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2020年03月28日

今回の株価の動きによって浮き彫りになったのは、21世紀の今、20世紀の経済原論は通用しない、ということである。

「2020/3/20付の 大前研一さんの「ニュースの視点」(発行部数 159,362部)は「新型コロナ/金融/原油〜20世紀の経済原論は通用しない」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.12日のニューヨーク株式市場で、寄り付き直後から売り注文が殺到し、9日に引き続き、取引を中止するサーキットブレーカーが発動しました。再開後も流れは変わらず、終値は前日比2352ドル安と過去最大の下げ幅となった。
2.トランプ大統領は「全てコントロール下にありうまくいっている」と発言していたのに、急に非常事態宣言を発動した。トランプ大統領らしい。今回の株価の動きによって重要な問題として浮き彫りになったのは、「21世紀の今、20世紀の経済原論は通用しない」ということである。
3.21世紀の経済原論は、ボーダレス経済、マルチプル経済、サイバー経済であり、これまでにも何度も20世紀の経済原論とは異なるものだと主張してきた。両者の特性は、極端に言えば「真逆」である。
4.20世紀の経済原論では、景気を刺激するためには、金利を下げて、マネーサプライで市場をジャブジャブにするという方法が有効だった。トランプ大統領も安倍首相も基本的にこの考え方しか持ち合わせていない。国債を発行し、中央銀行に吸収させるというリフレ派の発想です。今回の米国の対応も、トランプ大統領がパウエル氏に指示を出して、金利を強引に下げさせるというものだった。
5.これまで0.25%ずつ引き下げてきた金利を、一気に0.5%引き下げた。しかし、マーケットの反応はゼロだった。むしろマーケットはさらに下落した。これは20世紀の経済原論に対して、マーケットが反旗を翻した。また、マネーサプライも通用しませんでしなかった。約150兆円の資金を注入したが、マーケットから全く反応はなかった。マネーサプライで市場をジャブジャブにしても、その市場にニーズがなければ資金はさらに高いリターンを求めて外へ出ていく。
6.例えば日本円が外へ出て行く場合は「円キャリー」である。今週に入って米国の株式市場は少し値段を戻したが、この1週間で見ると約2600ドル下落していて、リーマンショックに次ぐ大きな下げ幅を記録した。
7.日米の株価の騰落率の推移をみると、下がる一方の日本に対して、米国は上下の振れ幅が非常に大きくなっている。深刻な問題になりつつある。今回、リーマンショックのときよりも厄介なのは、問題が明確ではないために、対策を打ちづらいということである。
リーマンショックにおいては、問題は貸し込んでいた銀行であることが判明していたから、対策を立てることが可能だった。
8.ところが、今回の相手はコロナウイルスである。今後どのくらい感染が広がっていくのか、ドイツのメルケル首相が言うように国民の6〜7割が感染してしまうのか、誰にもわかっていない。日本にしても、とりあえず2〜3週間様子見をしている状況にすぎない。この間に収束するかどうか、見通しはたっていない。
9.今回の株価下落によって、トランプ大統領が就任以来稼いできた株価上昇分はほとんど消えた。また、ツイッターでパウエル氏に指示を出して何とかごまかしていた手法も、今後は通用しない。
10.日経新聞は10日、「OPECの『落日』鮮明」と題する記事を掲載した。ロシアのノワク・エネルギー担当相が6日、OPECとの会合で4月以降の協調減産強化を拒否したと紹介している。一方、原油価格の国際指標である北海ブレント先物が9日、一時1バレル30ドル台に急落し、ロシアは高コストのサウジアラビアに付き合うより、相場下落で自ら傷を受けながら強敵に育った米国のシェール企業を攻撃するほうが得策と判断したとしている。非常に興味深い話題だが、日本にとっては喧嘩を対岸から見ているだけで、原油価格は安ければ安いほどありがたい状況である。
11.OPECの原油減産に対して、ロシアが反対した。すなわち、OPECの中心にいるサウジアラビアとロシアが敵対したという構図になる。その後、サウジアラビアの皇太子と
ロシア側が話し合いを持ち、対立するのではなく協力して米国を叩こうということになった。背景にあるのは、米国の原油生産量、輸出量の伸びである。特にこの数年間の伸びは急激で、今や米国は国際供給で世界最大級の原油産出国であり輸出国に成長している。OPECからすれば、成長する米国にいじめられているような状況だった。
12.それに対して、この原油価格の下落を利用して米国の足腰が立たないようにしてしまいたい、というのがサウジアラビアとロシアの狙いである。米国は経済原則の国である。シェールオイルの価格が1バレル30ドルを下回ってきたら、次々と閉鎖していくことになる。そのようにして、一度米国を叩きのめして退場させてから、ゆっくりと自分たちだけで稼ごうということである。
13.実際のところで言えば、サウジアラビアも1バレル80ドルくらいの価格を維持しないと今の無駄遣いの国家予算を正当化することはできない。ベネズエラなどは1バレル120ドルほどの価格でなければ経済が成り立たない。ロシアは1バレル40ドルが限界と言われていたが、先日プーチン大統領が1バレル25ドルでも戦えると公言している。
14.米国の原油生産量の推移を見ると、原油価格の上昇に比例して次々シェールオイルを掘ってきたことがわかる。原油輸出量も、サウジアラビアとロシアに迫る勢いを見せている。今のうちに叩き潰しておかないといけないと感じるのも当然かもしれない。OPECとロシアにとってはそんな米国を叩きのめすのは、今や「共通の夢」と言っても過言ではない。「サウジアラビアとロシア」VS「米国」という新しい対決の構図が見えてきて、これも市場の混乱に拍車をかけている状況である。


yuji5327 at 06:33 

2020年03月25日

株価の不調が続くだけなら、まだいいが、次に顕在化しかねないリスクは、企業債務で、米企業の債務残高は19年9月時点で約1600兆円、対GDP比でも過去最局の74%となっている。


