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2020年01月19日

トランプ氏は前回の大統領選挙で、全米ライフル協会から約32億円の資金援助を受けている。民主党の候補でも、反対論者の票を得るために暖昧にする人が多い。


「池上彰と増田ユリヤ著:ティファニーの受難^アメリカ 、PRESIDENT 2020.1.3」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.今年9月、ニュージャージー州でエリザベス・ウォーレン候補の集会を取材したあと隣のニューヨーク州へ行った。ニューヨーク州は大統領選挙の手続きが早くて、民主党の代表選に投票したければ、10月11日までに「民主党を支持します」という登録が必要だった。
2.候補者を決める党大会は来年7月である。ほかの州では、民主党でも共和党でも党員集会の日に行けば、その場で党貝になって1票入れられるところが多い。3年前の前回選挙では、トランプ候補の演説の暴言を聞いて「面白い。投票してやろう」と思った人たちが共和党の党員集会に押しかけていって、共和党員が激増した。共和党は、政治にまったく関心のない、にわかトランプ支持者に乗っ取られた。
3.去年、ミネソタ州の大豆農家の方は、中国との貿易摩擦で、大豆を輸出できなくなって困っている、と訴えた。今回、インタビユーしたら、その件でワシントンまで陳情に行ったと言っている。それなのに、トランプ氏を支持している。民主党は環境問題に対する規制が厳しいから、政権を握れば自分たちの農業活動に制豹が多くなるという理由である。
4.一方、前回はトランプ氏に投票したが今度はやめる、という人もいる。銃の愛好家だが、殺傷能力の高い銃を売ることに反対する活動をしている。銃の愛好家だが、規制は必要という立場である。だから、銃規制を進めてくれる人に投票すると言っている。
5.トランプ氏は前回の大統領選挙で、全米ライフル協会から約32億円の資金援助を受けている。民主党の候補でも、南部に多い銃規制反対論者の票を得るために、この問題を暖昧にする人が多い。しかし、銃の乱射事件は後を絶たない。
6.アメリカの人約3億2700人に対して、出回っている銃は約4億丁といわれる。テキサスの店舗が乱射事件の現場になった大手スーパーのウォルマートは拳銃と弾丸の販売をやめるなど、規制の動きも出てきてはいるが。ニューヨークでは、五番街にあるトランプタワーの前でこんな光景が見られた。ニューヨーク市清掃局のごみ収集のダンプカーが停めてあり、テロ対策である。爆発などがあった場合、山盛りの土を積んだダンプカーは頑強な防御になる。トランプが大統領になってから、大きなイベントがあると出動する。国連総会でもそうだった。
7.清掃局の車もあ.るのは、ニューヨーク市全体として警備しているという意味である。周りは警官だらけだから歩くのも大.変で、隣にあるティファニー本店が気の毒だった。お客は脇の入り口から出人りしていた。トランプ大統領は、所得税のないフロリダ州へ定住地を変更したが、4階にある「ティファニーで朝食を」ができるカフェに行ったら、予約が一杯で入れなかった。集客のために、2017年11月にオープンしたが。ティファニーは米中貿易摩擦の余波も受け、業績が伸び悩んでいて、フランスのルイヴィトンが買収することで合意した。
8.エリザベス・ウォーレンに勢いがある。ただ、バーニー・サンダースさんの支持者が「ウォーレンは、バーニーのコピーをしているだけだ」と言うように、政策が似ている。女性の大統領は嫌だと考える人も根強くいるし、ウォーレンさんは70歳だから決して若くはない。かりにウすーレンが大統領候補に選ばれたら、37歳のピート・ブティジェッジのような今後に期待できる若い人を、副大統領候補に立てればいい。
9.アメリカの大統領選挙は、大統領と副大統領をセットで選ぶ。大統領に何かあったとき、副大統領も国民から選ばれた人なら、代役を果たせるからである。オバマみたいな若い大統領だと、年配の、ハイデンを副大統領につけたりする。トランプ大統領の場合は、共和党との関係.が.悪いから、問を取り持つために主流派のペンスを副大.統領にしている。バランスを取っている。
10.前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ(77]が民主党からの出馬を表明するなど目が離せない状況である。共和党のほうは、トランプ大統領の対抗馬として2人が名乗りを挙げているが、支持は広がっていない。今年2月のアイオワの党員集会から始まって、毎週のように各州で党員集会や予備選挙が開かれるが、3月の第-一曜日に集中するので、スーパーチューズデーと呼ばれている。今回は3月3日で、大票田のカリフォルニァ州の予備選挙は前同まで6月だったのが、今回からスーパーチューズデーに加わり、この日に全米の3分の1くらいの州で投票があるので、候補者はほぼ絞られてくる。

yuji5327 at 06:40 

2020年01月18日

インターナショナルスクールやインターナショナルコミュニティもある便利な街だが、中国本土から見れば香港の存在価値は大きく低ドしている。

PRESIDENT (プレジデント) 2020年 1/31号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2020-01-10

