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2017年06月09日

情報格差は「情報の非対称性」とも言う。これを上手に用いる。グローバルビジネスは「世界で最も良くて最も安いものを調達して世界で最も高く売れるマーケットで売る」ということ。

「大前研一著:
「0から1」の発想術
大前 研一
小学館
2016-04-06

0から1の発想術、小学館、2016年4月11日」は参考になる。「第2章:アービトラージ:情報格差こそビジネスチャンスになる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.情報格差は「情報の非対称性」とも言う。これを上手に用いれば、多くのサヤを取ることができる。グローバルビジネスの要諦は「世界で最も良くて最も安いものを調達して世界で最も高く売れるマーケットで売る」ということである。そこに通常の商品やサービス、価格との「格差」が生じるから商売になる。
2.その情報に競合他社が気づき始めると、商品やサービスのクオリティも価格も、ある一定のところに落ち着いていく。格差がなくなってしまう。利益をあげるために、より中抜きを徹底させるなどの方向に向かう。その時点でアービトラージではなくなる。単にコストダウンや経営努力である。
3.アービトラージという発想法を鍛えるには、1には、ソニー創業者の故・盛田昭夫氏のような情報に対して貧欲で、情報格差に真剣に取り組み、誰もが知る経営者がいることである。ソニーは「ウォークマン」を世に送り出し、世界の音楽シーンを変革した。それを生み出した背景には、アメリカの若者たちが大きなラジカセを手に持って街を闊歩しているのを見て、この人たちは歩きながら音楽を聴きたいんだ、と気づくように、情報に対する鋭い感度があった。
4.たとえば、ポーランドの豚肉が、世界中で賞賛されていることを日本人の多くは知らない。海外のブランド豚として日本人が知っているのは、スペインのイベリコ豚がある。イベリコ豚は情報格差を利用したというよりは、イメージ戦略がうまくいった。アメリカでは、豚肉といえばポーランドである。ポーランドは、古くから多民族国家で、周辺のあらゆる民族の食習慣を取り入れて独自の食文化を構築している。グルメな国民である。アメリカでは、「ポーリッシュベーコン」といえばーつのブランドで、通常のベーコンの何倍もの値がついている。
5.語学教育でも、アービトラージの発想の例がある。1981年に1号店を出店したのを皮切りに、「駅前留学」を謳い文句に急速な発展を遂げた英会話教室NOVAは、2007年にいったん破綻した。1時間に約2000円という安い料金に、CMの人気も相まって、業界トップに躍り出たが、その栄華は長くは続かなかった。
6.現在も通学型の英会話教室は数多く存在するが、NOVAの破綻はーつの前兆である。たとえば、スカイプなどのインターネット電話サービスによって、自宅にいながらにして英語の講習を受けられる。
7.アメリカ最大の豚肉加工会社はスミスフィールド・フーズ(バージニア州)という会社だが、2013年に中国の双匪国際が約5000億円で買収した。ポーランドの生協を株式会社にて豚肉の独占販売権を持っていたのがスミスフィールドだった。世界で一番うまい豚肉は、世界で一番豚肉料理が好きな中国人が買い占めた。