「野村明弘著:コロナ恐慌、最悪のシナリオ、週刊東洋経済2020.3.21」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.昨年末に中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスは、わずか3カ月で金融危機という別次元の領域へ世界を連れていきつつある。今や最大の焦点は、リーマンショック級の危機の再来があるか否かである。歴史的な大暴落3月9日、ロシアとの協調減産合意に失敗したサウジアラビアが増産に踏み切ると報道されると、原汕価格は前日比30%超急落した。
2.投資家心理は気に冷え込み、同日の米ダウ工業株30種平均は過去最大となる2013ドル〔7・8%)の暴落となった。同様に米S&P500種株価指数は寄り付き直後に7%下「落し、自動的に取引を15分間停止するサーキットブレーカーが発動。米シェール関連など低格付け会社の社債が売られ、ドル円市場では安全ムヒ資産とされる円に資金が向かって一時 1ドル=101円台に突人した。この日の暴落が想起させたのは、コロナ恐慌への足取りが着実に速まっているということである。
3.万一、グローバル金融危機になれば、ウイルスの感染拡大という問題を超えて、より深刻な状況に陥ることになる。今後、どんな展開が考えられるのか、日本など中国以外のアジア諸国で緩やかな感染拡大と景気悪化が進んでいた2月中旬までを第ーステージとすると、世界の金融市場の動揺が本格化した2月21日以降が第2ステージとなる。2月21日金曜日の株式市場の大引け後、米国とイタリアで経路不明の感染者の拡大が判明し、「対岸の火事」と見ていた米欧の金融関係者はパニックに陥った。
4.その直前まで投資家はアクセル全開だった。低金利下での高利回り追求、米中摩擦の緩和期待などから、株価はほぼ、一本調子で上げ、NYダウのPER(株価収益率}は過去平均の15〜17倍に対し、22倍まで膨張。そこヘコロナショックが襲い、週明けからの1週問で3583ドル〔約12%}というリーマンショック時以上の下落幅を記録した。このときの主役はVIXの急騰〔ジャンプ)だった。VIXは別名「恐怖指数」とも呼ばれ、S&P500の予想変動率を表す。.株価急落時にはVIXの数値は跳ね上がる。
5.国際金融市場に詳しいSMBC日興証券の村木正雄ストラテジストは、好調な相場の中で、ヘッジファンドなどがVIXの売リポジション(株価変動の安定で儲け、大きな変動で損出が出る〕に偏りすぎ、ViXのジャンプが起き、それらは大きな損失になった、という。ヘッジファンドは損失をカパーするため株などの資産売却に殺到し、1週間に及ぶ歴史的な急落を現出させた。.慌てたFRB(米連邦準備制度理事会)は3月3日、0・5%の緊急利下げを実施。G7の財務相・中央銀行総裁も政策協調を行うとの声明を発衣し、株式市場はいったんリバウンドした。
6.その後も欧米での感染拡大が衰えを見せない中、株価は下落と上昇を繰り返す不安定な展開に。9日の暴落はまさにそうした中で起きた。今後はどのような展開が爆疋されるのか、村木氏は、VIX投資の盃みはほぼ解消した。今後は株価、社債スプレッド、ドル調達コストの3つを注視する必要があると指摘する。感染拡大が長引くとボディーブローのように効いてくるのが、企業収益の.悪化とPERの低下である。NYダウのPERは足元で18倍台まで低下してきたが、リスクプレミアムの拡大でPERはさらに下押しされる可能性が高い。企業の1株利益低下とのダブルパンチで株価下落に直結する。
7.こうした状況が続くと、これまで動きが比較的遅かった巨大プレーヤーも本格的な株売りに傾斜し始める。それが投資信託や企業年金基金などであ.り、資金の大きさはVlXジャンプのときの比ではない。リーマンショック後、「ボラティリティーターゲット戦略」や「リスクパリティー戦略」と呼ばれる運用手法が拡大した。株や債券などの組み入れ比率について、価格変動の大きなものは少なくし、価格変動の小さなものは多くすることで運用資産全体の価格変動リスクを抑制しようというものである。
8.リスクパリティー戦略をうたう個人投資家向けの投信も増加中。今や一般になじみの深い戦略である。IMFによると、この戦略を採用する運用主体として、リスクパリティーファンドがL500億〜1750億ドル、変額年金が4400億ドル、CTA(商品投資顧問、ヘッジファンドの一種}が2200億ドルの資産規模を持つ(17年半ば〕。19年初頭では、合計1兆ドル(約102兆円)程度に達していた可能性がある。
9.このうち、CTAは動きが速く、すでに株売却を実行済みと考えられるが、長期運用主体のリスクパリティーファンドや変額年金はまだである。3月9日の暴落でVIXは、リーマンショック以来となる62台まで一時跳ね上がった。高水準が続けば、遠からずリスクパリティー系は株売りを本格化させる。
10.現在のように株価の不調が続くだけなら、まだいいが、次に顕在化しかねないリスクは、企業債務である。FRBによると、金融機関を除く米企業の債務残高は19年9月時点で15・7兆ドル(約1600兆円)に達し、対GDP比でも過去最局の74%となっている。金融市場の動揺とともに、社債スプレッド(米国債に対する上乗せ金利)は低水準ながら若干拡大していた。それが、3月9日の原油急落で米シェール関運企業を中心に低格付け社債が一段と売り込まれることになった。



