争や戦争が起こる。環境が悪化しないような取り組みをすることで、戦争の予防につながる。
7.レバノンやヨルダンでも、砂漠が広がっており、木がない。広大な十地を持っていることが一目瞭然でわかるものは生えている木の数を数えればいいと考え、一本一本の木に税金をかけようとした。人々は課税されるのが嫌ですから、木はどんどん切り倒した。イギリスやオランダなど欧州では、中東の「木」に当たるのが「窓」である。金持ちは大きな家に住んでいる。大きな家は窓の数も多いし、サイズも大きい。それに窓税をかけようとしたとたん、窓を小さくする家や、窓を煉瓦で塞ぐ家が続出した。税金の掛け方によって、国や都市の景観が変わる。
8.平利と環境との間に関係がある。戦争は資源をめぐって起こる。砂漠化が進めば、貴重な緑や水をめぐって争いが絶えなくなることが、今の中束情勢が体現している。ワンガリ・マータイさんの植樹活動は、将来資源を奪い合うような紛争や戦争を予防することになる。だから、ノーベル平和賞が贈られた。
9.ワンガリ・マータイさんは、ケニア最大の部族、キクユ族に生まれた。ただ平和裡に木を植えるということをやっていたわけではない。出身部族のせいで、あるときはアフリカの女性らしくない生意気な女であるという理由でさまざまな弾圧を受けました。またあるときは政府にたてつく反抗分子であるという理由で、投獄されたこともあった。
10.世界の平和は、私たちに、自らの生活環境の安全確保を行う能力があるかどうかにかかっている。マータイ氏は、ケニアをはじめとするアフリカ諸国において、環境保護的見地から実現可能な社会・経済・文化的発展を推進する闘いの前線にいる。彼女は総合的なアプローチを採り、民主主義や人権特に女性の権利までを含めた、サスティナブルな開発を目指してきた。世界的視野に立ちつつ、地域に根ざした活動をしている。



yuji5327 at 06:25 

2016年09月17日

豊洲盛土問題

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豊洲新市場の「盛り土」問題
石原慎太郎元都知事
在任中の2008年
地下コンクリート箱案
費用のかからない
効果の高い技術
専門家会議
その人の専門性にいちゃもん
石原の厚顔無知ぶり
テレビマスコミの尻込み
歴代市場長の証言がカギ


yuji5327 at 06:56 

2016年05月24日

高温インドそして北海道

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インド、西部ラジャスタン州ファロディ
最高気温が51度
60年ぶりに国内の最高気温を更新
数日間は同国北西部で47度を超える
首都ニューデリーで
病院を受診する熱中症患者が続出
首都圏の電力使用量も過去最高
300人以上が暑さで死亡
昨年は5月中旬以降の熱波で2400人以上
網走と北見、紋別地方に高温注意情報
帯広・北見・旭川地方は33度以上
熱中症対策

yuji5327 at 06:40 

2016年03月18日

物質的な向上で幸せが得られると勘違いしてきた人がたくさんいる。外面的な快適さを整えても、心の平和を得られない。心の中によい変化がなければ、心の平和は確立できない。


「池上彰著:池上彰と考える、仏教って何ですか?、飛鳥新社、2012年」の「第1章:仏教って何か?」の「仏教を学んだり実践する時間がない日本人」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.チベット人たちは仏教の教えによって、心の平安を得ることができが、現代の多くの日本人は不安にさいなまれ、苦しい思いをしている。日本では仏教が、チベット仏教のように正しい役割を果たしていない。
2.日本の仏教が役に立っていないわけではない。日本の仏教は、インドで生まれた仏教が中国を経由して伝わった正当な教えである。ブッダの教えが詰まった経典、それらの経典について偉大な学者たちが記した解説書が日本にもきちんと伝えられている。
3.仏教の土台となる教えとして「四聖諦」、すなわち「四つの聖なる真理」という教えがある。苦しみが存在するという真理、苦しみには原因が存在するという真理、一切の苦しみを止滅させた境地が存在するという真理、その境地に至ることのできる実践の道が存在するという真理。これが四聖諦と呼ばれている。
4.日本の仏教もチベット仏教と同じく大乗仏教である。菩薩の修行も伝わっているし、密教も伝わっている。大乗仏教の教えが伝わった国であるという意味で、仏教という観点からは、劣った点は何もない。しかし、日本人は時間がなくて、いつも急いでいる。仏教をじっくり学ぶ時間も、実践する時間もないのが欠点である。
5.1日24時間で自分の心を見つめる時間は、チベット人よりずっと少ない。仏教が身近にあっても、その価値に気づいていな。仏教によって、苦しみを遠ざける方法を、リンポチェはブッダが説いた四つの聖なる真理に沿って示してくれた。
6.日本に限らず、物質的な向上で幸せが得られると勘違いしてきた人がたくさんいる。外面的に、快適だと思われる条件をすべて整えたとしても、心の平和を得ることはできない。自分の心の中によい変化をもたらさなければ、心の平和を確立することはできない。
7.苦しみは確かに存在するが、苦しみをなくす方法もある。その方法を実践すれば、苦しみをすべて滅することができると、ブッダは明らかにした。大切なのは菩薩の修行を心がけること。慈悲の精神を育み、利他の精神で、自分自身も幸せを得られる菩薩の修行である。
8.短い時間で急激な変化を期待できない。日々少しずつ積み重ねていくことが大切とリンポチェはすすめた。