yuji5327 at 06:38 

2017年06月08日

グローバルな時代の国際人は世界のことを理解すると同時に、自分の国のことも知らないと、自国のことを世界にアビールできない。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7.KADOKAWA、2016年」は参考になる。「エピローグ 近代文明の逆走を止められるか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.第1次世界大戦とは、世界史では、「1914年、オーストリアの皇太子(帝位継承者)がセルビアの青年に暗殺されたのがきっかけ」と習うが、大戦争に発展した背景はきちんと教えない。オーストリアとセルビアは20世紀の初めまでは経済的にも密接な関係にあったが、1908年、セルビアが求めていたボスニア・ヘルツェゴビナという地域をオーストリアが自分の領土に併合した。これにセルビアが反発し、以降、急速に関係が悪化していった。
2.セルビアは、ボスニア・ヘルツェゴビナというセルビア人が多く住む領土を取り返したい。セルビアはスラブ系の民族で、同じスラブ系のロシアは、セルビアに味方した。当時、ロシアはフランスと露仏同盟を結んでいたのでフランスも乗り出した。
3.一方、自分たちの帝位継承者の夫妻が殺害され、オーストリアも怒りが爆発し、同盟国だったドイツに助けを求め、参加国が膨らんでいった。イギリスも参戦し、ロシア側についた。このころ、ドイツは軍艦を大量に建造するようになり、この動きに、海軍国家のイギリスが反発発した。「イギリス、フランス、ロシア」などと、「ドイツ、オーストリア」などとの30カ国を蒔きこんだのが第1次世界大戦である。
4.当時のヨーロッパは、植民地争奪競争の最中だった。18世紀半ば、イギリスで産業革命が起こり、これが世界を大きく変えた。ヨーロッパの国々は工場制機械工業の導入により、大きく発展し、つくったものが自分の国だけでは売りきれなくなり、原料と市場を求めて、海外に植民地を広げていった。
5.植民地争いで最強の国はイギリスだった。一方、神聖ローマ帝国の名のもとで実質的に分裂していたドイツ諸邦は、19世紀にやっと統一した。新しくやってきた強国は、すでに列強の勢力が及んでいるところにも自分の勢力を押し広げようとした。ドイツは、新しい技術をイギリスから輸入して発展した。当時、ドイツとイギリスはお互いに最上の顧客だったのに、戦争になってしまった。経済的に依存しあっていれば戦争にはならない、よく言われるが、いくら経済でいい関係を築いていても戦争になりうる例である。
6.日本も第1次世界大戦の戦勝国である。日本は日英同盟を結んでいたので、イギリス側についた。日本も1等国になりたかったので、日本は中国進出を狙っていった。中国の青島はドイツが持っていたため、列強が戦っている間、青島を攻略した。日本は、最小限のコストで最大限の利益を上げたいわれた。
7.さらに中国に対し、1915年、ドイツの利権継承など「対華21箇条の要求」を突き付け、その大部分を承認させた。中国では反日意識が高まり、これがその後の日中戦争や太平洋戦争へとつながっていった。日中戦争、そして太平洋戦争の起源はここにある。アメリカは、ヨーロッパには干渉しないというのが基本方針だった。干渉しないから、アメリ力大陸にも干渉するな、という立場だった。
8.第1次世界大戦では新兵器も多く登場したが、ドイツ軍だけが潜水艦「Uボート」を持っていて、この潜水艦で最大の敵・イギリスに出人りする船を片っ端から攻撃した。アメリカは通商国家で、アメリカの船を沈められ「これ以上我慢できない」と、参戦。中立だったアメリカが連合国側につくことで、戦況は一気に連合国側有利に動いた。1918年、連合国軍の勝利により、第1次世界大戦は終わりました。
9.2015年、ローマ法王・フランシスコは、パリの同時多発テロ、自称「イスラム国」の台頭、アメリカにおける人種間対立、依然として継続するロシアとウクライナの問題などを見て、すでに第3次世界大戦が始まっている、という趣旨の発言を行い、世界中のメディアを驚かせた。
10.フランシスコ法王は、2016年2月、ロシア正教会のキリル総主教との歴史的な会談を果たした。1000年ぶりの和解、と話題になった。キリスト教は4世紀、キリスト教を国教としていたローマ帝国の東西分裂にともない、次第に異なった考えを持つようになり、徐々に対立していった。
11.1054年、教義の違いなどからお互いを破門するかたちでローマを中心とするカトリック教会と、コンスタンティノープル(現在のトルコ・イスタンブール)を中心とする東方正教会に分離した。カトリックの総本山はバチカンで、ローマ法王が最高指導者である。東方正教会は法王に相当する地位を設けておらず、信仰を同じくする教会組織を国や地域ごとに設立している。ギリシャならギリシャ正教会、ウクライナならウクライナ正教会、マケドニアならマケドニア正教会、とし、ぞれの教会は対等だとしている。中でもロシア正教会は東方正教会の信者の3分の2を擁するともいわれる最大勢力である。
12.歴史的な会談が実現した裏には、自称「イスラム国」など、イスラム過激派から結束してキリスト教徒を守ろう、と連帯を強める必要性もあったが、ウクライナ問題も背景にある。全方位外交を加速させるローマ法王の呼びかけに東方正教側が応じたのは、ウクライナ問題やシリアでの空爆などに対する、欧米からのロシアへの批判を緩和する狙いがあるとの見方もある。
13.ローマ法王は、アメリカ大統領選挙で共和党の指名獲得したドナルド・トランプについて、メキシコ国境における壁の建設を求めるなら、キリスト教徒ではない、と批判した。トランプは、いったんはローマ法王を批判したが、その後、批判を取り消した。さすがにトランプも敵に回したくない相手だったらしい。
14.かってのソ連は宗教を否定する国だった。カール・マルクスが「宗教はアヘンだ」と言ったからである。資本主義において宗教は麻薬のような役割を果たす。現世は辛くても、一生懸命に働けば来世は天国へ行けると信じて、どんなに辛くても我慢する。これでは社会主義革命は起こらないとして、宗教を排した。ソ連は「"宗教は敵だ」とロシア正教を弾圧した。一応、信仰の自由は認めるが、宗教を信じない自由もまた認めるとして、ロシア正教会の活動が狭められた。教会の十字架を取り外したり、教会の中を集会場のような施設にした。
15.ソ連が崩壊し、ロシアになったとたん、ロシア正教会が再び強い力を持つようになった。宗教を否定していたソ連の大統領の名前がミハイル・ゴルバチョフのミハイルとは、キリスト教の天使の名前で、ゴルバチョフは幼児洗礼を受けていたことをソ連崩壊後に認めている。
16.グローバルな時代の国際人は世界のことを理解すると同時に、自分の国のことも知らないと、自国のことを世界にアビールできない。因果関係の蓄積が歴史で、因果関係を調べるのはおもしろい。ニュースを理解するということは、ニュースが起き理由という問題意識が必要である。