yuji5327 at 06:29 

2020年03月24日

実体経済の悪化は20年の日本の実質GDP成長率は前期比1・1%減。東日本大震災のあった11年(0・1%減)以来のマイナス成長となる。


「野村明弘著:コロナ恐慌、最悪のシナリオ、週刊東洋経済2020.3.21」は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.注意すべきは、企業債務の姿がリーマンショック以前とは様変わりしていることである。規制が強化された銀行の貸し出しに代わり、企業債務拡大の主役になったのは低格付け社債に加え、レバレッジドローンと呼ばれる非投資適格企業向けの貸出債権である。これらの多くは、投信やETF〔上場投資信託}、CLO〔レバレッジドローンを担保にした証券)、私募投信に組み込まれた形で市場に流通する。そして、その金融商品に資金を投人しているのは個人投資家や企業年金基.金、生命保険、非大手銀行の一部という構図である。
2.つまり、現代の取り付け騒ぎは、現金を求めて銀行店舗に行列を作るのではなく、スマートフォン画面のタップで投信などを解約することで起きる。米国では低格付け社債に投資するETFからの資金流出が始まっている。投信などの解約が加速すれば、原資産である低格付け社債やレバレッジドローンの換金投げ売りで、投信やETFと連鎖した価格下落が起きかねない。パニック的な取り付けが起きれば、行き着く先は、企業の資金繰り危機や運用会社の破綻である。それが、さらに金融機関の決済システム不全へ波及してシステミックな危機を引き起こす、というのが想定される最悪の事態である。
3.3月9Hの暴落の最中、FRBは、レポ取引など短期金融市場に供給する資金.の規模を引き上げると発表した。これも金融危機の芽に対処するというサインである。「米国のモーゲージREIT(不動産投資信託)や日本の金融機関の一部は最大10倍程度のレバレッジをかけて、短期調達資金を元手にモーゲージ債など長期債を買う投資を拡大してきた」と村木氏は指摘する。
4.このレバレッジ投資拡大に加え、FRBがバランスシート縮小で資金供給を抑制したこともあり、昨秋、短期金.融市場の金利は急騰した。直後、FRBは短期市場への資金供給拡大へと転じ、事なきを得たが、金融不安の中でドル調達コストが再び急騰する局面になれば、レバレッジ投資は逆ザヤになって、ポジション解消による急激な資産売却を起こしかねない。このレバレッジ投資、さらに先述のCLOでは、日本の農林中央金.庫やゆうちよ銀行などが一定規模の投資を行っているといわれる。
5.全般にいえるのは、規制が強化されてきた米銀行のリスクは現状では低く、投信やETF、モーゲージREITなどシャドーバンキング(影の銀行)のリスクが巨大であることである。金融危機の行方は、これらの金融のひずみを解消し軟着陸できるかにかかっている。
6.金融危機が起こらなければ、実体経済の悪化はどの程度になるのかは、大和総研の試算によると、20年の日本の実質GDP成長率はメインシナリオで前期比1・1%減。東日本大.震災のあった11年(0・1%減)以来のマイナス成長となる。メインシナリオの前提は、ウイルスの流行が4月ごろまで続くというものである。これに対し、21年1月ごろまで長引くと仮定したリスクシナリオでは、3・4%減までマイナス幅が広がると予想される。
7.大和総研の小林俊介シニアエコノミストは、春闘や新卒採用活動が停滞しており、今後の所得環境の悪化も懸念材料だ、という。国民の関心を集める東京五輪の行方は、仮に中止になると、7947億円のGDP減少となる。東京都が昨年4月に公表した「東京2020大会開催に伴う経済波及効果」を基に直接的な今年の需要見込額を絞り込んだ結果である。これはGDPを0・2%程度押し下げるもので、さほど大きくないが、不動産業やスポーツ産業などでは大きな問題を引き起こす。社会的なインパクトも巨大である。
8.日本政府は3月10日、緊急対応策の第2弾を決定した。中小企業や個人事業主への無利子無担保融資制度の導入などが柱である。金融危機が起きれば、先の成長見通しが一段と低下するのは必至である。世界の中央銀行や財務省が連携して金融危機を抑え込めるか、闘いは待ったなしである。




yuji5327 at 06:32 

2020年03月23日

サプライチェーン問題は米国にも広がっている。ウオルマート、イケアのようなお店も中国からの貨物が3月に入ってストップし、中国への依存度が高い商品は、どんどん物不足になる。


「大前研一著:東京五輪は強行できない、「延期」を提案するべきだ 週刊東洋経済 2020.3.21」参考になる。大賛成である。概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.1年延期という落としどころもありうる。日本が主体的に提案しなければ、無観客試合やロンドンなど他の都市で行うようなことを突きつけられる。もし中止になれば、日本にとって史上2度目のこと。1940年の近衛文麿首相時代に、日中戦争を理由にして大会開催を返上した。それから80年後に、また中止に追い込まれないよう、積極的に手を打っていく必要がある。
2.国会で急きょ「緊急事態宣言」法案を審議している場合か、とその鈍感さにあきれる。発令すれば、それは即「東京五輪返上」宣言に直結する。他国に流れる、あるいは無観客となれば安倍政権が自らまいた種、と言わざるをえない。
3.3つ目の論点が経済影響である。今の状況を見ると、測り知れないほど深刻である。これまで見たことがないぐらいのレベルで経済が萎縮している。日本人の個人金融資産は1800兆円ありながら、平時でさえ「低欲望」で消費が上向かない。今は政府が「自粛しなさい」と騒いでいるわけだから、心理的に萎縮してしまい経済活動に急ブレーキがかかっている。
4.そのシワ寄せは、まずは非正規雇用の人たちが受ける。フルタイムで雇われている人には補償の方法もあるけれども、パート・派遣などの場合、補償の方法がない。時短営業になると、時給で働いている人は途端に収入が激減する。あまリウイルス感染とは関係のないようなところまで急速な減衰を招いており、1〜3月のGDPのマイナスは年率換算で10%以上になるとも推定される。
5.産業面でも、弱いところから打撃を受ける。年間1000万人に及ぶ、中国からの観光客がなくなるわけで、ホテル、飲食、バスなど観光関連産業は倒産が相次ぐ可能性がある。その他の国も日本を避ける動きが広がっているので予断を許さない。国内の消費は、今後数週間で「マスクが足りない」というレベルでは収まらなくなる。中国から輸入している野菜がなくなり、大きな問題になるだろう。製造業もますます厳しくなる。中国から部品が入らなくなることで生産できなくなる製品は、家電や自動車だけでなく、家具やアパレルなど広範である。
6.サプライチェーン問題は米国にも広がっている。ウオルマート、イケアのようなお店も中国からの貨物が3月に入ってストップし始めている。中国への依存度が高い商品は、どんどん物不足になっていく。中国の多くの工場は春節と合わせて2カ月以上生産が途絶えることになり、本来の稼働状況に戻るには1年以上かかっても不思議ではない。過去20年、世界中の国の細胞の奥深くに中国が入っていった。サプライチェーン問題が長期化すると、例えばハーレー・ダビッドソンのような米国で完成品を造っているトランプ的にいえば善良な会社でさえ生産できなくなる。自国内生産に戻すべき、という議論はますます強くなるが、そう簡単には戻せない。
7.米中関係は貿易戦争をしている場合ではなくなり、「急いで輸出してください」と米側が頼むシーンも増えてくる。心理状態の改善が必要不況連鎖を止めるための政府の施策としては、個人がお金.を使えるような心理状態に持っていく、ということに尽きる。こういうときに東京ディズニーランドやUSJをいきなり閉めてしまったのでは、心理面での影響が大きすぎる。入場制限、健康チェックなどの工夫をし、どしどし来場を誘発すべきだった。
8.人が集まる場所を避けうと一律に規制するから、こうした過剰反応が起きてしまう。ライブハウス、ジム、密室での宗教活動のようなものには注意が必要である。しかし、お花見まで自粛する必要があるのか。何でもかんでも自粛せよ、という姿勢は撤回するべきである。キャンセルで困っているホテルやレストランは多いので、今こそ家に引きこもるのではなく、人生をエンジョイしてほしい、と政府がメッセージを打ち出すのがよい。広報戦略次第で心理状態は大きく改善し、経済的なダメージを抑制できるう。




