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2017年11月17日

日本は1000兆円を超える国の借金でつぶれそうになっているのに、役人たちはお手盛りの予算を組んで借金を増やし続けている。公務員の定年延長で国は滅びる。

「大前研一著:公務員の定年延長は日本破綻の大惨事を引き起こす、週刊ポスト、2017.10.03」は参考になる。。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.安倍内閣が公務員の定年を60歳から65歳に延長する方針を固めた。政府は今年6月に「国家公務貝の定年引き上げに関する検討会」を設置し、国家公務員法の改正などについて具体的な議論を始めた。2011年に人事院が「平成25年度から3年に1歳ずつ段階的に定年を引き上げ、平成37年度に65歳定年とする」という方針を示した。
2.ただでさえ身分が安定している公務員が民間企業に先駆けて定年を延長することへの反対が強く、13年に再任用制度を導入したという経緯があるが、再び定年延長を検討するのは「労働人口を確保しながら、社会全体の活力を維持していくため」と説明しているが、富を創出せず、税金で食べている公務員の定年を延長したら、社会の活力は失われる。
3.今回の安倍内閣のやり方は、定年延長を既定路線にし、役人を味方につけようとするもので、断じて許してはならない。大前氏は公務員の特惟や優遇ぶりを批判していたが、これを機に公務員制度をゼロベースで考え直すぺきである。
4.現在の公務員制度は、大学や高校を卒業する時に国や地方公共団体の試験を受けて合格したら、それが一生通用する。国家公務員は、国の制度や許認可の仕組み、システムを設計する役人と、それを運用する役人とに分けられる。元は優秀でも、入省後は身分保障にあぐらをかいて、陳腐化した古い知識や技術しか持っていない。
5.そういう役人が定年延長でさらに長居するのは非常にゆゆしいしき問題である。今の制度設計はITやコンピユーターを活用しているが、役人はそれらを自分たちで設計する能力を持ってていないので、ITゼネコンなどに丸投げしてコストが大幅に高くなる。
6.制度.設計をする役人は、天下りの逆に民間企業から中央省庁や地方の役所への転職「天上り」を提案したように、AI(人工知能)やIoTなどの専門的なスキルを持った30代〜40代前半の外部の人材を「特別公務員」として4年か8年の期間限定で採用すべきだである。7.その人たちが、効率的なシステムを作って経費を半減するような貢献をしたら、継続して働いてもらったり、民間企業の社長や役員レベルの高給で報いたりすればよい。そういう仕事をした人たちは、民間企業からも引く手あまたになる。
8.制度を運用する役人の仕事は、人手が必要な労働集約型の業務以外は、これから急速に機械やAIに置き換えられる。製造業では当たり前のことで、ロボットやITの導入によって生産台数の累計が倍になるごとに工数を15%くらい少なくして人員も削減する。役所が民間企業並みに機械やAIを導入すれば、制度を運用する役人は、究極的には「無限にゼロ」でよい。
9.国や地方自治体がIT化による人員削減(コスト削減)を怠つたまま公務員の定年を延長するのは国民をバカにした話で、理解不能である。本来、政府は公務員定年延長を云々する前に、AIやIoTの時代の公務員制度を議論すべきである。
10.延長の負担は消費税1%分、国家公務員の給与は民間企業の従業員の給与水準に合わせて決められている。その理由を人事院は「公務員の給与は民間企業のように収益・業績などを基にして決めることが難しいため、その時々の景気の動向などを反映している民間の給与に合わせることが最も合理的と根拠もなく説明している。地方公務負の給与は国家公務貝の給与と、その地方自治体の民間賃金動向などを総合的に勘案して決定されている。公務員には役職定年制度がないので、一度たどり着いたポストの給与が定年まで続く。
11.検討会では定年延長とセットで役職定年制度の導入を検討しているが、民間企業の多くでは以前から役職定年制度により定年前に年収が人きく減っているので、民間の給与に合わせているとは言えない。退職金も国家公務負は平均2538万円で、民間企業の平均2460万円を上回っているほか、公務員には年金払い退職給付などの特権も多い。また、地方公務負は国家公務負以上に削減の余地が大きいので、定年を延長して、労働人口を確保する必要は全くない。そもそも日本の地方自治体には「立法」「行政」「司法」の三権がなく、地方公務員は全国の都道府県や市町村でほぽ同じ仕事をしているのだから、全国共通のシステムを構築してクラウドコンピユーティングで運用すれば、人員もコストもすぐ大幅に削減できる。
12.公務負の定年を60歳から65歳に延長したら、人件費は、公務員は約332万人(国家公務員約58万人、地方公務員約274万人)もいるので、2011年の、60歳前のノンキャリアの本省課長補佐の年収は約890万円、地方自治体課長のモデル年収は約790万円である。毎年60歳になる人が国家公務貝1万2000人、地方公務員7万2000人、60歳以降の給与を「70%水準」に設定して単純計算すると、定年を1年延長するたびに国家公務員は約750億円、地方公務員は約3980億円、合計約4730億円が必要となる。定年延長者が65歳に達した時点では年間約2.4兆円も人件費が膨らむので、消費税を1%引き上げた際の増収分を打ち消すほどである。
13.採用人数は現状のままとすると、日本は1000兆円を超える国の借金でつぶれそうになっているにもかかわらず、自民党と役人たちはお手盛りの予算を組んで借金を増やし続けている。このまま個別に能力を吟味することなく、公務員の定年延長が認められたら、自然災害以上に国を滅ぽしかねない。



