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2017年07月05日

銀行は、未だに担保を重視し、手数料で稼ぐビジネスに執着している。このまま銀行が自己改革できなければ、フィンテック企業に淘汰される。

「大前研一著:日本の銀行を淘汰していくフィンテック革命の本質、週刊ポスト、2016.8.12」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.金融とIT(情報技術)を組み合わせた「フィンテック」の普及のための改正銀行法と、ビットコインなどの仮想通貨を規制する改正資金決済法が成立した。金融機関側でも三菱東京UFJ銀行が独自の仮想通貨を開発中など、フィンテックを駆使した新たな金融サービスが身近になりつつある。
2.「フィンテック」はファイナンスとテクノロジーを合わせた造語だが、単に金融分野にITを活用するのではなく、その本質は、送金、投資、決済、融資、預金、経理・会計といった従来のファイナンスのあらゆる領域をテクノロジーで見直し、これまで金融機関がやっていたことを金融機関ではない企業が奪うということである。
3.既存の金融機関にとって恐ろしい話で、アメリカでは、フィンテックは巨大な産業になり、金融業界におけるウーパーとも形容されている。たとえば、ビットコインに代表される仮想通貨の基盤技術である「ブロックチェーン」は、取引を、コンピユーターが記録することで人間の指紋のように複製や偽造ができなくなり、取引の正当性を保証する仕組みである。
4.そもそも、通貨も新しい技術とセットだった。石を通貨にした時代は丸くする技術。金貨や銀貨や銅貨は同じ大きさと重さと形で大量に作る技術。紙幣は偽札防止技術、が進化し、その価値を国家が保証することで決済のための交換媒体となった。
5.今度の仮想通貨は、ブロックチェーンという新技術によって紙幣よりも便利な)通貨の交換.・決済ができるようになった。例えば、クレジットカードは3〜4%の手数料を取られるが、クレジットカード利用者の中に支払い不能になる人がいるため、その回収コストや.不良債権になった時のコストが発生するからである。 また、店舗の端末からNTTデータのカード決済サービスと全国銀行デーダ通信システムを経由した個人口座へのアクセスにも高い手数料が必要になる。
6.ブロックチエーンで取引の証明ができて、複製や偽造が不可能な仮想通貨なら、全国銀行デーダ通信システムを経由せず、スマホやPCからのわずかなパケット料金だけで済むので、決済コストが著しく安くなる上、第三者ではなく個人個人が自分で自分の信用を証明できる。
7.要するに、国家や金融機関に頼ることなく、本人が信用を持ち歩ける。すでに海外では様々な金融分野でフィンテック企業が勃興している。たとえば、スマホを活用した手軽な決済支援・小口送金ができる「ペイパル」や「スクエア」などがある。
8.日本はまだ現金社会だが、海外では決済や送金などの電子化が拡大している。たとえばアフリカでは、ケニアで働いている息子がルワンダの母親に送金する場合、「バルティ・エアテル」という会社のモバイル決済サービスを使うと、携帯電話からプリペイドカードの金額分を簡単に送ることができる。
9.アメリカでは、電子家計簿を使い、サラリーマンは年度末に確定申告する時は会計士を使わずに電子決済で納税できる。さらに、資産運用分野では、ロボットアドバイザーによるデジタル資産運用サービスが急成長している。これまでは基本的に金持ちしか銀行や証券会社の資産運用サービスを利用できなかったが、今や資産が少ない人でもロボットアドバイザーを活用すれば、かなり的確なファイナンシャル・マネジメントが可能になった。
10.個人で信用創造をし、フィンテック商社ができたら、日本人のライフスタイルは変わる。銀行などの金融機関が、古いシステムに縛られて、ネット時代、デジタル時代になっても大半の業務で紙に印鑑を捺すペーパー中心のアナログ時代のやり方を続けている。顧客データベースから信用度を正確に把握できるはずなのに未だに担保を重視し、手数料で稼ぐビジネスに執着している。このまま銀行が自己改革できなければ、フィンテック企業に淘汰される。



