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2020年07月05日

米国証券市場からの中国企米業締め出しの動きが報じられる中、中国は過去2年間続けてきた国内金融市場の開放をさらに推し進めている。


「神宮健(野村総合研究所上席研究員}著:中国視窓、海外投資金融家の限界枠を撤廃、さらに進む金融市場の開放 週刊エコノミスト 2020.7.7) は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米国証券市場からの中国企米業締め出しの動きが報じられる中、中国は過去2年間続けてきた国内金融市場の開放をさらに推し進めている。中国証券監督管理委員会(証監会〉は4月1日から、証券会社の外資比率上限(51%〉を撤廃した。それまでに先物会社は1月、投資信託を運用する基金管理会社については4月に上限撤廃が決まっており、これら証券業の外資比率規制を「4月までに撤廃する」とした1月の米国との経済貿易合意は満たしたことになる。
2.4月1日には早速、米資産運用会社のブラックロックとニューバーガー・バーマンが外資100%の公募基金会社の設立を中請した。米証券大手JPモルガン・チェースは4月、出資する合弁先物会社の出資比率を49%から100%に引き上げると証監会に申請したと発表。認可されれば、中国初の外資全額出資の先物会社になる。今年、証券会社は3社の出資比率引き上げが認可され、外資が支配株主(出資比率51%)の証券会社は6社となっている。
3.中国人民銀行(中央銀行)と国家外貨管理局は5月7日、当局の認可を受けた海外機関投資家が中国本土の株式や債券を売買できる「適格外国機関投資家(QFIII)」と人民元建ての「人民元適格外国機関投資家(RQFII)」の限度枠を撤廃する規定を発表した。送金による海外との資金.の出し入れと両替も許可制から登録制になり、海外機関投資家が中国金.融市場により参加しやすくなった。
4.足元のQFIIとRQFIIの投資状況を見ると、撤廃前の限度枠はそれぞれ約30兆円と約約30兆円だったのに対し、その4割足らずしか使われていない。今回の措置は「金融市場の開放」のアナウンスメント効果が主であるが、長い目で見れば、資本自由化に向けて一歩前進と言える。
5.対外開放策の発表はさらに続く。人民銀行などは5月中旬、広東省と香港、マカ)9を一大経済圏とする「大湾区(巨大ベイエリア)」と構築への金融支援に関する意見を発表した。支援の内容を見ると、「大湾区で内外投資家向けの人民元建て基金を設立して中国企業の海外進出に投融資を提供し、一帯一路の構築を助ける」「香港・マカオの保険会社がQFIIやRQFIIの資格を得て大湾区の建設に資金を提供する」「香港・マカオの機関投資家が大湾区(広東省側)のベンチャーキャピタルなどに投資する」ことなどが盛り込まれた。
6.金.融安定発展委員会は5月下旬、11条の金融改革措置を打ち出した。証券市場関係では、外国政府・国際開発機関のパンダ債(非居住者が中国国内で発行する人民元建て債券)の発行などの規則を改善することで、パンダ債市場を発展させる。一帯一路の沿線国家による発行も意識されていると見られる。
7.新型コロナ感染拡大の影響で世界的な資金の流れが変化する中、他の国々よりも早く経済が再始動している中国には、金融の開放を印象付けることで、資本流入を促す一方、一帯一路に象徴される中国経済圏の構築を金融面でも進める意図がると思われる。