「大前研一著:"嫌香港"が中国本土で急増中、PRESlDEN 2020.1.3」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国が大国化した理由と戦略について考察した。巨大な人口と広大な国土、奥深い中華文明の歴史は、大国化のファンダメンタルである。それを束ねる共産党一党独裁は、人権抑圧などの問題を抱えながらも、政府の号令一下によるスピード変革を可能にして経済成長を促した。
2.さらには中央集権的な政治体制の一方で、地方の首長や党書記に経済・経営面での権限を与えて自由に開発させる地方自治を徹底Lたことで、世界からヒト、モノ、カネを呼び込む開発競争が中国全土で巻き起こり、大国化の巨大な推進力になった。
3.このように大国化した中国は、こへ向かうのかは、最高権力者である習近平国家主席の国家観、国家構想が中国の行方に大きく閲わってくる。習近平は2012年11月に胡錦濤や温家宝などのいわゆる第4世代の指導者が引退した後を受けて、中国共産党のトップである中央委員会総書記の座に就いた。翌13年3月の第12期全国人民代表大会杢人俺国会に相当第1回会議において国家主席、国家中央軍事委員会主席に選出され、党、国家、軍の三権を完全掌握した。任命した李克強首相とともに第5世代のリーダー習近平による指導体制が幕を切った。
4.当初はポスト習近平を狙う第5世代、第6世代のライバルもいた。習近平体制は決して強い政権ではなかったが、しかし虎からハエまで叩く「腐敗撲滅運動」という名の権力闘争を仕掛けて、ライバルや足を引っ張る者を徹底的に追い落とした結果、ポスト習近平のめぼしい候補は、今では誰一人いなくなった。
5.17年から2期目がスタート。任期の折り返しで、これまでならチャイナセブン〔党内序列の上位7人。中央政治局常務委員〕に次世代のリーダー候補が入ってくるのが通例だったが、このとき次世代リーダー候補は入らなかった。むしろ権力集中、独裁体制の強化が進んで、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想」という文言が行動指針とLて党規約に明記された。政治思想に個人の名前を冠されるのは毛沢東、鄭小平に次いで3人目のことである。習近平が毛沢東や鄙小平と同等の地位まで「神格化」されたことを意味する。
6.さらに18年3月の全人代では国家主席の任期を「2期10年」までとする規制を撤廃する憲法改正案が採択された。これで習近平は、2期目が終わる23年以降も国家主席として居座り続けて、超長期政権を築く可能性が出てきた。文化大革命以降、過度な権力集中を防いできた中国の集団指導体制は終わりを告げて、習近平は中国伝統の「皇帝」、しかも引きずり下されることのない「終身皇帝」になった。
7.「皇帝習近平」は何を目指すかは、17年の共産党大会の演説で、習近平は21世紀半ば門(2049年が中国の建国l00周年に当たる〕までに「社会主義現代化強国」を築くという新たな目標を打ち出している。社会主義現代化強国とは、民主主義や自由主義などの西洋の価値観に毒されることなく、中国本来の社会主義思想をもって、それを時代に適合した形で発展させ、特色ある社会主義思想となり、強国化していく、ということである。
8.すでに世界第2の経済大国だが、経済力も国防力も高めて強国化する。習近平は今世紀半ばまでに世界一流の軍隊を建設することも目標に掲げている。総合的な国力でアメリカに対抗できる覇権国となって世界をリードするという構想である。
9.このような習近平の思考といつまでも収束しない香港の問題を分けて考えることはできない。今年10月l日の建国70周年記念式典の演説で習近平は「一国二制度は堅持する」と述べた。しかし、習近平の本質は強烈な一国主義者であり、ウエイトが置かれているのは「二制度」ではなく、あくまで「一国」である。国の根幹を揺るがす二制度など許されない。一国二制度というのは中国が貧しく弱々しかった時代に台湾や香港、マカオなど、かつての植民地を大陸に統合していくための「方便」として考え出された統治構想であって、強大になった今の中国には閲係ない。むしろ邪魔なだけ、というのが習近平の本音と思われる。
10.一国二制度が現実の統治システムとして用いられたのは、1997年に香港の主権が英国から中国に返還されてからである。当時、香港の生活水準は高く、中国本土からすれば仰ぎ見るくらいうらやましい存在だった。小平が改革開放政策の先行モデルである特別区を香港の隣の深圳に設置したのも、香港の繁栄の「おこぼれ」が欲しかったからである。11.当時の深圳は人口30万人程度の貧しい漁村だった。しかし今や人口は1300万人にまで膨らんで、GDPも香港を凌ぐまでになっている。国内外のハイテク企業がひしめき、世界中からヒト、モノ、カネが集まってくる。深圳以外にも北京、上海、杭州、温州、成都、重慶など都市の発展も著しい。となれば、中国政府が「香港の歴史的使命は終わった」と考えても不思議ではない。
12.習近平の頭の中では、しゃぶり尽くした香港はすでに用済みになっていると思われる。香港には多くのグローバル企業がヘッドクオーター(本部〕を置いているが、中国本土の仕事となれば深馴や上海にやって来なければならない。香港は単なる中継基地、海外ビジネスパーソンの家族が生活する拠点でしかない。インターナショナルスクールやインターナショナルコミュニティもある便利な街だが、中国本土から見れば香港の存在価値は大きく低ドしている。
13.中国本土では香港人に対する感情が悪化Lて「嫌香港」が拡大しているという。香港では「自分たちは香港人で中国人ではない」と思っている人が多い。抗議活動がエスカレートするのも、「中国は香港に高度な自治を認める『一国二制度』をねじ曲げ、さまざまなことを形骸化させて『一国一制度』に持ち込もうとしている。デモを『テロ行為』と呼んで警察力をもって鎮圧すべしと香港政府に圧力をかけていると言う主張を強めてきたからである。そうした香港人の言動に反感を覚えて、「香港人は大陸の中国人を下に見ている」と感じる中国人が増えている。「嫌香港」という中国人の感情の裏側には、「自分たちはデモをしたらすぐに捕まるのに」というジェラシーもある。それが「香港の奴らはなぜあんなに偉そうなことを言っているのか」「そんなに中国が嫌なら出て行けばいいじゃないか」といった声に転化して、ネット上に溢れている。
14.アメリカのNBA(全米プロバスケットボール協会〕のあるチームのGMが「自由のために戦おう」「香港とともに立ち上がろう」と香港デモの支持をツイッターで投稿したところ、中国総領事館が抗議声明を出Lたり、中国国営中央テレビが当該チームの試合を放映中止にする騒ぎになった。ネットも盛り上がって「香港で違法行為をしている連中に味方するNBAの試合なんかもう見ない」といった反発の声が中国国内で高まった。
15.本土の中国人は息を潜めて香港情勢を見守るものと思われていたから、「嫌香港」の広がりは予想もしていなかった動きである。しかし中国の動向を見定めるには、こうした動きを見逃さないことが重要になってくる。11月末に行われた香港の区議会選挙で、民主派が議席の約85%を獲得して圧勝した。投票率71%、投票者数約294万人はいずれも香港返還後、過去最高を記録した。民主派は選挙結果を「抗議運動の住民投票」と位置付けたが、そんなことで中国政府は折れない。逆に中国本土の「嫌香港」がさらに激化することも考えられる。
16.問題が長引けば香港の魅力が失われて、海外の企業や優秀な人材が逃げ出したり、観光客が来なくなる。結果、中国のダメージになるという指摘もある。しかし習近平は歯牙にも掛けない。どのみち香港に未来はない。栄えるのは深洲や上海なのだから、香港を脱出した企業や人材が本土に来てくれれば大歓迎という。
17.仏教徒の多いチベットも締め付けている間におとなしくなったし、指導者ダライ・ラマはインドで遠吠えしているだけである。イスラム教徒の多い新彊も、ウイグル族の教化をしていけば、やがて漢民族には逆らわなくなる。世界がなんと言おうが時間をかけて"一国〃に仕上げてみせる。少なくとも皇帝習近平は民主化運動に与することも、妥協することも、同情することもないだろう。彼の頭の中での香港は、火山に飲み込まれて一夜にして歴史から消え去ったポンペイのような姿に見えていると思われる。