yuji5327 at 06:27 

2020年03月22日

冷戦時代にはモスクワ、モントリオールのように不参加国が多い中でも強行した五輪があるが、今回のような問題のときにIOCが強行の判断をするわけがない。


「大前研一著:東京五輪は強行できない、「延期」を提案するべきだ 週刊東洋経済 2020.3.21」参考になる。大賛成である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本における新型コロ日ナ問題は、3点に整理して考える必要がある。1つ目は、国内の感染をいかに防ぐか。2つ目は、東京五輪の中止をいかに避けるか。3つ目は、経済への影響、中国のサプライチェーン問題である。
2.1つ目の問題。現時点ではウイルスの実体がまったくわからない。それを防ぐ方法も、医薬品もない。そのため、ウイルスのパンデミックではなく、恐怖のパンデミックが先に発生している。実体がわかれば恐怖は広がらない。インフルエンザは致死率0・1%弱で、米国では今シーズンで2500万人も感染し、2万人近く死んでいる。ただ誰も恐
怖心を持たない。予防接種も治療薬もあるからである。
3.恐怖のパンデミックを止めるには、政府の広報戦略が極めて重要である。クルーズ船の患者を日本の統計に含めて発表しているマスコミを放置しているのはあまりにも無神経である。感染したとしても多くの患者が短期間で回復して退院していることを積極的に伝えて、国民に安心感を持ってもらう必要がある。現状わかっている範囲では、インフルエンザと比べて、格段に危険ではない、というメッセージも必要だ。
4.安倍首相が思いつきで緊急対策を出していくものだから、不安ばかり広がった。とくに感染率の低い年代の生徒を対象とした学校への休校要請は、完全な逆効果になりかねない。働く母親に対する補償など社会的な負担も無視できない。子どもたちは学校に行かないからといってじっとしているわけではない。原宿竹下通りが子どもたちであふれてしまっている。科学的な根拠もないまま、独断で物事を決めるという、いかにも安倍政権らしい愚挙といえる。
5.中国・習近平国家主席の来日を優先したため、米国やフィリピンのように中国人旅行客の来日を水際で阻止できず、全国に感染を招いてしまった。この責任は大きい。感染拡大防止は世界共通の課題である。これは時間の経過とともに終息に向かうが、日本にとって特別に重要なのが五輪である。
6.これが2つ目の問題である。今の状態では、夏開催はまったく無理だと思う。まだ発生源である武漢ですら終息の方向が見えていない。武漢が12月初旬から感染が本格化したのだとすれば今はそこから3カ月半経過しているが、終息がみえない。日本では現時点から3カ月半後も感染が広がっている状態になっているとみるべきである。
7.6月には、選手たちは7月24日の開会式の前に日本に来て練習などの準備を行うが、それができなくなる。そもそも中国が終息宣言をしない限り、中国の選手が日本に入れない。そうなると金メダルの3分の1分の選手が来ないことになる。冷戦時代にはモスクワ、モントリオールのように不参加国が多い中でも強行した五輪があるが、今回のような問題のときにIOCが強行の判断をするわけがない。
8.中国からの観戦客も激減するだろうし、もし大挙してくるようだつたら。その他の国が恐れて来日しなくなる。米政府が日本からの渡航を制限するようになるのも時間の問題である。それは日本政府の広報戦略に決定的な欠陥があったからである。「ダイヤモンド・プリンセス」を日本での発生件数に入れて「1000人超え」という報道をNHKや日経などが行った。海外の報道を見ても、五輪は無理という記事が多く出ている。
9.東京マラソンを一般参加不可とし200人の招待選手に絞ったのも、五輪を行うためには問題のある決断だった。消毒を徹底する、選手の検温を義務づけるなどの措置で実施できたはずである。一般参加不可としたことで、東京はそれだけたいへんなことになっているのか、という誤った印象を世界に発信してしまった。とはいえ、状況は刻々と悪化している。アジアだけでなくイランや欧州、米国でも感染が広がり始めており、五輪どころではない、という雰囲気は世界中に広がった。
10.そうなると日本が主体的に動くことも必要である。ぜひ行うべきは、10月への延期を提案することである。巨大スポンサーである米NBCなどが反対をするだろうが、この際、そのスポンサー代を肩代わりすると宣言すればいい。秋に延期するためにはいくら出せば妥協するのかをNBCなどと交渉し、国民に協力を呼びかける。クラウドファンディングによってそのギャップは埋められるはずである。足りない分は休眠口座に眠っているご先祖様のお金をいただく、などの策も可能だろう。もちろん10月開催の可能性は低いが、「何が何でも東京で開催する」という意思を示すことが重要である。