yuji5327 at 06:33 

2017年07月04日

アジアにおける国家間の格差は、ヨーロッパよりはるかに大きい。日本は、支援を強制される。高齢化の日本は耐えられない。

「野口悠紀雄著:自由な貿易は望ましいが、国家の統合は不必要、週刊
ダイヤモンド、2016.08.13・20」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.E Uは関税同盟で、加盟国間で関税をかけず自由な貿易を行う取り決めである。EUは最初から単なる関税同盟ではなかった。EUの前身である欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、欧州経済共同体(EEC)、欧州共同体(EC)などが設立されたのは、ヨーロッパが2度にわたる世界大戦の戦場となった悲劇を繰り返さないためだった。だから、設立の当初から、ヨーロッパ統合を最終的な目的にしていた。そのため、EUは、理事会、議会、委員会などの組織を持ち、さらに、ヨーロッパ中央銀行とユーロという共通通貨を持っている。
2.ハンザ同盟以来の歴史的な関税同盟は、議会や巨大な官僚組織なしで運営されてきた。現代の自由貿易協定(FTA)や環太平洋経済連携協定(TPP)もそうである。イギリスで望ましいのは、関税同盟の利益は享受しつつ、これらの制度は拒否することである。イギリスは最初からユーロに加入していない。イギリスがEU離脱を望んだのは、大陸との関税同盟から逃れたいと望んだからではなく、EUの規制から逃れたかったからである。
3.自由な貿易が協定加盟国間の貿易を促進するが、関税同盟は、域外諸国との間に関税障壁を設けているので、域外国との貿易を縮小させる。TPPの場合には、中国が除外されるため、中国との貿易が縮小するのが日本経済にとっては大きな問題となるが、EUの場合にはこの問題が少ない。従って、EUは自由な貿易のための仕組みである。
4.現在のEU・ユーロは、不完全なものである。銀行同盟を持たないし、共通の財政制度を持たない。本来の目的であるヨーロッパ統合のためには、必要だとする意見がある。問題は、その方向が望ましいかどうか、広域的な国家統合は、望ましいという考えが、しばしば見られるが、それは本当に正しいかどうかである。
5.旧ソ連が行おうとしたのは、資本主義を否定して計画経済を導入することだけではなく、諸民族を統合した統一国家をつくることも目的とした。構成国の自治権が認められるわけではなく、強力な中央集権政府の下に統合しようとしたため、住民の強制移住などの政策が行われたが、この試みは無残な失敗に終わった。
6.ソ連崩壊前後、バルト3国、ウクライナ、ベラルーシ、ウズベキスタン、タジキスタンなどが次々に独立したが、強引な移住政策の後遺症は、チェチェン紛争等として今も残っている。
7.EUは、ソ連のような強権的集権国家ではなく、連邦国家の拡張だという意見があるが基本的に違う。連邦国家は、アメリカ合衆国やドイツ連邦共和国などのように、それを構成する集団の間に、民族的、文化的にあまり大きな差異がない場合にのみ可能である。例えば、公用語も一つで、アメリカ合衆国では、連邦レベルでは、英語が事実上の公用語であり、ドイツでは、全国的にドイツ語である。EUの公用語は20を超える。
8.ヨーロッパ連邦の場合には、基本的な問題が2つあり、第1に、共通通貨の下では、加盟国が自由な経済政策を行えなくなる。第2に、加盟国の経済力に差があるので、経済的な移転が不可避になる。
9.自由な金融政策ができないことが問題をもたらした。リーマンショック後に、アイルランドで住宅バブルが発生したが、ユーロの制約によって金融引き締めを行うことができなかったため、バブルの膨張を止めることができず、不良債権が増大した。この不良債権は、ユーロの支援で処理された。このため、アイルランドはEUに加盟していたから立ち直れたと考えられることが多いが、そもそもEUに加盟し、ユーロを採用していたからこそ、問題が発生したのである。
10.EUやユーロは、経済的に格差がある国家を包含しており、ドイツ、オランダなどの経済的強国と、問題を抱える南欧諸国がある。現在EUやユーロで起きている問題は基本的にこのことに起因するものである。そして、その解決の方向は示されていない。
11.経済力の異なる国を統一した場合に、利益を受けるのは、強い国か、弱い国か、と問われるが、EUの場合、ドイツなどの強い国だという意見がある。EUは、東欧の安価な労働者を利用して経済力を強めた、とするもので、特にフランスで強い。ユーゴスラビアなど旧東欧諸国からの労働者によって、ドイツが利益を受けたことは事実である。
12.これは、EUがなくても生じた。原因としては、東西冷戦の終結の方が、はるかに大きかった。ユーロという固定為替レート制を採用したので、ドイツの輸出が増大した、との意見もあるが、多くのドイツ人は、今でも強い通貨マルクを求めている。
13.現実の問題は、強い国が支援し、弱い国が援助を受けるという側面である。2011年ごろのユーロ危機で、EUが南欧諸国を支援したが、財源は、ドイツ、イギリス、オランダなどの強い国が主に負担した。
14.同様のことが、15年春にもギリシャで再燃した。今、イタリア金融危機という形で.再び顕在化しようとしている。類似の問題は、今後も続く。ドイツは、EUを通じる援助の他に、ユーロの決済システムを通じて、貿易赤字国に対するファイナンスを自動的に行っている。ドイツが今後どこまでこうした負担を続けられるか不明である。
15.日本にとっても人ごとではない。東アジア共同体やアジア共通通貨をつくろうという構想が出されたことがある。アジアにおける国家間の格差は、ヨーロッパにおけるそれよりはるかに大きい。日本は、一方的に支援を強制されることになる。その負担は、高齢化の進展で経済力が衰退する日本にとって、耐えられないものとなる。日本はヨーロッパで何が起こるかを、よく観察する必要がある。