yuji5327 at 06:39 

2017年11月15日

日本は米国との同盟だけでなく、中国や韓国との関係強化、多国間の枠組みなど、外交の持ち駒を増やし、長期的なゲームプランを描くべきだ。

「ジョン・ニルソン・ライト:巻頭インタビュー:安倍おべっか外交は危うい、選択、2017.3」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.トランプ大統領の個性が大きな不安の源である。自分に不都合な事実を無視し、平気で嘘をつく。閣内には、ティラーソン国務長官やマティス国防長官ら、まともな人も2、3人いるが、大統領の外交面での言動は非常に不安定で、世界中に混乱を引き起こしている。
2.新政権は、新ドクトリンを示し、外交方針を説明する必要がある。大統領の過去の発言は、日本を含むアジア、欧州の同盟国を不安がらせた。ロシアはこれにつけこみ、米欧同盟やアジアの同盟国をバラバラに引き裂きたがっている。そのロシアについて、大統領
は何も批判的なことを言っていない。
3.個人的には一刻も早くペンス副大統領に交代してもらいたいが、当面はそうならない。安倍晋三首相はフロリダ州でのゴルフ会談を高く評価している。米国の政策が未定なのにトランプ氏べったりになるのは、危険ではある。
4.両首脳が中国に関し何を議論したかは未発表だが、大統領の中国についての発言は場当たり的で、矛盾している。バノン首席戦略官は、中国との戦争は不可避だとも述べた。彼はホワイトハウスに「影の国家安全保障チーム」を持っている。
5.安倍首相の個人的親交が、トランプロバノンの危なっかしい対外構想に巻き込まれるのが怖い。中国を敵視すれば必ず、緊張増大のリスクも増す。日米晩餐会席上で、北朝鮮の弾道ミサイル発射の一報が伝わった時の対応を見ても、この政権の危機管理はきわめて危険で、不適切だ。ゴルフで親交も結構だが、きちんとした外交戦略を持つことの代わりにはならない。
6.英国のブレア首相はブッシュ大統領との緊密な関係の末に、イラク戦争に参加した。政治家の人間関係は、しばしば後に災いをもたらす。メイ現首相は早くも同じ立場にいる。欧州連合(EU)離脱で、米国に頼らざるを得なくなった。そこでトランプに近づき、訪英を促したところ、英国内で「なぜ彼を?」と猛烈な批判を浴びている。
7.米国の力の源泉は、自由と民主主義の価値観だが、現政権は逆に世界中で嫌悪を起こして、米国の魅力、ソフトパワーを破壊している。
8.歴史家として言えば、現代の米大統領は、個人としてそれほど力を持っていない.、一方で、その言動が社会に与えるインパクトは巨大で、負の影響力は大きい。国務、国防両長官らとは将来、衝突が起こる可能性もある。ホワイトハウスで大統領を抑える人が必要で、国家安全保障担当の大統領補佐官にマクマスター氏を起用したのは朗報だ。
9.トランプとバノンは、将来のことを真剣に考えている。2020年大統領選での再選である。そのために彼らは具体的成果が欲しい。強硬な対外政策で人気稼ぎに出るだろう。初期兆候から、大統領は米国の武力を使いたがる。このままだと、非常に危険な立場に導く。
日本は米国との同盟だけでなく、中国や韓国との関係強化、多国間の枠組みなど、外交の持ち駒を増やし、長期的なゲームプランを描くべきだ。安倍首相周辺にもそういう優秀な人材がいる。



yuji5327 at 06:36 

2017年11月12日

政府が推進する働き方改革もお粗末である。働き方改革で残業時間の上限が月平均で60時間に規制されると、残業代は最大で年8兆5000億円減少する試算もある。

2017/11/10付けの大前研一さんの「ニュースの視点」(発行部数 168,946部)は「第4次安倍内閣/働き方改革/内部留保」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.安倍首相が1日の特別国会で第98代首相に選ばれ、第4次安倍内閣が発足した。安倍首相は記者会見ですべての閣僚の再任を発表し、引き続き経済最優先で取り組むと表明した。また、「人づくり革命」と「生産性革命」を車の両輪として、デフレ脱却に向けて税や予算などの政策を総動員する考えを示した。
2.安倍首相が経済を全く理解していないことがわかる。「人づくり革命」と「生産性革命」が車の両輪になることは絶対にない。この2つを同時に進めることは矛盾をはらんでいる。
日本において生産性革命を起こそうとすれば、コンピューター化、ロボット化は必須である。今までの働き方をする人から仕事を奪い、失業者が溢れることを意味する。
3.本当の意味での「人づくり革命」は、「機械に置き換えられない仕事」ができる人材を育てることにあるが、日本ではそれが実現できていない。機械や他国の労働者に奪われてしまう仕事ではなく、付加価値の高い仕事ができる人材を育てることが重要である。それが出来ていないために、日本は一人当たりの労働生産性がOECD加盟国の中で最低クラスで、過去20年間の名目賃金の推移では、欧米が2倍近く増加しているのに対して、日本だけが落ち込んでいる。
4.この問題を深刻に捉えていない。これを政治問題化していない。この重要な問題を5年間放置しつづけた内閣の問題を問うことなく、また同じ人たちで組閣するというのだら呆れる。
5.安倍首相は、「人づくり革命」「生産性革命」「デフレ脱却」を並べ立てて、それらしく発言しているが、全く実態が見えず、危機感すら感じていない。トランプ大統領が来日すれば、ゴルフに明け暮れるという安倍首相の能天気さが、日本の危機そのものを表している。
6.政府が推進する働き方改革もお粗末である。働き方改革で残業時間の上限が月平均で60時間に規制されると、残業代は最大で年8兆5000億円減少する試算もある。残業代は、給料の補てんになっていて、GDPにも大きな役割を果たしている。政府は、その実態・意味を理解できていない。
7.安倍首相をはじめとして家業が政治家という人は、会社の実態を見たことがない。委員会を構成する大学の先生なども同様である。残業代が減ると、安倍首相が公言しているGDPの2%成長から大きく遠のくということすらわかっていない。
8.企業においても、危機意識が足らず、明確な対策がない。いまだに新卒一括採用を実施している日本企業が多く、これが高度な人材が増えない理由の1つになっている。50人、100人、1000人という規模で一括採用をすると、その人の個性を見て判断して採用することができない。
9.個性や尖った才能に目を向けないというのは、日本企業の最大の問題の1つである。一括採用を通じて企業に就職した人の多くは、新しいスキルを身につけてステップアップのためにやめるのではなく、その会社が嫌になってやめる。スキルアップ、ランクアップといった発展性がない場合が多く、高度な人材が生まれにくい。ほとんどの日本企業は、日本人だけを採用していて、世界から採用することに目を向けていない。人事制度と教育制度の問題は、日本企業が抱える最大のミスマッチである。
10.財務省の法人企業統計によると、企業が利益を蓄積した内部留保は2016年度末で
406兆2348億円となり初めて400兆円を超えた。ここにも日本企業が抱える問題が表れている。日本企業の内部留保が増えているのは、投資機会や成長機会がないために、大きな設備投資ができる企業が少ないということである。
11.企業が稼いだ付加価値のうち、どれだけ人件費に回したかを示す労働分配率はアベノミクスが始まる前の2012年度は72.3%だったが、2015年度には67.5%に低下した。これでも世界的に見ると、決して低い水準ではない。
12.この状況において、政府はさらに「賃上げ」を要請しているが、労働分配率を上げる(=人件費を上げる)ためには、生産性の向上が必須である。生産性が向上したとき、事業機会が増えておらず、市場も成長していないのであれば、必然的に人をクビにするしかない。
13.インフレの時代であれば賃上げも簡単だったが、今の日本では労働者自身が「プラスになる仕事」ができなければ賃上げはできない。日本の労働者が「プラスになる仕事」に対応できなければ、その仕事が他国の労働者、あるいは機械に奪われることになる。
賃上げというのは、この労働者の問題が解決しない限り、実現できない。内部留保があるので、その分を賃金にするという方法もあるが、それでは企業の将来性はなくなる。あくまでも賃上げ余力は生産性の向上にしかない。




