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2017年05月10日

既成のエリートに対する人々の不満がある。アメリカの大統領にドナルド・トランプがなったのも、民主党のバーニー・サンダースが健闘したのも、エリートトに対する反発である。

「アフシン・モラビ(ニューアメリカ財団上級研究員)著:ブラジル大統領を追い込んだ勢いを増す2つの世界潮流、Newsweek 13 2016/05/24」は参考になる。「副題:ルセブ大統領の弾劾は既成のエリートに対する反発の高まりと中南米左派の凋落を象徴する事件だ」の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.何カ月も続いた捜査と非難と反撃、そして20時間以上に及ぶ議員たちの演説の末に、ブラジルのルセフ大統領は最大180日間の職務停止に追い込まれ、失職し、政治生命を断たれることになった。
2、左翼ゲリラの元闘士でもあるルセフにとって、屈辱的な転落劇である。8年間の長期政権を敷いたルラ前大統領の後継者として、10年の大統領選に与党・労働党から出馬して当選したときのルセフは、前途洋々に見えたが、好調だった経済に陰りが見え始めると、14年の大統領選は一転して苦戦。何とか.再選を果たした。政権基盤は弱まった.現在、ブラジルは過去4半世紀で最悪の経済不振にあえぎ、政治も与党がらみの汚職疑惑で大揺れの状況にある。
3.ルセブ本人が汚職の罪に問われているわけではない.停職に追い込まれた直接の理由は国家会計の不正操作疑惑だが、これについては複数の前任者も手を染めていた。ルセブが弾劾裁判の対象になった真の理由は何なのか。自身の失政か、経済不振か、ブラジルの政治文化そのものか。答えはすべてイエスだ。経済が力強く成長していた03〜08年なら、あるいは中国経済の減速と財政赤字が景気に影を落とす前の09〜12年でも、ルセブは大統領の座にとどまれただろう。
4.現在は、国営石油会社ペトロブラスをめぐる汚職スキャンダルが泥沼化の様相を見せている。同社が長年、労働党をはじめとする全政党に賄賂を贈っていたという疑惑に国民は衝撃を受け、怒りを爆発させた。
大統領代行は不人気だがそれでもルセブは庶民感情への配慮をほとんど示さなかった。ブラジル経済が抱える構造的問題の解決にも本気で取り組まなかった。ルセブの停職は、世界中で勢いを増しているもっと大きな潮流の一部でもある。
5.既成のエリートに対する人々の不満の高まりである。アメリカの大統領の共和党のドナルド・トランプがなったのも、民主党のバーニー・サンダースが健闘したのも、その根底には主流派のエリートトに対する反発がある。
6.ヨーロッパも同様だ。ブレグジツト〔イギリスのEU離脱)をめぐる国民投票で、多くの有権者は経済の見通しよりも、エリート層への感情的反発に基づいて賛否を決めるだろう。反室流派の政党は今やヨーロッパ全土で勢力を伸ばしている。
7.中南米の枠組みで見ると、ルセブの転落は別の潮流の一例と言える。ポビユリズムと左派運動、縁故主義、個人の魅力に頼った統治モデルの衰退だ。アルゼンチンでは、.面白みにやや欠ける能吏型のマクリ大統領が誕生した。 マクリは演説で大言壮語を吐くタイプではないが、細心の注意を払ってアルゼンチン経済の再建を進めている。
8.一方、べネズエラのチャベス前大統領は大言壮語で有名だったが、その死後に国政運営を引き継いだマドゥロ大統領は、原油価格の急落とともに無能ぶりをさらけ出した。ベネズエラは政治的・経済的に深刻な危機に陥り、電力と食料の不足に苦しむ国民は希望も失いかけている。
9.ブラジルの危機は個別的事例でも普遍的現象でもある。まず、白馬に乗った指導者が山ほど公約を抱えて現れる。資源価格の高騰を追い風に、指導者は国民へのばらまきを続ける。だが資源価格が急落すると、指導者はもうなすすべがない。取り巻きや与党は汚職で私腹を肥やし、怒った民衆は反乱を起こす。そこへ反対派の政治家が現れて・・・…。あとは同じことの繰り返しである。
10.ブラジルにとっていいニュースは、大統領代行を務めるテメル副大統領が人気者ではないことである。だから人々は大きな夢を託したりしない。テメルも失敗をカリスマ性で隠そうとはしないはずである。テメルが求められるのは、結果だけ。未来への第一歩としてはそれも悪くない。