yuji5327 at 06:39 

2020年03月21日

これから日本の社会や産業を変革するリーダーは、理系や文系の色分けを脱却し、多様な脳が原動力となる。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、理系・文系の脳から「LGBT脳」へ、週刊ダイヤモンド、2020.2.29」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.先月、「メガバンク初の理系先トップ」というニュースが話題となった。三菱UFJフィナンシャル・グループの社長に就任する亀澤宏規氏は、理学部数学科出身の「理系」だという。あらゆる業種の既存事業がデジタル化で大きく変貌する中で、理系人材がトップに就くことが世間で好意的に受け止められた。
2.理系と文系を分けること自体、意味がなくなっている。すでに経団連は、2018年に大学での理系と文系の区別は時代遅れだとしている。全てがデジタル化されることを前提にした産業の転換(デジタルトランスフォーメーション:DX)の中で、人工知能やビッグデータを使う新しいビジネスモデルに必要な人材を大学で育ててほしいと提言している。
3.要するに経団連は理系・文系の次に来る「DX系」の人材を育成してほしい、と求めている。しかし、その提言の根底にあるのは、相変わらず既存の大企業の組織にはめ込む人材を養成させる発想である。DXの必要性は20年以上前から明確だったが、日本企業のほとんどは着手できなかった。自らの組織を否定するようなDXに、自発的に銚戦するのが難しかった。経団連がDX系の人材が欲しいと言っても、既存組織の型にはまる人材を求める限り、現状打破は難しい。
4.これからの企業組織に必要な人材は、組織に服従するタイプではなく、自律した個人である。教育も個人中心に転換するべきである。すなわち、「人を育てる」という上から目線の発想ではなく、「一人一人が人生の糧を得られるように支援する」という発想の転換である。
5.しかし日本の現状の教育現場では、理糸、文系に色分けされたカリキュラムを履修することがほとんどである。色分けは子供の頃から始まり、無意識のうちに理系・文系という殻に閉じこもってしまう。振り返れば自分もそうだった。小学生の頃から算数や理科の方が得意だったため、周囲からは理系と色を付けられた。国語や社会が嫌いだったわけではないが、文系とは見てもらえなかった。このときにつくられた殻が、無意識に前半生の方向性を決めていったように思う。
6.特にやりたいことが分からないまま大学に入学し、理学部に進んだ。大学院では何となくの興味で化学分野の研究をした。就職は、たまたま見つけた掲示板の募集から写真フィルムの製造企業に入社し、当然のように開発部門に配属された。私は、知らないうちに組織に組み込まれた理系の従業員となった。
7.しかし、ある小さな出来事が人生を変えるきっかけとなった。社内で開発を続けるうちに、自社の写真フィルムは、ライバル企業の製品に性能では劣っていないのに、なぜマーケットシェアが競合相手の3分の1であることを疑問に思った。開発部門の上司や同僚、本社の営業部門、経営企画部門に聞いて回ったが、納得できる説明はなかった。しばらく悶々とした気持ちで悩んでいたときに、マーケティングに関する本で、「顧客の視点から製品の価値を見直せ」という内容の本に出合った。このメッセージは、衝撃的だった。顧客は写真フィルムを買っているのではなく、人生の思い出や生活シーンを切り取り、保存し、共有するための手段を買っている。そう理解すると、写真フィルムだけでなくカメラやスタジオ、販売店、現像所、プリント、アルバム、さらに旅行代理店など全ての価値連鎖を考える必要があることが分かる。
8.その総合力で、ライバルと比べて自社が劣っていた。時を同じくして、デジタル技術の興隆を知り、デジタルによるイノベーションの中心地であるシリコンバレーに移住する契機となった。自分の人生を全く違う方向へ転換するきっかけとなったマーケティングの発想は理系でも文系でもなかった。シリコンバレーに渡ってからは、米アップル創業者の故スティーブ・ジヨブズ氏のメンターだつたレジス・マッケンナ氏と仕事をする機会に恵まれた。
9.彼は「マーケティングは顧客が全てであり、企業活動の全てがマーケティングだ」と提唱。インテルやアップル、ジェネンテックなどの「理系脳」で凝り固まっていたシリコンバレーの発想の転換させた。マッケンナ氏は学歴の上では理系ではなかったが、技術の持つ力についての理解力と直観力があった。インターネットが商用化されたとき、コミュニケーションが双方向でリアルタイムとなり、マーケティングが顧客主体となる異次元の世界に突入した。マッケンナ氏の頭の中には新技術の本質を理解する脳と、それが市場や社会にもたらすインパクトに思いをはせる脳が共存していた。
10.自分の脳は、子供の頃からの理系脳という殻から抜け切れていなかった。必要なのは「理系脳」や「文系脳」といった伝統的な系統で色分けされない柔軟な脳である。伝統的な特定の色に属さないという意味で、LGBTのような脳といえる。特定の分野に深い知識と見識を持つ専門家が、理系・文系を問わず今後も重要である。これから日本の社会や産業を変革するようなリーダーや実行者は、理系や文系のような色分けから脱却し、多様な脳を応援することが原動力となる。



yuji5327 at 06:39 

2020年03月20日

学力偏差値は、東京都・港区の中学校の先生が編み山したもので、欧米にはない。フインランドの学校教育は特別なことはしなくて、やるべきことを当たり前にるだけである。

PRESIDENT (プレジデント) 2020年 4/3号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2020-03-13