yuji5327 at 06:41 

2017年11月11日

国連人権理事会(ICC)には、米国と中国が加盟していない。昨年にはロシアも脱退、国連安保理常任理事国の3国が脱退の状況で、ICCが世界に存在意義を示すことは出来ない。

「存在価値ゼロの国連人権理事会、選択、2017.3」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.「政治犯収容所では、計画的な飢餓、強制労働、処刑、拷問、レイプが組織的に行われている」「50年間に数10万人の政治犯が収容所で死亡した。筆舌に尽くしがたい残虐な行為が続いている」「公開処刑は1990年代に一般的に行われ、現在も続いている」の、いずれも、国連人権理事会が昨年3月に採択した、北朝鮮の人権に関する非難決議の文言だ。
2.北朝鮮は、金正恩委員長の異母兄、金正男氏の暗殺事件でその非人道的統治が再び注目されているが、国連は以前から、日本人拉致事件も含め、北朝鮮の人権侵害について最低限の事実をつかんでいた。人権理事会の北朝鮮非難決議採択は春の恒例行事で、昨年の決議は12年連続、12回目だった。それにもかかわらず、北朝鮮が国連の非難を歯牙にもかけないのは、具体的措置が取られないことを分かっているからだ。悪いことに、人権理事会自体に、世界の人権状況を本気で改善したいという意図がほとんど見られない。
3.世界最悪の人権侵害国家はどこかを、国連に判断をゆだねれば、答えはイスラエルである。人権理事会は過去10年で70回近く、イスラエル非難決議を採択している。内戦下で、人権侵害が極限まで悪化しているシリアと北朝鮮がこれに続くが、非難決議の数はそれぞれ、イスラエルの4分の1から5分の一程度でしかない。
4.イスラエルの人権侵害状況について、国際人権団体(HRW)は、イスラエル当局は、パレスチナ人の平和的な抗議行動を恣意的に弾圧している、とした上で、2015年に、イスラエルは少なくともパレスチナ人120人を殺害し、11953人を負傷させた。パレスチナ側は17人のイスラエル民聞人、3人の兵士を殺害した、と指摘した。
5.一方、HRWは北朝鮮について「国家が行う暴力の深刻さと規模.悪質さは、現代世界で比類がない」と断定する。人権理事会決議を引用しながら、過去の「数10万人の死亡」に加え、今も北朝鮮国内の収容所に「8万〜12万人が拘束されている」とも指摘。これは、イスラエルの比ではない。
6.HRWのシリア報告では、「15年10月までに、25万人が殺された」「政府の拘束下による残虐な拷問で、数千人が死亡」とある。国際人権団体が例外なく北朝鮮とシリアの人権侵害を強く糾弾するのに、国連人権理事会が、イスラエル・パレスチナ問題に固執するのは、理事会目体の仕組みに問題があるからである。
7.前身の「国連人権委員会」は、1946年創設。93年には、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)が常設機関として設置された。だが、人権委会合は年1回、6週間だけスイス・ジュネーブで開催されるのみ。人権監視と言っても、年に1度、非難決議を出すだけで、実効性はゼロだった。
8.この反省から、同委員会は2006年に「人権理事会」に衣替えした。だが、実際の違いと言えば、開催期間が年間で合計10週問以上に延びたことと、理事国が53から47に減らされた程度。理事国(任期3年で連続3選禁止)は地域ごとに、国連加盟国数に応じて割り振られるため、アフリカとアジアが各13最大多数を占める。
9.顔ぶれは、アジアの現理事国では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラクの中東3力国は、それぞれ拘束者に対する拷問、恣意的弾圧、報道・表現の自由の抑圧で、世界中の人権団体から非難を浴びる。特にサウジアラビアは、女性の行動制限が著しく、車の運転は厳禁で、保護者の許可なしには結婚も旅行もできない。
10.中国は、表現、集会、宗教の自由など広範な基本的人権を、組織的に抑圧している国としている。NGOの「ブリーダム・ハウス」の自由度指標では、ほぼ全項目で下から20番目あたり。各人権団体から「理事国になること自体が間違い」と批判を集めている。アフリカからは、悪名高いエジプト。アラブ圏の計6力国の理事国にとって、人権理事会はイスラエルをへこませるための、新たな国際舞台でしかない。
11.ユダヤ教聖職者として人権問題に取り組むエドワード・レッティング氏は、「ここまで理事会が偏っていては、理事会の信用を損なうどころか、『人権』という概念そのものまで、信頼性を失ってしまう」と述べ、国際政治の道具と堕した人権理事会を批判している。
12.国連制裁は、北朝鮮の過去5回にわたる核実験、度重なる長距離弾道ミサイル発射に対して、様々な形で導入されてきた。これに重ねて「人権制裁」を導入することには、中国やロシア以外からも、抵抗が必至。残るは国ごとの制裁で、米国はオバマ政権時代の昨年、初めて「人権侵害」を理由に、金委員長らを制裁対象に指定した。ただ、具体策は「在米資産の凍結」程度で、実効性はほとんどない。
13.ICCには、米国と中国が加盟していない。昨年にはロシアも「脱退」を表明した。国連安保理常任理事国の3国がそろってボイコットしている状況で、ICCが「正義の味方」として世界に存在意義を示すことは不可能である。世界の無法国家が「何をしても咎めはない」と思っているのは理由があることである。