yuji5327 at 06:45 

2017年06月07日

中国と日本の間で問題が発生すると、「中国はけしからん」と多くの日本人が思うが、そこには客観的な視点はなく、固定観念で「中国はけしからん」と言う。

「大前研一著:
「0から1」の発想術
大前 研一
小学館
2016-04-06

0から1の発想術、小学館、2016年4月11日」は参考になる。「第2章:アービトラージ:情報格差こそビジネスチャンスになる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.フィリピンの英会話教室の例では、フィリピンはアメリカの植民地だったため、英語は公用語のーつになっている。TOEICテスト国別平均スコア(2013年)でも、フィリピンは711点とイタリアと並んで世界13位である。日本は512点で48か国中40位である。英語力の高いフィリピン人とアメリカ人講師の「格差」に目をつけたサービスが、フィリピン人講師の講座で、25分100円から受けられる、アメリカ人やイギリス人の10分の1の価格である。
2.アメリカでは「オバマケア」と呼ばれる医療保険制度改革がスタートしたが、未だ医療は高額である。各国それぞれの事情を抱え、保険制度も医療制度も異なり、格差がある。この格差を利用して発展を続けているのが、インドのメディカルツーリズムである。最大手のアポロ病院グループはインド初の株式会社病院で、病院数は50を超え、クリニックは100以上ある。病床総数8500床以上、専門医約4000名を擁するアジア最大規模の医療グループである。心臓手術が有名で、グループ全体で累計5万5000件の心臓外科手術を行い、その成功率は99・6%だった。
3.タミル・ナドゥ州にある眼科専門のアラヴィンド、デリーを拠点とするマックス・ヘルスケア、バンガロールを拠点として骨髄・腎臓移植などを数多く手がけるマニパル・ホスピタルズなど株式会社病院は、インドで数百か所ある。現在の市場規模は30億ドル、メディカルツーリズムによる訪印者は年間23万人で世界第5位。市場規模は、2018年には60億ドル、訪印者は40万人まで増えると予測される。
4.メディカルツーリズムの先進国はタイだが、インドはそのタイよりも安い。たとえば、肝臓移植手術をアメリカで受けると50万ドル、タイでは7万5000ドルで、インドではタイの約半分の4万ドルで済む。平均すると、インドでの医療費は、アメリカの10〜20%で済む。
5.アメリカの保険会社では、インドのメディカルツーリズムを受け入れるなら、保険料を安くする提案が出始めている。アメリカでは、インド人医師が数多く活躍している。国内で治療を受けてもインド人医師が当たり前なので、インドで治療を受けることに対する抵抗は少ない。イギリスでは、インド人医師の割合はアメリカより高い。空港まで無料送迎、手術後には帰国する前にタージ・マハールなどの観光案内サービスつき、建物は高級ホテル並みで、インドのメディカルツーリズムが受け入れられる。
6.眼科専門のアラヴィンドの取り組みは、西洋の下位中流層の多くがファストフードを買えるように、途上国の人にも手が届く白内障手術を提供する仕組みを作る眼科専門病院である。たとえば、自内障手術をアメリカで受けると、手術費は1600ドル以上だが、アラヴィンドではたった10ドルで受けられる。10ドルという低価格が実現できた理由は、白内障手術の機器を24時間稼働させるからである。この病院の眼科手術は、医師1人あたり年問平均2000件である。
7.ユニクロは当初、中国で生産することで優位性を得たが、外国へのBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)も、アービトラージの発想である。ユニクロの場合は生産工場のBPOなので、それほど珍しいことではないが、いわゆるホワイトカラーや専門職のBPOも、すでに世界では始まっている。たとえば、建築家や設計士、会計士、航空宇宙系の技術者、金融アナリスト、半導体チップデザイナー、IT系管理者などにも、BPOの波は押し寄せている。
8.多国籍企業の会計業務を行う会計士はまさにプロフェッショナルであり、アメリカ人なら月給5000ドルの高給取りの部類だが、フィリピン人なら安いケースで数百ドルである。アジア最大の会計事務所はフィリピンにある。金融アナリストやIT系管理者などの専門職も同様で、アメリカ人の金融アナリストを雇うには月給7000ドルが必要だが、インド入なら1000ドルで済む。ソフトウエアの開発やウェブデザインを管理するIT系管理.者は、アメリカ人が月給1万ドル、インド人は500ドルである。
9.BPOの外注拠点は、フィリピンやインドだけではなく、南米のコスタリカでは、欧米向けのスペイン語によるコールセンターが多く開設されている。メキシコは、アメリカ企業のITエンジニアリングの拠点である。ロシアには、博士号を持った航空宇宙系の研究者や技術者が多く、多くのアメリカ系企業がロシアにR&D(研究開発)センターを置いている。
10.アフリカのモーリシャス共和国は、マダガスカル島の東、インド洋に浮かぶ島からなる国で、面積は東京都よりやや小さく(2045)、人口は130万人にすぎない。しかし、かつてフランス、イギリスの植民地だったので、フランス語も英語も堪能である。この利点を生かして欧米のBPOの拠点になっている。コンサルティング会社のアクセンチュアもモーリシャスにセンターを置いている。
11.アービトラージの発想のポイントは、これまでの業界の常識を疑うことである。ユニクロは、商社や問屋を通さずに中国と直接取引するという「中抜き」を行った。今では当たり前だが、当時の日本では、業界の常識に反する発想だった。たとえば、中国と日本の間で問題が発生すると、「中国はけしからん」と多くの日本人が思うが、そこには客観的な視点はなく、中国とはこのような国だという固定観念に基づいて「中国はけしからん」と言っている。
12.日本では、「日本語」という壁があるので、アメリカのように簡単にBPOできないが、遅かれ早かれ、専門職であってもBPOの対象になる。ますます「個人の力」で勝負するしかなくなる。同じ業界に長くいると学ぶ心をなくし、自分はその業界に詳しいと過信してしまい、固定観念にとらわれているので、これまでの発想から抜け出せない。固定観念にとらわれやすいからこそ、そこから抜け出したひと握りの人間が、情報格差によって富を得ることができる。‐霾鶻丙垢妊汽笋鯣瓦。固定観念にとらわれず、外からものを見る。



yuji5327 at 06:43 

2017年06月04日

北朝鮮が崩壊するシナリオとして、韓国が祖国統一を果たし、米韓軍事同盟の及ぶところは38度線までとし、米軍のいない韓国として支配すること。

2017/6/2付けの大前研一さんの「ニュースの視点」(発行部数 168,470部)は「G7首脳会議・米朝関係・北朝鮮情勢〜北朝鮮崩壊で各国が受け入れられるシナリオ」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.主要国首脳会議が、5月26日、27日、イタリア南部シチリア島のタオルミナで開催された。会議では英国マンチェスターで起きた自爆テロを受けて、国際社会が協力することで一致する一方、初参加のトランプ米大統領が各国の貿易障壁を批判し、公平な条件を求めるなど貿易面では摩擦が鮮明になった。
2.メルケル首相によると、「7カ国協議ではなく、1対6だった」と言わせるほど、トランプ大統領が孤立していた。欧州の報道を見ると、トランプ大統領の態度があまりに下品だと伝えていた。
3.トランプ大統領にとっては外交デビューであり期待されていたが、関税障壁のことなどすべて自分を中心に前に出ていくだけで、米国の放送局でさえ「恥ずかしい、世界の指導者と同格ではない」と報じていた。
4.今回のG7でも明白になっが、トランプ大統領が口先だけの「嘘つき」であることが
問題である。例えば、中東問題では、選挙期間中はサウジアラビアやエジプトを持ち上げて、ISやイランと徹底的に闘うと発言していた。オバマ元大統領はイランと話し合いの場を持つに至ったがが、それをすべて無にした。それにも関わらず、自分の目の前にスンニ派の人がいると手の平を返して歯の浮くような発言をする。ローマ法王についても、散々喧嘩をふっかけていたのに、いざ目の前に出ると「勉強になりました」という始末である。
5.米国の選挙民からすれば、トランプ大統領のあのキャンペーンは一体何だったのか、と感じている。NATOでも今回のG7でも、もはやトランプ大統領の言うことは、信用されないというレベルになっていると思う。
6.主要国首脳会議はかつてG8でしたが、ロシアが排除されてG7になった。今のトランプ大統領なら米国も除いて、G6でもいいと欧州側は考えている。トランプ大統領には自分の信念がないので、目の前のことだけを良く言う、という態度になってしまう。
7.日経新聞は「米朝関係 米の「対話と圧力」甘い見積もり」と題する記事を掲載した。それによると、北朝鮮は21日、今年8回目となる弾道ミサイルを発射。国際社会は発射のたびに非難するものの効果は薄く、トランプ米政権の軍事圧力を見せかけと判断していると紹介している。従来の方針を踏襲したに過ぎないトランプ政権の対話と圧力路線の形骸化は否めないとしている。
8.G7を終えて、安倍首相は「北朝鮮に対する圧力」が成果だと発言していたが、事実としてそのような報道は海外にはない。基本的に抑止論は成り立たないという事実を認めるべきである。
9.北朝鮮からミサイルが発射されれば、数分で日本へ着弾する。それを守る術はない。
この厳しい現実を政府や国民に知らせる必要がある。マグマグニュースに掲載された「北朝鮮情勢 日本政府が語らぬ「ミサイル飛来なら逃げ場なし」の現状」という記事では、詳細にこの現実について紹介している。
10.Jアラートとエムネットの双方を使って緊急情報が伝えられることになっているが警報が鳴っても避難できる場所がない。仮にシェルターが近くにあっても、着弾するミサイルを回避するためには、警報を聞いてから数分で避難を終えなければならないが、現実的には不可能である。
11.北朝鮮をどのように抑えるのか、という命題で、米国は先制攻撃を想定していたが、北朝鮮がミサイル発射ボタンを一斉に押したら、韓国への攻撃を防ぐことはできないとわかった。韓国では100万人規模の被害が出ると言われている。現状では、北朝鮮の初期攻撃を防ぐ手立ては見つかっていない。
12.北朝鮮に対して、トランプ大統領が期待するように「中国が解決してくれる」というシナリオを推す人もいるが、そのためには中国と韓国それぞれが受け入れる条件がある。もし中国が北朝鮮の崩壊をもたらしたとしても、中国が38度線まで領土を広げることは、韓国としては受け入れられないはずである。
13.逆に、米国が韓国に力を貸して北朝鮮を崩壊させたとしても、米軍が駐在するような形で北朝鮮の地域を支配することを、中国は受け入れない。中国にしても、米国と直接国境を接するよりも、緩衝材として北朝鮮が存在してくれる方がありがたいと感じているはずである。
14.北朝鮮が崩壊するシナリオを想定した場合、韓国が祖国統一を果たし、米韓軍事同盟の及ぶところは38度線までとすること、すなわち米軍のいない韓国として支配すること。
このようなシナリオしか中国は受け入れることはないと思う。