yuji5327 at 09:30 

2016年01月12日

種子ビジネスは、モンサントとデュポンの米系2社とシンジェンタ(スイス系)に絞られ、売上高の約1割をGM作物などの研究開発に充て、市場拡大に備えている。

「米国食糧覇塵の強欲、種子ビジネスで世界の農場を支配、選択、2015.3」はためになる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2015年1月末の北京。国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、遺伝子組み換え(GM)作物の世界の作付面積が過去最高を更新した、と発表した。習近平副主席(当時)は、2012年2月に訪米し、首都ワシントンでオバマ大統領と会談した後、ヴィルサック農務長官とともに穀倉地帯アイオワ州で開かれた「米中農業シンポジウム」に出席した。
2.ここで習副主席は「民は食を以て天となすという。農業を発展させ、農家を豊かにすることが最重要だ。中国には主食用穀物と食用油は十分にあり、食糧安保に対する懸念はないが、それでも米国産の大豆や飼料が必要だ」と述べた。つまり、主食となる小麦やコメの自給は堅持するが、経済成長に伴う肉や酪農製品への需要に対応するため、大豆など家畜同け飼料を米国から調達すると「公約」した。実際に、中国は米国産の大豆を大量輸入し、習が国家主席に就任した後の2013年、中国政府はコメや小麦など主食用穀物の「絶対的自給体制の堅持」を打ち出した。具体策として、穀物の政府買い入れ価格を引き上げ、農機具や化学肥料などの生産財の費用を補助して国内生産を強化し、コンバインの導入など機械化と経営規模の拡大を進めている。安い労働力で人海戦術によって群がるように収穫する中国農村のイメージは、急速に過去のものになりつつある。
3.米中両政府は、閣僚級、次官級など重層的な戦略的農業革新対話の枠組みを確立し、農業分野の技術交流を重ねてきた。昨年12月16日からシカゴで開かれた閣僚級の米中合同商業貿易委員会も、その延長線上にある。日本ではほとんど報道されなかったが、GMトウモロコシの輸入解禁など農作物や医薬品に関する中国市場の開放で幅広い合意があったとされている。米側は公式には「多くの分野で重要な合意があった」(フロマン米通商代表)としか説明していないが、実際に中国政府はその後、スイス・シンジェンタのトウモロコシ、米デュポンの大豆など3社のGM種子の輸入を承認した。米国と中国は、それぞれ自国の国内生産を強化して供給力を高めるとともに、中国は米国産飼料用穀物を輸入し、米国は中国にGM種子を含む増産技術を供与するという関係が見て取れる。重要なことは、2つの覇権国家が食糧安保の面で共同歩調を取り互恵関係を築いていることだ。
4.古今東西、覇権国家は食糧供給の責任を負う。食糧不足は国際秩序を混乱させる最大の要因だからである。第二次世界大戦後、米国は有り余る穀物を使って「世界の警察官」としての役割を果たした。1970年代には、凶作が続いて食糧不足に陥ったソ連に穀物を支援するほどだった。
5、冷戦の相手国でさえ、追い詰めるよりも米国に依存させ、国際秩序を安定させた方が有利だと打算した。しかし欧州など米国以外の各国で農業生産が回復するにつれて、穀物は過剰となり米国や欧州は財政負担に耐えられなくなった。93年に多角的貿易交渉(ウルグアイ・ラウンド)が決着して欧米は輸出補助金を撤廃、穀物余剰時代に終止符を打つ。同じ時期に遺伝子組み換え技術が実用化されたのは偶然の一致ではない。覇権国家の米国は、食糧供給責任を果たす手段として、巨額の財政負担を伴う穀物の現物供給に見切りを付け、より洗練された「種子」を通じた間接的な制御に転換したと見るべきだろう。遺伝子組み換えは単なる種子産業の技術では無く、国策と結び付いた覇権戦略の一つなのである。しかも種子ビジネスのビッグプレーヤーは、既にモンサントとデュポンの米系2社とシンジェンタ(スイス系)に絞り込まれてきた。これら3社はいずれも、売上高の約1割をGM作物などの研究開発に充て、東南アジア、インド、南米などでの市場拡大に備えている。
6.GM種子は、知的財産の固まりであり、巨額の研究開発費や高い利益率は知的財産権が確実に保護されることが前提となる。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で知的財産分野が難航しているのは、この文脈で理解する必要がある。
7.ISAAAが北京で記者発表を行ったのは、GM作物の門戸を中国が本格的に開き、2つの覇権国家がこの分野で共同歩調にあることを強調するためのデモンストレーションだったと言える。
8.ISAAAは、九〇年に設立された「非営利慈善団体」だが、実態は官民の資金援助や情報提供を受けた遺伝子組み換え技術の普及支援組織である。創設者のクライブ・ジェームズ農学博士は、「緑の革命」でノーベル平和賞を受けたノーマン・ボーローグ博士の右腕として活動し、メキシコの国際トウモロコシ・小麦改良センター(CIMMYT)の事務局次長を務めるなど、GM作物の「宣教師」ともいうべき存在である。
9.ジェームズ博士は現在でもISAAAの名誉会長であり、北京での記者会見にも臨み、習近平など要人とも接触した模様である。ISAAAによると、世界の作付面積は、14年に前年から6百万ヘクタール以上増加し、1億8千百50万ヘクタールと過去最高を更新した。GM作物の栽培国は、新たにハングラデシュが加わり計28力国となった。ただし、GM作物にはさまざまな種類があり、すべてが食用というわけではない。遣伝子の一部を切り取り別の生物の遺伝子に組み入れる技術を応用して品種改良した作物は、GMO(遺伝子操作有機体)などと呼ばれ、96年に米国で初めて商業栽培が始まった。