yuji5327 at 06:42 

2017年07月03日

青島、石原、猪瀬と3代続けて作家が都知事になったが、作家は物語をつくる人間であって、行政能力を期待するほうがおかしい。

「大前研一著:世界を席巻するボビュリスト旋風はどこまで広がるか?、
PRESIENT 2016.815」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ポピュリズムは、既存の支配層や知識人などによるエリート主義を批判して、一般大衆の願望や不安、不満を重視する政治思想のことである。民意を尊重するという意味では民主主義的な概念だが、人々の欲求不満を煽って支持を集める手法は衆愚政治を招く。大衆迎合主義というネガティブな意味で使われる。
2.ポピュリズムから衆愚政治に陥った典型例がベネズエラである。チャベス大統領というポピュリストが登場して、21世紀の社会主義を掲げ、貧困層向けの無料診療所や無償住宅の建設など社会福祉政策を推進した。バラマキの源泉は世界最大の埋蔵量を誇る石油資源だが、1バレル=120ドル以上でなければ成立たないような国家予算を組んで無駄遣いし続けた。
3、1バレル=50ドルまで石油価格が暴落し、石油産業は壊滅、ハイパーインフレに襲われてベネズエラ経済は破綻状態に追い込まれた。ない袖は振れないとばかりに政府は緊縮路線に切り替えたが、公務員を増やしすぎて、いくら削減しても追いつかない。とうとう週休2日ではなく週休5日制にして、公務員の給料を60%カットしたほどだ。手がつけられないハイパーインフレで国民生活は困窮し、人々は今頃になって政府を強く非難している。しかし、チャベスやマドゥーロを大統領に選んだのは国民自身である。
4.これはラテンアメリカの途上国に現れた特異な事例ではない。民主主義の生まれた国であるギリシャも衆愚政治に陥っている。ギリシャは巨大な財政赤字の隠蔽が明らかになってから経済危機に陥り、EUから金融支援の条件として年金の4割カットや公務員の3.罰削減などの厳しい緊縮財政を求められてきた。しかし、放漫財政の受益者(たとえば年金.の受給開始年齢は53歳で、国民の4人に1は公務員〕でありながら、ギリシャ国民としては自分たちの生活が苦しくなるような緊縮財政は受け入れたくない。そうした"民意"に迎合して「EUの厳しい要求を拒否しよう」と叫んでトップの座に就いたのがチプラス首相である。
5.EUの財政緊縮策の否決という国民投票の結果を背負って交渉に臨んだチプラス首相だったが、デフォルトを目前に控えEUの言うがままに妥協を迫られた。これに無責任なギリシャの民衆は大激怒してチプラスに退陣を迫っている。しかし、彼が「EUの緊縮策を受け入れるべきだ」と主張していたら首相になれなかったわけで、責められるべきは嘘を見抜けなかった国民である。衆愚政治そのものである。
6.ギリシャほど危機的状況には至っていないものの、経済危機の火種と難民問題を抱えるヨーロッパは各国でポピュリズムの台頭が目につく。EU離脱や反移民を主張する極右勢力や反緊縮を掲げる極左政党が勢いを増して、政策にも影響を及ぼしている。EU離脱派が制したイギリスの国民投票にしても.「離脱すれば移民を自分たちでコントロールできる」「EUの細かな制約に縛られなくてすむ」という離脱派のポビュリズムに先導された側面が強い。
7.アメリカ大統領選を見ても、ポピュリズムの台頭が著しい。予備選の話題をさらったトランプ現象もサンダース現象もポピュリズムの観点ではまったく同じである。共和党の候補者指名レースを確実なものにしたドナルド・トランプ氏は大衆が聞きたいことをズバリと言う典型的なポピュリストだ。移民に仕事を奪われたと思っている白人の労働者階級には、「メキシコ国境に壁をつくれ」というトランプ発言は心地よく響く。
8.青島、石原、猪瀬と3代続けて作家が都知事になったが、作家は物語をつくる人間であって、行政能力を期待するほうがおかしい。ベネズエラやギリシャのように、聞こえのいいポビュリズムに引きずられた民主主義が行き着く先は衆愚政治である。衆愚政治を避けるには、自分の損得ではなく、コミュニティ全体にとっていいことなのか、悪いことなのかで判断する。自己中心ではなく集団全体に重きを置く。個人よりも全体をよくしようと発想できる人が過半数いなければ、民主主義は成り立たない。
9.これは動物的には非常に高度な判断力、知性であって、身につけるためには公民教育が不可欠である。18歳になったら選挙権を与えるだけではなく、責任ある社会人として選挙権をどう行使すべきかしっかり教育すべきである。知名度だけで選ばれてしまった過去の選挙をケーススタディにして候補者の見分け方まで学ばせ、総括して伝える作業をやるべきである。


yuji5327 at 06:46 

2017年07月02日

中国でも金融機関の破綻などが引き金となって、金融危機が発生するリスクはある。企業債務の過剰感が強いなか、不良債権の規模も大きい。

「関辰一著:中国の過剰債務問題、
エコノミスト、2016.8.16」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.中国の2015年末の非金融企業債務残高は、約1848兆円と、08年末の約499兆円から7年間で3・7倍となった。非金融企業債務残高の対GDP比は、日本の1980年代を上回るペースで急上昇し、15年末時点で170.7%に達する。
2.高成長局面が終るいま、過剰債務は借り手企業のの負担だけではなく、貸手の金融機関にとっても、不良債権の増加による貸し倒れ引当金の積み増しが経営を圧迫している。大手や中堅の金融機関の破綻はみられないが、規模が小さく農村部を拠点とする「農村信用社」の一部はすでに破綻の危機に直面している。
3.15年6月30日時点で、湖南省の灃県農村信用合作聯社が約32億円の債務超過、15年9月30日時点で同省の湘潭県農村信用合作聯社が約64億円の債務超過に陥った。16年3月には河北省邯鄲市で市民が頂金を引き出すために地元の農村信用社に押し寄せるなど、ここ1年で取り付け騒ぎも複数みられる。
4.バブル崩壊後の日本では不良債権問題が深刻化して金融機関の経営破綻が続き、97〜98年には信用収縮に至った。銀行問の資金の貸し借りが滞ったために、企業は貸し渋り・貸し剥がしを受けた。企業間での買掛金や売掛金による仕入れや出荷も減少し、金融危機が発生した。
5.中国でも金融機関の破綻などが引き金となって、金融危機が発生するリスクは払拭できない。企業債務の過剰感が強いなか、不良債権の規模も大きいとみられるからである。中国銀行業監督管理委員会〔銀監会〕によると、15年末の商業銀行の不良債権比率は1.7%、不良債権残高は約20兆3900億円にとどまる。しかし、公式統計には問題がある。そこで「潜在不良債権比率」を試算したところ、15年末で8.6%と公式統計の5倍という結果となった。
6.製造業や採掘業、不動産業、卸小売り業で、営業活動によるキャッシュフローで支払利息を支払えない企業が多く、借入金が多いため、これらの分野向け融資の不良債権化が銀行経営を揺るがすことになる。中国の不良債権問題は深刻化しているが、政治体制を踏まえると中国が日本の轍を踏むとは限らない。
7.日本では当時の宮沢喜一首相が早期に公的資金を投入しなければならないと考えていたが、金融機関への実質的な税金投入について国民の理解を得られず、金融危機を回避できなかったが、中国政府は政治体制の違いにより、日本に比べて迅速に公的資金を投入することができる。しかし、金融機関が自らの経営難を正確に公表していないので、中国政府が適切なタイミングで公的資金を投入できない。
8.金融機関が自ら政府に支援を要請するときには、すでに危機的な状況となっている。政府が十分な公的資金を拠出できるかどうかも懸念される。