yuji5327 at 07:02 

2017年11月07日

日本能率協会がまとめた企業経営課題に関する調査で、国内企業の7割超が現在の主要事業の5年後の見通しがつかないと考えていることが分かった。

2017/11/3付けの 大前研一 さんの「ニュースの視点」(発行部数 169,006部)は「経営者調査/三越伊勢丹HD/エイチ・ツー・オー・リテイリング/米IBM」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本能率協会が先月18日まとめた企業経営課題に関する調査で、国内企業の7割超が現在の主要事業の5年後の見通しがつかないと考えていることが分かった。ITの急速な進展など、経営環境の変化に危機感を持つ経営者が多い実態が示された。
2.調査結果を見ると、3年なら何とかなると思う人とそうではない人の割合が同じ位である。5年になると、このまま通用すると思う人の割合はわずか15%である。そして、10年になるとほとんどの経営者が、今の事業では見通しがつかないと感じている。
3.今の世の中で起こっている大きな変革を考えると、経営者はその実態をよく理解している。問題は、現状を理解した上で、対応できるように勉強しているのかどうかであり、「座して死を待つ」という企業が大半である。
4.若い人にとってそのような企業にいること自体、不安を感じる。その不安を払拭するために、自分にやらせてくれ、と積極的に動ければ良いのだが、日本では、そうはなっていない。
5.日経新聞によると、三越伊勢丹ホールディングスは子会社で高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」を展開する三越伊勢丹フードサービスの株式の大半を、三菱グループ系の投資ファンドである丸の内キャピタルに売却する方針を固めた。
6.三越伊勢丹フードサービスは16年3月期から債務超過に陥っており、第三者に売却することで本体の財務負担を軽減する考えである。クイーンズ伊勢丹は、成城石井とほぼ同じ業態で、やや規模が大きいお店である。大前氏はエブリデイドットコムの経営に携わっていた頃、クイーンズ伊勢丹と提携していた。
7.生鮮食品を取り扱っていたので、クイーンズ伊勢丹から持ってきて、それを販売する流れを作っていた。商品的には申し分がなかったので、三越伊勢丹にクイーンズ伊勢丹を経営する総合的な力が不足していた。その上、丸の内キャピタルに売却するというのは、さらにみっともない。
8.丸の内キャピタルは、ローソンに出資をして経営再建に成功したと言われているが、当時の状況からすれば、セブンイレブンという良い事例があり、新浪氏という経営者がいたことが大きかった。丸の内キャピタルに再建の手腕があったとは思わない。
ローソンの成功からも時間が経過し、今丸の内キャピタルにクイーンズ伊勢丹を再建させる力があるとはおもわない。
9.三越伊勢丹は赤字で事業撤退をするというのが恥ずかしいので、少しだけ資本を残しつつ経験のある丸の内キャピタルに売却するという、体裁を整えるためのシナリオを作ったが、非常にみっともない話である。
10.日経新聞は、「そごう神戸店で示す百貨店の未来図」と題する記事を掲載した。百貨店の阪急、阪神を傘下に持つエイチ・ツー・オーリテイリングが、セブン&アイ・ホールディングスから「そごう神戸店」の経営を引き継いだ。訪日外国人客の利用増加などを追い風に、阪急うめだ本店が好調なことを踏まえ、そごう神戸店も今後数年で「来て楽しむ百貨店」への建て替えを視野に入れている。
11.阪急うめだ本店は建て替えによって、イベント型、ショールーム型の百貨店に変身し、それが成功を収めている。エルメスの職人をフランスから呼んできて、作業しているところを見せるなど、「見て楽しめる」空間を上手く演出している。
12.そごう神戸店の経営を引き継いだことで、梅田と神戸を抑えることになるのは面白い。阪急沿線も高齢化が進んでおり、その端にあるのが梅田と神戸である。坂道が多く、店舗に出ていくのも避けたいという人が多い。そういう人たちに外商をからめながら、両端から攻めていくのは上手くいくかもしれない。
13.米IBMは11月から主力製品である人工知能(AI)「ワトソン」の無料提供を開始する。「会話」「翻訳」「文章を基にした性格分析」など6つの基本機能を無料で提供する。これにより大企業だけでなく、中小企業はもちろん個人のソフト開発者にまで利用者の裾野を広げることで、新たなサービスの開発を促す。IBMとしては、競合が無料サービスを展開しているので、やむを得ない施策である。全体としての売上も利益も減少傾向なので何か手を打たなければいけない。
14.事業領域別の売上・利益を見ると、労働集約型のコンサルティング関連事業の利益率が低い一方で、クラウド領域は利益率が高く、ワトソンを要するコグニティブ領域の利益率はさらに高くなっている。IBMとしては戦略的にこの領域を拡大して行かなくてはならない。
15.無料サービスを展開する競争相手に対抗するために、IBMもフリーミアム戦略で入り口を大きく広げる狙いである。これにより、ある程度のボリューム増加は見込めると思うが、問題は次の展開で、無料サービスから有料サービスに転換するための仕掛けをうまく機能させないと、無料でサービスを提供して終わってしまう。無料で使い始めた人を、どれだけ高額のサービスにつなげていけるかが課題である。上手く立ち回らないと、グーグルのような広告モデル(別の収入源)を持っている企業に寝首を掻かれる可能性は大きい。