yuji5327 at 06:39 

2016年01月10日

日本では生命工学の基礎研究では優秀な科学者が多いが、農産物の品種改良など実用研究は評価されにくい。

「米国食糧覇塵の強欲、種子ビジネスで世界の農場を支配、選択、2015.3」はためになる。印象に残った部分の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.米国では、大豆、トウモロコシ、綿、菜種、テンサイ、カボチャ、アルファルファ(飼料)、パパイヤが栽培されており、2014年11月には新たにジャガイモが承認された。ジェームズ博士は「新しい窓が開かれた」と大歓迎するが、ジャガイモを主食とする地域も多く、食糧安保に影響を与える可能性がある。
2.従来は害虫に耐性があるGMO(バクテリアを組み込むことで、蛾の幼虫などを殺す毒素を植物の茎の中で自ら作り出す作物)と、除草剤をかけても枯れず農薬と組み合わせて使うGMOが主流だったが、最近はこれら2つの特性を併せ持つ複合型GMOや、水が少なくても育つ耐干ばつ性、あるいはオメガ油など健康に良い栄養素を多く含む作物など多機能化が進んでいる。ISAAAによると、70以上の潜在的なGMO新製品があり、約5年以.内に実用化される可能性があるという。
3.日本がGMOの商業栽培を実質的に禁じている間に、続々と新商品が登場している。しかし、こうした種子群の中で、国際的に普及しているのは、大豆、トウモロコシ、綿、菜種の4品目に集中している。どの国でもGMOには賛否両論があるが、最も抵抗が少ないのが非食用の綿である。GM綿花の普及率はインドで95%、中国で93%に達する。次いで抵抗が小さいのは、搾油の原料となる大豆や菜種、飼料や工業製品の原料となるトウモロコシである。GMOの作付面積が7千310万ヘクタールもある本家本元の米国でさえ、大半は直接食用とはならない飼料用のトウモロコシや搾油用の大豆である。小麦など直接口に入るGM作物には、まだまだ抵抗が根強く、技術的には開発を終えているが「消費者のニーズがない」(モンサント)として商業化を見送ってきた。
4.日本は大豆、トウモロコシ、ジャガイモ、菜種、綿、テンサイ、アルファルファが加工品や飼料として輸入・流通しており、生鮮品として直接口に入る初のGMOとしては11年12月にパパイヤが解禁された。GMOを原料に使って加工した食品は、原則として商品ラベルに表示されるが、原材料の重量中の割合が「上位3位以内で5%以上」でない加工食品などは表示を省略できるため、日本では表示がないまま大量のGM食品が消費されている。例えば日本が輸入する大豆の92%、トウモロコシの78%はGMだと推定されている。TPP交渉で米国と同基準の食品表示ルールが採用された場合は、GMの表示義務は一切なくなり、さらに大量のGM食品を摂取することになる。
5.GMOの国内商業栽培は実質的にゼロ。日本のGMO規制は、「流通は容認するが生産は駄目」という非論理的な宙ぶらりの状態にあると言える。消費者庁、食品安全委員会、厚生労働省、農林水産省が縦割り行政を演じ、消費者保護なのか生産者保護なのかの目的がはっきりしないためである。
