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2017年12月19日

使用人としての会社員という考え方をやめて、プロ野球と同じように「契約」するという考え方や方策を研究していかないと、サラリーマンとしては政府の政策にいい様にやられてしまう。

2017/12/15付けの 大前研一 ニュースの視点(発行部数 168,218部)は、「税制改正/法人税率〜年収850万円=高所得者というのが、世界標準からズレている」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.政府与党は6日、自民党税制調査会の所得税改革案で合意した。基礎控除を一律10万円引き上げる一方、給与所得や公的年金の控除は減額するもので、これによりフリーランスで働く人は減税、年収850万円超の会社員は増税になるということである。
2.そもそも年収850万円は、世界的に先進国で見ると、決して高所得とは言えない。それを日本では高所得者と位置づけてしまうのは根本的な認識が間違っている。その上、年収850万円以上の人は、私立高校の授業料の無償化の対象にならないなど、増税で負担が重くなった上に、大変な人も出てくる。
3.政府がこのような政策を出すのであれば、サラリーマンとしては致し方なく対応せざるを得ない。例えば、サラリーマンを辞めて会社とフリーランスとして契約するという方法がある。会社からのお金は、事業体としての収入になるから、自分の給与を年収250万円に設定することも可能である。その上で、自宅の一部費用を経費として計上することもできる。
4.使用人としての会社員という考え方をやめて、プロ野球と同じように「契約」するという考え方や方策を研究していかないと、サラリーマンとしては政府の政策にいい様にやられてしまう。
5.サラリーマンの給与所得については、連合が来春闘の基本構想として「4%」を主張しているが、春闘なども新しい考え方に移行していくべきである。連合側が政府側に立って経営陣に対立するなど、春闘そのものがすでに形骸化していて、意味をなしていない。コメントする価値すらない。
6.政府は積極的な賃上げなどに加え、「IoT」など革新的な技術に投資した企業の法人税負担を実質20%程度に引き下げる方針を固めた。米仏などの減税の動きをにらみ、当初想定していた25%程度からさらに引き下げるもので、日本の立地競争力を高めつつ、企業がため込む資金の活用を促す考えである。こんな人参を目の前にぶら下げるような方法で
人間を操作しようとすること自体がおかしい。客観的な判断をもとに、手を打つべきである。
7.日本企業の競争力を上げるためには、賃上げではなく、企業の利益そのものを上げることが重要である。法人税率を20%に下げても、全体の納税額は増えるようにするべきである。これはかつて米レーガン元大統領が行った政策である。
8.革新的な投資かどうかを政府に判断できるのか疑問である。革新的投資というと、「設備投資」や「IoT」を想定しているらしいが、日本企業に最も足りない「革新的投資」は「人間」である。世界に冠たる仕事ができる優秀な人材を年俸1億円でも2億円でもいいから採用することにお金を使うべきである。このままだと、実態をごまかして、「革新的投資」「IoT」に見えるように整えるだけで終わりで、政府にはそれを見抜く目もない。政府や役所がこのようなことを言ったら、企業としては声を大にして「経営もわかっていないくせに余計なこと言うな」と、言うべきで、その一言が出てこないのか不思議である。