「池上彰と増田ユリヤ著:裁量が大きい教育現場・・・ブインランド PRESIDENT 2020.4.3」参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.フィンランドでは小学校から大学まで、ほとんど公立である。みんなが設備の整った環境で勉強しているわけではないが、底辺の子をできるだけ少なくし、格差.をなくすことに力を入れている。公教育を充実させれば、所得に関係なく、すべての子どもに平等な教育機会を与えることができる、という考え方である。
2.教育行政のシステムが日本とまったく違う。日本では、文部科学省が学習導要領を決めて、教科書検定をする。文科省の職員は霞が関の官僚として採用されているから、教育に関しては素人である。フィンランドでは教育省というのは予算を獲得するだけで、政治家が口を出せるのもここまである。現場のことは、専門家の集まりである国家教育委員会がすべて決める。そのうえ、自治体に大きな権阪が委譲されているので、授業の教え方は先生が自由に決めることができる。たとえば、教科書ぱ使わなくてもいいし、複数の種類を使ってもよい。
3.サウナラバティという町の小学校の、1、2年生.の授業では、一緒に勉強すると教え合いをしたりする効果があり、複式学級にしている。この日は「みんなが心地よくいられるにはどうしたらいいか」を話し合っていた。冬だったので、雪の積もった屋外で遊ぶと、服が濡れる。それを脱いだ後、放り出しておかないで、廊下にきれいに掛けてあると心地いい、とか話あっていた。先生.は、問いかけをしながら授業を進めていた。
4.自分で考えさせるのが基本。ソファは、子どもたちが「リラックスして本を読みたい」とリクエストして、各教室に入った。どの学校にもたいていサウナがある。生徒も先生も使うる。フインランド人は、サウナが大好きである。
5.この日の朝の校長先生が「今日はマイナス3℃です。いっぱい着込んで、外遊びをしましょう」とアナウンスしていた。マイナス5℃以下になると、外遊びはできない決まりである。それでも子どもたちは、外へ出たがる。
6.別の小学校の3年生の時間割で、1時限目が入っている日と、ない日がある。授業の科目によって登校時間が変わる。ヘルシンキ市内の学校には特色ある教育を打ち出している。難民や移民を多く受け入れている。現場の裁量が大きい。高校で「リスクに立ち向かう」という選択科目が人気だと聞き、ヘルシンキ近郊の高校の授業を見に行った。天災や食糧問題などへの対応を学び、その日は北朝鮮の地下核実験が話題になっていた。また、チェルノブイリや福島の原発のような事故が起こったら、自国だけでは防ぎようがなく、そういう問題についても話し合っていた。
7.想定外の出来事がいろいろと起こって、みんなが右往左往する時代である。答えが出ない問題について学校で考えるのは、大事なことである。アジアやアフリカのような離れた国についても、きちんと関心を持っていて驚いた。
8.日本の知識詰め込み型の教育とは違う。高校入試はペーパーテストがない。中学3年生前期までの内申点で、合否が決まる。高校は、大学を目指す普通科と、工業や農業を学ぶ職業学校の2種類がある。単位制なので、普通科は3〜4年、職叢字校は2〜5年通う。普通科に進む子が6割、職業学校が4割だが、取材時には国は半々の割合にしたいと、職業学校のキャンペーンを行っていた。高校を卒業するには.「高校卒業資格検定試験」という全国統一テストを受けないといけない。国語が必須で、外国諸、数学、理科や歴史などの一般教養から3つの計4科目に合格する必要がある。
9.学習の積み重ねを評価するのは、一定水準の学力を担保するのに優れた方法である。日本の高校だと、早い時期に私立文系を志望すると、数学や物理・化学を捨ててしまう。著者が教えている東京工業大学でも、国訟や社会が全然ダメな学生がいる。だから日本でも、似たような試験制度を作ったらどうかという議論がある。そうすれば、高校3年間どの科目も隔てなく勉強すると思う。
10.高校卒業資格検定試験の成績は、大学の合否判定にも使われる。フインランドの学校はほとんどが公立で、塾や受験産柴は存在しない。総合大学は13校あってすべて国立だが、いわゆるランキングはない。力を入れる研究分野に違いはないが、偏差値で進学先を決める習慣がないし、出身大学や勤める企業によるステータスもなく、本人の持つ資格や経験、実力が革視される。
11.学力偏差値というのは、東京都・港区の中学校の先生が編み山して広まったもので、欧米にはない。フインランドの学校教育は何も特別なことはしていなくて、やるべきことを当たり前にやっているだけである。日本で生まれて教育を受けた人は、常識が覆される。



yuji5327 at 06:22 

2020年03月17日

米国の人種別の人口割合は、最も多いのが1億9800万人の白人。次いで、5700万人のヒスパニック系、4300万人の黒人と続いている。

2020/3/13付の大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 159,443部)は、「米民主党〜サンダース氏の実績をもっと評価すべき/マレーシア情勢」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米大統領選の民主党候補指名争いで、スーパーチューズデーの投票が3日行われ、バイデン前副大統領が10州で勝利した。バイデン氏は緒戦に苦しみ撤退説も囁かれたが、息を吹き返した格好で、ブルームバーグ氏やウォーレン氏が撤退する中、左派サンダース氏との一騎打ちとなりそうである。民主党の候補としては、バイデン氏とサンダース氏に絞られてきたという状況である。
2.ブティジェッジ氏とブルームバーグ氏が大統領選から撤退して、バイデン氏の支持を表明した。同じく撤退を表明したエリザベス・ウォーレン氏はサンダースの側につくべきだが、いまだに態度を明確に示していない。
3.情勢としては3月8日時点で、バイデン氏の獲得議員数が610人に対し、サンダース氏が538人で拮抗している。今後、バイデン氏の勢いが増すと言われているが、ウォーレン氏がサンダース氏と手を組むと面白い展開になる。つまり、大統領にサンダース氏、副大統領にウォーレン氏というコンビである。
4.ウォーレン氏が地元のマサチューセッツ州でバイデン氏に敗北したのは情けないが、
一方で、ブルームバーグ氏を完膚なきまでにやり込めた手腕は見事だった。ウォーレン氏ならトランプ氏を相手にしても引けを取らずに戦えるのではないかと思う。もしサンダース氏なら、「ボディーガード」としてウォーレン氏を陣営に抱え込むことを考えてもよい。
5.サンダース氏はバーモント州バーリントンの市長を長らく経験し、素晴らしい市制を敷いてきた実績がある。バーリントンにおける彼のやり方は、貧しい人の住宅問題や環境問題を見事に解決し、また再生可能エネルギーだけで発電するといったことも実現した。
6.サンダース氏が登場するのは10年遅かったと思う。今からでも、ウォールストリートのことを気にしない真面目な人に大統領を任せるべきである。それによって、国民皆保険や住宅手当の問題も解決できると思う。
7.一方で、ウォールストリートのことしか気にしないようなトランプ氏のような人物に対しては、ウォーレン氏をぶつければ良い。現在、米国の報道ではバイデン氏の優勢が伝えられている。特に、バイデン氏は黒人票に強いと言われている。これは「イカサマ」である。バイデン氏は黒人のために何かをやったということはない。単に、オバマ大統領の下で8年間副大統領を務めたというだけで、目立った実績もない。
8.米国の人種別の人口割合を見ると、最も多いのが1億9800万人の白人である。次いで、5700万人のヒスパニック系、4300万人の黒人と続いている。今後は、特にヒスパニック系の人口が年々増えていくと予想されている。このような人口構成の中、本当に貧しい人について政策を考えてくれるのは、バイデン氏よりもサンダース氏だと思う。現在、サンダース氏は単なる左派として捉えられているが、バーモント州バーリントンにおける実績をもっと前面に押し出していくべきである。そのようにプロデュースするべきである。
9.日経新聞は5日、「マハティール氏、次々誤算」と題する記事を掲載した。マレーシアで1日、新首相にムヒディン元副首相が就任した。マハティール氏が自らの辞任により、混乱収集を図ったものの結果的に孤立した。マレーシア統一プリブミ党も内部分裂を起こし、野党連合との多数派形成へ向けてムヒディン氏を支持したことで、アブドラ国王による新首相任命にいたったものである。
10.マハティール氏はなお首相復帰を諦めておらず、ムヒディン政権打倒が最後の大勝負になる。マハティール氏は不信任案を提出し、政権打倒を表明している。しかし、ムヒディン氏が下院の招集を5月に延期したことで、このままムヒディン氏に実績が出てくると、そのチャンスもなくなってしまう。
11.ムヒディン氏はナジブ政権の副首相だったので、ナジブ氏との距離感について世界は注目している。場合によっては、1MDB事件を代表に数々の不正を行い、多くの訴訟を抱えている元首相ナジブ氏に恩赦を与えるかもしれない。2人の距離感が明確にならなければ、世界がムヒディン氏を信用することはない。
12.一方、マハティール氏も到底万全とは言えない。94歳にして頑張っているマハティール氏だが、2018年5月の政権交代直後、アンワル氏に2年以内に首相職を禅譲すると公言していたのに、その後のらりくらりと時期をあいまいにしてきた。アンワル氏に警戒感を抱き、後継者にしたくないという気持ちが強くなったらしい。しかし、それは筋が違う。そもそも2018年のマハティール氏の首相復帰は、かつて自らの手で監獄に送り込んだアンワル氏と手を組んで実現したものである。その上、一度はアンワル氏を後継者に指名したのだから、それをひっくり返すように逃げ回るのは良くない。結局、それがムヒディン氏に寝首をかかれてしまう結果を招いたと思う。