6.GMOを商業栽培している国を塗り分けた世界地図を見ると、砂漠や凍土など非可耕地帯を除くと、日本と韓国、欧州とアフリカが空白だと分かる。この空白を埋めるためのアジアでの橋頭堡は、フィリピンの国際稲研究所(IRRI)である。60年にフォード財団・ロックフェラー財団の支援によって設立され、「緑の革命」をもたらす拠点となった。ここではすでにGMゴールデンライス(ビタミンAの欠乏症を防ぐため、トウモロコシの性質をイネに組み込んでベータカロテンを含ませた黄色いコメ)を支援の名目で試験栽培しており、商業化が目前だ。食糧難や栄養不良に悩む途上国に無償で供与し、GMコメの突破口を開くことになる。
7.フイリピンがGMO普及のための太平洋戦線だとすると、西部戦線はアフリカである。欧州はイベリア半島を例外としてGMOに対して規制が厳しく、アフリカ諸国は農産物の輸出を通じて旧宗王国との関係が深い。このため、なかなかGMOの商業栽培に踏み切れない。
8.このような状況の中でも、スーダンやブルキナファソなど、少しずつ栽培国が増えている。カメルーン、エジプト、ガーナ、ケニア、マラウイ、ナイジェリア、ウガンダでは、コメを含むGM作物の実地試験が始まっている。背後にはビル・ゲイツ夫妻によって創設された慈善基金団体「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」などの支援による「無償供与」がある。
9.食糧援助の名の下にGMO普及を狙う「国策」が、ここでも繰り広げられている。さらにこの地図を少しずらして太平洋を真ん中に置くと、意外な事実に気が付く。環太平洋諸国でGMOの商業栽培に踏み切っていないのは日本、韓国、ニュージーランド、ペルーなど少数派である。多くの識者が「TPPは中国包囲網を築くのが狙い」などと解説しているが、むしろ包囲されているのは日本だ。今年中にベトナムではGMトウモロコシ、インドネシアではGMサトウキビの作付けが始まる見込みで、日本は孤立を深めそうだ。
10.北京の記者会見の後、ジェームズ博士は東京に立ち寄り、講演会で又GMの普及に必要なのは)国家の意志だ。意志ある所に道ありと言うではないか」と強調した。GMは既に最先端技術というよりは普及段階にある応用技術であり、普及の最大の障壁となっているのは、非科学的な政府の規制だという。
11.ジェームズ博士は「特に小麦の研究は十分に進んでおり、2020年がターゲットだ。従来の小麦と比べて収量が20%増えるだろう」と述べるとともに、日本市場について「テンサイやジャガイモが有望だ」と指摘し、北海道が「主戦場になる」と予想した。
12.さらに「DNAではなくてRNA(リボ核酸)の時代だ」とも述べた。生命工学の最先端技術で激しい競争の舞台となっているのは、もはやDNA(遺伝子)の操作ではなく、DNAの情報を使って生体内でタンパク質合成を行う際に必要なRNAの研究であり、「ジーンサイレンシング」と呼ばれる分野だという指摘である。
13.日本では生命工学の基礎研究では優秀な科学者が多いが、農産物の品種改良など実用研究は評価されにくい。かれらは米国の大学や研究機関に移るか、フィリピンのIRRIに集まる。典型的な頭脳流出である。この傾向が続けば、日本は品種改良の技術面でも大きく後れ、長い目で見ると食糧安保に深刻な影響を与える恐れがある。農業生産の停滞の責任を農協になすりつけ、全国農業協同組合中央会(JA全中)の組織いじりにうつつを抜かしている場合ではない。