yuji5327 at 06:33 

2020年01月17日

官僚不在、対中冷戦に影」と題する記事を掲載した。政権交代に影響されない官僚が舞台裏にいなければ、米国がかつての米ソ冷戦を制することはできなかった。

2019/12/13付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 160,019部)は「米中関係/米トランプ政権 〜官僚組織を破壊したトランプ大統領」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米トランプ大統領は3日、中国との貿易協議を巡る合意について「2020年の選挙後まで待つという考え方を気に入っている」と語った。中国経済への打撃となりうる協議の長期化をちらつかせる一方で、トランプ氏は「中国は合意を望んでいる。合意が適切かどうか見てみよう」とも述べ、中国の出方を伺う姿勢を示した。
2.「大統領選後まで待つなら、トランプは無関係」と思うが、このやり方はまさにトランプ流である。関税の引き上げをちらつかせつつ、中国に妥協を強いている。しかし、次に関税引き上げの対象となるのは携帯電話等であり、上手く事が運ぶかわからない。だから、選挙に影響があると思われる今のうちに農産物を中国にたくさん買わせておきたい、という下心が丸見えである。
3.中国はすでにトランプ大統領の「次」を見据えているから、このようなトランプ大統領のやり方に怯むことはない。ほとんど意味がない米中貿易戦争の結果、ビジネスウィーク誌は「マレーシアのペナンが貿易戦争の勝ち組になっている」という趣旨の記事を掲載している。
4.ペナン島はマレーシアの中でいち早く電子工業が勃興した場所である。米国から締め付けられた結果、中国企業がペナンに移ってきたり、あるいはペナンの企業を経由して中国から米国へ輸出するという迂回輸出が可能になっているす。トランプ大統領が意味のない貿易戦争を繰り広げる中、ペナンが貿易戦争の勝ち組になりつつあるという皮肉な展開になっている。
5.フィナンシャル・タイムズは2日、「官僚不在、対中冷戦に影」と題する記事を掲載した。政権交代に影響されない官僚が舞台裏にいなければ、米国がかつての米ソ冷戦を制することはできなかったと指摘。米国が中国と覇権を競うなら、彼らが再び必要になるものの、トランプ政権下では官僚ポストの空席や離職が相次いでおり、こうした事態は予測もつかないほどの悪影響を米国に長期的に及ぼす。これは、ジャナン・ガネシュ氏の論文で非常に優れた内容である。
6.突然理不尽にクビにされるなど、米国の官僚はトランプ大統領に嫌気が差して自ら辞める人も増えている。トランプ大統領は官僚を使いこなすことができず、この数年で米国の官僚組織を破壊してしまった。
7.米ソ冷戦時代、米国を勝利に導いた一因は、官僚組織によるソ連の分析だったが、今はもう頼ることができない状態である。そして、トランプ大統領の「勘」だけで闇雲にパンチを繰り出しているのが、今の米国である。これは政府機能の低下であり、長期的には米国を破壊したとも言える。米中冷戦を考えたとき、このような状況では長期的に戦っていくことは難しい、とジャナン・ガネシュ氏は指摘している。



yuji5327 at 06:37 

2020年01月15日

再エネは遠くない将来、最もコストが低い電源になる。これを操るプレーヤーがビジネスの勝者になる。


「岡田広行(本誌)著:脱炭素化を前進させる切り札 勃興する再エネ新ビジネス、週刊東洋経済2019.12.7 」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.太陽光や風力など再生可能エネルギーからつくられた電力を単に売るのではなく、「産地が見える」など、新たな価値を伴った形で取引できないか。そんなユニークな発想を持つ企業による次世代型の電力ビジネスが次々と生まれている。
2.「天候によって発電量が左右されるなど、安定性を欠く再エネは.廿えん坊の末っ子"に例えられてきた。その再エネは遠くない将来、最もコストが低い電源になる。これをうまく操ることができたプレーヤーがビジネスの勝者になる」と、デジタル技術を用いた電力取引に詳しい東京大学大学院の田中謙司准教授は、電力ビジネスの未来をこう予測する。3.陸奥湾に臨む青森県横浜町で9月5日、同町と神奈川県横浜市の連携協定に基づく再エネ電力受給開始の記念式典が開催された。人口4500人弱の横浜町で稼働している風力発電施設でつくられた電力を、人口約370万人の大都市である横浜市内の企業などに供給することが決まった。
4.横浜港に浮かぶ博物館船の氷川丸、市内の銀行や学校の建物、地場の印刷会社など横浜市内6カ所に、「横浜つながり」(野坂充・横浜町長)で。横浜町産の電力が送られ始めた。全国各地の発電所でつくられた電力は大手電力会社の送電線を通じて、家庭や企業に届けられている。規制緩和で「水力発電の電力100%」など特別な料金.メニューが登場しているが、一般の電気料金.メニューにどこでつくられた電力であるかは明示されていない。
5.これに対し、今回の連携協定に基づく電力はブロックチェーン(分散型台帳)技術を用いることで「産地」が明示される。それだけでなく、いつどれだけの電力がどのユーザーに届けられたかが詳細にわかるようにもなっている。このユニークな電力取引の仕組みを構築したのが、みんな電力だ。新電力会社の同社は創設以来、電力の生産者とつながる「顔の見える電力」を標榜。長野県内の小規模水力発電施設でつくられた電気を東京都世田谷区内の保育園に販売するなど、発電事業者とユーザーを個別に結び付ける取り組みを続けてきた。
6.2018年にはブロックチェーンを用いた新たな電力取引の仕組みを構築。大手百貨店の丸井グループやアウトドア用品のパタゴニアなど、地域貢献や環境価値を重視する企業に続いて、前述の横浜市内の企業が今回、取引に参加した。横浜市内の企業がみんな電力から電力を購入する場合、購入先として横浜町内の風力発電会社を指定する。そして、CO2排出ゼロの環境価値を証明した「非化石証書」の購入費用や、お礼に相当する「プレミアム」を上乗せした電気料金.を支払う。
7.発電会社には横浜町も出資しており、風力発電の電力が売れると、町の財政にも寄与する。横浜市は50年を目標年とした脱炭素社会実現のビジョン「ゼロカーボン横浜」を昨年10月に策定。今回の連携協定の締結には、それを実現するうえで企業の再エネ電力調達を後押しする狙いがある。
8.電力売買の新形態として、電力とは異なるやり方で再エネ電力の取引システムを構築したのが、東京大学発ベンチャー企業のデジタルグリッドである。豊田祐介社長は、東大特任教授を務めた阿部力也氏の研究室出身で、阿部氏とともに創業した。発電事業者と電力のユーザーを個別に結び付ける新たな電力取引のプラットフォームを構築し、20年2月から取引を開始する。
9.デジタルグリッドの取引システムも最終需要家から電力の産地が見えるが、ユニークなのは株式のように電力を売買できる点である。電力の売り手と買い手がそれぞれ希望する価格や量を提示し、一致するまでやり取りを続ける。電力の販売に必要な小売電気事業者の登録資格をデジタルグリッドが取得し、「計画値同時同量」と呼ばれる、需給を一致させる業務を一手に担う。
10.その一方、売買に参加する企業はデジタルグリッドと「取次店契約」を締結することで、電気事業法の規制をクリアする。「電力取引の専門資格やシステム投資なしで取引ができ、電力取引のプレーヤーを増やすことができる」。
11.想定する取引参加企業の顔ぶれは多彩である。これまで大手電力会社に安い価格で電力を買い取られていた、家庭ゴミを燃料とする発電所がその一例である。太陽電池メーカーも電力の売り手になる。従来はユーザーにパネルを販売するだけのビジネスだったが、ユーザーが設置したパネルで発電した電力のうち、ユーザーが使い切れなかった分をデジタルグリッドの取引プラットフォームを介して別のユーザーに販売することができる。