yuji5327 at 06:39 

2017年11月06日

「患者切り捨て」の判断は医師が個々にしたのではなく、組織として上から指示がある。指示に従わない冷遇され、センターに居づらくなる。

「上昌宏著:
医療詐欺:先端医療と新薬はまず疑うのが正しい、講談社、2014年7月22日」はは面白い。「第2章:不都合な真実ヌ礁膵駑病院は軽症患者ばかりを集めたがる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.「医療」という響きで最も親しみやすいのは「病院」である。個人クリニックから大病院まで日本には様々な医療施設があり、それぞれが地域医療の拠点として活動をしている。身近な存在であるはずの病院だが、患者さんたちが誤解をしていることがある。それは、「国立病院」というものに対する認識である。
2.国立病院のイメージは、しっかりとした医師が多い、施設は大きいけれど、古くさい、などが一般的である。なかで、「先端医療を受けることができる」「「小さな病院では手の施しようのない難しい病気の治療をおこなっている」というものである。このような印象を抱くのは地方の高齢者が多い。
3.国立病院信仰が非常に強いことになんの根拠もない。むしろその逆である。国立病院には軽症患者ばかりが集まってくるす。一般論だが、軽症患者ばかりを診ている医師は、総じて医療技術が高くない。国立は技術が高い、というのは幻想である。
4.小さな病院でお手上げの重症患者だってたくさんくる、というが、患者だけが知らない不都合な真実である。正確に言えば、軽症患者しか受け入れることができない。国立病院で勤務していた著者が言っているのだから、確かである。かつて東京大学医学部附属病院や、国立がんセンター中央病院(現・国立がん研究センター中央病院という国立病院で勤務していたが、重症患者ということで門前払いをされて、近隣の病院へまわされる患者さんを何人も見てきま。また、合併症が多い重症患者を受け人れるな、と医師たちに指示をしている上司の姿も何度も目にした。日本中の国立病院でごく当たり前のようにおこなわれてい
5.「国立病院」への世間のイメージと実像がかけ離れてしまった悲劇である。国立病院というのは「先端医療をおこなう施設」でも、「治療が難しい重症患者を受け入れる施設」でもない。何のための施設かというと、「国の政策医療」を推進する施設である。
6.国立がん研究センターを例に言うと、その響きから、、国が「がん」の最新治療を国民へ提供するか、あるいは、手の施しようがない状態の、症状の重い患者が、日本中から集まってくる、というのは正しくない。
厚労省は国立がん研究センターを「新規治療の開発のための臨床研究の推進」を最大の目
的とする組織として考えているが、新しい治療方法を見つけるのなら、たくさんのがん患者を受け人れるってことではないか、と早合点してはいけない。たしかに、がん患者は受け入れるが、臨床研究に参加することができる患者に限られる。
7.臨床研究とは、長い時間をかけて患者さんの経過を観察していく。全身に衰弱が進行していたり、腎臓や肝臓の機能が低下している患階さんでは参加できない。効率的に研究をすすめるには、症状の軽い患者さんをできるだけたくさん集めるこ。合併症があって、体力の滅退が進み、-進行がん-のような患者さんは、臨床研究には不要である。臨床研究に参加できない患者がやってきたら、ああだこうだと難癖をつけて、近くの病院へ追いやる。
8.このような「患者切り捨て」の判断は医師が個々にしたのではなく、組織として上から指示がある。そんな指示には従わない、という医師も皆無ではないが、そのような.医師はほどなく冷遇され、閑職に追いやられ、センターに居づらいような状況に追い込まれる。冷遇されれば、ほかの病院へ移ったり、自分で開業をしたりするのが普通である。受け入れ拒否の指示に従う医師だけが国立病院に残り、出世をしていく。
9.大量の「がん難民」を生み出した国立がんセンターは、その構造的な問題が指摘され、厚労省所管の施設機関から2010年に「独立行政法人国立がん研究センター」になったが、国立病院という基本的な構造は今も変わっていない。