yuji5327 at 06:33 

2015年11月23日

水素を輸送するためにもマイナス253度まで冷却して液化する必要があり、大量のエネルギーを消費して炭酸ガスを生じる。二酸化炭素フリーのエネルギーではない。

「疑問に満ちた水素社会元年、政官財が画策する巨大鋼橋事業、選択、2015.1」は参考になる。。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.政府や企業が水素社会に前のめりになっているのは、補助金を軸とした巨大な公共事業と利権を生み出すために過ぎない。水素燃料の需要を創出して流通させるためには、燃料電池車の普及に始まり、水素ステーション、水素液化プラント、液化水素輸送網といったインフラの整備が必要となる。
2.次世代車候補である電気自動車が普及してもそれほど投資は生まない。発電所と送電線というインフラは既に全国で整備されている。急速充電設備も、1基あたりの設置コストはわずか5百万円程度である。
3.水素エネルギーのインフラはほとんど手付かずである。新たな水素製造プラントを整備すれば全国で数千億円規模の投資が行われる。燃料電池車に水素を補給するための水素ステーションを建設するためには1ヵ所あたり6億円かかり、急速充電設備の120倍の資金が動く。
4.政府は、2020年の東京オリンピックを日本が誇る水素エネルギーの展示場とすべく、会場に燃料電池バスを走らせ、東京、名古屋、大阪、福岡の四大都市圏を中心に水素ステーションを拡充する構想を練っている。2015年には100カ所、2025年までには1千カ所の水素ステーションを建設し、費用の半分を国が補助するという。これだけでも3千億円以上の税金がばらまかれることになる。
5.これを後押しするために政府やシンクタンクが弾く水素市場の将来予測にはバラ色の数字が並ぶ。ある企業の試算では2020年に燃料電池車市場は5千億円規模、水素発電市場は9千億円規模にまでそれぞれ拡大すると予測。それは世界でも同様で、デロイト・トーマツが公表した予測では、2025年には世界の燃料電池車市場は、米国で85万台、欧州で71万台、日本で20万台と驚異的なベースで拡大するとみている。
6.水素のイメージ作りにも躍起である。政府は水素が「究極のクリーン・エネルギー」としきりに触れ込む。たしかに、酸素と反応させると水しか排出しないため、低炭素社会の主役にまつり上げるにはうってつけの物質に見える。また、排熱も利用して熱需要に充てるエネルギー供給システムを用いれば、実際に消費される燃料のエネルギー量と、それによって利用できるエネルギー量との比率を表した「総合エネルギー効率」は90%と、通常の火力発電所のエネルギー効率40%とは比較にならないほど優れていることをもって、水素社会の正当性を謳う専門家もいる。
7.仮に水素が目然界に単体で存在している一次エネルギーであれば、こうした見方は概ね正しいが、実際には水素は天然ガスや灯油などの主成分である炭化水素の組成、性質を改良する「改質」によって取り出す二次エネルギーである。