yuji5327 at 06:51 

2017年06月03日

かってドイツはユダヤ人やジプシーを虐殺した反省から「異質なものも受け入れなければ」という義務感を持っている。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7、Gゼロ時代の新しい帝国主義、KADOKAWA、2016年5月10日」は参考になる。「第2章:ヨーロッパは受けとめ切れるのか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.フランス同時多発テロ事件後、わかったことは、容疑者の多くはフランス国籍だが、シリアの自称「イスラム国」で作戦が立案され、実際の犯行計画はベルギーで練られ、武器もベルギーで入手、フランスで実行されたことである。
2.「ベルギー」がひとつのキーワードである。ベルギーは、フランスとドイツの緩衝地帯のような国である。「ベルギー語」というのはなく、北部はオランダ語、南部はフランス語、東部の一部はドイツ語が公用語になっている。ヨーロッパの真ん中にあり、複数の公用語があるのでヨーロッパの縮図だと、首都ブリユッセルにはEU(欧州連合)の本部がある。
3.それぞれの言語ごとに連邦警察と地方警察があり、フランス語を話す警察官とオランダ語を話す警察官とでは、意思の疎通ができない。情報の共有ができないのは、テロリストにとっては好都合である。フランスはシャルリー・エブド襲撃事件以降、監視が厳しくなったため、テロリストは動きづらくなっている。
4.EUにはシェンゲン協定があり、協定を結んでいる国同士は国境線かないよう行来か自由である。ベルギーとフランスはシェンゲン協定で行き来が自由なうえ、南部はフランス語圏なのでフランス国内を移動しているようなものである。それでもフランスの事件の容疑者がベルギーに逃げ込めば、フランスの警察は手が出せない。現在、ベルギーがヨーロッパのイスラム過激主義者たちが集まる中心的な存在になっている。その後、2016年3月22日には、ベルギーの首都ブリュッセルで、空港などでの連続テロが発生した。フランス同時多発テロの関係者もこのテロに関わっていたことがわかった。
5.2つの世界大戦後に掲げてきた「ひとつのヨーロッパ」の理想が、思わぬかたちで裏目に出てしまっている。ベルギーのブリュッセルには、中東系の人が多く暮らす地域がある。アラビア語の看板がたくさんある地域で、アルジェリアからの移民でベルギー国籍を取ったというイスラム教徒に出会った。移民する国をフランスではなく、ベルギーにした理由を聞くと、フランスでは、よきフランス人になりなさいと強制され、フランス語ができないと仕事も見つからないし、窮屈だと言う。ベルギーは、ベルギー語がないので、アラビア語で話しても問題なく、同化圧力がないので、とても居心地がいい、と言う。
6.EUのシェンゲン協定は、難民にとっても好都合で、とりあえずヨーロッパへ入れぼ、待遇のいい国へ自由に移動できる。そのとき、欠かせないのがスマートフォンである。以前から難民はいたが、このところ急増している背景にはスマホの普及がある。
7.難民といえば、着の身着のままというイメージがあるが、いまヨルダンやレバノンの難民キャンプに行くと、みんなスマホを持っている。国を出るときはバラバラでも、スマホで連絡を取り合って、この難民キャンプのここにいるよ、と連絡し、難民キャンプで再会できる。スマホの充電は、充電屋がいて、太陽光発電の充電施設をつくり、スマホや携帯電話を持ってきた人に1回10円とか20円で充電してあげる。難民を支援しているボランティアもいる。
8.アンゲラ・メルケル首相が大勢の難民を受け入れると表明したとき、多くの人々から人道的な決断として喝采を浴びた。かってドイツはユダヤ人やジプシーを虐殺した反省から「異質なものも受け入れなければ」という義務感を持っている。
9.第2次世界大戦で敗北したドイツは、東西に分割され、東ドイツは社会主義化が進み、ドイツの戦争責任については、あれはブルジョアジーの手先がやったことで、プロレタリアートには責任はない。ナチスは自分たちとは関係ない、という立場で、ナチスに対する責任追及は十分行われなかったが、西ドイツは戦争責任を徹底的に問われ、親世代の罪を自分たちも背負わなければという意識がある。したがって、難民の受け入れに積極的なのは西側だった地域である。難民のための宿泊施設に火がつけられたりするのは旧東ドイツ圏が多いという現実がある。
10.EUの会議で難民受け入れに賛成した国と反対した国は2つに分かれる。かつての東西冷戦で西側だった国は受け入れに賛成、東側だった国は受け入れ反対という傾向が出た。東側は経済が後れているという理由もあるが、それ以上に、鎖国状態が長かったため異質なものに対するアレルギーが強いと思われる。
11.第1次世界大戦、第2次世界大戦で戦場となったヨーロッパは、2度と戦争がないようにという高い理想のもと、さまざまな取り組みをしてきたが、ここへ来て難民が押し寄せ、EUの間で受け入れるか受け人れないかで大きな議論になっている。2016年4月現在、EU加盟国は28力国、ユーロを使っているのは19力国。EUに入っているからといってユーロを使っているとは限らない。EUには入っていなくてもユーロを使っている国もある。
12.ユーロを導入したいちばん新しい国が、バルト三国のひとつリトアニアである。リトアニアの取材時に、ユーロに揺れているのに、ユーロに入って心配ではないか?と聞くと、すぐ隣にロシアという強大な国があるので、ユーロに入ったことで守られている感じ、と言っていた。小さな国は「ヨーロッパ連合」に入ることで、安全保障にもなると考えると思われる。
13.ヨーロッパは国家の分裂も経験してきた。東西冷戦が終わると、ユーゴスラビアが分裂した。ユーゴスラビアは多様性に富んだ国で、その国際的位置から、7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字、1つの国家、と形容された。
14.こんな多民族国家をひとつに束ねていたのがヨシップ・プロズ・チトーというカリスマ指導者である。1980年の彼の死後、各共和国で民族主義が台頭し、1990年代に入ると次々と独立、ボスニア・ヘルツェゴビナは独立するかどうかをめぐって激しい内戦になった。旧ユーゴスラビアを構成していた6つの共和国は、「スロベニア」「クロアチア」「セルビァ」「マケドニァ」「ボスニア・ヘルツェゴビナ」「モンテネグロ」である。スロベニァやクロアチァは、ユーゴスラビアから飛び出し、今は、EUに加盟している。
15.スペインのバスク地方は、スペインとフランスの国境沿いにあり、バスク語を話し、独特の文化を育んできた。スペインとは言葉も文化も違い、スペインから独立し、バスクという新しい国をつくりたいのだが、スペインと同じEUに入ることを希望した。
16.イギリスでは、スコットランドが独立したいと主張している。2014年9月にスコットランド独立の是非を問う住民投票を行ったが、僅差で反対派が勝利。ひとまず独立は成立しなかったが、賛成派はイギリスから分離独立してもEUに入っていたいと思っている。