yuji5327 at 06:32 

2017年12月17日

日本や米国では、クレジットカード会社、銀行など既得権益を持つシステムがのさばっていて、簡単にスマホ決済に切り替えることができない。

2017/12/8付けの 大前研一 ニュースの視点(発行部数 168,218部)は、「無人タクシー/越境EC/NTTデータ 〜自動運転化の実現に向けて、大きく出遅れた日本勢」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米ゼネラル・モーターズは2019年にも米国の複数の都市で自動運転車を使った無人タクシーサービスを始めると公表した。このサービスをめぐって、アルファベット傘下のウェイモが米アリゾナ州で同様のサービスを区域限定で試験走行を開始しており、GMはこれに対抗し、技術的な難易度は高いが、より需要が大きい大都市などでの展開を目指す考えである。
2.これは驚くべきことで、これまでは電気自動車化が2020年、自動運転化は2030年を目安にするという状況だったが、今回の発表はこれらのスケジュールを一気に短縮するものである。
3.2019年無人タクシーの実用化に向けて、米国では都市ごとに規制を決められるのは有利である。すでにウェイモはアリゾナで試験走行を開始しているし、中国ジーリー・ホールディングの傘下に入ったボルボも、2019年から中国で自動運転を開始すると言われている。
4.日本勢は大きく出遅れている。ディー・エヌ・エーが乗り合いバスのようなものを走行させているが、自動運転と呼ぶにはレベルが違う。日本企業からすると、この出遅れは非常に深刻な問題である。
5.越境ECサイト「豌豆公主(ワンドウ)プラットフォーム」を運営するスタートアップ企業、Inagora(インアゴーラ)は先月22日、伊藤忠商事、KDDI、SBIホールディングスから、総額約76億5000万円の資金を調達したと発表した。インアゴーラは、現在中国で人気の高い日本の食料品や化粧品など約4万品目を取り扱っており、今回の支援で商品や物流のさらなる充実を図り、2020年の取扱高を現在の約10倍に増やす計画である。
6.中国のECサイトと言えば、アリババ、JD(京東)がすでに何兆円という規模で展開している。中国の越境ECの市場規模とその内訳を見ると、日本は米国からの購入がほとんどだが、中国は日本からの購入が半分を占めている。米国もまた日本からの購入が多くなっている。日本からの購入が多い状況なので、伊藤忠がKDDIやSBIから資本調達をして、ここに資源を集中して攻めようという意図である。これは目が離せない動きの1つにな。
7.中国ECサイトの特徴の1つがスマホ決済であり、これを実現しているのはQRコードによる読み込みである。町の八百屋さんでも、友達同士でも、取りを簡単にすることができるが、日本や米国の場合、クレジットカード会社、銀行など既得権益を持つシステムがのさばっていて、簡単にスマホ決済だけに切り替えることができない。中国の場合には、銀行や国がシステムを作り上げる前に、ECサイト側がスマホ決済のシステムを作り上げてしまった。
8.最近で、アリババは芝麻信用(ジーマクレジット)という仕組みを使って、独自にユーザーの信用格付けまで行っている。格付けによってはレストランの予約時に自動的にデポジットをさせるなど、やりたい放題である。日本も米国もクレジットカードを中心とした既得権益があるので、このようにはいかない。
9.インドと中国では、先進的なスマホ決済のシステムの導入がどんどん進んでいくと思われる。