yuji5327 at 06:45 

2020年01月14日

個人情報保護委員会は先月25日、Webブラウザのログイン情報を貯めた「Cookie」などのデータを他社に提供する際の新たなルールを検討すると発表した。

2019/12/6付けの大前研一 さんの「ニュースの視点」(発行部数 160,035部)は 「個人情報保護/楽天/グルメサイト〜飲食店の予約システムは透明化すべき」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.個人情報保護委員会は先月25日、Webブラウザのログイン情報を貯めた「Cookie」などのデータを他社に提供する際の新たなルールを検討すると発表した。現行法では、Cookieは個人情報とは見なされず、本人の同意なく企業間で共有できたが、実際は複数のデータを組み合わせて個人を特定しターゲティング広告などに利用されており、こうした事態を是正するために、本人に利用目的を伝え同意を得ることなどを義務付ける方針である。この法規制は必要かつ重要である。
2.米国ではフェイスブックがこうしたデータを活用していることが問題視された。さらに言えば、Cookieに限らず、クレジットカードの情報まで活用すると、かなり具体的に個人の嗜好を把握して立体的に個人を特定することが可能である。ある意味で高度な技術であると評価できる側面もあるが、プライバシーの完全な侵害であり、大きな問題である。
3.中国ではアント・フィナンシャルに代表されるように、すでに個人のプライバシーは把握され侵害されている。欧米と日本では中国のようになることを絶対に拒否すべきである。そのために厳しい法規制を検討するのは良いことである。
4.楽天のスマホ決済「楽天ペイ」が先月25日、一時的に利用できない状態になった。2日前の障害で発生した大量の未決済データが流入しネットワークが不安定になったことが原因と見られている。楽天のクレジットカードでも支障が出ており、ブランドの信用低下につながる恐れもある。
5.NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに次いで、4番目の移動体通信事業者として乗り出したものの、楽天は上手くいっていない。スマホ決済サービスでは、7payが撤退し、PayPayも度々トラブルを起こしてきた。楽天ペイだけが特別にひどいとも言えないが、それでも楽天ペイが利用できない状態はすでに何回か発生していて、楽天のシステム開発部隊の脆弱さを物語っている。
6.日経新聞は先月29日、「3社寡占、飲食店の立場弱く」と題する記事を掲載した。飲食店情報サイトを利用する飲食店の割合は2017年時点で約7割に達した。しかし、サイト向けに席を多く用意するほど検索順位が上がるため、実際には空席があっても他社からは予約できない実態にあり、公正取引委員会はこれを問題視し調査に乗り出している。
7.これは徹底的に解明し改善してほしい問題である。グルメサイトに掲載されて口コミの点数が高いと、それだけで行列になることが多くある。これは日本人の癖と言ってもいい。
8.先日、熱海で行列になっている海鮮屋を見かけ、何か特別な理由があるのかと思い、地元の人に理由を尋ねたところ「ぐるなびで話題だから」ということだった。きちんと実態を調査し、グルメサイトにる囲い込みについては徹底的に追求し、改善してほしい。また、人気店の予約システムにも同じような問題があり、透明化すべきである。
9.例えば、1年先まで予約が取れないという超人気店の中には、お店を訪れた人が、その場で優先的に次の予約を入れられる場合がある。常連のお客さんを大切にするのは大事なことだが、常連だけは他の人のように予約待ちをしないのは、明らかに不公平でフェアではない。予約システムの裏をついて、一部の人のみ予約できる状態になると、一般の人はますます予約が取りづらくなり、結果としてお店の人気が上がるが、正しいことではない。グルメサイトの囲い込みだけでなく、こうした予約システムについても透明化して改善すべきである。