yuji5327 at 06:57 

2017年06月01日

シャープの経営陣が当時胸を張っていたように、亀山モデルの技術は、韓国や台湾の液晶テレビを凌駕していたが、それはユーザーが選ぶ際の他社製品との「差異」にはならなかった。

「大前研一著:
「0から1」の発想術
大前 研一
小学館
2016-04-06

0から1の発想術、小学館、2016年4月11日」は参考になる。「第1章:SDF/戦略的自由度の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.シヤープが傾いた理由:2000年代はシャープの時代だった。2001年に商品化された液晶テレビ「AQUOS」の人気も手伝って、2002年度に2兆円ほどだった売上高は、その5年後の2007年度には、約1.5倍の3兆4177億円へと急拡大した。2004年1月には液晶を製造する総投資額1000億円の亀山第1工場が稼働し、事業の軸足を液晶テレビに移していった。その結果、2002年に売上高約850億円、出荷台数が約90万台だった液晶テレビは、2006年には、売上高約6135億円、出荷台数約603万台となった。同年、亀山第2工場が動き出し、「亀山モデル」という言葉が世間を賑わせた。
2.2008年秋のリーマン・ショックで状況は一変した。韓国メーカーや台湾メーカーの液晶パネル工場への過剰な設備投資や世界的不況など、さまざまな要因が複合的に重なって、液晶パネルは年率30%の価格下落に見舞われた。しかも「亀山モデル」は、もはやブランドではなくなっていた。シャープの液晶テレビは、機能、品質、ブランド力などで競合する商品との差別化が困難になり、消費者に価格だけで選択されるようになった。コモディティ化である。ここに、技術を過信してきた企業の病巣があった。
3.シャープの経営陣が当時胸を張っていたように、亀山モデルの技術は、韓国や台湾の液晶テレビを凌駕していたが、それはユーザーが選ぶ際の他社製品との「差異」にはならなかった。技術的には優れていても、ユーザーから見た時に差を感じられなければ、それは「差異」ではない。
4.技術者は、技術の差を「差異化」だと思い込んでしまう間違いを犯した。ユーザーから見ればどうでもよい技術は、「差異化」とは言わないので、「ブランド化」することができず、値下げ競争に巻き込まれていった。シャープは大赤字に転落し、他社による救済を求めるまでに追い込まれた。ブランドとは、価格に反映できる「価値」がある、ということである。
5.液晶テレビは、人間の目が認識できる解像度(0・1)を上回るまでに高性能化した。人々は商品の差異に気づかない。だから大半のユーザーは、解像度よりも価格で商品を選んだ。日本的なコスト積み上げ方式で競争した場合、価格を維持できる差別化はできない。シャープが訴えた「画質の美しさ」なども、消費者は海外メーカーとの大きな差異を認めなかった。
6.戦略的自由度の考え方が必要になる。戦略的自由度とは、戦略を立案すべき方向の数のことで、具体的には、ユーザーの目的を満足させる方法をできるだけたくさん抽出し、その中から競争相手が追随できない戦略的に優位になり、かつ持続できる方策を講じるということである。戦略的自由度は、改善の方向が定まらなければ、闇雲に突き進むだけで、時間も費用も無駄になる。
7.技術者は「自分たちの最高の技術をユーザーに届けることがすべてだ」と勘違いする。「自分たちがユーザーに何を提供したいか」という発想をする。その象徴的な例が、シャープの液品テレビである。液晶技術のわずかな優位性などユーザーは望んでいない。発想
の最初に「ユーザーは何を求めているのか」を問うのが第1だとすると、第2にやるべきことは、ユーザーの求めに応じるために、どんなやり方があるのかを挙げることである。
8.例えば、食洗機は「家事のストレスを減らす」「食器の汚れを落とす」というユーザーの要求に対して、「食器を一晩中、食洗機の中に浸けておく」という方法がある。洗剤と食器を入れ、お湯ないし水の中に一定時間浸しておくと、面倒な下洗いを省き、時間をずらし、次に使う時に間に合うように食洗機を回すようにする。そうすれば、水の使用量も、洗う時問も節約できる。
9.ユーザーの目的を把握するということは、思った以上に難しい。一人一人の頭が固いので、ユーザーを想像することが難しくなっている。ある製薬会社では、社員全員に1年間記録をつけさせるという手作業によって、初めてユーザーの目的をつかむことができた。
10.アメリカのロボット企業iRobot社が2002年に発売したロボット掃除機「ルンバ」は、日本では2004年4月に発売されたが、2013年10月末に日本国内での出荷累計台数がロボット掃除機としては初めて100万台を突破した。「楽に掃除したい」という目的は間違っていなかった。.罅璽供爾量榲を考える。¬榲を達成するいくつかの軸(方法)を設定する。軸に沿ってどんなことができるのかを検討する、の3つが重要である。