yuji5327 at 06:46 

2017年05月09日

ホテルのエレベーターに乗って待っていると、1人の男がドアを押さえている。暫くして、社長と思しき人物が乗り込んできた。ドアを押さえていた男には社長がすべてである。

「野ロ悠紀雄(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧間)、世界史を創ったビジネスモデル、
週刊新潮、16.5,19」は参考になる。
1.江戸時代の分権的な国家構造は、明治維新によって、中央集権国家ヘと大きく変質した。これは、欧米列強のアジア植民地化という脅威に対抗するための必然的な対応であった。この状況下で緊急に必要とされたのは、統一された国防軍を国が保有すること、それを維持するための国家財政を確立すること、そして、エリート養成のための教育制度を確立することだった。
2.高等教育機閲によって養成されたエリートは、軍、中央政府、大企業などの幹部となった。江戸時代の身分差とは無関係のシステムだった。欧州諸国の士官学校は通常は貴族の子弟が入学するので、日本は例外的である。知事は天皇が任命する国の官吏であり、市長は議会で選任されたのちに天皇の承認を経て任命された。町村長も議会選出のあと、知事の認可を必要とした。こうして、地方は中央政府の下部組織となった。鉄鋼や造船などの重工業部門や、鉄道、海運、炭鉱などは、軍事的な要請から、国営企業、または準国営企業とされた。
3.その他の分野では、民間企業は政府から独立していた。当時の製造業は紡績などの軽工業が中心で、政府からの独立性が強かった。金融についても銀行の力はそれほど強くなかった。第二次大戦までの日本は、軍、国家、大企業などの分野では中央集権的な体制が確立されたが、経済活動一般については、分権的・市場経済的側面が強かった。
4.日本経済の分権的・市場経済的性格を大きく変えたのが、戦時改革である。経済資源を軍事に集中するため、統制経済の導入や電力の国有化が進められた。また、金融システムが、それまでの直接金融中心のものから間接金融中心の体制に改革され、銀行融資を通じる間接的経済統制が行なわれるようになった。
5.税制改革によって財源を中央に集中させ、これを地方に配分する構造「1940年体制」が確立された。これと並んで、農村の状況が大きく変わった。戦前の日本の農村の地主と小作人の関係は.江.戸時代から変わっていなかったが、42年の食糧管理法によって、小作人の地位が高まった。それまで物納であった小作料に金納が認められるようになり、インフレに伴ってその実質価殖が低下したため.小作人が豊かになった。こうした政策が取られたのは.農村が兵の供給源であり、農村の疲弊は軍の弱体化を招くと危倶されたからである。6.40年体制は戦後も続き、高度成長の実現に大きく寄与したが、80年代頃から変質してきた。とくに金融システムは.90年代の不良債権処理を通じて大きく変わった。しかし、税財政制度における40年体制は、基本的には現在に至るまで続いている。 地方税といっても、その実態は国税の付加税にすぎず、地方公共団体が独自の税を作ることは事実上不可能である。人口が1億人を超える国における中央集権体制は、中国やソ連を除けば、歴史的に見ても、また現在の世界で見ても、珍しいことである。
7.エリート層の意識は変わった。特に軍の指導者層においてそうである。彼らは、外国の侵略から日本を守るという強い使命感に燃えていたが、一般国民のレベルでは疑問である。地域間移動や移住に課されていた制約は、明治維新によって消滅し、学校では日本人としての意識を教育した。しかし、農業が主要産業であったこともあり、多くの人々の日常生活は、江戸時代からの村落共同体の価値観に縛られていた。中央集権的制度と人々の実際の意識との間には、かなりの乖離があった。エリートを別とすれば、「日本国」に対する帰属意識は、それほど強くなかった。
8.明治以降の日本は、二重社会だった。もっと大きく乖離していたのは、エリートが作り上げた「日本人」という統一帰属概念と、とくに農村の人々が持っていた村落共同体への帰属意識との乖離である。このような乖離は、現在に至るまで残っている。
9.戦前の日本において残っていた農村部の村落共同体は、戦後の高度成長によって分解したが、地域は残った。田中角栄の例のように、政治家は地域の利益代表となり、国の予算からできるだけのものを地域に持ち帰ることを期待された。この仕組みは、地方分権ではない。中央集権を前提にし、その下で地域社会が利益獲得競争を行なう。
10.戦後の高度成長を通じて近代的産業部門に多くの企業が成長した。都市部では、多くの人々がこれらの企業に就職した。大企業は終身雇用を提供し、企業一家が形成された。中小企業も、系列を通じてこの一員となり、人々は会社人間となった。江.戸時代の武士が藩に帰属し、生活のすべてを藩に依存したのと同様に、企業に帰属し、生活のすべてを企業にするようになった。これは経済的分権ではなく、蛸壺であり、企業間の労働の移動は難しい。蛸壺集団の利益を守るために、規制が作られ、市場経済の自由が抑圧される。
11.90年代以降の日本経済の衰退過程の中で変質している。企業がもはや終身雇用を約束できなくなり、非正規が増えてきたからで、最近では、非正規労働者が全体の4割にも及ぶ。企業に帰属し得ない若者たちは、拠り所を「日本国」に求める。国が彼らを守るというのは幻想にすぎないが、国に対する依存が強まる。歴史上初めて、人々が国に帰属意識を持つようになり、外国人に対する強い嫌悪感と密接に結びついている。
12.会社かすべての例として、ホテルのエレベーターに乗って待っていると、1人の男がドアを押さえている。暫くしたら、社長と思しき人物が乗り込んできた。ドアを押さえていた男には社長がすべてであり、他の利用者など眼中にない。彼にとって重要なのは、社内のルールであって、社会のそれではない。このような価値観の人々は、上司の指示に従って不正会計処理を行なっても、それが会社のためなら罪悪感は感じない.。



yuji5327 at 06:35 

2017年05月08日

イランとは「アーリア人の国」という意味である。アラブ人とは民族が違う。2015年、多数のアラブの民がヨーロッパに押し寄せた。21世紀の民族大移動である。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7、Gゼロ時代の新しい帝国主義、KADOKAWA、2016年5月10日」は参考になる。「プロローグ 新しい帝国主義時代の到来」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2015年末から新年早々、「慰安婦問題で日韓合意」「サウジアラビアとイランが国交断絶」「北朝鮮が核実験」と大きなニュースが相次いだ。アメリカのバラク・オバマ大統領の残りの任期が少なくなり、何もできないアメリカの間隙を縫うかのように、各国が好き勝手に動き出したように見える。
2.2016年のアメリカ大統領選挙の年には、民主党は、ヒラリー・クリントンを追い上げ、自らを「民主社会主義者」と呼び、「アメリカをデンマークやスウェーデンのような福祉国家にしたい」と主張するバーニー・サンダース氏が支持を集めた。
3.共和党は「イスラム教徒のアメリカ入国を禁止すべきだ」とか、「不法移民対策のためにアメリカとメキシコの国境に壁をつくる」とか、過激な不動産王、ドナルド・トランプ氏が大人気である。右、左の両極端な反主流派の2人が票を集めているのは、アメリカという国自体の変化を象徴している。2人とも、大口資金提供者の操り人形になることはない。.アメリカ国民は、既存の政治に対する不信感を、彼らに入れている。
4.ヨーロッパでは、パリの大規模な同時多発テロ、ドイツには大量の難民が押し寄せ、2015年だけで100万人超の難民を受け入れた。4世紀、中央アジア方面にいたフン族が、ゴート族を押し出し、それによってゲルマン民族の大移動が起き、ローマ帝国領内に流入し、これにより、西ローマ帝国が滅亡した。ゲルマン民族がいまのヨーロッパの基礎を築いた。
5.中央アジアにいたアーリア人が南下し、一部がいまのイランあたりに住みついた。イランとは「アーリア人の国」という意味である。アラブ人とは民族が違う。2015年、多数のアラブの民がヨーロッパに押し寄せた。シリア難民ぼかりでなく、ユーラシア大陸からはアフガニスタンやパキスタンの民。北アフリカからは、エリトリア、ナイジェリア、ソマリア、チュニジアやリビアの民が移動し、「21世紀の民族大移動」と呼んでもいい。
6.ピョートル大帝は、東ヨーロッパの弱小勢力に過ぎなかったロシアを大国にし、ロシア最後の王朝「ロマノブ朝」の皇帝となった。当時ロシアは典型的なランドパワーだったが、ピョートル大帝の時代は、イギリスやオランダなどのシーパワーで大きな商船を持ち、貿易で栄えていた。ロシアも船を持ちたかった。
7.クリミア半島の南西部に位置する都市セバストポリには、ロシアの黒海艦隊の軍港がある。クリミア半島をロシアが支配したのは、ピョートル大帝、エカチェリーナ2世の時代で、クリミア半島におけるロシアの足場の確保は、ピョートル大帝の悲願だった。当時、この地域にはタタール人(トルコ系)が住んでいたが、ピョートル大帝はタタール人を打ち破り、黒海へのアクセスを確保した。
8.クリミア半島は、ソ連のニキータ・フルシチョフの時代に、ウクライナに編入されたが、ウクライナが西側諸国に傾いたことを許さず、プーチン大統領は、クリミア半島を強引に取り返した。プーチン大統領は、かつての帝政ロシア時代の栄光よ再び、という思いで動いている。プーチン大統領のこれからの動きが、ある程度、予測できる。
9.ロシアには頭の痛い問題がある。エネルギー価格の下落である。ロシアは新しい帝国主義の発想を持っている。輸出するものがほぼ石油と天然ガスしかありません。原油価格と天然ガス価格の下落で経済が非常に苦しい。プーチン大統領もいまのところは国民から高い支持を得ているが、経済が困窮してくれぼ国民から不満が出てくる。