yuji5327 at 06:41 

2017年10月27日

EUは、また統合・拡大ながら帝国化していく。EU離脱を求める極右政党の台頭は茶番劇に過ぎない。

「水野和夫(法政大学教授)著:米国のトランプ現象は茶番劇、既成秩序が崩れる危機の時代、
エコノミスト、2017.1.10」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ドナルド・トランプ氏の米大統領選での勝利、英国のEU(欧州連合)離脱など、世界の政治で想定外の事象が起きている。経済でも日本をはじめ欧州、米国で長期間にわたって低インフレ、低金利が続く異例の事態である。政治も経済も既成稚序が乱れてきている。これは、19世紀のスイスの歴史家、ブルクハルトの言う「歴史の危機」に世界が差し掛かっていることを物語っている。歴史の危機とは、既成秩序の崩壊を意味する。
2.ブルクハルトは過去3回、歴史の危機があったと指摘している。1度目はローマ帝国の崩壊(476年)からカール大帝の戴冠による西ローマ帝国の(800年)まで。2度目はビザンツ帝国崩壊〔1453年)から30年戦争の講和条約により主権国家体制が確立したウエストファリア体制〔1648年)ができるまで。3度目がフランス革命〔1789年)から普仏戦争〔1871年)終結までである。
3.歴史の危機に突人する時、共通して「弾劾」で既存の権力者が引きずり降ろされる。ローマ皇帝は廃位させられ、フランス革命では国王が処刑された。現代でも、韓国の朴槿恵大統領が弾劾の憂き目にあった。ニクソン元米大統領はウォーダーゲート事件〔1974年)で、田中角栄元首相もロッキード事件(1976年)で弾劾された。
4.新しい秩序が明らかになるには、時間がかかる。ビザンツ帝国崩壊からウエストファリア体制の構築まで約200年、フランス革命から普仏戦争終結までは約100年かかった。後者は、フランス革命によって達成した国民国家の成立が新秩序だとすれば、旧秩序である帝国の支配から本当の意味で市民が解放されるには第一次世界大戦の終結(1919年〕を待たなければならず、130年かかった。
5.古い秩序が崩壊する過程で、エスタブリッシユメント(既存勢力)は新興勢力に糾弾され、政治勢力は右へ左へと大きく振れるようになる。こうしたうねりの中で、「希望という名の華々しい茶番劇が繰り広げられる」とプルクハルトは言う。米国では中産階級から脱落した白人ブルーカラーがトランプ氏に希望を見いだし、票を投じたが、トランプ氏の政策は80年代のレーガノミクスの焼き直しであり、新秩序になるものではない。つま米国で起きているのは、新秩序への移行ではなく茶番劇である。
6.米国で既得権益層を否定するトランプ氏が大統領選に勝ち、英国でEU離脱の国民投票が可決されるという事態が同じ16年に起きたのは象徴的だ。この意味するところは、米英という近代資本主義をつくった2大国の幕引きである。
7.資本主義は、資本が自己増殖するメカニズムを内蔵している。利潤の追求には「安く仕入れて、高く売る」必要があり、そのためのフロンティア〔未開拓地}を求めて経済活動を拡大したのがグローバリゼーションである。米英は、グローパリゼーションを推し進めることで、自国の経済圏を広げ、近代資本主義を確立した国である。しかし、もはや拡大する地理的なフロンティアは残されていない。グローバリゼーションの発達により新興国にも資本主義の恩恵を受ける機会が広がり、「安く仕入れて、高く売る」という近代資本主義の成立条件が崩壊した。
8.米国は、グローバリゼーションからの撤退を余儀なくされている。通商政策では内向きな保護主義の色を強め、安全保障政策でも莫大なコスト負担と引き換えに圧倒的な優位に立つことを可能にしてきた「世界の警察官」の看板を取リドげる。トランプ氏が掲げる「米国ファースト」は、内向き政策の裏返しでもある.
9.EUからの離脱を決めた英国にも同じことが言える。ヒト・モノ・カネの動きを自由化して地域統合を目指すEUは、近代国家の成立要件である「国家主権」「グローバリゼーション」「民主主義」の3つが相反するトリレンマに陥っている。すなわち共通通貨ユーロの導入により、各国は通貨発行権という主権の一部を放棄し、財政政策も制限されている。10.主権が制限された国家では、選挙を通じて民意を反映させることにも制限がかかる。ユーロ自体が近代国家システムの枠を超えた存在を志向している。英国はそれに反発し、再び近代資本主義の国家体制を志向する道を選んだ。
11.こうした米英の動きが意味するのは、米英は政治学者シユミットが言う「海の国」で、大航海時代以降に海上交易を通じて躍進した国家の代表である。新興国の台頭を受けて保護主義やブロック化など一時的に内向きの政策をとることはあっても、本質的には外部に拡大し続けることを志向する。シュミットに倣い世界史を「海と陸の戦い」と定義すれば、これから「海の国」と「陸の国」は対立を深めていく。海の国である米英が最も警戒するのは、陸の国である大陸欧州とロシア、そして中国が結びつき、ユーラシア同盟を結成する。
12.海の国は出る幕がなくなり、世界的な覇権が陸へと移行する。米英にとってドイツと中国が接近していることは気がで、独仏にとれば、英国がEUから離脱することは、むしろありがたい。60年代にドゴール仏大統領は、EUの前身にあたる欧州経済共同体(EEC)への英国の加盟を拒否し、EECの独仏同盟としての性格を守ろうとした。伝統的に「欧州」の概念に島国の英国は含まれず、一方、ロシアは欧州の一員とみなされてきた。今後、EUがロシアや中国との関係を強化していけば、海の国の米英に四方八方を包囲されても問題はないし、海の国からすればユーラシア大陸は大きすぎて囲めない。
13.共通通貨を導入し、シェンゲン協定でヒトの移動の自由化を進めるEUはドイツを先導役に「帝国」化を進めていく。ただちに欧州が帝国になるわけではなく、EUは、いったん解体することもあるかもしれないが、また統合・拡大するといったように振り幅を大きくしながら帝国化していく。EU離脱を求める極右政党の台頭もまた、茶番劇に過ぎない。