yuji5327 at 06:20 

2020年07月04日

メタンハイドレート層はまさに"諸刃の剣“である。海底地滑りに伴う巨大津波を引き起こす可能性もある。南海トラフは世界有数の海溝型巨大地震の発生域である。


「巽好幸(神戸大学教授)著:海底地滑りと巨大津波の要因? "諸刃の剣"メタンハイドレート 、週刊ダイヤモンド 2020.7.04」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2011年の東北地方太平洋沖地震で破局的な被害をもたらしたのは、最大遡上高約40mの津波だった。また南海トラフ巨大地震でも、広範囲の津波被害が予想されている。津波を引き起こすのは地震だけではない。18年2月にインドネシア中部で発生.し、400人以上の犠牲者を出した津波は、クラカタウ火山の噴火で山体が崩壊し、大量の十砂が一気に海へ流れ込んだことが引き金となった。同様の山体崩壊に伴う津波は、火山大国の目本でも頻発してきた。
2.中でも1792年に起きた島原半島にある雲仙岳眉山の山体崩壊に伴う大津波は、有明海を越えて対岸の熊本(肥後)を襲い、死者1万5000人という[本史上最大の火山災害を引き起こした。一方、全く異なるメカニズムで大津波が発.生することもある。そのきっかけをつくる可能性があるのが、次世代資源として注目されている「メタンハイドレート」である。
3.現在確認されている地球最大規模の海底地滑りといわれているのが、ノルウェー沖の「ストレッガ・スライド」である。今から約8150年前に発生したこの地滑りでは、陸棚斜面を遣っていた約3000立方km、富士山2つ分にも及ぶ大量の堆積物が崩壊し、500km先のノルウェー海盆に流れ込んだ。発生した巨大津波は北海周辺の広い範囲を襲い、英国・スコットランドのシェトランド諸島では最大遡上高が20mを超えた。当時は最終氷期末期で現在より海水面は低く、グレートブリテン島とヨーロッパ大陸は地続きだった。狩猟や漁業に適したこの十地で生.活を営んでいた中石器人の暮らしは、津波で壊滅的打撃を受けた。
4.北海には広く油田、ガス田が分布し、このストレッガ・スライド地域の陸寄りにも「オルメン・ランゲ」と呼ばれるガス田が存在する。人工地震を用いた地下構造探査によれば、海底にシャーベット状のメタンハイドレー卜が広く分布し、天然ガスとして採掘されている。メタンハイドレートはある限られた温度・圧.力領域でのみ安定で、陸に近い水深の浅い場所では水圧が下がるためにガス化して自然湧出していると考えられている。そしてこのメタンハイドレートの特性こそが、巨大海底地滑りを引き起こした要因だった。
5、8150年前、最終氷期末期で気温は上昇傾向だった。その影響で、この海域へも赤道域で生まれた暖かい北大西洋海流が流れ込むようになったと考えられる。このことで、それまでは低温度の海底下に安定に存在していたメタンハイドレート層の浅い、陸に近い部分で、温度上昇によってガス化が起こる。そしてガスの湧出による小規模な岩層流が発生したようである。さらに、この岩層流で堆積物が取り去られ、荷重が滅少したことで海底下の圧力が下がり、メタンハイドレート層の中で一気にガス化が進み、大現模な地滑りが発生したのである。
6.この巨大地滑りは、地震活動が引き金になったとする説もある。氷期が終わりに近づき大陸を厚く覆っていた氷河が消滅し始めると、地殻全体の重量が減る。その結果、流動的なマントルの上に浮いている大陸塊が上昇し始める。この後氷期隆起運動は現在も継続中で、スカンディナビア半島では年間1cm程度の隆起が観測されている。このような地殻変動によって断層が形成され、地震が発生することは十分に考えられる。地震で揺さぶられた陸棚斜面の不安定な堆積物が岩層流として崩壊し、メタンハイドレート層を海底に露山させたり、海底下の圧力を減少させたりすることで、一気にガス化が進行した可能性もある。
7.メタンハイドレートは、エネルギー資源の大半を輸入に頼るわが国でも熱い視線が注がれている。これまでの調査で、日本列島の周辺には100年分以上の天然ガス使用量に匹敵するメタンハイドレートが存在することが分かっている。採掘するにはまだまだ解決すべき課題は多いが、有望な資源であることは間違いない。その主要な分布域が、フィリピン海プレートが日本列島の下へ潜り込む「南海トラフ」の陸側斜面である。場所によっては数百mに達するメタンハイドレート層が眠っていると考えられている。この地域のメタンハイドレートの形成には、プレートの沈み込みが大きな役割を果たしている。
8.プレートの最上部の海洋地殻や堆積物には水が含まれている。この水はプレートの沈み込み、つまり圧力の増加によって絞り出されて上昇し、さまざまな微生物の活動源となる。この微生物の中に、メタンを生成することでエネルギーを得ているものがいる。南海トラフ近傍のメタンハイドレートは、こうした微生物の活動によって生成されている。中には石油をつくり出す微生物もおり、静岡県の相良油旧は微生物活動によるものといわれる。
9.メタンハイドレート層はまさに"諸刃の剣“である。海底地滑りに伴う巨大津波を引き起こす可能性もある。南海トラフは世界有数の海溝型巨大地震の発生域である。今後30年間の発生確率は70%を超えるといわれている。地震発生時には地殻変動によって巨大津波が発生することが想定される。これに加え、その強烈な揺れによって不安危な海底斜面が崩壊し、メタンハイドレートが気化することで、追い打ちをかけるように海底地滑り起源の津波が発生する可能性もある。
10.南海トラフ域では、地震活動を伴わない津波の記録も残っている。例えば、永正9(1512)年に徳島県南部の宍喰を大津波が襲い、約3700人が犠牲となった。しかしこの時期に他の地域も含めて明瞭な地.震の記録は残っていない。最近、徳島大学の馬場俊孝教授たちのグループは宍喰沖の海底地形を詳細に調査し、海底地滑りの痕跡が存在することを確認した。さらにその崩壊地形から津波の規模を推定すると、宍喰津波を再現できるという。今後さらに詳細な調査によって、この海底地滑りの発生されることが期待される。



yuji5327 at 06:34 

2020年07月03日

チップ内製化によりアップルはノートパソコン1台当たり150ドル節約できる可能性がある。


クリストファー・ミムズ(WSJハイテク担当コラムニスト)著:iPhoneに頼らないアップル、成長戦略のカギは 週刊ダイヤモンド 2020.7.04」は参考になる。概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.ムーアヘッド氏の試算によると、チップ内製化によりアップルはノートパソコン1台当たり150ドル節約できる可能性がある。その節約分を使用し、移動体通信接続やより優れたグラフィックス、現在はiPhoneにしか搭載されていない新型センサーやプロセッサーなどの新しい機能を追加できる可能性がある。また、既存の膨大なiPadアプリをノートパソコンでも稼働できるようにしてもいい。アップルは最終的に世界のパソコン販売シェアを現在の約7%から伸ばせるかもしれないとムーアヘッド氏は話している。
2.アップルがiPhoneの最も献身的な所有者から収入を得られる手段はもう1つある。自社製品の購入資金の提供である。アップルは15日、同社のクレジットカードを使用して同社製品を購入する場合、金利なしで分割払いできるプログラムを発表したが、クレジットカードの各種手数料もアップルのサービス収入を押し上げることになる。アップルは新規顧客のプールが減少していることを認識しているかのようである。例えば、4月半ばに発売されたiPhoneSEは、価格は通常の新型iPhoncの半分程度だが、中身ほアップルの最新機種と同じものが一部使用されている。
3.ターゲットは新興国の顧客だが、買い替えに消極的だったiPhone所有者を引きつけられる可能性がある。プルッキングズ研究所によると、現在の経済ショックが起こる前、世界の中問層は30年まで毎年1億6000万人増加すると予想されていた。地理的調整後の所得が1日11〜1l0ドルの中間層は既に30億人を超える。大半の人は基本価格1450ドルのアップルの最上位機種はもちろんのこと、700ドルのアップルの主力スマホ、iPhoneさえ買う余裕はない。例えば、インドではスマホの平均販売価格は180ドルである。 iPhoneSEは400ドルとそれほど安くはないが、数千万人の新規購入者にとって通常のiPhoneよりは手頃かもしれない。
4.アップルの現行戦略の最大の難点は、iPhone販売への依存を減らしているとはいえ、iPhoneが中核事業であることに変わりはないことである。iPhoneの市場シェアが失われれば、アップルの成功エンジンが停止し、後退し始める可能性さえある。その原因として考えられるのは、競合他仕の新テクノロジーによってiPhoneのモデルが破壊されるか、世界の経済情勢によって数百万人の人たちがSEの価格でさえもiPhoneを買う余裕がなくなるかのいずれかである。
5.アップルの進化を続けるビジネスモデルには、もつ1つ重大な弱点になりかねない点がある。欧州連合(EU)の規制当局のほか、スポティファイ・テクノロジーズやタイル、ペースキャンプなどのIT(情報技術)企業などから、アップルがその独占的地位を利用して不公正な料金を課しライバルを抑圧しているとの申し立てが増えていることである。アップルは世界のスマホ市場を独占したことはないが、自社端末のエコシステムを独占している。アップルがそのエコシステムを成長のテコにしようとすればするほど、その立場を乱用しているようにみえる。
6.「欧州委員会が一握りの企業から寄せられた根拠のない苫情にとりあっているのは残念である。それらの企業は単にただ乗りしたいだけで、他の人たちと同じルールで勝負したくないだけである。」アップルは文書でこう述べている。ノベーションを起こし、当社のプラットフォームを通じて成功を収めてきた無数の開発者を私たちは非常に誇りに思っている」。アップルは、自社のブラットフォームを厳しく管理する権限を乱用しているとの主張に反論。世界のスマホ市場はアンドロイドが大部分を占めており、アップルが独占企業だとは言い難いと主張している。
7.最近、アップストアではアップル以外の企業が5000億ドルを超える売り上げや定額料金を稼ぐのを可能にしているとも言い、さらに、アッブストアのアプリの84%はアップルに何も支払っていないとも指摘している。アップルは巨大な企業だが、まだ成長を続ける方法を見いだし、垂直統合したり、新たな端末やアクセサリー、アプリでユーザーを引きつけたり、利益率を下げてでも大量のスマホを売り込んだりしている。しかし、単独ではそれはなし得ない。金の卵を産むガチョウを手に入れられるかどうかは、ソフトウエアやコンテンツのパートナー企業、規制当局、そして10億人を超える忠実な顧客との協力にかかっている。