8.二次エネルギーは製造する過程で二酸化炭素を排出する。政府の言う「究極のクリーン・エネルギー」はこの時点で眉唾物であることがわかる。また、水素を輸送するためにはマイナス253度まで冷却して液化する必要があり、ここでも大量のエネルギーを消費して炭酸ガスを生じる。「二酸化炭素フリー」のエネルギーであるかのような現在の水素キャンペーンは捏造である。
9.水素の利用法として、燃料電池ではなく直接燃焼させる水素エンジン車や、水素発電も検討されている。この場合燃焼過程で二酸化炭素は発生しないものの、空気中の窒素が酸素と結びついて大気汚染の原因となる窒素酸化物が排出されることはガソリン車やガス火力発電と変わりない。加えて、水素は分子が小さいため、パイプの継ぎ目から漏れてしまうという技術的ネックはいまだ解決されていない。
10.市場規模の算定方法は、水素の技術的、費用的課題がすべて順調に解決されるという楽観的な予測に基づいている。すべて「画に描いた餅」である。巨額投資の甘い汁を吸える期待感だけが先行しているのが水素元年の現状である。
11.地政学的に見ても日本は水素社会に向いていない。欧州諸国はロシアからの天然ガスのパイプラインが網の目のように敷設されている。一番簡単な水素製造方法で、原油価格が下落していることを考えれば、水素エネルギーのコスト競争力は下がっている。また、1台7百万円という水素目動車は、世界の自動車市場の主戦場となっているアジアでは受け入れられない。
12.天然ガスの改質で容易に水素を手に入れられるとか、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーが普及で、余剰電力を利用し水を電気分解して水素を製造するとか、余っている電力を使うので製造コストはタダ同然とか、言うが、日本は、国土にパイプラインが敷かれておらず、天然ガスから水素を手軽に改質できない。再生可能エネルギーも普及の途上にあり、水素製造に回せるほどの余剰電力はない。日本は欧州諸国と比べても割高なLNGやLPガスを中東諸国から輸入した上で、改質して無理やり水素を作っているに過ぎない。水素の製造コストが劇的に下がることは期待できない。
13、水素エネルギーに関連する業界が色めきだっている。政府が2014年6月に取りまとめた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」では、地球温暖化対策としての切り札として「水素社会」をぶち上げ、2015年を「水素元年」と位置付けた。しかし、水素エネルギーのクリーンなイメージや、魅力的な経済性は「粉飾」されている。
14.実用レベルに達していない未熟な技術を、補助金を使って無理やり普及させようというのは愚行である。このままでは日本の燃料電池自動車は、補助金漬けになった日本だけで流通する「ガラパゴス化」のリスクを孕む。
15.遠い将来を見据えて燃料電池の研究は続けるべきである。たとえば、高価格の原因となっている触媒として使われるプラチナの代る材料は現在、国内の多.くの機関が取り組んでいる。問題は、莫大な投資が見込める「おいしい事業」に政官財が突進しようとしていることである。。