yuji5327 at 06:45 

2017年10月25日

保護されている産業から失業者が大量に出る。その痛みを覚悟しなければ成長戦略と言えない。成長戦略の効果は10年以上先だが、政治家は覚悟が必要である。

昨年12月30日付けの大前研一さんのニュースの視点は「人口動態・2017年度予算案 〜人口減と高齢化社会。日本は直面する深刻な問題に手を打てていない 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.厚生労働省が発表した統計によると、2016年に国内で生まれた日本人の子どもは過去最少の98万1千人で、統計を始めた1899年以降初めて100万人を割り込む見通しになった。死亡数が出生数を上回る「自然減」は10年連続で、人口減に歯止めがかからない現状が示されている。
2.重苦しいニュースと言わざるを得ない。日本社会は高齢化しているから死亡数が増加するのは当前である。かつては戦後の第1次ベビーブームがあり、その人たちが子どもを産んで第2次ベビーブームがあった、しかし、その後の第3次、第4次へと続くことはなく、その結果、出生数は100万人を下回った。
3.日本は年間に約30万人ずつ人口が減っている。今後、50万人、60万人と減少幅は大きくなっていくだろう。そうなると、1年間で鳥取県や高知県が1つ消滅してしまうのと同じインパクトがある。現状からすれば、日本が人口増に転じることは考えられない。確実に日本の将来は人口が減っていく。
4.移民政策など対策はあるが、移民に対する反発、欧州の例にみる社会的な問題に鑑みると、一筋縄ではいかない。そもそも安倍政権が強く舵取りすることも考えられない。人口が減り、同時に高齢化社会が進む。国民一人ひとりの負担額は大きくなるという深刻な問題に日本は直面している。
5.日経新聞は、23日「構造改革なき予算案、アベノミクスに綻び」と題する記事を掲載した。第2次安倍政権発足後で5度目の予算案が決定したことを紹介した。保育士の待遇改善や研究開発費を増加しながら新規国債の発行は減らした、と政府が自画自賛するものの、痛みを伴う中長期制度改革は手付かずのままで円安や超低金利の追い風に頼るアベノミクスの綻びが示されたとしている。
6.日経新聞も今さらアベノミクスに「綻び」と言っているが、最初から綻んでいる。アベノミクスは何の効果も生んでいない。今回の予算を見ても、過去の反省もなく、構造改革も手付かずのままで、消費税も先延ばしにしたままである。未だに2020年にプライマリーバランスの黒字化を掲げているが、もはや奇跡が起きても不可能である。公債発行額は増加し、国の借金は膨れ上がっている。一般会計の歳出を見ると、社会保障費が増加している。
7.国債費が23兆円もある。今の日本財政を個人で例えるなら「年収500万円の人が、毎年300万円借金を増やしていて、その借金総額が1億円」という状態である。これで支払いができると思う方がおかしい。今、生まれてきた人は1億円の借金の重圧を背負っていく。日本の政治家はこの問題を、どう解決しようとしているのか全く理解できない。成長戦略と軽々しく口にしているが、全く本質をわかっていない。成長戦略を成功させた政治家はいない。
8.成長戦略の基本的な方針は規制撤廃である。レーガン氏やサッチャー氏が示した成長戦略も、規制撤廃から始まっている。安倍政権はそれすら実行していないが、仮に規制撤廃をしたら、まず既存の産業がつぶれる。その後、10数年の時を経て、ようやく新しい産業や会社が成長の軌道に乗り始める。成長戦略の効果が現れてくるのは、10年以上先になる。
9.政治家はすぐに結果を示して選挙に臨む必要がある。レーガン氏もあれだけのことを実行しながら、その結果が現れてきたのはビル・クリントン氏の時代だった。レーガン氏もサッチャー氏も、この点で言えば気の毒である。
10.先に保護されている産業から失業者が大量に出る。その痛みを覚悟しなければ「成長戦略」などと言えない。日本の政治家もこの前提を理解した上で、成長戦略の効果は10年以上先であり、政治家としては討ち死にする覚悟で取り組まなければ何も実現しない。
11.日本には、ドイツのシュレーダー氏、英国のサッチャー氏、米国のレーガン氏などに匹敵する政治家は見当らない。安倍首相は最も悪い事例である。耳当たりのいいことばかり言って、100年前の経済学で金利とマネーサプライで何とかできると思っている。
12.これまで安倍首相からの個人攻撃をおそれて、日本のマスコミはほとんど批判的な記事を書いていないが、ようやく日経新聞が一石を投じた。



yuji5327 at 06:54 

2017年10月23日

アメリカの雇用を奪っているのは中国企業ではなく、中国でビジネスを展開する米国企業である。トランプ大統領が文句を言うべきはウォルマートやコストコである。

「大前研一著:トランプ大統領よ、アメリカはすでに一人勝ちだ、PURESIDENT ,2017.3.20」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1. 日本の労賃は当時すでにアメリカの自動車業界とそれほど変わらなくなっていたし、世界で初めてホンダがマスキー法{アメリカの超シビアな大気汚染法〕をクリアするなど公害対策はむしろ日本の自動車メーカのほうが進んでいた。そもそもクライスラー復活のカギは三菱自動車がOEM供給していたクルマ{ダッジ・チャレンジャー〕が売れたからで、クライスラーこそが日本車の最大の輸入業者だった。自社生産工場はデトロイトから川一つを渡ったカナダ側にあって、国内雇用には貢献していなかった
2. トランプ大統領の発言は嘘と思い違いの連続である。トランプ政権の貿易政策を担当する新設の国家通商会議のトップに起用された経済学者のピーター・ナヴァロ氏は台湾ロビーの代表格で対中強硬派である。『DeathbyChina』という著作や動画まである。要するにこのままではアメリカは中国に殺されるという内容の本で、かつての「黄禍論」の中国バージョンである。
3. トランプ大統領は中国がアメリカの雇用を奪っていると主張してきた。アメリカの中国からの輸入額は年間50兆円ほど。対中輸出が約10兆円だから、40兆円ぐらいの貿易不均衡があるのは確かである。内実を見ると、米国企業が中国でつくったモノを輸入しているケースが非常に多い。それからウォルマートやコストコのような流通大手が中国に巨大な購買部門を置いて、安くて良い商品をアグレッシブに調達している。
4.当時の日本と違って、中国にはそソニーやホンダのような自力でアメリカに売りまくる力を持った企業はまだ出てきていない。アメリカの雇用を奪っているのは中国企業ではなく、中国でビジネスを展開する米国企業である。トランプ大統領が文句を言うべきは国産に見向きもしないで、海外の最適地から安易に調達してくる国内メーカーであり、ウォルマートやコストコである。
5.アメリカの失業率は今や5%を切って完全雁用に近い。むしろ人手が足りなくてレストランなどは経営が成リ立たないくらいである。仕事にあぶれているのは中西部などの「プア・ホワイト」で、彼らはいわばアメリカ国内の競争に敗れた人たちである。世の中の進化に対して勉強し直したり、新しいスキルを身に付ける努力をしない人たちが失業してゴーストタウンになった街に滞留している。トランプ大統領を熱狂的に支持したのはそういう人たちで、いくら中国やメキシコを叩いて新しい雇用を生み出しても彼らは救えない。アメリカと個別交渉して勝てる戦はない
6.公約通り、トランプ大統領はメキシコ国境に壁を造る大統領令に署名したが、メキシコに対する認識もまるでずれている。メキシコからの不法移民は大幅に減っていて、食い詰めてメキシコ国境を越えてくるのは中南米の人々が多い。メキシコは1人当たりGDPが1万ドル後半の立派な中流国であり、成長率も高い。アメリカとの貿易不均衡も誤差の範囲でしかなく、むしろ不法移民を含めたメキシコの巨大な低賃金の労働力がアメリカ経済を下支えしている。不可欠とも言われる不法移民を国外追放するという大統領の公約が実現したらメキシコ国境近辺の繊維などの労働集約型工場は軒並み閉鎖に追い込まれ、各方面で深刻な人手不足が起きる。
7.トランプ大統領の排外的な経済政策が誘発することは2つ考えられる。1つはコストプッシュインフレである。トランプ大統領は中国に45%、メシコに対しては35%の輸入関税を課すと言ってきたが、れは当然、国内物価の上昇というかたちで跳ね返る。
8.中国やメキシコの製品は生活関連用品が多いから、プア・ホワイトなどトランプ支持層の生活を直撃する。アメリカの場合、中間業者が悪辣で、輸入価格か45%上がるし.末端価格まで45%上がる。
9.TPPやNAFTAの見直しで、各国と個別に交渉していくとなれば、アメリカと世界のフリクションはも高まる。アメリカは自由貿易の拡大を国是としてWTOなどを通じてリーダーシップを発揮してきた。TPPやNAFTAのように複数の国が参加する多国間協議となれば、各国の利害が絡み合うから、合意を取り付けるためにアメリカも自分の都合だけを押し付けるわけにはいかない。しかし、2国間の個別交渉となれば話は別で、アメリカ相手の事情などお構いなしにエゴを剥き出しにしてくる。しかも交渉相手のトランプ大統領は幼稚園レベルの経済理解だから.理屈も通じない。TPPごときで文句を言っていた日の産業界、農業関連の業界は目も当てられない状況に追い込まれる。
10.日米貿易戦争を間近で見てきたが、日本が勝った交渉事は1つもない。日本の政治家や役人が前に出てうまくいった事例は皆無である。アメリカとの個別交渉においては日本が一方的に屈してきた。そういう時代に再び足を躇み入れたことを覚悟したほう.かいい。