yuji5327 at 07:02 

2017年05月31日

移民でも、1世と2世、3世では考え方に差がある。1世は、よきフランス人になろうとするが、3世はフランス人たと思っているのに、キリスト教社会で差別を受ける。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7、Gゼロ時代の新しい帝国主義、KADOKAWA、2016年5月10日」は参考になる。「第2章:ヨーロッパは受けとめ切れるのか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2015年11月13日、フランスのパリで史上最悪のテロ事件が起こった。パリでは、同年1月7日に、週刊紙「シャルリー・エブド」社襲撃事件が起きたが、再び標的となった。ムハンマドを風刺した新聞社が許せない、という明確な理由があったが、11月のテロは一般市民を巻き込む同時多発テロだった。
2.フランスに行ってびっくりするのは黒人が多いことだ。ブルカをまとった中東系の女性も多い。フランスは移民大国である。フランスは移民を受け入れ、発展してきた国である。フランソワ・オランド大統領は数百年前にオランダからの移民で、ニコラ・サルコジ
前大統領の父親はハンガリーからの移民である。
3.2008年の調査では、フランスに居住している移民の数は534万人。これは人口全体の8.41%である。移民の2世、3世はこの中に入っていない。このうちフランス国籍を取っているのは217万人で、残り317万人がフランス国籍を取得しないまま滞在している。さらに不法滞在している外国人が数十万人いる。多くの若い行動力のある移民を受け入れることで、フランス経済を発展させていこう、と考えてきた。
4.フランスの移民政策は徹底的な同化政策である。フランスに移民してくるなら、よきフランス人になりなさい、と強制する。加えて、政教分離も徹底している。フランス革命(1789年〜)でカトリックの聖職者の権力を民衆が奪い取った実績がある。
5.かつてブルボン王家はカトリックの聖職者を利用し「王権神授説」で独裁を正当化し、その見返りとして、聖職者に特権の第1身分=11聖職者、第2身分=貴族、第3身分=平民)を与えていた。カトリック教会は王権と結びついており、聖職者は王族と並んで、民衆の敵だったが、これを打倒したのがフランス革命である。聖職者を追放するばかりか教会まで破壊し、かのノートルダム大聖堂も、大きな被害を受けた。
6.フランスでは、公立学校に宗教のシンボルを持ち込むのは禁止されている。公立学校でははっきりとキリスト教徒とわかるような十字架がついた数珠や、イスラム教徒とわかる髪の毛を隠すスカーフを禁止している。キリスト教のシンボルも同じように禁止されているが、イスラム教徒ば、自分たちの宗教が否定されているような感情を持つ。
7.
移民でも、1世と2世、3世では考え方に差がある。1世は自分の意思でフランスに来たのだから、よきフランス人になろうとする。2世、3世になると、自分はフランスで生まれたのたから最初からフランス人たと思っている。それなのにキリスト教社会で差別を受ける。
就職できない人も多く、移民の失業率は16%にものぼる。移民の2世や3世は、自分のアイデンティティーや存在価値を悩む中で、イスラムへ回帰し、シリアへ向かう若者がでてくる。
8.彼らにとって、リアルな戦場よりも差別をされるフランス社会のほうが戦場だった。いまフランスで起きているのは、国内で生まれ育った若者がテロをする「ホームグロウン・テロリズム」である。
9.2001年9月11日のアメリカ同時多発テロを起こしたのは、ほとんどがサウジアラビア出身の若者だったから、大きく違う。フランスの同化政策が、「ホームグロウン・テロリスト」を生み出している。