yuji5327 at 06:47 

2017年12月14日

ソーシャル・メディア上の情報は、半分はプライベートで、半分はパブリックである。コミュニケーション記録は誰のものか、制度化されぬまま、拡張している。

「林香里(東京大学大学院情報学環教授)著:米国におけるSNSの普及とジャーナリズムの行方、學士會会報No.927(2017-)」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米国では、いま、ソーシャル・メディア(SNS)が、ニュースを提供するプラットフォームになりつつある。米国のシンクタンク、ビュー・リサーチセンターによると、2015年の時点で、44%の米国の成人がソーシャル・メディア経由でニュースを読んでいるという。また、オックスフォード大学ロイタ−・ジャーナリズム研究所の「デジタル・ニュースレポート2017」によると、米国で1週問にソーシャル・メディア経由でニュースを読んだ人は51%に上ったという。
2.またオンラインニュースを読む人の半分以上(55%)は、スマホ経由で読んでいることも明らかになっている。多くの人が、パーソナルな嗜好に合わせて使うソーシャル・メディア経由で、ニュースを選択的に読むようになった。
3.ソーシャル・メディア経由のニュース消費は、社会的にどのようなインパクトをもつか。科学技術とメディアの相互作用を研究するパブロ・ボツコフスキは、ソーシャル・メディア上では、個人的関心や情緒的ストーリーが、時事的ニュースよりも優先される傾向があることを、若いユーザーたちに指摘している。その背景には、スマホやタブレットのユーザー・インターフェースに由来する、デザイン上の利便性があると言う。
4.フェイスブックやツイッターといったソーシャル・メディアは、予定を確認し合ったり、おしゃべりの続きをしたりと、家族や友だちとの日常会話に使われる。しかも、スマホやタブレットなどの手軽な携帯機器で通信する。そこからニュースを読むこともあるが、それはこうした日常会話の流れの中に埋め込まれている。
5.ツイッターやフェイスブックは、日常の流れの合間に「チェックする」のが普通で、長い記事をじっくり読む雰囲気にはなりにくい。世界中で、伝統的な新聞、テレビを含むコンテンツ提供事業者は、ネット上でのビジネスモデルの確立を急いでいる。企業は、採算をとるために、どれだけ読まれるかが勝負で、販売部数や視聴率ならぬ、「クリック数」を競う。
6.ソーシャル・メディアを中心とした情報行動が広がっていくと、その先にあるのは、日常のほかの行動に合わせて読まれるような手軽なニュースの増殖であり、じっくり時間をとって考えさせるジャーナリズムの衰退である。マスメディア上のニュースと、ソーシャル・メディア上のニュースは、どちらも同じニュースのはずだが、ソーシャル・メディアの基準が、「ニュース」への信頼ではなく、発信源が友だちからかどうか、短時間に読みやすいかどうか、が基準となる。
7.ソーシャル・メディア上の情報は、半分はプライベートで、半分はパブリックだというあいまいさがある。情報コミュニケーションの記録は誰のものか、公共的かプライベートか、制度化されぬまま、この領域がどんどん拡張している。
8.米国の大統領選挙で話題になったのが、フェイスブックである。現在、フェイスブックのニュースの「いいね」を押した場所はさまざまな会社に.よって集められている。とくに、フェイスブック上で簡単な心理テストに参加してもらい、かなり精緻な「人となり」を予測することができる。米国で約5万8千人の対象者」の平均数68個)では、どのようなボスティングに「いいね」をクリックするかというパターンを割り出すと、人種)が95%で予想でき、民主党支持者か共和党支持者かも言い当てる(85%)ことができることが証明された。
9.米国では、早くからケーブルテレビや衛星テレビが普及し、多チャンネル化が進んでいる。多チャンネル・テレビは、とくに米国の農村部や地方にも普及している。これらの会社は、契約世帯のプロフィールをデータとして集め、広告会社に売り、有効なコマーシャル戦略に役立ててもらう仕組みができている。
10.こうした視聴者プロフィールがあれば、どこの誰が、どのような番組を見ているかはたやすく特定できる。米国のテレビチャンネルには、フォックスニュースなど、党派性が強いものがある。そのほか、宗教チャンネルや子ども向けチャンネルなど、さまざまなチャンネルもある。視聴契約データとともに、オンラインやテレビ・ショッピングの購入履歴、ソーシャル・メディアの利用状況、友だちネットワークなどを重ねていけば、やがて、一人ひとりの具体的な人間像が立ち現われることになる。
11.それまでは、「高校中退の白人男性層」「大学院卒のヒスパニック層」「子育て中の都会に住む女性層」といったおおまかなくくりでしか、有権者の政治傾向や投票行動を予測できなかった。政治家たちは、ぼんやりとした有権者のイメージの中で、高額なテレビのコマーシャル枠を買い付けたり、政治傾向の似た新聞へのインタビューに答えたりして、最大公約数のメッセージを、最大限ターゲットとなる有権者に向けて出すしかなかった。
12.現代では、データをもとに、非常に細かい戦略を立てて効率的に運動を展開することが可能になった。「マイクロ・プロパガンダ」とも呼ばれるこうした手法は、私たちの日常生活に侵入して、政治的意見傾向に影響を与える。たとえば、あなたが選挙キャンペーンの参謀だったら、地方都市に住む、若い三十代の夫婦をフェイスブックで特定する。
13.フェイスブックのページでは、卒業した大学に「いいね」が押してあることがわかる。さらにその人たちがネットでベビーカーを買ったことがわかり、犯罪の取り締まり強化のニュースや銃規制反対のニュースにも「いいね」を押したと知ったとする。同様の若い世帯の晴報を集中的に多く集めていけば、次回から、若い家族向けにどのような番組に向けてどんなメッセージのコマーシャルを打てばよいか、個別訪問するとしたらどのような話題から始めればよいか、などの準備をすることができる。
14.トランプ・キャンペーンでは、最新のビッグ・データに基づいた科学的な分析をもとに、有権者の行動を予測し、「半径5マイル」運動が広がった。テレビ、新聞、ラジオといった伝統的メディアの存在感は薄く、詳細なデータに基づくマーケット・リサーチの手法に変わる。
15.ヒラリー・クリントンは、全米主要紙57紙から支持をとりつけたが、たった2紙からしか支持を得られなかったトランプに惜敗した。それは、新聞が情勢を読み誤った、あるいは新聞が読まれていない、というだけでは説明できない、従前のマスメディア以外の、別のキャンペーン・ルートがあったからである。
16.トランプ勝利の背後には、かつては考えられなかったようなスケール、および方法による、静かな選挙作戦や意見操作のメカニズムが隠されていた。このプロパガンダの特徴は、デジタル化の発達で、言論領域がもはや明確に公的なものと私的なものに分けられなくなった現象を、巧妙に利用している。ソーシャル・メディアの広がりは、さまざまな懸念材料がある。



yuji5327 at 06:45 

2017年12月05日

米国債の総額約9兆ドルのうち、外国の保有分は、2011年3月末現在で約4兆5000億ドル。このうち中国が1兆4000億ドル、日本が9000億ドル、海外保有分の約半分を日中2ヵ国が占める。