yuji5327 at 06:43 

2020年07月02日

アップルは過去10年はiPhoneが主だが、その間に巧みな「技」を習得、約10億人の所有者に、製品やサービスにお金を使わせる方法を得た。。

「クリストファー・ミムズ(WSJハイテク担当コラムニスト)著:iPhoneに頼らないアップル、成長戦略のカギは 週刊ダイヤモンド 2020.7.04」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アップルの話題と言えば、過去10年は概しiPhoneに関することである。その間にアップルは巧みな「技」を習得した。約10億人のiPhone所有者に、戦略的に拡大してきたiPhone以外の製品やサービスにお金を使わせる方法である。同社はiPhoneの会社から、端末、ウエアラブル製品、各種サービス、アクセサリー、決済、金融、体験を手掛ける会社へと変貌した。
2.こうした事業の多角化は不可欠である。アップルのエコシステムにまだお金を払っていないが同社の製品を購入する意欲と余裕のある人が、地球上で減る一方だからである。当然ながら、アップルはiPhoneの新規購入者の開拓を続けるが、ティム・クック最高経営責任者〔CEO)がよく示唆しているように、いずれはiPhoneの後継が必要になる。一方で、一段と成長するにあたり、規制当局やパートナーの開発企業を味方にとどめておく必要もある。
3.アップルの分析に特化したサイト「アバブ・アバロン」の創業者で独立系のアナリスト、ニール・サイバート氏の推計によると、iPhoneの新規購入者は2016年に1億2900万人でピークを付けて以来、毎年減少している。19年は4800万人で、減少は続いている。それでもアップルは前回の年末商戦で四半期売上高が過去最高を記録した。
4.これは2つの数字で説明できる。1つは、四半期ごとにサービス収入が伸び続けていることである。今年1〜3月期は約1兆4220億円と全売り上高の23%に達した。これにはiCloud〔アイクラウド)、アップルミユージック、アップルTV+〔プラス)の定額利用料、アプリの販売手数料、ブラウザー「Safari(サファリ)」とのデフォルト検索エンジンにするためにグーグルから支払われる料金などが含まれる。
5.これらは、アップルの端末を購入する人ではなく、使う人から得られる収入である。アップルは今週、毎年恒例の開発者会議を初めて全面的にバーチャルイベントとして開催したが、同社の開発者コミュニティーとの実入りの多い関係はこれまで以上に重要性を増し、動揺してもいる。技術調査会社ムーア・インサイツ・アンド・ストラテジーのバトリック・ムーアヘッド社長は、世界経済の低迷でスマートフォンを購入する人が減る可能性があると話す。アップルは前回の決算電話会見で、スマホの買い換えサイクルが既に長期化している点を指摘しており、顧客に買い換えを促すために、しばらく前から価格を下げ始めている。
6.ゴールドマン・サックスのアナリストらは、iPhoneを購入する人たちは安いモデルを選ぶようになり、アップルが販売するiPhoneの非常に重要な平均価格は一段と落ち込む公算が大きいとみている。この打撃は、iPhone所有者がワイヤレスイヤホンやアップルミユージックなどの他の製品やサービスを消費し続ける限りは緩和される可能性がある。特にアップルのアクセサリーやサービスは、上位機種のハードウエアよりも利益率が高いためである。
7.アップルの成長が続いている理由を示す2つ目の数字は、世界で実際に使用されているアップル端末の数である。このアクティブ端末数は毎年、約1億台単位で増えている。それにはiPhone、iPad、Mac、アップルウオッチ、セットトップボックスのアップルTVのほか、売れ行きの芳しくないスマートスピーカーさえも含まれる。ただし、単体ではインターネットに接続できないエアポッズは含まれない。アップルのアクティブ端末数は16年には10億台だったが、現在は15億台に上る。その約3分の2がiPhoneだとサイバート氏は話す。
8.同氏の推計によると、約10億人いるiPhoneユーザーの半数くらいは他のアップル端末を持っていない。こうした人たちの多くは米国外の最近iPhoneを新規に購人した人たちで、アップルにとってサービス収入やiPhonc以外の端末売り上げを成長させ続けるのに必要な肥沃な土壌を意味する。アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は1〜3月期決算会見で、エアポッズやウオッチ、ホームボッドをはじめとする「ウエアラブル、ホーム、アクセサリー」の売上高は63億ドルに上り、同期のウオッチ売上高の75%が新規購入者からのものと明らかにした。
9.アップルは、このカテゴリーだけで今やフォーチュン誌の企業番付で140位に入る企業と同程度の大きさだと述べている。つまり、年間売上高が225億ドル前後あるということである。iPhonc所有者にノートプックパソコンなどの高額なアップル製品を購入させるには、アップルは長年してこなかったことに取り組む必要がある。Macの優先的な開発である。パソコン市場では、アップルはマックブック・エア以来、市場シェアを獲得していない。アップルが今年のWWDCで、MacBookの一部のチップをインテル製からアームの設計に基づく内製チップに移行すると発表した場合、垂直統合を利用してノートパソコンの魅力を高め、ウィンドウズパソコンから乗り換えさせることができるかもしれない。