yuji5327 at 10:30 

2017年05月29日

現在メルカリは国内で3500万ダウンロード。100万件規模の出品があり、半分は売れる。リユース業界は「絶命」である。

2017/5/26付けの 大前研一 さんの「ニュースの視点」(発行部数 168,440部)は、「ソフトバンクグループ・ZARA・リユース業界・ファーストリテイリング」と題する記事である。」概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日経新聞によると、ソフトバンクグループが米携帯電話3位のTモバイルUSに、米子会社で同4位のスプリントとの経営統合を提案する見通しが明らかになった。親会社である独ドイツテレコムに申し入れる方針で、実現すれば統合新会社は契約者数でベライゾン・コミュニケーションズ、AT&Tの米2強に匹敵する規模となる。
2.最近のソフトバンクには大きな動きが見られる。Tモバイルとの統合の話に加え、中国でウーバーを駆逐したディディ・チューシンに約5500億円を出資した。ソフトバンクは、インドやシンガポールでも同様の企業に投資しているが、中国でもウーバータイプの事業展開を狙っている。そして、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資募集が完了した。
3.これだけ大きな動きを見せているソフトバンクだが、セグメント別の業績を見ると、特にスプリントの売上は大きいが、利益はさほど出ていない。有利子負債の金額は、スプリントを買収した時期から膨れ上がり、14兆円規模になっている。
4.米国の携帯電話の契約数では、ベライゾンとAT&Tは順調に毎年契約者数を伸ばしている。Tモバイルとスプリントが統合すれば、AT&Tとほぼ同じ規模になり、シナジー効果も期待できるが、Tモバイルの買収は巨額な投資になる。
5.ソフトバンク・ビジョン・ファンドでは、サウジアラビアから約4兆5000億円の出資を取り付けた。大きな金額だが、トランプ大統領が訪問し、約12兆円規模の兵器売却でサウジと合意したのを見ると複雑な気持ちである。その他、アブダビ、UAE、シャープ、アップル、クアルコムなど様々な出資が決まり、全体として10兆円ファンドが立ち上がった。
6.ファンドの主導権をめぐって、サウジアラビアとの調整に苦労したと思われる。サウジアラビアとしては、油がなくなったあとの産業を視野に入れて役立つ投資をしたい、という気持ちが強くある。21世紀型の新しい産業でなくても、サウジアラビでやってくれるなら古い産業でもいい、という気持ちだと思われる。
7.孫正義氏の想いは純粋に21世紀型の産業に役立てるという点にあり、その孫正義氏への牽制の意味もあり、サウジアラビアと孫正義氏の間で主導権をめぐって交渉が繰り広げられた。
8.日経新聞は、「ZARA 自前主義で一人勝ち」と題する記事を掲載した。流行をとり入れつつ低価格を誇るファストファッションは伸び悩みが指摘される中、「ZARA」ブランドを展開するスペインのインディテックスが力強い成長を維持している。
9.トレンドの小さな変化を逃さず、機動的に生産量を調整することで高利益率を生み出すとともに、情報発信の拠点と位置づける店舗のデザインも自社で担うなど徹底的な自前主義が強みである。世界のファストファッションをリードするZARAを展開するインディテックス。次ぐスウェーデンのH&M、日本のユニクロは、いずれも田舎から始まった企業である。
10.インディテックスは売上も利益率も断トツで、ZARA以外にもブランドを抱え、時価総額は13兆円を超えている。スペインの片田舎で創業し、大きくなった今でもそのままである。創業者はビル・ゲイツに次いで世界で2番目の大富豪としても有名である。ZARAの強さは、自社でデザインから物流までをこなすシステムを構築していることで、ターンアラウンドタイムの速さも見事である。
11.東京でこういうファッションが流行しているという情報をキャッチしてから、約2週間でそれが製品化される。全世界7000店舗の店長らが待ち行く人の気になるファッションを写真で撮影し、本社へ送る。それを本社でデザイン化し、製品ラインにのせていく。
12.ユニクロは、来年の春用のファッションを大量に1000万着作る、という手法だが、「外れた」ときの損害が大きい。ZARAのシステムだとこのリスクがほとんどない。ここがユニクロとの違いであり、独自の物流システムと製造システムを持つZARAの強さである。
13.東洋経済オンラインは、「メルカリに食われる、リユース業界の悲鳴」と題する記事を掲載した。ハードオフコーポレーションやトレジャー・ファクトリーなどリユース・大手の低迷が続くと紹介している。フリマアプリ・メルカリの拡大で、個人間取引が実店舗からネットへシフトしていることが要因で、急成長を遂げるメルカリとリユース業界がどのように戦うのか、正念場を向かえている。
14.正念場というより、すでに戦いは決していて、リユース業界は淘汰されていく。リユース業界は、洋服10着まとめて3000円で買取り、売る方も何とかお金になる、というモデルである。ある意味、中古品の収拾業者的な役割もある。
15.メルカリは、欲しいものが見つかれば個人間で売れる。3万円で購入したものが1万円で売れる、という例もある。洋服10着を回収的に3000円で買い取る業者と、個人間のニーズをマッチングさせて1着1万円で売買できるメルカリの違いである。
16.現在メルカリは国内で3500万ダウンロード。100万件規模の出品があり、半分は売れるということである。リユース業界にとっては「悲鳴」ではなく「絶命」である。中古品に価値を認めないというこれまでの業界構造が崩れ、それが是正されていく流れであり、淘汰されていくのは当然である。
17.「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長が、私財を投じて若者の米大学への留学を支援する一般財団法人「柳井正財団」を設立した。ハーバード大やエール大など指定大学の学士課程の合格者37人を対象に、1人あたり年間800万円を4年間支給する。多様性の中で日本人の良さ、長所を発見してほしい、と語っている。大学に限定せず、ベトナムやネパールなどに数年間行って学んでくる選択肢も加えてほしい。学生がバケーション気分で終わらないように、強いプレッシャーをかける必要があると思う。来日している留学生を見ても、親がお金持ちの学生のほうが勉学に集中していな。