yuji5327 at 06:47 

2017年05月07日

クトロニクス産業の敗退も、日本の技術が劣っていたためにというよりは、組繊要因である。これは、日本の長期にわたる衰退と関係がある。

「野ロ悠紀雄(早稲田大学ファイナンス総合研究所顧間)、ソフト化と水平分業がシャープ危機の背後に、
週刊ダイヤモンド2016/04/30、05/07合併号」は参考になる。
1.シヤープは台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されることが決まった。シャープが経営危機に陥った原因としてしばしば指摘されるのは、社長人事をめぐる内部抗争である。その結果、経営が迷走した。確かにそれは重要な要因だが、仮に内部抗争がなかったとしても、危機に陥っていた可能性が強い。
2.2000年代の初めごろにシャープが取った経営戦略は、世界のエレクトロニクス産業の変化の潮流に逆行するものだった。その変化とは、ソフトウェアの比重増大と水平分業化である。シャープはそれに適応できなかった。ホンハイは変化を利用して成功した。
ホンハイは、その子会社フォックスコンが急成長することによって成長した。フォックスコンは、EMSと呼ばれ、世界中のさまざまな企業からの委託を受けて電子部品や装置の生産を行っている。特に、アップル製品の組み立てを引き受けたことが大きく、アップルとの水平分業で成長した企業である。
3.両社の関係は、iPodの生産から始まった。それまでソニーが生産していたヒット商品ウォークマンを進化させたものである。アップルはそれまでMacintoshというPC(パソコン)のメーカーで、一部のユーザーからは熱狂的な支持を受けていたが、PC市場全体から見れば、あくまでも一部にとどまっていたが、iPodによって広範な需要を獲得した。アップルはソニーの製品を手本とし、それを進化させ生産方式を変えて成長した。、日本企業がアップル成長の元になった。
4.iPodは競争相手なしに成長したわけではない。ソニーは1999年にメモリースティックウォークマンを発表しているが、これはiPodに敗退したが、幾つかの理由がある。第1に、ソニーは2種類の異なるデジタルウォークマンを発表した。後にもう1つ加わり、3つになった。これらが互いに競合してしまった。第2の理由は、それが単なるハードウェアではなく、背後にiTunesという音楽配信ネットワークが存在していたことであり、ソフトウェアと結合した製品であり、サービスだった。第3の理由は、アップルが、アメリカ国内での生産から、国際水平分業に転換したことである。特に、フォックスコンと緊密な協働体制を取り、生産方式を大きく変えたことである。
5.水半分業は、80年代からPCにおいて行われていた方式である。PCの生産がハードウェアの製造とソフトウェアに分かれたことで、大きく進展した。それを可能にしたのは、インテルによるマイクロプロセッサの発明である。インテルがマイクロプロセッサの開発に成功したことで、CPU(中央演算処理装置)はインテルのプロセッサ、OS(基本ソフト)はマイクロソフトのウィンドウズ、という「ウィンテル体制」が確立した。
6.ここにも日本企業が関わっていた。世界最初の4ビットのマイクロプロセッサ4004の開発過程には、日本計算器販売(後のビジコン)が深く関わっていた。4004は、ビジコンのプログラム制御方式の高級電卓のためのチップとしてインテルと共同開発したもので、ビジコンの社員であった嶋正利氏が開発に参加し、シャープも、間接的ながら関わっていた。
7.80年代においては、日本のメーカーは独自の垂直統合方式によるPC生産を行っていた。国内ではNECの98シリーズに代表されるように大成功を収めたが、ウィンテル体制下で水平分業化が進んだため、衰退した。
8.マイクロプロセッサの発明をきっかけに、日本の半導体産業の衰退も始まった。CPUのようにソフトウェアの比重が高い高度な製品については、インテルに追い付くことができなかった。他方で、信頼度は低くてよいが、安いことが必要であるPC用のDRAMの生産では、サムスン電子などの韓国のメーカーに敗れた。
9.ソニーもシャープも、リーマンショック後の急激な経済の落ち込みの中で傷口を広げた。リーマンショックの影響は世界的なものであり、日本企業だけが受けたものではない。アップルもインテルも、この大変動の中で、破綻しなかっただけでなく、成長した。どちらも、ソフト的なものに特化している。そして水平分業の一員となっている。これこそが、中国が工業化した後の世界において先進国が何をなすべきかに対する答えである。
10.注意すべきは、日本のメーカーも、ソフトウェアの比重増大に対しては、アップルやインテルと同じ方向の対応を試みたが、うまくいかなかった。理由は、水平分業化を行わなかったことである。シャープの亀山工場は、パネルの生産から最終的なテレビの組み立てまでを一貫して行う垂直統合方式を採用した。
11.2004年に亀山第一工場が稼働し、06年に第二工場を立ち上げた。09年には液晶パネル工場として世界最大級の堺工場が稼働した。このような巨額の集中投資を行ったことが失敗だったが、巨額集中そのものが問題なのではない。フォックスコンも、労働者が100万人を超す巨大企業である。アップルもごく少数の製品に集中している。問題は、液晶に集中したことである。それを用いたテレビの生産に垂直統合という方式を採用したことが、技術の動向を見誤った経営判断のミスだった。
12.エレクトロニクス産業に限ったことではない。自動車産業では、自動運転という大きな変化が目前に迫っているが、ここでもソフトウェアの比重が基本的なものになる。この点ではGoogleが大きくリードしている。ソフトウェアの比重増大への対応は、トヨタ自動車がマイクロソフトと共同で研究所を設立したように、日本企業も行おうとしている。しかし、ソフトウェアが重要な構緊成要素になれば、一つの企茉だけで生産を行うことができず、必然的に水平分業化が進む。
13.日本の製造業の企業は、これまでも水平分業化に本格的に対応しなかったが、今も対応しようとしていない。この背後には、日本型の企業一家的体質がある。エレクトロニクス産業の敗退も、日本の技術が劣っていたために生じたというよりは、組繊要因によるところが大きい。そしてこれは、日本の長期にわたる衰退過程と深い関係がある。