yuji5327 at 06:53 

2015年11月21日

見切り発車した除染事業は放射線基準などを見直さぬ限り、収束させることは不可能である。被災地の健全な復興のためにも、聖域化せずに再検討すべきである。

「福島の除染作業、選択、2015.1」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.福島県の浜通りにある南相馬市は、津波にのまれ放射能にも襲われた自治体である。市内が壊滅的な被害を受けたが、残された地域の経済は、震災前よりも好調である。そのことは、市の財政状況に表れている。
2.一般会計予算は2010年度に263億円だったのが、今年度は1213億円に増加している。国や県を通じて復興予算や、除染費用が流入したからである。南相馬が特殊なのは、除染について市内が3つのエリアに分断されている点である。福島県内の他の地域と同様に地元自治体が除染を担う通常のエリアに加えて、南側の約半分と西部は国直轄の「除染特別地域」になっている。3.この特別地域は汚染度によって、避難指示解除準備区域、居住制限区域と帰還困難区域などにわかれる。住民が残っている通常エリアでは、多くの市民が除染のおこぼれれにあずかっている。震災前に人口7万人だったこの地で、1日当たり約6千人が除染・瓦礫撤去のために働いている。
4.この人数は今後1千人規模で増加する予定で、人手不足も起きている。最近では高収入目当ての外国人や女性の作業員まで見かけ、中には看護師が病院を一時的に離れて除染に従事するケースもある。人が増えれば必然的に住む場所が必要となるため、市内の賃貸住宅相場は高騰している。2LDKのアパートの家賃が8万〜10万円と震災前の2倍程度になった。駅周辺であれば15万円というところもあり、これは東京近郊と遜色ない。
5.空き地があれば住宅メーカーが次々とアパートを建てるという状況である。引きずられるように不動産価格も上昇。震災前に1坪当たり3万5千円だった南相馬市の基準地価は、14年度7万円以上に跳ね上がっている。
6.地元商店や飲食店も好景気で、夜の街は千客万来となる。市内には繁華街と呼べるようなところはなく、震災前はさびれきっていた。いまでは居酒屋やスナックが大繁盛である。性産業も盛んになった。かつては仙台市の国分町か、福島県南部の小名浜まで足を延ばす必要があったが、需要に応じて供給も行われるようになった。主にアジア系外国人女性がこの街に出稼ぎに来ている。
7.似たようなことは、第一原発を挟んで反対側のいわき市でも起きている。この地には、除染作業員だけでなく、第一原発で働く作業員や、関連企業の社員、さらに多額の賠償金を手にした原発避難民が流入している。繁華街では作業員同士のいさかいが絶えず、大小の違法賭博が開帳されている。一部は福島の暴力団などが仕切っている。身を持ち崩す人間も出てくる。
8.原発周辺にとどまる作業員と異なり、福島県内全域で実施されている除染の従事者が問題を起こすケースは多く、中には犯罪として立件されるものもある。2014年11月、福島県警は2人の除染作業員を婦女暴行の疑いで逮捕した。事件は浜通りから離れた、県庁所在地である福島市内で起きた。作業員二人は、ウォーキング中の女性を二人がかりで空き地に連れ込み暴行したことを認めている。
9.除染作業員の検挙人数は、2012年に県内全域で26人だったものが、2013年は5倍以上に増加している。今回捕まった婦女暴行のような事例が氷山の一角である。浜通りを中心とした福島県内の「歪んだ復興」に終わりはない。環境省が公表している除染進行状況を公表する地図をみると、ほとんどのエリアで除染がいまだに終了していない。
10.数少ない除染終了地に、楢葉町が含まれている。同町は避難指示解除準備区域であり、2015年春には住民を故郷に戻すべく準備が進められているが、一方で除染が終わったとされながらも、町内の7割の場所で年間被曝量が1ミリシーベルトを超える水準にあり、再除染が検討されている。
11.南相馬市の場合、市内が分断されていることが状況を複雑にする。まず、避難指示解除準
備区域の除染のペースは極めて遅い。大手ゼネコンが揃って受注し2013年4月から作業が始まったが、5200戸ある除染対象家屋のうち、約260戸(2014年10月末時点)しか作業が終わっていない。
12.森林地区は20%)が終了したというが、対象となる面積は1200平方メートルあり、東京ドーム200個分に当たる場所が残っている。通常の除染区域はこれよりは作業が進捗しているが、農地についてはほとんど手付かずで残されている。
13.最大の問題は、一度除染したところで再び放射線量が上昇する問題である。山側から落ちてくるのか、線量が再び上がるのでいくらやっても終わらな。内陸にいまだ除染の発注さえさ
れていない帰還困難区域がある状況では、海側でいくら作業を進めようと意味がない。
13、環境省は2015年度予算概算要求で、除染関連予算を2900億円余り計上した。福島県内に計画されている中間貯蔵施設計画も合わせれば計4千億円規模である。当初、2015年3月を予定していた除染作業の完了は、先延ばしされ続けている。今の方針を変えない限り何世代にもわたって続く。見切り発車した除染事業は放射線基準などを見直さぬ限り、収束させることは不可能である。被災地の健全な復興のためにも、聖域化せずに再検討すべきである。