yuji5327 at 06:37 

2017年05月27日

朝鮮戦争が始まったとき、ロシア領内にいた朝鮮族が韓国の味方をするのではないかと疑心暗鬼に陥ったスターリンが、朝鮮族を根こそぎいまのカザフスタンへ移住させた。

「池上彰著:
知らないと恥をかく世界の大問題7、Gゼロ時代の新しい帝国主義、KADOKAWA、2016年5月10日」は参考になる。「第2章:ヨーロッパは受けとめ切れるのか」「ロシアにとってのウクライナ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.かつてのソ連は日本の60倍以上の面積を誇る超大国だったが、ソ連が崩壊してロシアとなり、仲間だった東ヨーロッパの国々は次々と資本主義の国になっていった。ソ連を構成していたベラルーシ、グルジア(現ジョージア)、ウクライナが新たな緩衝地帯となった。この国々が西側へ行くことは何としても避けたい。
2.いちばん新たにユーロを導入したリトアニアも、かつてはラトビア、エストニアとともにソ連に併合されていた。ソ連末期の1991年1月、独立運動が高まっていたリトアニアにソ連の内務省軍が突入。テレビ局やテレビ塔を制圧、多数の犠牲者が出た。「血の日曜日事件」と呼ぼれる。2014年、プーチン大統領はウクライナへ介入し、クリミアを併合した。ウクライナで政変が起き、EUへ加盟しようという動きが起きたためである。ウクライナは、西側が「親欧米派」、東側が「親ロシア派」である。親ロシア派の大統領が「EUの仲間に入るのをやめる」と言ったとたん、親欧米派が激怒し、親ロシア派政権は崩壊。その後、内戦状態へと発展した。
3.ロシアはウクライナ全体を取り込みたいのではない。EUに加盟している国と接するのがイヤなだけで、ロシアとしては、ウクライナはこのまま東側と西側で内戦が続いてくれたほうが安心なのである。クリミアにはロシア人のほうが多いので、ここで住民投票をやれば当然、「ロシアに入りたい」という結果が出る。そこで住民投票を行い、クリミアを併合した。
4.プーチンの思惑通りに進んだことに、欧米が激怒し、ロシアに対し、西側諸国は経済制裁をしている。ウクライナはもともとソ連を構成する共和国のひとつで、ソ連の中のウクライナ共和国だった。肥沃な大地が広がり、ソ連の穀倉地帯と呼ばれていた。
5.スターリンの時代、農業集団化に失敗し、生産性が落ちてウクライナで慢性的な食料不足が起こった。ウクライナの人々は、いかにソ連時代に悲惨な目に遭ったかを忘れていない。東はロシア系が多いが、西部はウクライナ人なので、ロシアから少しでも離れたいという思いがある。スターリンは少数民族の弾圧を行った。ソ連の中には地域によって少数民族が住んでいたが、ドイツと戦争になると、ソ連の中にいる少数民族がドイツの味方をするのではないかと恐れ、少数民族を根こそぎ移住させた。とりわけ犠牲となったのがチェチェン人だった。クリミア半島に住んでいたタタール人たちも、中央アジアに強制移住させられた。
6.スターリンの死後、クリミア半島に戻ることができたが、クリミア半島にいるタタール人たちは、ひどい目に遭ったという民族としてのトラウマがあった。タタール人はクリミア半島がロシアのものになったことを喜んではいない。
7.朝鮮戦争が始まったとき、ロシア領内にいた朝鮮族が韓国の味方をするのではないかと疑心暗鬼に陥ったスターリンが、朝鮮族を根こそぎいまのカザフスタンへ移住させた。カザフスタン人の顔からもそれがうかがえる。


yuji5327 at 06:54 

2017年05月26日

海外では、地方議員は無給のボランティアで、夕方、仕事が終わってから集まる。高給をもらい、見合う仕事をしていない日本の地方議会は無用の長物である。

「大前研一著:ビジネス新大陸の歩き方、533回舛添前知事を糾弾した東京都議会の存在理由を今こそ問え、週刊ポスト、2016年7月8日号」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.国会議貝には給料にあたる歳費と期末手当、文書通信交通滞在費(文通費)など年に合計4000万円以上が支給されている。月々100万円の文通費は、使途の公開が義務付けられていないため、「第二の給与」とも言われる。維新の会など一部議員は自主的に公開している。公設秘書も公費で3人雇うことができるが、配偶者以外なら親族は制限がない。その給与は合計2500万〜3000万円で、住居手当や通勤手当、期末手当なども支給され、政党交付金もあるので、国会議負1人あたりに税金は1人あたり年間1億円を優に超える。
2.首長にしても、石原慎太郎・元都知事は都庁に出勤するのは週の半分もなかったが、年間約2500万円の給料を受け取り、海外出張も舛添前都知事と同じような大名行列で、ファーストクラスや高級ホテルのスイートルームの利用は、石原元都知事時代からの慣例を引き継いだ。
3.国会議貝や首長は意外と裏の利権は少ない。たとえば、甘利明・前経済再生担当相は大臣室で業者から現金を受け取り、嫌疑不十分で不起訴処分だったが、TPP交渉を一手に引き受けていた重要閣僚でさえ、その程度の利権をリスク覚悟で漁っていた。
4.脛に傷を持つ、のは都道府県議会や市区町村議会の議員たちである。大前氏が1995年に東京都知事選挙に出馬した際は、都議たちがいかに利権にまみれているかという情報が、都庁職貝からファクスで続々と届いた。たとえば、東京都の施設に設置されている自動販売機は1台1台すべて、都議ごとに利権が決まっていて、そのリストを送ってきた。あるいは、都立現代美術館が新設された時は、そこに展示する絵画や彫刻などの作品ごとに、それを納入する画商と口利きする都議のリストがあり、業者への口利き利権を、与野党を問わず都議たちがあらゆる分野で分け合っている。
5.野党議員の中には、住民反対運動を利権にしている者もいる。自分の選挙区でピルやマンションなどの建築計画が立ち上がると周辺住民の反対運動を組織し、住民の代弁者となって施主や建設会社と交渉し、騒音対策費などの名目で補償金のようなものを獲得したら、それを住民と折半するという仕組みがある。
6.これらを全部含めると、地方議員がいかに利権まみれかがわかる。都議の年収は1700万円超で、議会に出席すれば1日1万〜1万2000円の「日当」も支給され、この報酬と月60万円の政務活動費などを合わせた127人の都議の「人件費」に、それを支える議会局職員約150人分の給与などを加えると、都議会維持費用の総額は56億円に上る。
7.都議会では舛添都知事が提出した全議案を原案通り可決した。原案可決率100%という異常事態が、3年以上続いていた。要するに、都議たちは全く仕事をしていない。しかも、都議会はリオデジャネイロ五輪・パラリンピックの視察に都議27人を3泊7日の日程で4回に分けて派遣し、大会運営やセキュリティ対策などの調査を口実にした。議員20人と随行職員6人の派遣を想定して6200万円の予算を計上していたが、それを上回る規模となった。リオの宿泊費などが高騰を理由に中止になったが、舛添前都知事の高額な海外出張費が大名視察と批判されたが、都議たちのリオ視察も似たようなものだった。
8.都議会の「原案可決率100%」でわかるように、そもそも地方自治体は事実上、首長と役人が運営している。海外では、地方議員は無給のボランティアで、夕方、仕事が終わってから集まって議会を開いているところが多い。高給をもらいながら、それに見合うような仕事をしていない日本の地方議会は文字通り「無用の長物」であり、税金の無駄である。
9.都の職員たちは、都議たちの横暴や利権漁りを容認している理由が、地方議会の本質である。都の職員は、自分たちの仕事や提案する予算、議案に文句いわせないためで、原案可決率100%、その見返りが十二分にある。
10.良識ある職員たちは決してそれでよいとは思っていない。大前研一氏が都知事選に出馬すると一斉に議員たちの悪行を一掃してくれと、驚くほど細かな「利権一覧」を送られた。背景にあるおぞましいまでの地方自治体と議会の実態を根本から作り直す契機にしてもらいたい。知事を知名度だけで選んでいる場合ではない。


yuji5327 at 06:49 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
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・技術翻訳、特許調査
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お気軽に下記にメールをください。
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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