yuji5327 at 06:42 

2017年07月01日

マッキンゼーも、毎年2割の社員をクビにしていたから、社員は5年目に残れるのは2割しかいないと思って仕事をする。同時に追い出されることを考えるので、一生懸命仕事に励む。

2017/6/30付けの大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 167,984部)は、「米ベライゾン・コミュニケーションズ/米ウーバーテクノロジーズ」の話題と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズは13日、米ネット大手ヤフーの中核事業の買収手続きを完了したと発表した。ヤフーは社名を「アルタバ」に変更し、中国のアリババ集団や日本法人・ヤフーの株式などを管理する投資会社となる。
2.2012年からヤフーを率いてきたマリッサ・メイヤーCEOは退社するが、彼女のことは全く評価できない。ヤフーに来てからの実績と言えば、アリババの株を売却して利益を出しただけである。その理由はヤフーという会社のことを考えたのではなく、自分自身のボーナスが会社の利益に連動していたことが大きく影響していると思われる。会社にとって重要なことには何一つ着手せず、自分のポケットに入るお金のことしか考えていなかった、
と思われる。
3、ソフトバンクの孫社長が、ヤフーに対して独自の検索システムを作るべきだったという指摘をしている。ヤフーはもともとエディターが人海戦術で
サイト情報を蓄積し検索サービスを提供していた。
4、1998年グーグルが登場し、全自動でロボットによって世界中のコンピューターに
アクセスし、検索情報を蓄積した。ここに、両者の間に大きな力の差が生じた。ヤフーもしばらくはグーグルの検索データを利用していたが、結局、差別化もできず、何ら特徴も打ち出せないままだった。
5.日本のヤフーは故・井上氏の手腕もあり、独自の成長を遂げた。た井上氏の後は、スマホシフトに成功している。米ヤフーはスマホ対応が遅れ、PCで終わってしまった。米ヤフーについて打てる手はいくつもあった。
6.グーグルでは輝かしい実績をあげたメイヤー氏は、ヤフーでは自分の懐を潤すことしかしなかった。自分のポケットに多額のお金を取り込んだ一方で、彼女は汚名をかぶって辞任していくのだと思う。
7.米ウーバー・テクノロジーズの共同創業者であるトラビス・カラニックCEOが20日、辞任すると発表した。セクハラ問題などが浮上する中、株主からの圧力が高まり辞任に追い込まれた形だが、取締役としては同社に残る。ウーバーはこれまでの方針を180度転換し、スマートフォンのアプリ経由で運転手にチップの受取を認めると発表した。
8.ほとんどの人が、カラニック氏の辞任を聞いて賛同していると思う。自分自身のウーバーのドライバーと口論し罵声を浴びせている様子を撮影されインターネットで公開されたり、とにかく評判が悪い人物である。ビジネスウィーク誌やTIME誌でも、批判されてきた。カラニックCEOは仲のいい役員と2人で暴走し、セクハラ・パワハラは日常茶飯事だったと暴露されている。
9.いわゆるユニコーンとしては世界一の企業価値を誇る一方で、この企業体質では大企業に成長していくことはできないとも指摘されていた。例えば、従業員に占める女性の割合は、米国平均47%に対してウーバーは33%と低い。管理職の女性割合も、ツイッター社の30%に対してウーバーは22%、また管理職の77%が白人で占められているという指摘もあった。あらゆる点において、ウーバーは社会的な責任を果たす企業としての仕掛けを構築できていなかった。カラニック氏本人としては、身内の不幸もあり一時休暇を考えていたそうだが、最終的には初期の頃から投資してきた大手のベンチャーキャピタルから、辞任を求められた。
10.企業文化を醸成する経営者の資質は、非常に重要である。日本では「元リクルート」「元インテリジェンス」の人材に、こういった資質を見出す人も多い。元リクルート、元インテリジェンスの特徴は、入社したときに身分の保証をしない、ということである。かつてのリクルートでは10年で会社から追い出された。「10年」というような期間設定がなく永久就職を前提とする企業の場合、最初の10年は活躍しようもない環境になっている。その環境の中で本人もさぼることを覚えてしまう。最初の10年が勝負、と言われていれば人は成長する。
11.大前氏が在籍していたマッキンゼーも、毎年2割の社員をクビにしていたから、社員は5年目に残れるのは2割しかいないと思って仕事をする。同時に追い出されることを考えるので、一生懸命仕事に励む。
12.クビを前提にすると人は勉強し成長するが、逆に永久就職では人は育たない。日本の経営者に求めたいのは、永久就職ではなく、育てること、育てたら出していく、ということを当たり前にすることである。出ていく人がいるから、また新しい人材が入ってくる余地が生まれる。