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yuji5327 at 06:49 

2017年10月22日

日本人にとって本格的な英語力をつけるのは容易ではない。日本社会のあり方からみても、特にその必要はない。

「中根千枝著:随想 英語力?について、學士會会報No.922(2017-1)」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本人は英語(外国語)が不得意である、ということは自他ともによく認識されているが、近年外国人の来日は増えつづけ、とくに4年後のオリンピックを控えて、何としても英語力をつけるべきとの考えから、近く小学校レベルから英語を教科として設けることとなるという。これで日本人全体の英語力が上がるものと期待されているが、果してこのようなことで、どれ程効果がでるものかと疑問をもつのは私一人だけではない。
2.外国語習得ということは、極めて個人的営為が大きく作用しており、さらに、個人をとりまく社会環境のあり方(家庭をふくめて)にもよるものである。大変美しいフランス語を話すイギリス人の友人は、その流暢さに感心して、理由をきくと、彼女の家庭では、生後2〜3年までは、フランス人の乳母に世話をさせ、その間、子供は完全にフランス語で育まれる。その後、家庭での英語の生活にきりかえられる。長ずるにおよんで、フランス語は、すっかり忘れてしまうが、後にフランス語を習う段になると、自然に苦労なくフランス語を話すことができた。3.これ程計画的でなくても、両親の都合などで、子供時代を外国で数年過した経験をもつ場合、たとえ、その地の言語が英語でなくとも、日本語以外の言語に親しみをもったということは、その後の英語習得に役立つもので、そのような例はよく見受けられる。
4.成人してから、英語を習得した人々の場合は、どんなに英語の語彙が多.く、すぐれた英語をマスターしていも、どこか、発音とか、言いまわしに、自国語の影響が出る。イギリスとアメリカの英語に違いがあるばかりでなく、さまざまな英語に接しうるが、相当幅の広い英語を聴く力をもつことが必要である。日本で英語ができると自負する人でも「インド人の英語はわからない」とか、「イギリスに着いた途端、英語が通じなくなった」などということをきく。
5.英語力とは、バリエーションをも含めて聴く力が要求される。自身の英語力をつけるためには、個人にとって、現実的な必要性と強いインセンティブによる努力を惜しまないことである。常に外国人を相手にする仕事にたずさわる人々は言うまでもないが、研究者でみると、文科系より第一線の自然科学者の中により多くみられるのは、このためであろう。
6.日本人にとって本格的な英語力をつけるのは容易ではない。日本社会のあり方からみても、特にその必要はない。全体的にみると、英語をただ学ぶということは、日常生活の簡単なやりとりなどはできるようになるだろうが、本格的に英語力をつけるのは、限られた人々になる。社会全体の構成から、そうした人々が階層的な存在となるのは想定しがたい。
7.近い将来、日本人にとっては、英語力をつける、あるいは向上させる、というよりも、英語の用語を日本語化して使用することがますます多くなる。たとえば、「アプリ」「ダウンロード」のように.この種の用語の使用の仕方は、長い間行われてきた。つまり、英語自体を英語としてとり入れるより、英語の単語やフレーズを、似た発音で、ときには短縮した形で、便利なカタカナ表現で使うのである。
8.こうして生まれた日本語が効用をもつと、驚くほど早く、広い範囲に流布する。実際、この種のカタカナの単語がいかに多いか驚く。極端なケースとして、テニヲハ以外は全部この種のカタカナの羅列した表現さえ見受けられる。それでは英語ができるかといえば、必ずしもそうではない。英語のシンタックスは無視されているからである。

yuji5327 at 07:06 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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