yuji5327 at 06:36 

2020年07月01日

国際社会はプーチン大統領を信用しない。クリミア半島には、ロシアの軍港セバストーポリがある。ロシアの領土戦略が不凍港にあり、クリミア半島にこだわる理由である。


「池上彰と増田ユリヤ著:東西狭間の歴史的舞台・クリーア半島 PRESIDENT 2020.7.17」は参考になる。
1.PCR検査の態勢をはじめ、日本の新型コロナへの対応には批判的な声もあるが、国民の自粛によってここまで感染者数を減らすことができたことは、評価すべきことだろうが、いろいろな店が自粛で閉めていて、書店も閉店していたところが多くて、本好きには辛い日々だった。
2.新型コロナに関する最新情報を世界中から集め、WHO感染症対策に当たっている進藤奈邦子さんは、5月半ば時点での日本の対応や状況を非常に肯定的にとらえていた。世界的にみて、強制や罰則規定を設けず、医療崩壊を起こさずにここまで感染者数と死者数を抑えることができたのは、日本の高度な医療体制と国民性によるものと、自信をもっていいと言っていた。
3.進藤さんは、新型インフルエンザやエボラ出血熱の対応でも最前線で活躍してきた感染症のプロフェッショナルで、嬉しい発言である。新型コロナから身を守るための行動としては、いわゆる「3密」をつくらないこと、マスクの着用と手洗いの徹底など、基本的な衛生管理が大切だということを実感するようになった。今や当たり前の季洗いだけど、その重要件を訴えたのはハンガリー人の産科医ゼンメルワイスという人である。出産直後に産褥熱(細菌感束による発熱}で母親が命を落とす原因は、医者が手洗いをせずに処置していたことだと気づいた。
4.わずか170年前の山来事である。彼は、手洗いや消毒の効果をデータできちんと示すしたにもかかわらず、当時の医学界には受け入れてもらえなかった。彼の没後、パスツールが細菌論を確立してからようやく認められたのだから、先駆者はなかなか認められないね。同じ頃、衛生.管理の徹底で看護の基礎を確立したのが「白衣の天使」英国のナイチンゲールである。19世紀半ばのクリミア戦争に従軍し、負傷兵の看護に当たったが、男尊女卑の当時、戦地で女性は受け入れてもらえなかった。
5.誰の管理下でもないトイレ掃除から始めることで自分の立ち位置を確保。シーツや包帯の交換と洗濯、病室の換気、栄養管理など、今では当たり前のことを徹底させ、死亡率を劇的に低下させた。看護師としてのイメージが強いけれど、ナイチンゲールは統計学者でもあった。クリミア戦争後、陸軍の医療制慶の改善を訴えたけれど、なかなか受け人れてもらえなかったけれども、データをもとに、当時のヴイクトリア女王に訴えて協力を得ることができた。データをもとにして方針を変えさせていく。粘り強い戦略家である。
6.戦場となったクリミア半島を、今から10年ほど前、ヤルタ会談の会場となったリヴァディア宮殿を取材した。リヴァディア宮殿といえば、ロシア最後の皇帝ニコライ2世の別荘だった。ヤルタというのは、黒海に面した、風光明媚な観光地である。皇帝や貴族の別荘地であり、結核患者や旧ソ連時代の労働者の保養地でもあった。
7.ここで歴史が動いた。当時のソ連の独裁者スターリンは猜疑心の塊である。モスクワから危険な飛行機でなく安全な列車で行ける場所としてヤルタを選び、アメリカのルーズベルト大統領とイギリスのチャーチル首相を呼んで会談を開いた。1945年2月。米英ソの、3国首脳が集結し、対独処理とソ連の対日参戦、南樺太・千島列島のソ連帰属など多くの秘密協定を結んだ。
8.ヤルタ会談の最中に、ソ連が解放した東欧諸国の扱いについて、英ソが対立するようになった。それからまもなく4月には、ルーズベルトが死去。3国間の協調も崩れていった。クリミア半島は、幾度となく歴史の舞台になってきた場所である。最近では2014年3月にロシアのプーチン大統領が、ウクライナ領のクリミア自治共和国をロシア領に併合する、と発表し、欧米諸国が猛反発した。経済制裁にまで発展した。まるで「新」冷戦時代のような事態となった。
9.ロシア側の説明だと、クリミアの人たちが住民投票でロシアへの帰属を決めたから、プーチン大統領は、住民の意向を尊重して併合した、と言っていた。当時の住民投票は正体不明の軍事組織が監視する中で実施されたけど、プーチン大統領は、ロシア軍はクリミア半島に1人もいない、と説明していた。ところが、翌年出演したテレビ番組で、いつクリミアを取り戻そうと決意したかを聞かれ、ウクライナで親ロシア派のヤヌコビッチ政権が倒れ、大統領がロシアへ亡命し、親EUの政権ができたとき、と答えた。ロシア軍を送り込んでいたことも認めた。
10.住民投票で住民の支持を得たからではなかった。国際社会もプーチン大統領の言うことをあまり信用しない。クリミア半島には、ロシアの軍港セバストーポリがある。ロシアの領土戦略が不凍港を求めるという点も、クリミア半島にこだわる理由である。極寒の地ロシアでは、冬になると港が凍ってしまって、船が外に出られなくなる。そのため、何としても不凍港を確保しておきたい。そこで帝政ロシアの時代から、南に領土を広げていく南下政策をとってきた。だから、クリミア半島にこだわり続けてきた。