yuji5327 at 06:44 

2017年06月30日

日本経済にとって大きな問題は、リスクを回避しようとする投機資金が流入し、円高が進むことである。ここ数年は異常な円安であり、これが大幅に修正される可能性はある。

「野口悠紀雄著;イタリア銀行危機が英EU離脱で顕在化、週刊
ダイヤモンド、2016・08・06」は参考になる。
1.日経平均株価がイギリス国民投票前の水準を回復したことから、「イギリスEU離脱の影響は軽微だった」との解説が出始めた。しかし、EU離脱の影響はヨーロッパでは顕仕化しているのがイタリアの銀行危機である。2010年ごろのユーロ危機を上回る混乱を引き起こせば、円高はさらに進み、日本経済に大きな影響が及ぶ。
2.イタリアの不良債権は銀行融資総額の約17%に及ぶ。アメリカでは、08〜09年の金融危機の最悪期でもこの比率は約5%だった。ユーロ圏では、上場銀行が抱える不良債権総額の半分近くは、イタリアの銀行のものである。ヨーロッパの不良債権問題は、ユーロ危機が原因であった。特に、アイルランドやスペイン、イタリアなどで問題が深刻化し、資金が流出して国債利回りが急騰した。アイルランドやスペインはその後、銀行改革を進めたが、イタリアの対応は進まなかった。
3.イタリアの不良債権問題の再燃は、2つの理由による。第1はイギリスのEU離脱により、景気が低迷して企業倒産が増加し、イタリアの銀行の経営危機がさらに進むとみられている。第2は、マイナス金利による銀行収益の低下である。ヨーロッパ各国の国債利回りは過去最低水準にあり、ドイツの10年物国債の利回りはマイナスになっている。しかも、成長率の低下に対応するため、ヨーロッパ中央銀行(ECB)のマイナス金利政策は長期的に続くとの観測が強まっている。
4.イタリアの銀行の中でも深刻な状況にあるのが、イタリア第3位の大手行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行である。同行は1472年創業の、世界最古の銀行の一つで、株価はイギリスの国民投票後に37.6%下落し、07年の最高値から99.7%も下落した(7月15日時点)。
5.イタリア政府は国内銀行に400億ユーロの資本を注入しようとしているとされる。しかしEUが14年に採用し、今年1月から適用が始まつた銀行再生・破綻処理指令がその前に立ちはだかっている。破綻銀行の公的資金による救済に先立って、利害関係者に損失負担を強いるものであるが、これを実行すると、社会問題に発展することは避けられず、政治的に大きな痛手となる。
6.イタリア政府は、規則の例外適用の承認をEUに対して求めているが、ドイツなどからの反対が強く、協議は難航している。イタリアは銀行危機のリスクにさらされている。この他にも、EUにおいては、金融取引税、銀行税など金融業に対する課税が議論されてきた。全ての銀行を対象に、資産や負債などに応じて課税するもので、EU加盟国は銀行税の導入に合意した上、EU域内だけでなく、他国でも導入すべきだとして、G20首脳会議で国際合意を求めた経緯がある。EUの経済政策には、投機を嫌い、これを抑制したいというドイツの意向がある。
7.その半面で、ECBは金融緩和を行い、金利をマイナスにしてまで投機資金を供給している。EUのアンチ金融業政策と、ECBの金融緩和が矛盾している。ユーロにおいては南欧諸国救済のためにドイツが負担を強いられている一方で、EUにおいては、ドイツの主張が反映されて、アンチ金融業的な規制が強まっている。
8.この矛盾はイタリアに集中して表れ、EUを離脱しなければならないが、離脱するとユーロの庇護がなくなる。ECBは南欧国債の無制限購人を行っており、イタリア経済はこれで支えられている。
9.イギリスはユーロには最初から参加していないが、EUからも離脱することになった。イタリアは離脱できない。イタリアの八方ふさがり状態は、EUとユーロの矛盾を象徴している。ギリシャなど他の南欧諸国も、同じ理由でEUやユーロから離脱することができない。
10.欧州銀行監督局は、EU加盟国の大手51行を対象に健全性審査の結果を発表する。その結果によっては、イタリアの銀行全般への信用が失われ、パニックが起こる危険がある。そうなれば、10年ごろのユーロ危機と同じか、それを超える金融危機が再燃する可能性がある。10月にイタリアで予定されている国民投票の結果によっては、イタリアでもEU離脱の議論が起こり、EU崩壊の「ドミノ倒し」現象が始まる可能性がある。仮にそうしたことになれば、これまでの世界経済の基本的な仕組みの一つが大きく変動し、世界経済は大きな影響を受ける。
11.日本経済にとって大きな問題は、リスクを回避しようとする投機資金が流入して、円高が進むことである。長期的な購買力平価から見ると、ここ数年は異常な円安であり、これが大幅に修正される可能性は十分にある。多くの日本企茉は、今季の営業利益が前期より減少するとの見通しをすでに発表しているが、これらはイギリスのEU離脱決定前に行われた見通しだ。その後の状況を考えると、業績はさらに悪化する可能性が高い。イギリスのEU離脱の影響が最も深刻なのはイタリア、次いでドイツだ。日本は、円高を通じて影響を受ける。イギリスは離脱から悪影響を受けるとは考えられない。