yuji5327 at 06:27 

2020年01月12日

プレゼンで何よりも大切な姿勢は「一人称」で語るということである。プレゼンを行う自分自身が、心から相手に訴えたいという情熱がなければ何も伝わらない。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀 プレゼン改革は意識改革の序章 週刊ダイヤモンド 2019.12.7」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.職業柄、大小、有名無名を問わず、さまざまな日本企業のプレゼンテーションを聞くことが多いが、残念ながら過去30年間、あまり進歩がない。投影したスライドの説明を延々と棒読みされ、聞いている方は心が折れてしまう。原因は、プレゼンの目的がはつきりしていないからである。
2.プレゼンをするのは何かを達成したいからであり、その達成のためのメッセージを伝える手段がプレゼンである。すなわち本来は自身の主張を相手に納得させ、説得するためにある。
3.多くの企業では、プレゼンの目的が「納得・説得」ではなく「報告・連絡・相談」(ほうれんそう)になっている。情報提供が目的で、抜けや漏れがなく、情報を網羅的に提供することが重要とされ、企業丙のプレゼンがそうなるのは、納得・説得のプロセスが、会議室の外で行われるからである。日本企業での意思決定は「暗黙知」で行われる。つまり、共通の価値観を基盤とした個別の話し合いや「飲みニケーション」などを通してコンセンサスが進んでいく。そこでは、プレゼンは詳細な情報を提供する補助手段にすぎない。
4.これが外の世界との交流となると様相が一変する。外部の組織との間には暗黙知は存在しない。外部の人に何かを納得してもらうには、まずは共通の基盤を明確にしないといけない。そのためには自社内の暗黙知を具体的に言葉で示し、形式知化する必要がある。この形式知を基盤に、相互理解する手段がプレゼンなのである。
5.ほうれんそう型のプレゼンしか経験していない人が、外部の人に対する納得・説得型のプレゼンができるようになるには、起業家のピッチイベントに行くことである。ピッチとは、起業家が企業や投資家から出資を受けるために行うプレゼンのことで、ビッチイベ
ントは、企業や投資家を納得させ説得するための真剣勝負の場である。起葉家にとっては自ら考え出した事業の生死に関わるため、プレゼンの準備には十分に手間と時間をかける。6.多くの場合、ピッチのやり方を熟知したアドバイザーから指導を受けている。プレゼンの秘訣は「デザイン思考」「コンテクスト提示」「ワンメッセージ」「一人称」の4つに集約される。「デザイン思考」は、自社中心の考え方や視点を180度転換し、顧客の潜在的なニーズや課題を抽出して、そのソリューションを提供する思考プロセスである。プレゼンの冒頭で顧客視点の課題にずばり切り込み、聴衆にその課題を自分のことのように考えさせ、気持ちを引き寄せるのは常とう手段である。
7.あるスタートアップ企業が、社員同士の情報交換が簡単にできるアプリケーションを開発したとすると、そこでピッチの冒頭が「SNSの仕組みを使った社内用の情報交換アプリを開発しました」ではいけない。ここでは「働き方改革の具体的な方策に悩んでいませんか?」と投げ掛ければ、聴衆は身を乗り出す。続いて、企業内での部門を越えた新しい情報交換の仕方が働き方改革に有効だと語り、その解決策としてSNS型システムが優れていることを説明すれば、聴衆は同じ土俵で考えるようになる。
8.その上で、前述した「コンテクスト提示」を行う。自分がこの課題に問題意識を持った理由や、この問題を解決できると思った背景の説明である。暗黙知がある企業内では、コンテクストは空気のように与件のものと考えられている。例えば社内の人事部で働き方改革に関するプレゼンをするとき、人事政策の「表」の正論も「裏」の施策調整も、お互いに熟知した上での話となる。外部の人間は、この暗黙知がない土俵にいるので、意識的にコンテクストを提示する必要がある。
9.先の例で言えば、「大学時代にSNSを縦横に活用して多くの学生や教授と情報交換し、横断的プロジェクトを立ち上げた。卒業後に就職した会社では、社内が縦割りで思うように情報共有や人材交流ができなかった。そこで、新しい情報交換の仕組みを導入すれば業務にイノベーションを起こせると確信し、このアプリケーションの開発に着手した」と話す。この起業家の発想の基となっているコンテクストは理解できるだろう。
10.人を納得させるには「ワンメッセージ」が有効である。あれもこれもと網羅的に説明したのでは、聞いている人の頭には入っていかない。短い時間で心に響くプレゼンをするには、伝えたい一番大事なことを簡潔に表現する。先の例では、「働き方改革の実行に有効な新たな社内システムをつくった」ことだ。ワンメッセージはプレゼンの場面に限ったことではなく、一度に多くの人に主張を伝えるときにも有効である。
11.15歳のグレタ・トゥーンベリさんの地球温暖化対策を求める運動が、世界中へ広がったのは衝撃的だった。彼女のメッセージは「大人が責任を持って行動を起こすべきだ」ということだけ。このワンメッセージが世界を駆け巡った。「ワンメッセージ」にするプロセスは、散漫な考えを見直し、枝葉末節を捨てて本当に必要なことは何であったかを自分自身に問う時間である。
12.日本企業にある総花的で玉虫色の経営方針を、真に戦略的なものに変える手だてともなる。プレゼンで何よりも大切な姿勢は「一人称」で語るということである。プレゼンを行う自分自身が、心から相手に訴えたいという情熱がなければ何も伝わらない。これは、ほうれんそうとの決定的な違いである。「と孝えられる」「・・・;が望ましい」「されるべきであろう」などは、納得・説得型のプレゼンでは使ってはいけない。「私はこう考える」「私はこうあるべきだと思う」「私はこうしたい」とはっきり言う。主語を使わずに語れる日本語の特徴に甘えて、メッセージをあいまいにしない。プレゼンをテクニックの問題と片付けない。日本企業で働く人たちが、グローバル時代に打ち破らなくてはいけない。意識改革である。
(私ごとだが、1月8日から11日まで不整脈治療のアブレーションのために再度千葉県救急医療センターに入院した。そのため本ブログは9,10日の2日休んだ。カテーテルで心臓の神経系統に肺などで発生する異常な電気信号が伝わらないように肺などの発生源から伝わらないにするもので、神経を焼き切る(やけどさせる)手術である。今回は1年前の治療への追加手術だったっが、静脈3か所、動脈1か所からカテーテルを刺しこみ、高周波電気を流しすとき、心臓付近の痛さは思わず声を上げるほどである。治療には機器の不具合もあり9時半から16時半ころまでかかった。)

yuji5327 at 10:18 

2020年01月11日

トランプ大統領が就任した途端に大型減税をしたので、アメリカの景気は急激によくなった。しかし過熱気味だったし、中国との貿易摩擦も激しくなって、そろそろ陰りが見えてきた。