「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第8章:100兆円の外為特会はいらない」「終章:役人が狙う年金準備金100兆円」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.政府が持つ資産のなかで、年金準備と並ぶほど大きいのが外貨準備である。これは、政府の介入資金を管理する外国為替資金特別会計(外為特会)で運営される。2012年3月末現在で、113.8兆円という額を抱えている。
2.外貨準備とは、政府や中央銀行が保有する外貨のこと。対外債務の返済や、輸入代金の決済、それに自国通貨の為替レートが急激に変化したときに対処できるように保有する。大きな額の外貨準備を抱えている国は、為替レートの変動への対処という役割を重視している。
3.先進国のなかで多額の外貨準備を抱えている国は、日本を除いて他にはない。中国や産油国など、実質的には固定相場制を採用しているごく一部の国が大量保有している。変動相場制を採用している通常の先進国では、為替相場は市場が決めるもので、政府が介入するものではない、と考える。外貨準備は輸入代金の決済などにしか使われないため、日本ほど巨額な準備金を抱える必要がない。
4.現代の日本では、原則的に為替レートは市場に任せており、外貨建ての国債もないので、保有する理由がない。世界の国々の大多数は固定相場制を捨て、変動相場制を採用し、独立した金融政策と自由な資本移動を優先している。その代わり、為替は金融政策で安定をはかるという手法を取っている。国際的に見れば、為替介入は禁じ手で、介入に言及しただけで非難を浴びる。
5.日本は外貨準備高の数値が他の先進国と比べて高く、GDP比で見ると異常に高い。この外貨準備は、政府による為替介入の結果である。この金額は、政府が為替介人を行うという、固定相場制を採っている中国に次いで世界2位。日本は、先進国のなかで、為替介入を唯一行っている国である。
6.日本は金融緩和という手段はとらず、先進国ではNGとされている政府による為替介人を行い、100兆円にも及ぶ巨額の外貨準備を溜めこんだ。この巨額な外貨準備高は、今後、日本のアキレス腱になる。ドイツのメルケル首相は、アベノミクスによって日本経済に起きた変化に対し、政府が為替介入をして円安にしたと勘違いした。残高を維持し続けているのだから、変動相場制を採る他の先進国から批判されてもしかたがない。
7.投資家は常に、より有利な金融資産を持とうとするので、金利の高い通貨に換えようとする動きが出る。円よりドルの金利のほうが高い場合、円を売ってドルを買う。為替としてはドル高・円安となる。重要なのは為替介入ではなく、金利と通貨の発行量である。相対的に通貨の多いほうが安くなり、少ないほうが高くなる。これが近年続いた円高の正体だ。
8. 民主党は、外為特会を事業仕分けの対象にしようと試みたが、財務官僚の巻き返しに遭かった。そのことに対する国内向けの言い訳が滅茶苦茶である。為替介入は外為特会の資金を使って行われるのだが、いまの外為特会を時価評価すると、むしろ債務超過となり、埋蔵金どころか「埋蔵借金」の状態だ、といった。
9.世界に流通する米国債の総額約9兆ドルのうち、外国の保有分は、2011年3月末現在で約4兆5000億ドル。このうち中国が1兆4000億ドル、日本が9000億ドル、海外保有分の約半分を日中2ヵ国が占めている。
10.外貨準備が維持される背景には、財務省の利権が関わっている。このカネの運用委託先の金融機関や売り買いの手数料については、一切明らかにされていない。運用先を知っているのは、財務省の事務次官と国際局長、あとは担当課長のみである。国民が選ぶ政治家に公開されず、財務省の数名の役人だけで勝手に決めている。
11.ここに、外為特会の天下り利権の構図が隠されている。外貨準備の運用を実際行っているのは金融機関だが、この運用はとても「おいしい」。金融機関にとって財務省の国際金融関係者は外郭団体などを使って財務省関係者の天下りを受け入れている。財務省にとって、天下りネットワークを維持するためにも外貨準備残高の維持が必須で、外貨準備は増え続ける。