yuji5327 at 07:21 

2017年05月04日

憲法施行70年

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日本国憲法施行70周年
憲法記念日イベント
安倍政権を支える北朝鮮、中国
安倍政権内閣支持率
合同世論調査59.3%
北朝鮮や中国の軍事的脅威低減で
安倍内閣支持率は落ちるは疑問


yuji5327 at 17:02 

2017年05月03日

世界の60%の人々が世界所得の6%で暮らしている。世界人口の半分の人々は1日2ドルで暮らしている。1億人を超す人々が1日1ドル未満で暮らしている。これでは平和にならない。

「ムハマド・ユヌス著、猪熊弘子訳:
貧困のない世界を創る
ムハマド・ユヌス
早川書房
2008-10-24

貧困のない世界を創る、ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義、早川書房、2008年10月」は参考になる。著者は2006年にノーベル賞を受賞したことで有名である。ノーベル平和賞受賞記念講演の内容をまとめた「エピローグ:貧困は平和への脅威である」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.著者は一番感動しているのは、ノーベル平和賞が発表されて以来、バングラデシュの村々のグラミン銀行(著者が創立した貧しい人のための銀行)の借り手からほぼ毎日のようにかかってくる電話だった。彼らはただ、この賞を受けることがいかに誇らしいかを言うために、わざわざ電話をかけてくれた。
2.ノルウェーのノーベル委員会は、平和と貧困とは密接な関係があるという説を支持してくれた。貧困は平和への脅威である。世界の所得配分は、94%の世界の所得は世界の40%グラミン銀行の借り手であり、同時に出資者でもある。今年度の賞は、日々、生活を営み、子どもたちによりよい生活への希望をもたらそうと闘っている世界中の女性たちに誇りと尊厳を与えた。
3.世界の60%の人々が世界所得のわずか6%で暮らしている。世界人口の半分にあたる人々は1日2ドルで暮らしている。1億人を超す人々がわずか1日1ドル未満で暮らしている。これでは平和はもたらされない。
4.9・11テロが起きてイラク戦争が始まり、世界の指導者たちの注意は、貧困との戦いからテロとの戦いへと移ってしまった。以来、合衆国だけでも5300億ドルものお金がイラクとの戦いに費やされた。テロは、軍事行動ではなくらない。テロが永遠になくなるよう、その根本的な原因に取り組まなくてはならない。貧しい人々の生活を向上させるための投資は、そのお金で銃器を買うよりも、よい戦略である。
4.1974年、著者はバングラデシュの恐ろしい飢餓の現状に背を向けたまま、大学の教室でエレガントな経済学の理論を教えることは難しいと気づいた。圧倒的な飢えと貧困に直面して、机上の理論に虚しさを感じた。
5.平和は、不当な経済的、社会的、政治的秩序、民主主義の不在、環境の悪化、人権の不在などに脅かされる。貧困は人権の不在に繋がる。惨めな貧困によって引き起こされたフラストレーション、敵意、そして怒りがあると、平和を維持することができない。安定的な平和を構築するためには、あらゆる人々に世間並みの生活を提供する方法を見つけなければならない。
6.貧しい村のある女性が、金貸しから僅か1ドルを借りたとき、彼女が作った品々は、すべて金貸しが独占的に言い値で買い取るという条件付きだった。奴隷労働を勧誘する方法にしか思えない。著者は、この金貸し「ビジネス」の犠牲者たちのリストを作った。リストには、総額27ドルを借りている、42人の被害者の名が挙がった。金貸しの魔の手から被害者たちを逃すため、著者はその27ドルを私財から出すことを申し出た。そんなわずかなお金で多くの人を幸せにできるのだとしたら、そうしないわけにはいかないと思った。7.最初に著者がしたのは、大学の中にある銀行に、貧しい人々にお金を貸すよう説得することだったが、うまくいかなかった。銀行は、貧しい人々は信用できない、という。数カ月後には、著者は貧しい人々の連帯保証人になった。その結果に驚かされた。貧しい人々はいつも期限までに借金を返したのである。しかし、既存の銀行は、そのプログラムに協力せず、著者は引き続き困難に直面し続けたので、貧しい人々のための銀行を別に創設することを決め、1983年にそれを実現することに成功し、それをグラミン銀行、つまり「村の銀行」と名付けた。
8.今日、グラミン銀行は、バングラデシュの73000の村において、女性が97%を占める約700万人の貧しい人々への融資を行なっている。グラミン銀行では貧しい人々に対して、担保不要な収入を生み出すためのローン、住宅ローン、学生ローン、そしてマイクロ企業向けローンを提供している。また、多くの魅力的な貯蓄口座や年金基金、保険商品をメンバーに提供している。
9.1984年に住宅ローンを導入して以来、64万戸もの家が建った。それらの家の法的な所有者は、借り手の女性たちで、女性に資金を融資することによって、その家族に常に最大限の利益が与えられることがわかった。開設以来、銀行では総額6億ドル相当もの融資を行なってきた。返済率は99%を超え、グラミン銀行は常に利益を上げ続けている。財務的にも自立しており、1995年以来、寄贈者からの資金も受け取っていない。グラミン銀行の預金と自己資金は、今日では融資総高の143%の額になっている。借り手の58%は貧困線を乗り越えている。
10.著者たちが活動を始めて以来、30年の月日が経ち、この間、借り手の子どもたちが著者たちの活動によってどれほどの影響を受けているかを、見守り続けている。借り手である女性たちは常に子どもを優先順位の最上位に置いている。
11.著者たちが定めた「16力条の決意」の一つに、「子どもを学校に入れる」というものがある。グラミン銀行は彼らを励まし、ほどなく、すべての子どもたちが学校に通うようになり、そういった子どもたちの多くがクラスの成績上位者を占めた。著者らは喜び、優秀な子どもたちに奨学金を導入することにした。グラミン銀行では、現在では毎年3万人への奨学金を与え、多くは、医師や技術者、大学の教授、あるいはその他の専門家になるための高等教育を受けた。
12.このアイデアは、ジョブラ村というバングラデシュの小さな村で始まったものであり、世界に広まっている。今日では、ほぼすべての国にグラミンと同じタイプのプログラムがある。バングラデシュではすでに80%の貧しい人々にマイクロクレジットが行き届いている。