yuji5327 at 06:30 

2020年03月14日

多くの企業は市場で強い基盤を持つようになると、小さな変化を感知しようという気構えや能力が退化し、進化が止まる。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀 イノベーションのジンンマを超えて 週刊ダイヤモンド 2020.3.14.」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.ハーバードビジネススクールのクレイトン・クリスノテンセン教授が1月23日、67歳で亡くなった。同教授は1997年に出版された「イノベーションのジレンマ」の著者として、有名である。出版された時期はインターネットが商用化されたばかりで、シリコンバレーでイノベーション戦略のコンサルティングをしていた私もむさぼるようにこの本を読んだ。  
2.「正しい努力を続ける優良企業の事業が、なぜ新興企業にひっくり返されてしまうのか」という疑問に真っ向から答えており、多くの企業に貴重な指針を与えた名著である。イノベーションのジレンマとは、「確固たる地位を築いた企業が顧客の二ーズに対応して、より高度な製品・サービスを提供しようとするほど、新興企業に足をすくわれる」ことである。
3.イノベーションには、従来製品の改良を進める「持続的イノベーション」と、従来製品の価値を超えた新しい価値を提供し、従来製品を破壊してしまう「破壊的イノベーション」がある。既存の企業は持続的イノベーションで自社の事業を成り立たせているため、破壊的イノベーションに気が付かないか、気が付いても目をそらす傾向がある。クリステンセン教授は、既存企業に対してその危険性を訴えた。
4.2000年に日本語訳が出版されてからは、日本企業の多くの経営者やマネジャーが読んだはずである。それなのに、なぜ日本企業の行動はその後も変わらず、「空白の20年」を経てしまったのだろうか。
5.クリステンセン氏が挙げた、破壊的イノベーションに既存企業が対応できない理由を復習してみると、ヾ存企業では株主の意向が優先されるので、既存顧客を中心にして短期的利益を求める。⊃靴靴せ業は市場規模が小さいので、大企業の成長ニーズを満たせない。まだ見えていない未来市場は分析・評価しようがなく、事業計画が立てられない。ご存企業に高度な技術があっても、それを必要とする需要は証明できない。
6.既存企業には事業を継続するという絶対的使命があり、既存の顧客の満足度を維持・改善し続ける運命にある。まだ顕在化していない市場での初期の新しい顧客、新しい製品・サービスには目が行かない。この点に気付けば、既存企業は、意識して新しい製品・サービスや新盟釜業に目を配ればいいはずなのに、破壊的イノベーションの後塵を拝すのは、持続的イノベーションは自社の事業改善という明確な目的を自覚できるが、破壊的イノベーションはそうはいかない。
7.新しい事業や会社を起こす人たちは、それがイノベーションだからという理由で活動するわけではない。新しい顧客層や顧客ニーズに応えようという思いを強くして事業を起こすのであって、それがイノベーションかどうかは関係ない。それは後になって市場や既存企業から認知されたとき、初めて「イノベーション」といわれる。「破壊的」だったかどうかも同様である。既存企業が実際に大打撃を受けた後に初めて破壊的だったと認知される。
8.破壊的イノベーションは、初めから看板を提げて迫ってくるものではない。だから、既存企業は市場の隅で生まれた新しい製品・サービスの中から新たに成長するもの、あるいは自社の製品・サービスを駆逐する脅威となり得るものを感知することができない。しかも、多くの企業は市場で強い基盤を持つようになると、小さな変化を感知しようという気構えや能力が退化し、進化が止まる。
9.ヒエラルキーの頂点に立った恐竜と化していく。既存企業が恐竜のようにならないためのヒントを、環境変化の中で人類が生きるために食に関して適応してきた歴史の中に見ることができる。われわれの祖先は、長い間アフリカ大陸で主に肉を食べていたが、およそ6万年前に起きた気候変動による寒冷化で食べ物が乏しくなり、民族移動が起きた。しかし、食べ慣れた物は見当たらないので、初めての物も食べないと生きていけない。その過程で、今まで無視してきた苦味のある物の中にも、栄養のある食材があることを発見する。その経験が積み重なって、苦味を「積極的に食べたくなる味」として記憶することになった。同時に、脳の一部「眼窩前頭皮質」が高度に発達して「悟報司令塔」として働くようになった。
10.舌で苦味を感じると脳は反射的に「毒」だといったんは認識するが、情報司令塔が記憶を参照し、「これは体に良い苦味」だと判定。すると「おいしい」と食欲を促す。これにより人類の食の幅が広がり、生活が格段に豊かになった。日本は、敗戦という環境変動によるダメージから産業を復興させねばならなかった。なじみのなかった技術への挑戦、先進的なマーケティングの吸収、グローバル市場への展開など「苦味」のあるビジネスに果敢に挑戦し、進化した「苦味センサー」を身に付けたといえる。気が付くと、「おいしい」事業を数多く成功させてきた。
11.人類の食の歴史では、集団で協力して生き抜く道を選んだ人類の祖先は、次第に他人の考えに対して自分のことのように共感できる能力を身に付けていった。この共感能力が発達すると、仲間がおいしそうに食べているのを見るだけで、実際に口にしなくても「おいしい」と判断するようになった。日本企業はおいしい事茉を得て恐竜と化したことに加え、共感能力を高度に発達させたことが、イノベーションのジレンマから抜け出せない根本原因である。
12.共感により「おいしい」と感じた事業はユニークであることは少なく、凡庸であることがほとんどである。それではイノベーションにならない。イノベーションを目指してシリコンバレーに来た日本企業でさえも、権威者や説得力のある人に「おいしい」と言われるとうのみにすることが多い。日本企業は、人の評判を頼りにせず、自らの舌と頭脳で苦味を感じる「苦味センサi」をもう一度鍛え直す必要がある。