yuji5327 at 07:02 

2020年06月30日

9月入学は絶対にやめたほうがいい。6月に入って学校は再開されたのだから、夏休みを短縮したり、休日を活用すればキャッチアップは十分に可能である。


「大前研一著:9月入学にメリツトなし長い夏休みこそ見直せ PRESIDENT 2020.7.17」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.新型コロナウイルスによる感染拡大で休校措置が長引く中、にわかに浮上したのが「9月入学」を巡る議論である。4月29日に開かれたオンラインの全国知事会では9月入学の検討が提言された。「9月入学はグローバルスタンダード。実現するならこのタイミング」かない」(吉村洋文大阪府知事〕、「教育システム、社会システムを変えるきっかけにすべき」〔小池百合子東京都知事〕と賛同する声が相次ぐ一方で、「拙速な導入には反対。コロナに紛れてやるのかという批判もある」〔福田富一栃木県知事〕といった慎重論、反対論も聞こえてきて、永田町や霞が関、学校教育の現場を巻き込んで百家争鳴という状況になった。
2.当初、安倍晋三首相は、「有力な選択肢の一つ。前広に検討していきたい」と前向きに語っていた。自らの判断で一斉休校を要請して長期休校の引き金を引いた以上、子どもたちの学習の遅れをカバーできるようなアイデアが欲しい。その1案として政府は9月入学の検討に入った。5月19日には文部科学省が2021年から9月入学に移行する場合を想定した2案を提示した。一気に移行する第1案では、14年4月2日から15年9月1日生まれまで、17カ月分の児童を来年度に一斉入学させる。毎年13カ月分の児童を入学時期をずらしながら入学させて、5年かけて段階的に移行するのが第2案である。
3.どちらにしても制度移行期には児童の数が増えるので教室や教員が不足するし、将来の受験や就職では競争相手が増えて不利が生じかねない。一時的に急増する待機児童の問題、入試や資格試験との日程調整の必要性、会計年度など社会システムとのズレ等々、課題が浮き彫りになって、財政コストは6兆円超との試算も出てきた。学校現場や家庭の負担も大きく、教育関連団体やPTAなどから制度移行に伴う混乱を懸念する声や慎重な議論を求める声が相次いだ。
4.緊急事態宣言解除後の6月に学校再開の見通しが立った頃には、風向きは慎重論に傾いた。与党公明党や自民党から拙速な導入に釘を刺す提言がなされると、安倍首相は「今年度、来年度の法改正を伴う形での導入は困難」とあっけなく白旗を掲げた。コロナ対策の迷走ぶりや検察庁法改正案を巡る混乱によって安倍政権の支持率、求心力は急激に低下した。難題山積の9月入学を実現する突破力は、もはや安倍政権にはないということである。
5.今回の9月入学の議論を傍から眺めていると、4月入学の遅れに対処できていないという「日本の恥」をさらしたようである。4月の学校再開が間に合わず、5月の目処も立たない中、「9月入学なら間に合う」という安易な考えが9月入学に前のめりになった入たちの頭の片隅にあっただろう。9月入学はグローバルスタンダードと言われる。確かにG7(先進7力国〕で4月入学は日本だけで、G20でも日本とインドだけである。
6.入学時期のズレが日本の大学の国際化を遅らせる一因になっている(グローバルスタンダードの9月入学に移行すれば国際交流は促進されるし、留学もしやすくなる)という論調もよく聞かれる。しかし、9月入学のメリットにこれを挙げるのは留学の実態を知らない人である。現状、世界の一流大学に留学する日本人学生の数は劇的に減少している。理由は明白で、日本人の学力が非常に落ちているからである。「日本人の留学生は入学して2年くらいで、ようやく今日スタートしたら何とかなるレベルに到達する」とアメリカの大学で教えている日本人の先生はよく言う。他国の学生よりクラスでの発言も成績も、2年分遅れている。
7.現地で厳しい目に遭って2年くらいもがけばようやく初年度の学生程度になる。そもそも英語に難があるから、向こうで語学学校に1年〜1年半通わなければ、大学の授業についていけない日本人学生も多い。1990年代にアメリカのスタンフォード大学とUCLAで教鞭を執った大前氏が一番心配しているのは、世界各国から集まる学生の中で日本人は全く目立たないし発言しない。60年代にMITに留学した頃は、日本人はそれなりに頑張っていたし、特徴ある学生も散見された。そういう情勢を踏まえれば、入学時期がずれているのは学力の劣る日本人留学生にとって決して悪いことではない。3月に卒業して4〜7月というのは貴重な準備期間であり、身辺整理や語学の勉強に充てられる。
8.9月入学になれば海外から優秀な人材が日本にやってくるというのは幻想である。海外の優秀な学生は、日本に留学するメリットは何もない。アジアの学生は、かつては韓国や台湾から日本にやってくる留学生は多かった。経営者は日本の企業とのつながりが重要視され、子弟を日本流に育てたかったからである。しかし韓国では金大中政権以降、欧米、英語圏に完全にシフトして日本に留学する学生はほとんどいなくなった。台湾人は義理堅いから親子3代慶応…みたいな家柄が今でもあるが、MBAを取るための大学院はペンシルベニア大学のウォートンスクールだったりする。
9.今どき、日本に来るとすれば中国の学生ぐらいで、欧米の一流大学に合格できず、なおかつ日本への留学で奨学金を獲得できた場合だけである。競争が激しい中国では優秀な人材は日本など見向きもしない。眼中にあるのは英米の一流大学であり、次が中国国内のトップ大学。その次がオーストラリアやカナダという英語圏である。格落ちの日本の大学の卒業証書は出世の妨げにしかならない。日本に留学するためには日本語を習得する必要がある。英諸圏のインドやシンガポール、香港の学生にしてみれば、英語たけで欧米の一流大学に留学できるのに、面倒な日本語を学ぼうと思う人は稀少である。台湾と韓国でも日本語を学ぶ人はめっきり減っている。インド人のエリートは一流大学でICTと英語を究めれば、GAFAをはじめグローバル企業から高給オファーが殺到する。
10.9月入学に変更すれば大学の国際化が進み、留学が活発化する、などいうのは実態を知らない人の言うことで議論自体がナンセンスである。2学期制の中で長期休暇のバランス見直しを冷静に考えて9月入学のメリットが一つあるとすれば、長い夏休みが学習の妨げにならなくなるということである。日本の大学の多くは前期が4月から始まって9月まで、後期が10月から次の年の3月までという2学期制を採っているが、勉強のサイクルとしては最悪である。4月に立ち上がったばかりの学期が1カ月半の夏休みによって腰砕けになる。ようやく勉強の調子が上がってきたところで夏休みモードに入って、長い夏休みが終わるとすっかりたるんでしまう。
11.入学時期が9月になれば、長い夏休みで勉強が腰砕けになることはないが、そのために9月入学にする必要はなくて、夏休みも冬体みも1カ月にしてバランスを取ればいい。ちなみに、BBT大学・大学院は4月入学と10月入学の2期制。好きなときに入ってくればいい。サイバー教育だから、夏休みは関係ない。4月入学と10川入学の割合は6一4というところである。BBTと提携してMBAコースを提供しているオーストラリアのボンド大学は2月、6月、10月と年3回入学のタイミングを用意している。3カ月単位で集中的に勉強して4カ月目に試験。このスケジュールなら頑張れば1年でMBAに必要な単位が修得でき、授業料を大幅に倹約することができる。
12.コロナ禍で学びの機会を失った子どもたちをリセットして再出発させる手立てとして、9月入学は絶対にやめたほうがいい。6月に入って学校は再開されたのだから、夏休みを短縮したり、休日を活用すればキャッチアップは十分に可能である。どさくさ紛れや絵空事の議論ではなく、グローバル時代に相応しい教育システムをいかに再構築すべきか、国民的な議論を深めてほしい。