yuji5327 at 06:33 

2017年05月01日

ソーシャル・ビジネスは、世界の人口の60%の下層の人々の人生を変え、彼らが貧困から脱出するのを助けることができる。

「ムハマド・ユヌス著、猪熊弘子訳:
貧困のない世界を創る
ムハマド・ユヌス
早川書房
2008-10-24

貧困のない世界を創る、ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義、早川書房、2008年10月」は参考になる。著者は2006年にノーベル賞を受賞したことで有名である。ノーベル平和賞受賞記念講演の内容をまとめた「エピローグ:貧困は平和への脅威である」「貧しい人々のためのIT」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.情報通信技術(ICT)が急激に世界を変えている。このテクノロジーが貧しい人々のニーズを引き出すことができれば、彼らにとっては生活を変えるいい機会になる。貧しい人々にICTをもたらす最初の一歩として、私たちは携帯電話会社であるグラミン・フォンを作った。貧しい女性たちが村で電話サービスを行なうための携帯電話を買う資金を、グラミン銀行が融資した。
2.マイクロクレジットとICTとの相乗効果があった。電話事業は成功し、グラミンの借り手たちから熱望される企業になり、テレフォン・レディーたちは電話事業のコツをいち早く学び、それを改善し、貧困から抜け出し、社会的地位を得るための最短の方法になった。今日ではバングラデシュのすべての村で約30万人ものテレフォン・レディーたちが電話サービスを提供している。グラミン・フォンの加入者は1000万人を超え、バングラデシュ最大の携帯電話会社になった。テレフォン・レディーの数は加入者全体の一部にすぎないが、彼女たちは会社の収入の19%を生み出している。
3.最終的な目標は、グラミン銀行の貧しい女性たちに過半数の所有権を与えて、この企業をソーシャル・ビジネスへと転換することである。グラミン・フォンは貧しい人々が所有する大企業の例になる。
4.資本主義は自由市場を中心に置いている。市場がより自由になるほど、資本主義の結果はよりよくなる。個人の利益を追求することが集団的にも最適な結果をもたらす。ビジネスライフでただひとつの目標、すなわち利益を最大化することのみに打ち込んでいる人人だという前提に基づけば、いろいろな規制ができる。人間的な生活の本質的要素を奪っている。人類の理性の構成物は、追い払うのではなく、そういった資質を花咲かせるべきである。
5.私たちは自由市場の成功に強く印象づけられているために、基本的な前提を思い切って疑ってみることができない。自由市場が円滑に動くようにと、必要以上に働いてしまう。広義で「企業家」を定義することにより、私たちは資本主義の性格をラジカルに変えることができる。自由市場の範囲内の未解決の経済的、社会的課題の多くを解決することができる。企業家というものを、たった一つのモチベーション(たとえば利益を最大にするというようなもの)しか持っていないということでなく、互いに排他的で、しかし等しく強制的でもある2つのモチベーションを持つものだと考え、最大限の利益と、人々に対して良い行ないをするという2つモチベーションでビジネスを導く。
6.ソーシャル・ビジネスへの投資家は、出資金を取り戻すことはできるが、企業からの配当金は受け取れない。利益は、その奉仕的な活動の拡大や、製品やサービスの向上のために、企業に再投資される。ソーシャル・ビジネスは損失もなく、配当もないものになる。ソーシャル・ビジネスが一度法的に認められるようになると、多くの既存の企業が、ソーシャル・ビジネスを創設しようと進み出る。
7.非営利の活動家たちも、これが魅力的な選択であると気付く。活動を続けるためには寄付を集める必要がある非営利のセクターとは異なり、ソーシャル・ビジネスは損失のない企業であるため、自己持続と、拡大のための余剰を生み出す。ソーシャル・ビジネスは、資本を集めるために、新しいタイプの資本市場に入ることになる。
8.世界中の豊かな国の若者たちがは、ソーシャル・ビジネスの概念が非常に魅力的であることに気付く。多くの若者たちが、資本主義社会の中で、価値のある挑戦をまったくできず、不満を感じている。社会主義はかつて、若者たちに闘うだけの夢を与えてきた。若者はみな、彼ら自身の手で理想の世界を創造しようと夢見ている。ほとんどすべての社会的、経済的な世界の諸問題は、ソーシャル・ビジネスで立ち向かえるはずである。
9.やるべきことは、求める結果を効率よく生むために、ビジネスモデルを刷新し、適用することである。貧しい人々のためのヘルスケア、貧しい人々への金融サービス、貧しい人々への情報技術、貧しい人々に対する教育やトレーニング、貧しい人々へのマーケティング、再生可能なエネルギーなどはすべて、ソーシャル・ビジネスにとって魅力的な領域である。
10.ソーシャル・ビジネスは、世界の人口の60%の下層の人々の人生を変え、彼らが貧困から脱出するのを助けることができる。利益の最大化を追求する企業でさえ、貧しい人々に所有権のすべてを与えることで、ソーシャル・ビジネスとして考えることができる。
11.投資家がソーシャル・ビジネスに親しんでもらうためには、ソーシャル・ビジネスの株だけが取り引きされるソーシャル・ストック市場を作る必要がある。投資家は、自分の好みの使命を持つソーシャル・ビジネスの企業を見つけようという意志を持って、その証券取引所に来る。
12.グローバル化が、経済的な帝国主義になってはいけない。貧しい人々と貧しい国がグローバル化の利益を維持するために、強力な多国籍のソーシャル・ビジネスを起こすことができる。ソーシャル・ビジネスは、貧しい人々に所有権を与えることや、貧しい国々の中に利益を残し続けることができる。
13.月に行きたいと思ったから、人間は月に行った。私たちは達成したいと思うことを達成する。何かを達成していないのは、そこに心を置いていないからで、私たちは、自らが欲しいと願うものを創造する。
14.貧困というものは貧しい人々によって創られたものではない。貧困なき世界を創造することは可能である。貧困は、私たちが設計した、経済的、社会的なシステム、組織と概念、そして取ってきた政策によって生まれ、今まで続いてきた。狭すぎる概念(ビジネス、取引信用度、企業家精神、雇用に対する概念)によって設計され、金融機関などのように貧しい人々が排除される組織を設立することで、貧困が生まれ。貧困というものは、人間の概念のレベルでの失敗によって引き起こされる。私たちが団結して信じていれば、貧困なき世界を創造することができる。
15.ノルウェーのノーベル委員会の皆様に感謝する。貧しい人々、特に貧しい女性には、秘められた可能性と人並みの生活をする権利の両方があり、マイクロクレジットがその可能性を解き放つための助けになることを認めてくれた。世界的な貧困の終焉という歴史的な躍進のために、大胆な独創力が世界中で生まれると信じている。