「池上彰と増田ユリヤ著:最有力候補の頭の中ーアメリカ、PRESIDENT 2019.12.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.9月にアイオワ州で開かれた、民主党のイベントを取材した。次の大統領候補として、ジョー・バイデン前副大統領〔77〕、バーニー・サンダース上院議員(78)、エリザベス・ウォーレン上院議員(70)の次くらいに人気を集めていたのが、ピート・ブティジェッジ候補である。インディアナ州サウスベンド市の市長、ゲイであることを公表している。
2.政治活動に、いつもパートナーを連れてきている。まだ37歳という若だが、エリートである。ハーバードとオックスフォードを出ていて、何カ国語も話す。演説が非常に上手である。インディアナ州は保守的で昔から共和党が強く、現職のマイク・ペンス副大統領〔60〕のお膝元である。そのペンス氏が州知事だった2015年、「信教の自由回復法」という法律を作って大騒ぎになった。
3.キリスト教的な孝え方を建前として、レストランやホテルの経営者が同性愛の客を拒否することを認めた。ひどい差別だとして国中から批判を浴びて、アップルやマイクロソフトといった企業が、インディアナ州への出張やイベント開催を取りやめた。インディアナ州は経済的に打撃を受けて、ペンス州知事は法律を撤回した。
4.ピート氏はそんな土地柄で29歳で市長になって、今回は大統領候補に名乗りを上げたから画期的である。性的少数者を公言している点でも新鮮な候補者だし、時流に乗っている勢いである。今後も要注目である。
5.中西部アイオワ州で民主党のイベントを取材したあと、東部のニュージャージー州へ行って、ウォーレン氏の政治集会を取材した。今度こそ、初の女性大統領が誕生するのかと、話題の候補者である。支持率は、10月8日にはバイデンを抜き、初めてトップに立った。ネーティブアメリカンの血を引いていて、トランプ大統領は演説で「偽のポカホンタス」と椰楡した。
6.集会の場所は、ラトガース大学という古い州立大学がある街のパブである。その日の参加者は地元に住む10人ほどで、1時問半くらいだった。こういう小さな集会を、こまめに開いている。12年にマサチューセッツ州で上院議員になる前、ウォーレン氏は大学の法律の先生だった。ラトガース大学は母校のひとつで、教鞭を執っていた。集会の主催者はボランティアで、草の根の政治活動だった。
7.アメリカの選挙でいつも感心するのは、仲間が5、6人しかいなくても、熱心に運動することである。この候補者を応援したいと思ったら、傾げる情熱がすごい。この日はまずウォーレンさんの政策10力条を回し読みして、主催者が参加者に説明をしたあとで、参加者が質問をする。ウォーレン氏の政策で特に注目されのは、富裕層への増税である。
8.市場を独占しているとの理由から、フェイスプックやアマゾンなど巨大IT企業の分割も主張している。学生結婚を機に退学して、子どもを産んでから大学に入り直したり.、おばさんに生活を助けてもらったり、苦労もしている人である。女性が社会に出るためにはサポートが必要だという政策も、強く打ち出している。国民皆保険の必要性も主張している。
9.オバマ大統領.が誕生するまで、アメリカでは医療保険に入れない人が4000万人もいた。それでオバマケアという制度をつくったが、コストがかかったり非効率だったりして、入れていない人たちがたくさんいる。そういう人たちもすべて制度に含めるべきというのが、バーニー氏やウォーレン氏の主張である。
9.社会保障の充実は、アメリカの基準でいうと左.派の思想である。ウォーレン氏は、「ミニ・バーニー」と呼ばれたりしている。トランプ大統領の公約で.実現できていないのが、オバマヶアの破棄である。共和党の支持者でもオバマケアのおかげで医療保険に入れた人が多くいたので、共和党の議貝たちは「廃止なんてけしからん」と突き上げられて、反対できなくなった。
10.アメリカには年金や介護保険や生活保護といった社会保障の仕組みないから、年を取ったら不安である。今回、ニューヨークに行って感じたのは、若いホームレスが増えたこと。白人の女.の子が、「恵んでください」と書いた段ボールを持って、歩道の端にしゃがみこんでいる。カリフォルニア州のシリコンバレーでも、IT業界が10万ドルや20万ドルもの給料を出すものだから、地価がどんどん上がった。そのせいで、2万ドルや3万ドルの給料で普通に生活していた人たちが、家賃を払えなくなり、トレーラーハウスで生.活しながら、会社に通うビジネスパーソンもいる。いまのアメリカでは、失業などほんの小さなボダンのかけ違いで、あっという間に生活ができないレベルに転落する。
11.トランプ大統領が就任した途端に大型減税をしたので、アメリカの景気は急激によくなった。しかし過熱気味だったし、中国との貿易摩擦も激しくなって、そろそろ陰りが見えてきた。来年11月の大統領選挙の頃には、相当悲くなっている可能性もある。