yuji5327 at 06:33 

2020年06月29日

北朝鮮がミサイルを撃ち込んで来ても、1発目は誤爆の可能性もあり、反撃できない。2発目は明らかな攻撃意図を確認し、日本から攻撃することができる。

2020/6/26付の「大前さんの「ニュースの視点」(発行部数 157,904部)は「サイバーセキュリティ/弾道ミサイル防衛/憲法改正〜「イージス・アショア」配備停止の理由とは?」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日経新聞は21日、「サイバー防衛、遅れる日本」と題する記事を掲載した。自衛隊が来春までにサイバー部隊の人員を3割増加の約290人に増やす一方、米国、中国、ロシアに比べると圧倒的に少ないと紹介した。
2.防衛省は専門家のヘッドハンティングを検討しているものの、その動きは鈍く、体制の強化が遅れると米国との協調に影響が出る可能性もあるとしている。米国のサイバーセキュリティ人員は、民間企業に勤めていて国防省から依頼を受けている人も含めて約6000人。中国は国策によって10万人を超える規模を誇っていて、ロシアでさえ1000人規模である。各国と日本を比べると桁違いである。
3.サイバーセキュリティというと「守る」イメージが強いかもしれないが、実際には、お金や情報を盗む行為、相手の動きをサボタージュする行為など「サイバー攻撃」も含まれてる。中国には、戦略支援部隊の下にサイバー部隊がありますが、
このうち約3万人は攻撃部隊だと言われている。
4.また北朝鮮には6800人のサイバー部隊がいて、仮想通貨を盗み出して換金するなど、国家の「稼ぎ」にもつなげているという噂もある。韓国の公共インフラを停止したり、原子力発電所を暴走させたりすることもできると言われている。ミサイルも北朝鮮の脅威の1つだが、もし韓国へのこれらの攻撃が可能だとしたら、世界的にも大きな混乱を招く可能性がある。
5.河野防衛相は15日、地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を撤回すると表明し、これを受けて政府は計画撤回の方針を固めた。ミサイルの「ブースター」と呼ばれる推進補助装置を想定の位置に落下させるには設備の大幅な改修と追加コストが必要なことを受けたもので、安倍首相は「この夏に徹底的に議論し、新たな方向性をしっかりと打ち出し、速やかに実行していきたい」と語った。
6.発表通り、ハードウェアの改修に10年以上かかるとしたら、北朝鮮の状況がどのように変化しているかもわからない。イージス・アショアの調達費4500億円のうち、すでに約1800億円を契約済みだが、米国も、本当にこのシステムで問題ないと思ったのであれば、完成したものを売り込んでほしかった。それを共同開発の形で、無理やり未完成品を売り込んできたトランプ大統領に、日本は屈してしまった。
7.イージス・アショア配備プロジェクトは、導入の初期段階から候補地の1つとなった秋田にて、防衛省のずさんな調査などにより地元から大きな反発を受けるなど、順風満帆ではない。これだけ大きなプロジェクトを停止するのは、唐突な発表だった。以前から
「イージス・アショアは使えない」とわかっていて、河野外務相が節操を持って決断したのかもしれない。
8.イージス・アショア配備を白紙にするとなると、日本は従来通り、海上のイージス艦と地対空誘導弾パトリオット(PAC3)による迎撃で防衛することになる。イージス・アショアの代案をどうするのか? 今後、早急に考える必要がある。韓国は、中国やロシアから大きな反発を受けながらも、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を配備した。北朝鮮の動向次第ではあるが、日本も韓国と同様にTHAADを導入するという結論になるかもしれない。
9.別の根本的な問題として、日本が「抑止力」をどう捉えるのかという議論がある。日本は憲法によって自ら攻撃することができない。現状のままなら、北朝鮮がミサイルを撃ち込んで来た場合でも、1発目のミサイルだけでは誤爆の可能性を考慮し、反撃の理由にならない。2発目のミサイルで明らかな攻撃意図を確認して初めて、日本から攻撃することができる。
10.日本に向けて飛んできたミサイルを、どのように抑止することができるか、が重要である。今、明らかに北朝鮮が日本を狙ってミサイルの発射準備をしていることがわかるのであれば、先制攻撃をしてもいいのではないか、という議論が起こりつつある。先制攻撃は憲法違反になるが、この方法ならばイージス・アショアなどが無くても対処可能である。
11.日本から攻撃できないことで、問題が複雑化しているのも事実である。ここまで計算の上で、河野防衛相はイージス・アショアの開発中断を発表したのかもしれない。この件については、国家安全保障会議(NSC)で議論することになっているが、先制攻撃を含めて承認するとなると、国内からも強い反発があるでしょうから、一筋縄ではいかない。
いずれにせよ北朝鮮はあらゆる武器を持っている危険な国である。
12.北朝鮮に対して、米国の態度は軟化している。直接的に被害を受ける大陸弾道間ミサイルと核ミサイル以外について、米国は大きな関心を持っていない。日本は北朝鮮の中距離ミサイルの射程範囲内だから、米国に足並みを揃えているわけにはいかない。自国の安全を守るため、しっかりと考え議論すべきである。
13.安倍首相は20日、AbemaTVの番組に出演し、来年9月までの自民党総裁の任期中に憲法改正の是非を問う国民投票を実施することに意欲を示した。その中で安倍首相は、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を優先的に審議するのは当然としながらも、
今の国会で国民投票法改正案の成立が見送りになったことは残念とし、可決にしろ否決にしろ、国民に関わって決めていく、との考えを示した。安倍首相の発表を聞いていて、おかしいと思うのは、8年間も首相を務めてきて、具体的に、安倍首相なりの憲法試案を示したことが一度もない、ことである。
14.自民党の憲法試案はあるが、安倍首相が自ら熱意を持って憲法について語ったのを見たことも聞いたこともない。それなのに、来年までに国民投票で憲法改正をしたいというのは理解できない。安倍首相自身は具体的な憲法試案を出したつもりで勘違いしている。
15.国民投票にあたっては、解散総選挙も辞さない、そうだが、いま解散総選挙をしたら、憲法改正の発議に必要な、衆参両院の3分の2以上の賛成を得る可能性は低い。その後の国民投票で過半数の賛成を得るなど、限りなく不可能に近い。今になって急に安倍首相が、不可能にも近い憲法改正を主張し始めた理由は、橋本徹氏の軽い口調に乗っかってしまっただけかもしれない。
どんな理由にせよ、