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2017年06月26日

デジタルテクノロジーでは、場所の制約がなくなる。金融業務を行う企業が大陸にあっても、フィンテックの基礎技術がロンドンで開発されることはあり得る。

「野口悠紀雄著:シティは衰退するか?EU離脱はチャンス?、週刊ダイヤモンド、2016・07・30」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.イギリスのEU離脱による最大の問題の一つは、シティの地盤沈下である。イギリスは1990年代以降、金融業を中心として経済発展を実現してきた。国内総生産(GDP)の約1割が金融業である。
2.ロンドン・シティが地盤沈下すれば、イギリス経済にとって大きな打撃である。シティの地盤沈下がいわれる根拠は、「パスポート協定」である。これは、EU内の1カ国で免許を取得すればEU全域内で金融サービスを提供できる制度だが、これがなくなれば、金融機関はロンドンを離れて他のEU加盟国の都市に移動が可能になる。
3.金融機関は、その前に、営業拠点をフランクフルトなりアムステルダムなりルクセンブルクに移すという見方もある。この機会に金融機関を呼び寄せようと、フランスは、銀行に対して新しい便益供与を発表している。そのため、シティが国際金融センターとしての地位を失うといわれ、日本では、こうした観点の報道がなされている。
4.金融機関がロンドンを離れることはないという見方もある。逆に、イギリスのEU離脱によって、シティの機能がさらに向上するという考えもある。イギリスがユーロに参加しなかったときも、金融機関はロンドンを離れてフランクフルトに移るといわれたが、そうならなかった。
5.シティでは、ユーロやドルなどさまざまな通貨が取り引きされ、外国為替取引高のシェアで世界の約4割を占める地位を維持してきた。今回も同じことになるとの見方である。その理由は、シティが持つ金融業のインフラストラクチャーである。それは、さまざまな専門家のサービス、金融業に対する法制、等々である。シティのインフラストラクチャーは、ニューヨークをしのぎ、世界で最高水準である。これに代わるものを他の都市につくることは、一朝一夕には不可能とされる。
6.金融関係では、このような意見を持つ機関や人が多い。HSBCホールデイングスのダグラス・フリント会長やバークレイズのジヨン・マクファーレン会艮は、「国際的な金融都市であるロンドンには、パリやフランクフルト、ダブリンなどには見られない、大規模な金融システムが確立されている」「何世紀もかけて構築されたシステムを、簡単に他の都市に移すことは無理だ」「離脱は金.融機関に新たなチャンスをもたらす」「ロンドンは世界一魅力的な金.融都市として、今後も君臨し続ける」としている。
7.シティのジエフリー・エバンズ名誉市長は、「ロンドンは世界に類を見ない金.融機関や専門家の集積地で、他の都市に取って代わられるとは考えにくい」「イギリスがEUから離脱しても、シティの優位性は変わらない」と強調し、同氏は日本などアジアを歴訪し、企業関係者や投資家に、イギリスでの投資や事業を継続するよう呼び掛けた。
8.イギリスは、EUへのアクセスを失ったわけではない。新しいパスポート協定は、今後の交渉で決まる。これまで通りの利便性を維持させることは、全金融機関にとって必要なことである。大陸の金融機関もロンドンで営業をしたい。EUが恩恵を一方的にイギリスに与えるのではない。
9.マーティン・ウルフとアンドリュー・ヒルは、6月9日の『フィナンシャルタイムズ』で、イギリスのEU離脱後におけるシティについて、ウルフは、「考えられるいかなる状況下でも、シティは世界の金融センターとして残る」と断言している。そして、「パリやフランクフルトやダブリンがいかに勧誘しても、銀行や従業員はロンドンを離れようとは思わないだろう」と言っている。
10.彼らは、将来のシティの役割として、2つを指摘する。第1は、オフショアセンターとしての機能である。アメリカとアジアの銀行は、ロンドンをハブとして、ヨーロッパ、中東、アフリカでビジネスを展開しているが、これは、パスポート協定があるからである。中国の銀行は、ヨーロッパの拠点としてロンドンを選択した。シティが人民元のオフショアセンターとなるには、中国の銀行がシティに残留することが必要である。
11.未来のシティの第2の役割は、フィンテック(モバイル決済など)や人工知能を駆使する金融業の拠点となることである。この分野でロンドンは、ヨーロッパ最大のハブであり、フィンテックの世界の首都である。技術を持った労働者は、マーケットをけん引する企業が立地するロンドンに住みたいと思っている。
12.デジタルテクノロジーでは、場所の制約がなくなる。金融業務を行う企業が大陸にあっても、フィンテックの基礎技術がロンドンで開発されることはあり得る。1960年代にアメリカが利子平衡税を導入した結果、ユーロ債市場が誕生した。サーベンス・オクスレー法(2002年7月に制定)でアメリカ企業はアメリカを脱出した。イギリスが新しい金.融業への技術開発に励めば、シティはなくならない。



yuji5327 at 06:47 

2017年06月23日

コミュニティに参加することが高齢の人にとって大事だと言われるが、コミュニティとは水のように淡々とした関係を保って、周囲に迷惑をかけないことが社会に対する貢献である。