yuji5327 at 06:42 

2015年11月13日

世界第3位の火山国の日本としては、地熱発電に力を入れていい。熱源の大半は国立公園の中にあるが、国立公園法の規制緩和が難点である。


「大前研一著:大前研一 日本の論点 2015~16、プレジデント社、2014年」は面白い。「9章:エネルギー危機を救う「電力50%オフ社会」実現で世界をリードせよ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.出力変動が少なく、設備利用率が高い再生可能エネルギーとして、バイオマスと地熱が有望視されている。燃料調達やコスト面で課題が多いバイオマスは、大規模発電には向かず、CO2排出の面では必ずしもクリーンではない。ガスの安いアメリカでは燃料電池の開発が進んで、発電効率も70%近いものが出てきている。コスト的にも信頼性のうえでも電力会社から買うよりも自家発電で、というデータセンターなどの採用例が増えてきている。
2.世界第3位の火山国の日本としては、地熱発電にもっと力を入れていい。地熱タービン技術については日本が世界一の技術を有していて、世界中で実績があるからである。だが、熱源の大半は国立公園の中にあるため、国立公園法の規制や温泉観光地との調整などで開発に時間がかかるのが難点である。
3.バイオマスや地熱をエネルギー政策に組み込むにしても、それぞれ5%でトータル10%というところだろう。一定の電気を安定的に供給するベースロード電源は、供給全体の3〜4割を占める必要がある。そのため風力や太陽光などの再生可能エネルギーでは、原発に代わるベースロードにはなりえない。
4.発電コストが安い原発にベースロード電源としての役割を担わせることで、これまでの日本経済は成り立ってきた。原発エネルギーを基にした技術開発の典型が、電気自動車や水素燃料電池などの例である。電気自動車は原発の安価な夜間電力(昼間の約3分の1の電気料金)で充電するため、ガソリン車よりコストが安いとアピールできた。原発がなくなって昼夜の料金が同じになれば、電気自動車の燃費は跳ね上がる。化石燃料を燃やしてつくった電気で電気自動車を走らせた場合は、「エコカー」ではない。むしろ改良の進んだガソリン車のほうが、燃費効率はいい。
5.日本のエネルギー問題の解決方法には、3つの選択肢しかない。1つは原発を再稼働すること。大前提として、福島第一原発事故を徹底的に究明すること。事故の検証から導き出した安全対策を実行したうえで再稼働の条件を明確化する。 地元や国民に対する情報の完全開示は当然である。
6.物理的な対策だけでなく原発の組織としての対応にも問題がある。いかなる手順で誰が避難指示を出すのか、どうしたら自衛隊の出動命令を出すのかといったことも含めて、迅速に事故対応できる指揮系統を確立する必要がある。そこまでやってようやく再稼働が可能になる。
7.活断層に関する議論は意味がない。原発は地震に耐えられるように設計されている。過去に世界で観測されたもっとも強力な活断層型の地震は、2007年7月の新潟県中越沖地震だが、直撃を受けた柏崎刈羽原発はすべて正常に緊急停止している。
8.活断層でどういう加速度の地震が起きるのか。その加速度に今の設計で耐えられるのか。耐えられないとしたらどう設計変更するのか、という議論をすべきであり、活断層発見即停止というのは、原子炉のことを知らずに、再稼働の判断の責任に怯えた規制委員会の逃げ口上でしかない。国民や地元の住民に納得してもらえれば、日本の原発全54基のうち、半分くらいは再稼働に漕ぎつけられる可能性が出てくる。
9.再生エネルギーに依存しない徹底した節電を実施する。これが2番目の解決策である。5年以内に電力使用量を50%削減する、という目標を国策として推進すれば、5年以内に少なくとも30.%程度の削減は実現できるし、そうなれば原発依存度をゼロにできる。
10.1970年代に自動車メーカーがディーゼル規制やマスキー法を乗り越えたときのように、厳しい条件を課されたときのほうが、日本企業は真価を発揮する。電力50%オフ社会が実現すれば、日本企業が省エネ技術で再び世界をリードすることも可能だろう。
11.3番目は、従来にない調達法で、多角的な電力の輸入に取り組む。日本は世界一のLNG輸入国である。LNGは現地で液化してから輸送し、再び日本に到着してから気化させるから非常に効率が悪い。欧州勢はパイプラインを通じてガスのままの状態で買っているから、液化にかかる費用も気化にかかる費用もかからない。100万BTUあたり、日本の15ドルに対して、ヨーロッパでは7ドル程度。アメリカはシェールガス革命の影響で3.5ドルぐらいに下がっている。
12.日本もガスの状態のまま直接輸入できるようになれば、今の価格よりはるかに下がる。1つはロシアのパイプラインが集中しているウラジオストクから新潟まで海底パイプラインを敷く方法。サハリンに発電所を建設して、発電した電力を電力ロスが少ない超高圧直流送電を使用して稚内まで送る方法もある。中国では超高圧直流送電を使って平気で2000kmも電力を送っているから、サハリンから北海道、石狩湾から内浦湾を抜けて、茨城県鹿嶋市近辺までケーブルやパイプラインを引いてきてもいい。
13.電力需給は原発の再稼働と節電で十分にバランスが取れ、ガスパイプラインや電力の直接輸入のインフラづくりをすれば、日本のエネルギーは廉価に、かつ安定的に供給できるようになる。自民党がまず取り組むべきはこうしたエネルギー政策の大枠を定めることである。



yuji5327 at 06:46 
池上技術士事務所の紹介
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
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