yuji5327 at 06:28 

2017年04月30日

英フィナンシャル・タイムズは「トランプ大統領にまだバノン氏が必要な理由」と題する記事を掲載した。彼は、トランプ政権内で戦略的な頭脳を持っている唯一の人物。

4月28日付けの大前研一 さんのニュースの視点は「 日米経済対話・トヨタ自動車・米中関係 〜中国問題と北朝鮮問題は全く別もの 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日米両政府は18日、2月に安倍首相とトランプ米大統領との会談で合意した日米経済対話を行い、貿易・投資ルールなど3つの分野で具体的な成果を目指す方針で合意した。対話後、ペンス米副大統領は「TPPは過去のもの」と述べ、2国間の貿易交渉に軸足を置く方針を改めて表明し、経済対話が将来的に日米FTA交渉に発展することに期待感を示した。
2.日本は米国を除く11カ国でTPPの継続を進めようとしている。米国としてはこれを阻止し、「米国対日本」「米国対韓国」というような2国間協定に持ち込む狙いである。例えば、食肉の輸入を見ると、国内に流通しているものは輸入品が国産品よりも多くなっており、その輸入量では米国よりも圧倒的に豪州が優位に立っている。もしTPPが実現していても、米国は豪州の牛肉には及ばなかったが、さらには豪州と日本は先行的に2国間協定を締結していて、関税が10%低いというコスト競争力があるので、米国としては全く歯が立たない。
3.米国の狙いは、2国間協定に持ち込み、最悪でも豪州と同じ条件、願わくば豪州よりも有利な条件を引き出したいところである。20年間にわたって日米貿易交渉を見てきたが、米国との2国間協定は絶対に進めるべきではない。TPPを反故にしたのは米国なのだから、はねつけてほしいが、安倍首相に懸念を感じる。
4.トヨタ自動車は10日、米国ケンタッキー州の完成車工場に約1500億円を追加投資すると発表した。米国で、今後5年で投じる100億ドルの計画の一部である。これまでトヨタのメキシコ工場建設を批判してきたトランプ大統領も、一定の評価を示すコメントを寄せている。
5.ケンタッキーの工場というのは、トヨタが世界に保有する工場の中でも最大規模の工場である。実際は、追加投資をしたところで雇用はそれほど増えないが、トヨタとしてはケンタッキーやインディアナなどで、トランプ政権にアピールすることが重要である。これまでは、特に発表などせずに投資をしてきたものを、あえて大体的に公表しているのは、表面的な意味でのトランプ政権への対応である。トランプ大統領に批判されたと言っても、メキシコの工場も閉鎖していないし、トヨタは自分たちのペースで進めている。
6.自動車業界では、「SUV」によって勝ち組と負け組が明確にわかれている。セダンは軒並み落ち込んでいて、SUVで出遅れたメーカーが負けている。米国自動車メーカーはSUVに弱く、苦戦している。機能的な側面だけで言えば、東京でSUVに乗る意味はないし、BMWやポルシェのSUVとなるとなおさらだが、SUVはカッコイイという流行ができあがっている。
7.トランプ米大統領は16日、北朝鮮が日本海側の東部・新浦付近で距離とみられる弾道ミサイル一発を発射後、初めてツイッターに投稿し、「北朝鮮問題で我々に協力してくれているというのに、なぜ中国を為替操作国に指定するというのか。指定するわけがない」と述べた。北朝鮮への圧力強化へ向け、中国の役割に改めて期待を示した。
8.トランプ大統領は、中国に対して100日間の猶予を与えた。米国民でトランプ大統領に投票した人は、選挙期間中、あれだけ「中国は為替操作国ナンバーワン」だと言っていたのに、北朝鮮問題に協力してくれたら為替操作国ではなくなる、というおかしな話である。中国の問題と北朝鮮の問題は全く別ものであり、理解できない。
9.英フィナンシャル・タイムズは「トランプ大統領にまだバノン氏が必要な理由」と題する記事を掲載した。これは、バノン首席戦略官は、トランプ政権内で戦略的な頭脳を持っている唯一の人物と紹介。NSCからはずれたが、シリア攻撃には反対したというバノン氏の本能は健全としている。
10.全体を通してトランプ戦略は成り立たせるためには、バノン氏は不可欠な存在である。悪いところもあるが、バノン氏がいなくなれば、オバマ政権と変わらないという指摘である。これは一部正しいと思うが、バノン氏を排除するのは正しい。
11.トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が、バノン氏とナバロ氏を排除する方向で動き、その役割が大きくなっている。大きな事業も持っている人物だから、コンフリクトが起こらないように、事業と政務を切り離すことが必要である。
12.トランプ米大統領の最初の妻の次男であるエリック・トランプ氏が英テレグラフ紙のインタビューに応じ、シリア攻撃に踏み切った大統領の決断の背景に長女イバンカ氏の後押しがあったのは確実との見方を示した。イバンカ氏が「子供がやられている、赤ちゃんにサリンなんてとんでもない」と言って、トランプ大統領に決断を促した、一部のメディアで報じられている。決定的な証拠があったわけではないが、米国は同じようなことを過去にも行っている。
13.イラクによるクウェート侵攻後、イラク軍兵士が保育器に入った新生児を取り出し放置して死に至らしめた、とクウェートの少女に証言させた。これが湾岸戦争の大きな布石にもなったが、後年、この少女は駐米クウェート大使の娘で、証言は捏造だったと判明している。
14.今回もアサド側が本当に化学兵器を使用したのかどうか、判断できない。シリアをそれほど重要視していないと語っていたトランプ大統領が、急に方針を変更して動き出したのは腑に落ちない。エリック・トランプ氏が言うように、イバンカ氏の影響があったというのは頷ける。