yuji5327 at 15:05 

2020年01月08日

中国が、この40年で急速に大国化したわけ。日本が30年以上にわたって経済停滞している原因、に秘められたポイントを吟味する。


「大前研一著:中国にあって日本にない"国家繁栄システム、日本が学ぶべき中国大発展の原因と戦略、PRESIDENT、2019.12.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.10月l日、北京の天安門広場で中国建国70周年の祝賀大会と過去最大規模の軍事パレードが行われた。70年前の1949年10月l日、初代国家主席である毛沢東は天安門で建国を宣言した。同じ壇上に立った習近平国家主席は70年間の祖国復興の成果を改めて強調しつつ、以下のように演説した。
2.今日、社会主義の中国は世界の東方に高くそびえ立ち、いかなるパワーも我々の偉大な祖国の地位を揺るがすことはできない。いかなるパワーも中国人民と中華民族の前進を阻むことはできない。我々は『平和統一』『一国二制度』の方針を堅持し、香港とマカオの長期的な繁栄安定を維持し、海峡両岸関係の平和発展を推進し、すべての中華民族を団結させ、祖国の完全な統一の実現に向かって引き続き奮闘しなければならない。
3.香港や台湾の情勢に目配りしながらも、アメリカに比肩する超大国になった自信とプライドが滲む演説だった。中国が小平体制の下で改革開放政策に舵を切ったのは78年のこと。当時の中国は、毛沢東の経済政策の失敗と文化大革命の混乱で経済が疲弊し、ほとんどの国民が貧困に喘ぐ世界最貧国の一つだった。
4.改革開放政策以降、中国は飛躍的な成長を遂げ、2010年には日本を抜き去って世界第2位の経済大国まで上り詰めた。78年当時、中国の国民一人当たりの国民総所得門(GNP)は200ドル程度。それが18年には9470ドルに拡大した。日本は4万4420ドルだった。減速したとはいえ、18年の中国の経済成長率は6・6%。名目GDP〔国内総生産〕は日本の2・6倍に達している。
5.近代以降、「眠れる獅子」と言われ続けてきた中国が、この40年で急速に大国化したのはなぜか。日本が30年以上にわたって経済停滞している原因と処方箋を探るうえでも、中国の大発展の原因と戦略に秘められたポイントを改めて吟味してみる。人によっては大国化した理由は非常に簡単で、もともとそれだけの素養や能力があると指摘する。中国人は総じて教育熱心だし、頭もいい。
6.四川省の成都郊外に都江堰という名所旧跡がある。紀元前3世紀の中頃、秦の時代に蜀郡の郡守父子が民衆を率いて建築した古代の水利施設で、世界文化遺産にも登録されている。簡単言えば、竹と石{現在はコンクリー}で組み上げた人工の中州で、長江の支流であるみん江の流れを分水することで洪水を防ぎ、農業の灌概用水に引き込む仕組みになっている。
7.都江堰の圧倒的なスケールと科学的な構造を目の当たりにすると、2300年ほど前にこれだけの公共工事を成し遂げた中華文明の奥行きに感嘆する。2000年にわたって構築された万里の長城。北京から杭州まで延びる2500kmもの京杭大運河なども7世紀には完成している。そして、紙、印刷、火薬、羅針盤は士耗中国の4大発明と言われる。中国の製紙法や印刷技術が751年にタラス{イスラム〕、さらにヨーロッパに伝わって15世紀にグーテンベルクの活版印刷が花開いた。近年は「パクリ」のイメージが強いが、中国人の創造性、創意工夫する能力は歴史に裏打ちされている。
8.中国が大国化した重要なファクターの一つはやはり巨大な人口である。改革開放政策によって自由主義や市場経済のノウハウが導入され、一部の人間.か先に豊かになることが奨励された。当然、社会主義の計画経済下ではなかったような競争原埋が働くようになる。人口が巨大なだけに、一度火がついた競争のダイナミズムは社会を押し上げるパワーがある。
9.競争こそが成長、進歩の源泉であり、豊かになるための仕掛けなのだ、というと何となく資本主義のようだが、実はそこが非常に重要である。ある意味で、今の中国はアメリカよりもはるかに資本主義が徹底している。eコマースから流通、金融まで中国社会を広く支配しているアリババのような企業は、アメリカだったら独占禁止法でかなりの制約を受けているはずである。中国には今のところ、そうした規制がなく、むしろ2っあった鉄道会社が合併して世界最大の鉄道会社が誕生しているし、独占的だった国営企業のチャイナモバイル(中国移動通信〕がスマホ全盛の時代になって民間の新興企業に押されて劣勢に立たされている。
10.優勝劣敗という意味では中国の資本主義は行き着くところまで行っている。「共産党万歳」とさえ言っていれば、政府は経営に干渉してこないから、資本主義の権化のような手法、つまり「金を持っているヤツが強い」という論理がまかり通る。それがこの15年ぐらいで中国企業が世界的に強くなった最大の理由である。
11.もう一つ、巨大人口のメリットについて言えば、安価な労働力がある。たとえば産業革命期のイギリスでは資本家と労働者が分かれて、労働者が酷使された。アメリカではアフリカなどから連れてこられた黒人が奴隷として労働力を提供した。そのような二重構造が中国社会にもあって、中国の場合は農村戸籍と都市戸籍という2つの戸籍が存在したことが廉価な労働者の確保につながった。
12.都市戸籍はもともと都市部の国営企業の従業貝など一部エリートのための戸籍で、教育や就職の自由などが認められているし、さまざまな社会保障が受けられる。しかし農村戸籍者にはそれらがなく、都市部では下級労働者として差別、区別されてきた。貧しい農村から仕事を求めて都市にやってきた農村戸籍者は「農民工」と呼ばれ、その数は3億人とも言われる。彼らのような低賃金の労働力が製造業の繁栄をもたらし、都市の発展に寄与し、中国の経済成長を支えてきた。
13.同じ人口大国のインドに比べて中国の経済大国化が進んだ大きな理由の一つは共産党一党独裁の政治体制にある。民主主義のインドでは改革しようにも、ついてこられない人々が5年に一度選挙で反対票を投じるからなかなか前に進まない。その点、中国は全体主義だから、北京政府の号令一下で前進できる。さらに大国化を促した重要なポイントを挙げれば、一党独裁の政治体制でありながら、地方自治が日本よりはるかに進んでいる。地方自治と言っても、選挙で首長が選ばれるわけではない。地方政府のトップの人事権は北京の中央政府が握っている。中国の地方都市には行政トップの市長と、お目付役兼裏方役の党書記がいて、いずれも細かな人材データを持っている北京が任命する。
14.クビを切るのも北京で、中国では3つの条件のどれかに当てはまれば市長はクビになる。1つ目は経済成長7%以下を3年続けること。2つ目は自分のテリトリーで起きたストライキや暴動を放置することで、一発でアウトである。中国では国防予算より、公安予算のほうが大きい。3つ目は汚職・腐敗で、本人が汚職をしても、部下がやってもダメ。一昔前まではそれも建前で汚職が横行していた。贈収賄の抜け道として編み出されたマカオのカジノを利用したマネーロンダリングである。しかし、習近平+王岐山の指導部か反腐敗キャンペーンに乗り出してからそれも使えなくなった。
15.以上が市長がクビになる3つの条件だが、逆に言えば3つの条件に抵触さえしなければ、ほかは自由に何をやってもいいというのが中国の地方自治の素晴りしさである。日本の霞が関のような中央集権的な規制がない。土地をどう使うか、建物をどれくらいの高さにするか、街をどうやって発展させるか、財源をどうするか、自分で自由に決めることができる。権限を与えたのだから自由にやれ。その代わり7%成長できなかったらクビというわけである。
16.大前氏はいくつかの都市の経済顧問をして実際に仕事をし、「アドバイスすると数年後に実現する」という信じられない経験を何度かしている。また、その経験を中国国営放送のCCTVが番組で紹介すると、その都度数十を超える自治体から経済顧問の要請があった。自治体間の競争の激しい。日本で地方の競争と言えば、霞が関での予算の分捕り合戦を意味し、限られたパイの奪い合いである。
17.中国の地方都市にパイを奪い合うという発想はない。そもそも北京政府はパイを用意してくれない。中国の市長が目を向けているのは世界。世界から自由にヒト、モノ、カネを呼び込んで発展を競い合う。成長と発展の原資は土地。中国では土地はすべて共産党政府の持ち物だから、農民から取り上げるのはわけない。それを開発して商業地として世界中に売る。正確に言えばリースするのだが、それで土地の値段は50倍にも、100倍にも膨れ上がる。これが中国共産党の土地マジックである。そうやって数百の都市が発展を競い合うことで、中国は加速度的に大発展を遂げた。