yuji5327 at 06:42 

2020年06月28日

14世紀の教会に当たるのが現在の国民国家である。全米で広がる抗議デモは国民国家への不満や怒りで、教会を倒した宗教改革とも言える。


「水野和夫(法政大学教授)著:国民国家・資本主義の終焉 週刊エコノミスト 2020.6.30」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.「コロナとの共生」―新型.コロナウイルスの世界的な感染拡大を前に、100年に1度の危機を乗り越えようという訴えかけに、疑問を感じている。2008年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災でも、そう喧伝されたが、2〜3年もすれば元に戻った。
2.仮に14世紀のペスト以来の大変革期を迎えたという認識なら理解できる。それまで絶対的な権威で地域の秩序を構築していた教会が、ペストの前に何ら有効な解決手段を打ち出せず、死者が多いあまり葬儀さえできない実態をさらけだした。これが後のルターによる宗教改革につながり、現在まで続く国民国家の形成への一大転機になった。
3.14世紀の教会に当たるのが現在の国民国家である。全米で広がる抗議デモは国民国家への不満や怒りで、教会を倒した宗教改革とも言える。白人警察官による黒人男性の暴行・死亡事件はそのきっかけに過ぎない。国民国家における資本圭義を極めた米国で、貧富の差は臨界点を超え、コロナで医療分野でも富める者は救われ、貧しい者は切り捨てられる状況に米国民は、もはや国家は国民の生命・財産を守ってくれないと、国民国家に反旗を翻した。
4.日本でも為政者は安全な場所から「コロナとの共生」と、国民に訴えるが、テレワークがままならないサービス業などの従事者は感染リスクにさらされたままである。休業要請をするだけで補償がないのだから、生活のためにやむを得ず、感染リスクが高い最前線に追いやられている。日本でも「国家は国民を守ってくれない」という不満は日に日に増している。「企業は株主だけでなく、従業員や取引先、地域社会といつたさまざまな利害関係者を重視しなければならない」と、最近になって言い始めた。
5.であれば、積み上げた内部留保463兆円(19年3月)で、国民生活を支援する時である。463兆円のうち、生産性向上や低金利による利益が132兆円となる。これは本来、支払われるべき賃金や利子に該当するから、未曽有の危機の今、国民に還元すべきである。内部留保は200兆円あれば、十分だから残りの131兆円は、休業要請に応じた小売業などの補償に使えば良い。
6.国民国家における資本主義体制が誕生して約400年たつが、その限界が見えたのは、1971年のニクソン・ショック〔金とドルの交換停止)だった。その後、日本のバブル崩壊(90年)でも同じシグナルである。バブル崩壊を金融緩和でごまかし、さらに大きなバブルを作って無理やり成長させる資本主義は、限界に達している。
7.約1世紀前のスペイン風邪は、第一次世界大戦の終戦を早めたというが、その後、全体主義やブロック経済で、第二次障界大戦へと向かった。100年後の現在、再び流血を経て体制転換に向かうようなら、22世紀の人々は「20世紀も21世紀も地球人は野蛮でしかなかった」という評価を下す。


yuji5327 at 07:02 

2020年06月27日

過去30日間に慈善活動に寄付をした国民の割合の1位はミャンマーの88%、2位はインドネシアの77%、以下オーストラリア、ニユージーランドと続く。


「池谷裕二著:闘論席、週刊エコノミスト 2020.6.30」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.イングランド出身の元サッカイー選手ベッカムの私的メールが不正侵入されたとき、ベッカムは脅迫に屈せずに要求額を払わなかった。その腹いせからハッカー集団は盗取した私的メールをリークさせたが、そのメール内容でベッカムは世間から非難を浴びることになった。
2.ベッカムはユニセフの親善大使を務めているが、これが慈愛心からではなく、慈善活動を公に認めさせることでナイトの爵位を獲得するためであったことがメールに赤裸々に書かれていた。
3.この事件はベッカムのイメージダウンにつながったとするのが世間一般の解釈だが、こうした論調そのものに問題があるとする意見もある。慈善の意義が問われているのである。
4.慈善のスタンスは国によって大きく異なる。イギリスのチャリティー団体CAFが発表した世界寄付指数リポート2018版によれば、過去30日間に慈善活動に寄付をした国民の割合の1位はミャンマーの88%、2位はインドネシアの77%、以下オーストラリア、ニユージーランドと続く。
5.米国はかつて上位の常連だったが、ここ10年で10%以上落ち込み、いまは12位である。寄付離れが進んでいるのである。その一因が、他人のための行動は利己的な行動よりも清らかなことである、と、寄付を美徳としてあがめすぎたからだと指摘されている。6.人は他人の目があったほうが善行に励む。実際、名前を公表する募金のほうが寄付者は多い。つまり、人間は自尊心を持ち、善行のバランスを取り、究極的には自分のために動く生き物であるため、その心理を無視して「無償の愛」をうたうと逆効果になる。
7.社会福祉において重要なのは「結果」であって「動機」ではないということか、現代は慈善のありかたが変わる節目にあるのかもしれない。