「五木寛之著:
玄冬の門 (ベスト新書)
五木 寛之
ベストセラーズ
2016-06-09

玄冬の門、KKベストセラーズ、2016年7月」は参考になる。「第2章:孤独詩のすすめ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.個人差はあるが、体の自由は、70〜80歳まではなんとかなる。1日も欠かさずきちんと会社に出て、勤勉に勤めた人が、突然グータラになって、ほっつき歩くのも、他人に迷惑をかけないならあり得る選択。問題なのは、高齢者のあいだでの格差が大き過ぎるということである。年金生活で悠々自適という人がいる一方で、好きなように生きるなど余裕のない人たちがたくさんいる。
2.孤独と言うよりは「自立」と言ったほうがよい。子供への相続などを考えるからダメで、90までに全部使い尽くして90過ぎたら、野垂れ死にでよい、という気にならないといけない。子孫のために美田を残さず、に徹する必要がある。
3.家族の絆から離れるという方法もある。遊行期の人には、社会とつながっていないといけないという意識も必要ない。コミュニティに参加することが高齢の人たちにとって大事なことのように言われるが、コミュニティとは水のように淡々とした関係を保って、まわりに迷惑をかけないことが一番の社会に対する貢献である。
4.これから先、イヤでも高齢者に対する風当たりが強くなってくる。社会とのつながりを断って、生活の中で楽しみを見つけていくことが遊行期の人にとっての一つの小さな冒険である。どんなに親切な家族でも、家族かいると自分の思うようには生活できない。みんなが食事を作っているのに、自分だけ別の食事を作るわけにもいかない。現役の家族が70、80になった入と生活のリズムを一緒にしようというのが間違いである。
5.NHKのラジオ深夜便で朝四時の番組をやっているが、高齢者は午後8時ぐらいに寝て午前3時ぐらいに目を覚ます人がいる。起き上がってゴソゴソしていると、家族から「おじいちゃん、うるさい」と言われるから、6時ぐらいまで布団の中で、目は覚めているのでイヤホンをつけてラジオを聴くということで、聴取率が高い。
6.一旦家族の絆から解放されて、独立して生活をやってみる必要がある。夫婦も、同じ1軒の家の中に住んでいても、ある年齢以降は別々に、勝手に生きるほうが本当はいい。共棲自立で、一緒に住んでいるけれども、生活のリズムその他、何時に起きるかも、お互い勝手にやる。
7.親鸞は62歳のときに京都へ出て、奥さんはついて来なかった。新潟の実家へ行ってしまった。親鴛が死ぬときも奥さんは立ち会っていない。それでも、理解し合える良い関係だったらしい。一般に、20代なり30代なりで結婚して家庭生活をもち、当分の間は、2人で共同して生きるということが良い時期があるが、ある時期に達すると、一緒にいても生活のペースがどこか違ってくる。それぞれがもっていた生来の個性が出てくる。乱暴な言い方だが、同じ家に住んでも、3日ぶりに顔を合わせても全然おかしくない。お小遣いも
別々にするほうがいい。
8.著者は昔から油のような人間関係は苦手だった。この人は友達になりそうな良い人だなと思ったときは、その人と密着しないが、年に何度か会う。君子の交わりは淡きこと水の如し、と言うが、油のような付き合いは、どこかで食い違い切れる。おじいちゃんはペースが違うから、ほっときますよ、と言われてもいい。配偶者の場合は、お互いが独立志向で、ときどきデートすればいい。自分で洗濯ぐらいすればいい。
9.いまここで問題にしているのは、自分で自分の面倒がみられる人たちの話で、独りで生きていけない、要介護でなければ生きていけない人は例外である。ある年齢に達すると、介護の問題は否応なく出てくる。
10.長いこと会社人間としての人間関係があって、友達もいるし、取引先もある。地縁、職縁が退職してなくなったときに、誰でも孤立感を覚えるらしいが、それを引きずっていけない。一回生まれ直したという決断が必要である。これからは本当に肩書きも何もない一人の自由人として生きるというのである。それからでも働きたい人に開かれている職場は、だいたいガードマンとか、職歴を活かすような仕事はない。