yuji5327 at 06:33 

2020年03月12日

新型コロナの悪影響は、自動車業界以外の製造業にも出始めている。電子部品ではスマートフォン向けの販売が厳しい。


新型コロナ問題取材班著者:中国では新車販売9割減「新型コロナ不況」の深刻度、週刊東洋経済、2020.3.14」参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.新型コロナの悪影響は、自動車業界以外の製造業にも出始めている。日系メーカーのシェアが高い電子部品では、車載向けのほかスマートフォン向けの販売が厳しい。顧客であるスマホメーカーの生産が遅れているためである。米アップルは2月17日、20年1〜3月期の売り上げ予想630億〜670億ドルが未達になると発表。新型コロナの影響で中国にあるiPhoneの製造工場の稼働率が低下している。
2.iPhoneをはじめ、スマホの多くは中国や台湾系のEMS(電子機器の受託製造サービス)企業が主に中国の工場で生産している。スマホの世界生産の約6割が中国である。新型コロナの感染拡大により、春節休暇後も操業再開の動きは鈍い。「03月半ば以降に業績予想の下方修正ラッシュが起きるかもしれない、という声がある。
3.村田製作所やTDKなど多くの企業は19年10〜12月期業績が好調だっただけに、水を差された格好である。経営再建中の中小型液晶メーカー、ジャパンディスプレイは売り上げの6割程度をアップル向けが占める。白山工場の休止などリストラによって、昨年10月にようやく単月黒字化を達成できたが、アップルの減速による影響は大きく、予断を許さない。
4.スマホ向け部品を造る企業の中で、業績予想を上方修正したのがソニーである。2月4日に20年3月期の営業利益予想を従来の8400億円から8800億円に引き上げた。世界シェアの過半を握る、スマホのカメラなどに搭載される半導体「CMOSイメージセンサー」の販売が好調なのが要因である。ただし予想数値には新型コロナの影響を織り込んでいない。最高財務責任者を本部長とする対策本部を設置して調査を始めており、上方修正を打ち消す規模の影響が出る可能性がある。
5.世界半導体市場統計(WSTS)によると、19年の世界の半導体市場は市況悪化で前年比13%減と落ち込む一方、20年は同5・8%増と回復が期待されていた。だが米ガートナーの調査では、新型コロナが3月末に終息しても、世界の半導体市場の成長を2・3ポイント押し下げると見込まれており、先行きに暗雲が漂つ。
6.新型コロナの悪影響は、電子部品や半導体以外にも広がっている。複合機大手のリコーは中国からの部品供給が滞っていることから、宮城県内の工場にある一部生産ラインを2月21日〜3月6日に停止。キヤノンもカメラなどを生産する九州の5事業所の操業を同様の理由で3月2日から約2週間停止する。任天堂は2月にゲーム機「ニンテンドースイッチ」について、日本国内向けに生産している本体や周辺機器の生産・出荷に遅れが出ていると発表。昨年12月にはスイッチの中国での販売に乗り出していただけに、今後の影響を注視している。
7.パナソニックはノートPC「レッツノート」の製造に必要な部品を調達できず、販売を中止している。中国事業の鈍化も懸念される。同社の売上高に占める中国の割合は1割程度だが、近年成長を続けてきた。高機能のIoT家電を投入するなど、最も注力する国のーつである。さらに自動車や家電などの部品の生産を幅広く手がけており、経営に与える影響は大きい。
8.米中貿易摩擦や自動車市場低迷などで一昨年から受注減少が続いていた工作機械業界は、受注回復の時期が先になりそうである。昨年末のH本工作機械工業会の見通しでは、中国や国内の半導体などを牽引役に今年前半の受注反転が期待されていた。しかし、同会の会長は2月20日の会見で、新型コロナの影響で物流が停滞していることから、受注の回復時期は最低でも3カ月は遅れる、と話し、慎重姿勢に転じている。
9.明るい話題がないわけではない。各業界とも、本格化してきた5G関連の投資に期待する声は多い。5G基地局などの通信インフラや20年秋に投入が見込まれるアップルの5Gスマホなどもあり、年間では売り上げが減少しないだろう、との指摘である。新型コロナの影響で一時的に需要が落ち込んでも、その後に落ちた分の需要が「反動増」となって返ってくるというシナリオもある。ただ新型コロナ問題が長期化すれば、そうした期待は水泡に帰する。感染拡大への不安から消費が過度に抑えられ、企業業績が低迷、投資が減り、さらに経済が停滞するという、負の連鎖も生まれかねない。先行きは楽観できない。



yuji5327 at 06:34 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
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磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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