yuji5327 at 06:44 

2017年04月27日

習政権は、聖域と思われていたエネルギー大手である中国石油天然気とその親会社幹部の捜査に乗り出し、業界を驚愕させた。

「長岡義博(本誌記者)著:習近平に歯向かう抵抗勢力の素顔、
Newsweek28,2016/4/12」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.中国の習近平国家主席はこれまで13年の就任以来続けてきた反汚職キャンペーンで政敵を次々と逮捕し、共産党と政府の権力基盤を固めていると思われてきたが、先日の全国人民代表大会〔全人代}前日、政府系ニュースサイトに突然「忠実な共産党員」を名乗る匿名の人物から習の辞職を求める手紙が掲載された。
2.最近のボディーガードの多さは、習の不安感を物語る。中国政界には3つの派閥がある。江沢民を中心とする上海閥、高級幹部の子弟がメンバーの太子党、それに前国家主席の胡錦濤や李克強現首相の出身母体である共産主義青年団〔共青団)だ。共青団は主に庶民層出身者で構成される。今から9年前、ポスト胡錦濤のトップ争いで有利とみられていた李が習に敗れた後、共青団派は冷や飯を食わされている。
3.中国では、経済政策と改革は首相に任せられる。しかし、習は党中央に「財政経済指導小組」「改革指導小組」という新組織をつくり、自らトプに就任。事実上、李から権限を奪っている。昨年夏以降続いた経済をめる混乱でも、首相のはずの李の影は薄かった。
4.89年の天安門事件以降、03年まで中国トップを務めた江沢民を中心とする上海閥は、中国政界で今なお最も大きな勢力を持つ。13年余り党と国家の頂点に君臨したことに加え、天安門事件後の混乱で空いたポストに自分の部下を多く送り込んだこと、急速な経済成長を在任中に実現したことが権力の源泉となった。習が李を押しのけて党トップに就任できたのも、江の後押しがあったからと考えられる。
5.派閥の大物2人が摘発されたことにより、勢力は大きくそがれた。胡錦濤時代には上海市トップだった陳良宇が、習政権になってからは元最高指導部メンバーの周永康という派閥の大物2人が,汚職で捕まった。江が間もなく90歳を迎える高齢で、死去すれば中心を失ったグループは確実に衰退する。習の汚職狩りで多くのメンバーが失脚したこともあり、習への不満は根強く残っている。
6.習近平は13年に国家主席に就任した後、昨年7月には200人を超す弁護士や人権活動家が一斉に拘束され、その一部は国家政権転.覆罪で正式に逮捕された。メディア関係者や人権派学者の拘束も相次いでいる。天安門事件以来、冬の時代が続く中国の自由主義派にとって、現在の習時代はさらに悪い「氷河期」である。穏やかな手法で改善を求める中高年知識人さえも批判し、名指しで共産党体制を攻撃する若手の知識人が現れ始めている。独裁体制がもたらす言論統制や人権侵害に対する不満のエネルギーはたまっており、いずれ何らかの形で唾き出しかねない。
7.中国の左派には、同じ左派の習近平に強い不満を持つ。彼らが支持するのは、汚職などの罪で有罪判決を受けた元重慶市トップの薄煕来である。習らを左派が嫌うのは、社会的弱者を無視しているからである。薄は重慶時代、格差是正を訴えて大衆を引き付け、貧困層向けの安価な住宅提供などを打ち出した。外資誘致にも成功し、年16%超の経済成長を達成した。
8.習政権は、聖域と思われていたエネルギー大手である中国石油天然気とその親会社幹部の捜査に乗り出し、業界を驚愕させた。国有企.業はその非効率さで構造改革の足を引っ張ってきた。その後も国有企業の腐敗に対する捜査は続き、習は改革に反対する抵抗勢力を排除した後、自分の子飼いを送り込んでいる。石炭など過剰生産が続く産業で計600万人の大リストラに踏み切り、失敗すれば新たな大量の不満分子を抱えることになる。各地で元軍人デモも発生している。