yuji5327 at 06:40 

2017年06月21日

「絆」というのも1つ甘えだと覚悟する。生まれたとき「天上天下唯我独尊」である。原点に戻ると、いろいろな世界が豁然と開けてくる。

「五木寛之著:
玄冬の門 (ベスト新書)
五木 寛之
ベストセラーズ
2016-06-09

玄冬の門、KKベストセラーズ、2016年7月」は参考になる。「第2章:孤独詩のすすめ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.起業して、自分で新しい事業を始めてがんばる人もいるが、そううまくはいかない。編集者が定年退職して、一度は考えるのが、編集プロダクションである。「編プロを始めたからよろしく」と挨拶状が来るが半年か一年ぐらいしか続かない。
2.自分史を自費出版する人もいるが難しい。いまは、インターネヅトでプログを書くこともあるが、それも1つのやり方ではあるが、やはり活字の本にしたい。趣味のサークル、カルチャーセンターもあるが、高齢になって新しいことを学ぶというのが大事なことである。そういうことをするにしても、しないにしても、第一歩は家族離れである。最後は単独死するという覚悟。最期は独りでこの世を去るという覚悟を決めると、いろいろな道が開けると思う。
3.長年親しんだ職業とは縁もない分野、例えば、考古学とか、学校に聴講生として通ってみる。いまは社会人のための講座もたくさんある。50歳前後に、京都の龍谷大学に聴講生として行ったときの実感は、学生たちは、世代の違うオッチャンが一人、前のほうに座って、質問したりすると、鬱陶しい感じがしていたみたいで、質問すると、みんな舌打ちしていた。集団というのは、同世代の人たちで固まるものである。
4.社会人のための特別講座とか、があるのでチャンスはある。学生の頃は、休講になると喜んでいたが、休講になると腹が立つようになる。勉強がこんなに面白いものかと驚く。ある種の痴呆になって俳徊するというのではなくて、自主的に俳徊するのが遊行期の大事なことである。無理に仲間入りしようと思わないこと、溶け込めると思っているのは甘えである。
5.「絆」というのも1つ甘えだと覚悟する。生まれたとき「天上天下唯我独尊」である。原点に戻ると、いろいろな世界が豁然と開けてくる。年を取って勉強するというのは、すごく面自い。
6.孤独の中で生きるということは、辛いことであり、耐えないといけない。そこから得られる自由のほうが大事だという覚悟が必要である。これまで家畜のように暮らしていたのが、放たれるというような感じである。
7.昔の中国では、ある年齢に達すると、老人はアヘン窟に行く人が多かった。高齢の老人がゴロゴロしながらキセルでアヘンを吸っている。アヘンを吸うと食欲がなくなって、枯れるようにしてそこで死ぬ。それは、ある意味で良い楢山である。羽化登仙と、陶酔しながら、気持ち良く死んでいけるわけて、マイナスの尊厳死の施設だった。
8.高齢者にとっての幸福感というのは、空想なり妄想の世界に遊ぶということである。アヘンを吸っている人たちは、人工的にそういう世界をつくっている。それと同じように、自分で空想の幅を広げていく。孤独の楽しみを最大限にもっていた先達は親鷺である。親鸞は63歳で京都へ帰って、90歳で死んだ。ただ本を書いたり、書写に努めたり、また、手紙を書いたり、和歌を作ったり、死ぬまで京都の一角で暮らした。一見、孤立して生きるというのはさびしい生き方のようだが、孤独を楽しむことは大事である。法然が亡くなるとき弟子に言い残したことは、「群れ集まるな」というこである。
9.亡くなって3〜4日してから発見されるようなケースで、それをとてもかわいそうなことのように言う。近所に迷惑がかかるからそういうことも言われますが、最近では、象印の魔法瓶に無線通信機が内蔵されていて、ちゃんと使われているかどうか、離れて暮らしている家族にインターネットを通じて情報が行くサービスなどもある。連絡先をきちんとしておけばいいのではないでしょうか。
10.現在、単独で暮らしているお年寄りは多い。やむを得ず、惨めに転落してそういう状態になったのではなく、一つの生き方として考えたほうがよい。配偶者と一緒に暮らしていても、気持ちはもう単独者で、そうい気持ちで生きていけたらいい。


yuji5327 at 06:44 

2017年06月19日

高齢者は、社会的に活動しなくてもよい。人との輪をつくるなど考えなくてもよい。いま、音楽を聴くのも、無限にクラウドから出して聴ける。

「五木寛之著:
玄冬の門 (ベスト新書)
五木寛之
ベストセラーズ
2016-09-09

玄冬の門、KKベストセラーズ、2016年7月」は参考になる。「第2章:孤独詩のすすめ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.鴨長明が50歳ぐらいで山に入って隠遁生活をした、それが理想である。都会にいても隠遁は憧れの的である。リタイアして出世コースから外れることが、憧れの的だった時代もある。親鷺がアピールできるのは、70過ぎての思想家である。
2.高齢者の特別養護老人ホームなどをもっとつくれという意見があるが、高齢者はそういう老人ホームなんかに入りたくないという。しかし、最期のとき、誰かに手を握ってお別れをしたいかと聞いても、みんな首を振る。家族や肉親に囲まれて「がんばって」なんて言われて死にたいとは思っていない。孤独死や単独死が非常に悲劇的なように語られるが、実際には、独りで死ぬことのほうが、みんなが望んでいる。
3.この世に生まれてきて、最期は独りになっていくということの大事さを、強調したい。いまは、人とのコミュニケーションの輪を広げようとすることばかりが強調されている。高齢者になると、ボランティアとかみんなでやりましょうというすすめがある。そうではなくて、どんどん独りになっていくべきである。自然の移ろいの中で穏やかに去っていくべきである。
4.高齢者になったら、社会的に活動しなくてもよい。出ていって人との輪をつくることなど考えなくてもよい。いま、音楽を聴くとなると、無限にいろいろな形でクラウドから引っ張り出して聴ける。独りで音楽を聴く楽しみがある。孤独の一番の友は、活字である。本を読むに勝る楽しみはない。テレビはメディアの中でも非常に軽薄なメディアになったが、ドキュメントなどを丹念に見ると面自い。
5.みんなで楽しむと言って、フォークダンスを踊ったりするが、高齢者が集まって、タンバリン叩いて童謡を歌わせられるなんて、悲劇的である。世の中では、人の輪の中に入っていって、年寄りにもかかわらず、嬉々としてみんなと一緒に何かやっている人を持ち上げる風潮がある。若い恰好をして、若い人たちと一緒に何かやっているのを、良いことのように言うが、高齢者は孤立すべきである。



yuji5327 at 06:42 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
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のテーマについて、
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
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