yuji5327 at 06:31 

2020年06月26日

変革の時代には、キャリアリスクを考えな方が企業のリーダーになる。急激に変化する状況では、今から手を打ち、機会損失のリスクを軽減した人が抜きんでる。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、危機で見直すべき三つのリスク 週刊ダイヤモンド 2020.06.27」は参考になる。
1.新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞で、日本企業のイノベーションへの取り組みが揺らいでいる。過去数年間、イノベーションを推進する部署を新設し、シリコンバレーに社員を送り込んでベンチャー投資や事業開発を始めた企業が急激に増えていた。しかしコロナ危機が本格化した途端、提携案件や新規投資をストップし、嵐が過ぎるのを待つ姿勢に変わってしまった。
2.米ボストンコンサルティング・グループが、米国の大手上場企業の業績を過去4回の経済危機前後でどう変化したかを調べたところ、市場全体が落ち込んだにもかかわらず、14%の企業が増収・増益を果たした。これらの企業を詳細に調べてみると、成功の鍵は以下の3つに集約された。すなわち(1)素早いアクション、(2)長期的な視野、(3)コストカットと成長の両方を目指すことである。コロナ危機において、日本企業は(1)の素早いアクションに関しては合格である。テレワークなどへの転換は早かった。(3)のコストカットも、デジタル化の推進で効率を上げる流れができている。問題は、(2)の「長期的な視野」と、(3)の「成長」を目指しているかどうかである。
3.未来を見据えて新しい事業機会を求め、困難をイノベーションで乗り切り、さらに成長の道筋を付ける企業が伸びるのだが、多くの日本企業の経営トップにはその覚悟が足りない。危機は事業環境の変化のときでもあり、事業イノベーションを起こす絶好の機会である。イノベーションは、余った収益で現場の改善を行うことではなく、企業の体質を根幹から変えるような、経営トップが関わる戦略的プロセスであるという大前提を理解すべきである。
4.経営トップは会社の将来のことを一番真剣に考えている人間である。多くはイノベーションによる飛躍を望んでいるが、なかなかイノベーション活動が続かない背景には、幾つかの根本的な問題がある。中でもリスクに対する考え方は、最も大きなもので、危機が起きると、企業活動を止めることがリスク回避だと考えている人が多いようである。しかし、活動を止める前にリスクには2通りあることを考えるべきである。
5.リスクには純粋リスクと投機的リスクがあり、自然災害やコロナによる死亡のように、損害だけを一方的に生じさせるのが純粋リスクである。それに対してあらゆる社会事象で「ロス(損)」と「リターン(得V」が相まって生じるリスクが、投機的リスクである。コロナ危機の広がりで、素早くテレワークに移行したのは、純粋リスクの低減のためである。しかし、投資や経営判断のような企業活動のリスクは、皆投機的リスクである。このリスクを追うことで、企業はリターンを獲得する可能性があるが、ロスのリスクを抑えながら最大限のリターンを求めるのが、投資や経営の醍醐味である。
6.リスクとは「危険」と同一義ではなく、危険だからロスを被るわけではない。リスクとは、その「可能性」であり、危険はその可能性に影響を及ぼす状態だから、企業活動を止めることは、純粋リスクの回避にはなるかもしれないが、投機的リスクにおいてはリターンの可能性も放棄することになる。コロナ危機での既存事業のコストカットや事業プロセスの合理化は、投機的リスクのロスの可能性を抑える最優先の施策である。
7.長期的視野に立ったイノベーション活動をどう扱うかは、将来に大きな花を咲かせるための種まきと育成だから、投機的リスクの観点からは、継続することが最重要である。継続しないと将来に期待できるリターンを逃す機会損失のリスクが極大となる。継続することによりかかるコストは、企業規模と比べ通常は小さく割り振られており、額は固定されているので、リスクは保有しても大きなロスとなる可能性は低い。
8.現在多くの企業で行われるようになった、スタートアップ企業への投資やコーポレート・ベンチャーキャビタル(CVC)の活動は、経済危機でも継続させるべきである理由はそこにある。ここで手を緩めると、リスクは抑えているように見えても、実際は今まで蓄積した経験やネットワークを損切りし、さらに将来の機会損失という目に見えない大きなリスクを増やすことになり、「継続は力なり」である。そのまま継続するのではなく、今までのイノベーション活動を棚卸しした上で、むしろ活動を加速すべきである。
9.イノベーション活動そのものが目的化していたら、スタートアップ企業の中から自社の事業を脅かすようなビジネスモデルを抽出して、事業改革のビジョンをつくるべきである。直接投資やCVCからの投資が進んでいない場合は、思い切って投資の専門家を配置し、投資に自立性を持たせる。投資は順調に行われているが、現業部門の事業改革や進化につながっていない場合は、投資側と現業側の責任と評価軸(KPI)を明確にして、相互の評価を開始した方がいい。
10.経営幹部のキャリアリスクという、イノベーション活動の維持を難しくさせる隠れた問題がある。長期的視野に立ち、リスクを負つて未来へ投資する場合、目の前のコスト増と成果までの長い時間は人事上のマイナス評価につながる危険がある。何もしないことによる機会損失のリスクはすぐには見えないので、人事評価の項目には入りにくい。だから経営幹部の目には、イノベーション活動を継続することは、キャリア上のリスクが高く見える。経済が悪化したときに、経営幹部がイノベーション活動に消極的になるのはこのためである。
11.これからの変革の時代には、キャリアリスクをあまり考えない人の方が企業のリーダーになる可能性が高い。急激に変化する状況では、今から手を打ち、機会損失のリスクを軽減した人が抜きんでるからである。アフターコロナに向けて、イノベーション活動を加速させるために、投機的リスク、機会損失リスク、キャリアリスクの3つの視点でリスクを見直すべきである。


yuji5327 at 07:22 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
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・技術翻訳、特許調査
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お気軽に下記にメールをください。
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
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