yuji5327 at 06:51 

2017年04月26日

沖縄の島々は有事に際しては中国艦隊にとって大きな脅威になる。日本の陸上自衛隊は沖縄の島々に、艦艇攻撃用のミサイルを配備、偵察用レーダー基地を作ろうとしている。

「日高義樹著:
アメリカはいつまで日本をまもるか、徳間書店、2013年」はためになる。「第3章:太平洋の軍事バランスが変わる」の「第3節:中国はどこまで海軍力を増強できるか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本のマスコミの多くは、中国の軍事力にあまりにも過大に見ている。中国の持つ軍事能力のなかには、アメリカやロシア、フランスなど一流の軍事力に匹敵するものも多い。中国海軍は衛星追跡用の艦艇を造り、自国の衛星を世界中追尾する能力を持っている。そういった情報網を通じて、世界の地理を克明に探り、資源に関する情報を集めている。
2.ミサイルの開発にはたゆみない努力を続けて、中距離ミサイルなどによって近隣のアジア諸国を制圧するだけの能力を持っている。しかも遅れていた対艦艇攻撃用のクルージングミサイルもDF51の実戦配備によってアメリカに追いついた。このほかにも新鋭の駆逐艦やフリーゲート艦、海中の潜水艦から発射できる大陸間弾道ミサイル、アメリカの人工衛星を攻撃できるミサイルなども実戦配備している。とくに注目されるのは2013年、18個以上の情報衛星やスパイ衛星などの打ち上げに成功したことである。
3.中国はいまや、日本をはじめ東南アジア、アメリカ軍の最前線基地であるグアム島の情報、それに地下資源の情報を、手に取るように集めることができる。それだけでなく、航空母艦の2隻目、3隻口を建造しようとしている。だが現実に中国の航空母艦が強力な戦力になるには少なくとも10年は必要と見られている。将来はともかく、現在の中国海軍の戦力は、総合的に判断すれば日本にも及ばない。
4.空母から戦闘爆撃機を数10機発進させ、海上の船舶や地上基地を攻撃し、再び収容するには高度な技術が必要だが、その能力を手にするには長い時間がかかる、とアメリカのグリナート海軍総司令官が言ったが、現在の中国海軍にはまだそうした能力はない。
5.中国艦隊がこれまでにない規模の活動を太平洋で行っている、とロックリアー太平洋軍司令官が日本人を脅かしているが、太平洋に進出した中国海軍は基地も、補給艦も十分に持っていない。中国が太平洋に展開する中国海軍に補給艦隊を送りつけたり、中国海軍が海上で戦闘行動を始めたとしても、日本は簡単に対応策を取ることが出来る。
6.沖縄の島々は有事に際しては中国艦隊にとって大きな脅威になる。日本の陸上自衛隊は沖縄の島々に、艦艇攻撃用のタイプ88と呼ばれるミサイルを配備し同時に、偵察用レーダー基地を作ろうとしている。完成すれば、中国大陸から太平洋に出ようとする中国艦隊や、本土に戻ろうとする艦艇の死命を制する威力を持つことになる。
7.日本では中国の軍事力強化だけが宣伝されているが、実際の中国の軍事力には脆いところが沢山ある。中国の軍事能力はマダラなのである。世界中をスパイする衛星を数10も持つ一方、宗谷海峡や沖縄の近辺を自由に通り抜けることはままならない。日本の人々はもう少し自信を持つべきである。
8.尖閣列島をめぐる戦闘についてアメリカの専門家は驚くほど楽観的な見方をしている。アメリカ海軍兵学校の研究所のデータによれば、中国海軍はわずか1週間で壊滅する。尖閣列島沖の海上戦闘があるとすれば、中国側の不法なレーダー照射が口火になると考えられている。アメリカの軍事専門家は尖閣列島をめぐる海上戦闘にあたってアメリカ政府がまず明確にすべきは、戦闘を海上に限定することだと述べている。中国本土の陸上基地を攻撃したり、中国政府を崩壊させたりしないことを、中国側に明確に知らせなければならないとしている。そうした限定戦争では、中国は得意の中・長距離ミサイルで日本の基地やグアム島基地などを攻撃することができない。
9.アメリカ軍は地上基地を攻撃せず、「空と海の戦い」を展開し、中国艦艇を攻撃する。中国は福建省をはじめ、上海にある空軍基地から航空機部隊を出撃させようとするだろうが、空軍部隊が艦艇に対して効果的な攻撃を行うことは難しい。アメリカ軍は陸上の中国空軍基地を攻撃せず、中国の航空機に対処するだけで戦闘には勝てると予想されている。
10.2011年、アメリカのステルス戦闘機F22が沖縄までやって来た時、パイロットは、自分たちの編隊の6機で、3百機の中国空軍機を撃墜することができる、と言っている。中国もステルス戦闘機を持つようになったが、効果的な戦闘を行えるまでにはなっていない。
11.尖閣列島沖の海上戦闘では、アメリカ軍の性能の優れた原子力潜水艦が音もなく行動し、最新鋭の超小型の魚雷を発射して、中国艦艇の心臓部であるエンジンなどを破壊できる。アメリカ艦隊の技術担当者は、アメリカ軍は大型の魚雷を使って、敵の艦艇を沈める必要は全くない。直径2、30cmの超小型の魚雷が開発されたという。この魚雷は敵の艦艇の最も重要なエンジン室を正確に直撃することができる。
12.海上戦闘のやり方が大きく変わった。東シナ海で空と海の戦いをしかけられた中国海軍は、7日間で壊滅する。尖閣列島の防衛について日本は神経質になり過ぎている。中国が効果的に軍事行動を起こそうとすれば、中距離ミサイルを使って日本の軍事拠点や経済地点を攻撃する必要がある。日本を攻撃したりすれば、アメリカが日米安保条約に基づいて、中国の後方軍事拠点を攻撃する。
13.アメリカが中国の軍事拠点を攻撃しなかった場合は、日本は自らを守るために、独自の力で中国の軍事拠点を攻撃しなくてはならない。戦争がエスカレートしていけば歯止めがなくなり、核兵器にまで至る危険もある。戦争のエスカレートという問題を考えれば、習近平の尖閣列島を奪うという戦略は明らかに間違っている。習近平は平和主義の日本政府と日本人は少し脅かせば、尖閣列島を諦めると考えている。
14.尖閣列島を実効支配しているのは日本である。国際的な常識から言えば中国側は分が悪い。格差が広がり不満を募らせている中国人に不満のはけ口を与えるためだ。尖閣列島という小さな島を日本から奪って、国民の政府に対する不満をそらそうとしてい。
15.国際社会というのは、長い間の関係と約束から成り立っている。そうした事情にうといオバマ前大統領が、「中国の夢」、その実は習近平のアジアにおける領土拡大政策を受け入れてしまった結果、中国の出方によっては、尖閣列島という地域の紛争から、戦争へのエスカレートという大事も予測しなければならな。




yuji5327 at 06:48 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
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磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
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有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
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