yuji5327 at 07:06 

2020年01月04日

鴻海にしてもアリババにしても、多くのサービスを展開しているが、基本的に一人の人間が構想していくことで、「核」が定まり、「軸」がぶれない展開が可能になっている。

2019/11/22付けの大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 159,973)は「NEXTユニコーン/ウェルスナビ/国内ネット大手 〜ヤフーとLINEの経営統合は上手くいくのか」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本経済新聞社がまとめた「NEXTユニコーン」調査で企業価値を推計したところ、上位20社の合計は前年より2割増加し、1兆円を超えた。人工知能(AI)やフィンテックの分野で伸びが目立っている。しかし海外では、元ユニコーンを巡る懸念も広がっており、これまで価値を押し上げてきた投資マネーがしぼむ可能性もあるとしている。
2.上位10社の顔ぶれを見ると、上位企業が定着してきた。エリーパワー、オリガミなどは今後の成長性に疑問が残るが、プリファード・ネットワークス、TBM、スマートニュース、ビズリーチなどは安定感がある。その1社でもある、資産運用を自動で指南する。「ロボットアドバイザー」を手掛けるウェルスナビは、先日、第三者割当増資で約40億円を調達した。
3.増資による資金調達は5回目で、融資を含めた創業からの資金調達は累計約148億円。注意すべきは、ロボットによるAIアドバイザーという見方になっているが、その資産運用の中身は、米国のETFの割合が非常に多くなっている。
4.米国の株価が史上最高値をつけているので、資産運用の成績が良くなるのも当然といえる。今後、トランプ政権がひっくり返る事態などが発生して、米国の株価が下落することがあったとき、対応できるのかわからない。今のやり方では難しい。
5.先行きに若干の不安はあるが、ウェルスナビはすでに累計で約148億円もの資金を調達している。これは芝山社長の賢いところである。良い運用成績を出せているうちに資金調達を済ませ、今後問題が起こっても、すでに我慢する力を持つことができている状態を作り上げている。
6.検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングスとLINEは14日、経営統合に向けた協議を進めていると発表した。両社はそれぞれ、親会社のソフトバンク、ネイバーが50%ずつ出資して新会社を設立。その傘下に持株会社を置き、ヤフーやLINEを子会社化する案が検討されている。
7.今後の展開としては、まずはPayPayを中心にどこまでサービス展開を広げていくことができるのか?というのが焦点になってくる。しかし、そもそもこの2つの組織が一体となって上手く機能するのか?という点に大きな問題がある。
8.2つの全く異なる魂を持った人たちが、50%ずつの株式を持ち合って上手く機能するとは思えない。さらに、すでにヤフーの親会社であるZホールディングスは多くの企業・サービスを抱えて、現時点でも空中分解してもおかしくない。
9.Zホールディングス傘下には、eコマース・インターネット広告のヤフー、電子決済サービスのPayPay、映像配信のGYAO、電子コンテンツのイーブックイニシアティブジャパン、さらにはアスクル、一休、ジャパンネット銀行、ワイジェイカード、ZOZOなどがあるが、それぞれがシナジー効果を発揮してお互いに連携が取れているとはいえな。一方のLINEは、どちらかといえばサービスを絞って展開している。両社の魂には大きな違いがある。
10.資金があるから買収するというだけでは収集がつかなくなり、下手をするとライザップと同じ轍を踏む可能性がある。大切なのは「核」になるものを置いて、それを中心に組み直すことである。例えば、アスクルに焦点をあてて徹底的にやれば、企業関連のサービスは取り込める。アスクルを使ってくれている企業の社員にもメリットがあるようなサービスという視点で考えれば、新たな文房具も開発できるし、社員向けの旅行サービスも展開できる。
11.現状においては「核」が定まっておらず、いきなり社員向けに「一休」の高級ホテルを紹介するということになっており、ニーズが合わない状況になっている。むしろ、競合サービスで、楽天トラベルのほうがニーズに合致している。
12.このようにZホールディングスの中においても、各サービスの連携が取れていない状況で、出生の異なるLINEと統合しても、一体化経営を行うのは非常に難しい。8000万人のユーザーを誇るLINEを取り込めば、ヤフーが一時的に利益を上げることは簡単だが、それによってZホールディングスの中にある、別のものが犠牲になる可能性もある。
13.鴻海にしてもアリババにしても、多くのサービスを展開しているが、基本的に一人の人間が構想していくことで、「核」が定まり、「軸」がぶれない展開が可能になっている。指揮命令できる人は1人のほうが良い。強者を2つ合わせても上手くいかない。ヤフーとLINEの経営統合は、1+1=2とはならず、1.6に留まってしまう可能性が高い


yuji5327 at 07:12 

2020年01月03日

この30年で官僚はほんとうに三流になった。与党の政治家がやたらに政治主導を唱えた。官僚主導はよくないとした。


「半藤一利、池上彰著:令和を生きる、幻冬舎、2019.5.30」は面白い。「第7章:日本経済、失われつづけた30年」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.企業の業績や将来性をはかるのに「時価総額」という尺度が使われる。「時価総額」は、株価に対して、発行している株数の総数を掛けてはじき出す。要するに、いま現在この企業にはどれほどの価値があるか、を示す金額である。1989年と2018年の「世界時価総額ランキング」を比較すると、上位50社中、1989年(平成元年)に日本企業は32社もあった。いまは名前もなくなっている銀行がランキングされていたが、2018年にはトヨタ自動車の1社である。
2.このデータから日本企業の凋落ぶりがわかる。野口悠紀雄さんは、この30年は「没落の歴史」だと言う。30年前の日本企業が絶好調であったことが、その「没落」を際立たせている。まさに当時は金満日本。ニューヨークの摩天楼ビルも名だたるブランド企業も日本の不動産業者などが買い漁っていた。そんな振る舞いを、眉にツバして見ていた。。平成の経済を決定づけたのは、そんなバブル経済の狂奔と崩壊である。
3.バブルが崩壊して生じた傷の修復ができずに、90年代から激変する世界の構造変化に対応することができなかった。電子技術産業の巨大化、中国に代表される新興国の工業化、金融ビジネスの情報化と高度化など、世界の動きから取り残されてしまった、
4.政治は二流、経済は一流と言っていたけど、経済も二流になり下がった。政治は二流、官僚は一流と言われたこともあったが、官僚が二流どころか三流になってしまった。この30年で官僚はほんとうに三流になった。与党の政治家がやたらに政治主導を唱えた。官僚主導はよくないとした。
5.バブルまでの銀行は護送船団方式で、中央省庁の官僚たちが航路をつくって、それに従って進んでいけば落ちこぼれることなく安定的に経営できるという考え方である。官僚が金融界を規制しながら保護することで、産業全体に資金を供給するという方法をとった。
6.しかし国際的な競争が本格化し、バブルのツケである不良債権が巨額になったために、このやり方では立ち行かなくなった。官僚の手に負えなくなると、政治家が前面に出てきた。「政治主導でやらないと問題が解決しない」という建前で、行政の主導権、国家運営の舵とりを官僚から奪い返そうとした。政治主導で官僚の力を削こうというのは民主党政権からだった。その旗を振ったのが民主党幹事長だった小沢一郎氏である。民主党政権はずっこけ、そのまま引き継いだのが安倍政権である。
7.安倍政権では、内閣官房が各省庁の要の人事を握ることになった。とりわけ大きかったのが、内閣法制局長官の人事である。それまでこの役職は、次長が次の長官になるというように、自律的にトップが決まっていた。ところが集団的自衛権を認めさせるために、安倍さんは長年のそのルールを破壊した。外務省のフランス大使で、集団的自衛権を認めるいう考えの人物をトップに据えた。
8.歴代の自民党政権で、たとえば竹下登は「司、司に任せて」という言い方をしていたし、宮沢喜一は、「権力者は権力の行使に抑制的になっていなければいない」という考えをもっていた、かなりの部分を官僚に委ね、権限はあるが、無茶なことはしない、という暗黙の了解があった。が安倍政権は、できるものは何でもやろうとし、官僚の無力感が生まれ、それと同時にかれらは「内閣官房からニラまれたら将来がない」と怯えるようになり、ひたすら忖度するようになった。官僚も情けない。大来佐武郎はじめ、戦後日本をつくってきた官僚のひとたちは、もう少し日本のため、公のためということに義務感をもっていた。


yuji5327 at 06:53 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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