yuji5327 at 06:43 

2017年12月03日

ロビー活動で、先を見据えずにやるのがトランプ大統領の弱いところ。8カ国からの直行便で大型のタブレット端末やパソコンなどの持ち込みを禁止した。

4月14日付けの大前研一さんのニュースの視点は「米入国審査・米個人情報問題・米トランプ政権 〜米国に大打撃を与えかねないトランプ大統領の軽率なロビー活動」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ政権が米国への渡航希望者に対し、携帯電話に登録された連絡先やソーシャルメディアのパスワードの提出を義務付けることを検討していると報じた。短期滞在者のほか、「ビザ免除プログラム」に参加している日本や英国、豪州などの同盟国を含む38カ国・地域に対しても適用される見通しとのことである。トランプ大統領は、根拠もなく何かを言ってみては、引っ込める、ことを繰り返しているが、これも同様である。この事態はロビー活動を背景としている。
2.米国は、中東や北アフリカの8カ国から米国に向かう直行便で、携帯電話よりも大型のタブレット端末やパソコンなどの持ち込みの禁止を発表している。不思議なのは、9つの航空会社が運営する10の空港から出発する便を対象とする一方、米国の航空会社は許可されている、ということである。
3.ドバイのエミレーツ航空などは国から補助金をもらって、大量にエアバスなどを購入している。米国ば、これはロビー活動に他ならないという見解である。そのような制度がない米国の航空各社は、競争環境を阻害すると主張している。このような背景のもと、米国政府はエミレーツ航空などからの米国直行便でパソコンの持ち込みを禁止した。
4.トランプ大統領のこれまでの行動を見ていると、ほぼ全てがロビー活動である。フォードが日本市場は不公平だ、と主張すれば、証拠も根拠もないままにオウム返しに、日本は不公平だ、と発言する。今回の事態も、トランプ大統領のロビー活動の一環だった。
5.ロビー活動においても、先を見据えずにやってしまうのがトランプ大統領の弱いところである。8カ国からの直行便で携帯電話よりも大型のタブレット端末やパソコンなどの持ち込みを禁止した結果、米国の旅行業界はパニックに陥っている。それはコンベンション業界の落ち込みである。これまで、米国では学会や様々な業界の国際会議が数多く開催されていた。そのうえ、7カ国から米国への入国制限まで課されるとなると、現実的に国際会議の開催は不可能である。
6.国際会議などは1年前、2年前から予約するものだが、すでに今後の予約は激減しており、巨大産業である米国の旅行業界に大きな影を落としている。必要十分なことでなくても、とりあえずロビー活動ならやっておこう、という軽々しさがトランプ政権にはある。今回の個人情報の提出については論外であり、あり得ない話である。こんなことをすれば、米国への入国そのものが激減し、大打撃を被ることになる。
7.トランプ政権は、米ツイッターに対する、政権を批判するアカウントの身元情報の開示命令を取り下げたが、これも同様にトランプ政権の軽々しさの現れである。
8.捜査とは別に、政府系機関が政府を批判する職員を水面下で探ろうとしたものだが、ツイッターが訴訟に持ち込んだことで米政府も矛を収めざるをえなくなった。政府系機関の職員で政府に批判的な人には、給与を支払う必要がないという意見もあり、トランプ大統領らしい発想である。
9.トランプ米大統領が米国家安全保障会議(NSC)を再編し、側近のスティーブン・バノン米首席戦略官・上級顧問をメンバーから外した。トランプ氏は政権発足後、外交・安保の専門家ではないバノン氏を常任委員に抜てきしていた一方で、中核メンバーである統合参謀本部議長、国家情報長官(NID)を非常任委員に降格していたが、この人事に与野党から反発の声が上がっていた。
10.バノン氏を永久追放するという動きを見せると思われる。マクマスター氏が進言したと言われているが、実際に主導しているのはジャレッド・クシュナー氏(トランプ大統領の娘婿)だろう。クシュナー氏が中心となり、バノン氏を追い出すグループを形成している。NSCの常任委員にとどまらず、ホワイトハウスから追放するというところまで見据えているはずである。



yuji5327 at 07:04 

2017年11月30日

ロシアはEU弱体化を狙い、英国の離脱が得策だと感じ、本格的な情報操作を行ない、対象国のシンクタンクにクレムリンの意向を流布している。

2017/11/24付けの大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 168,513部)は「英EU離脱問題/イギリス情勢/ドイツ情勢」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.英紙ガーディアンは14日、英国の欧州連合(EU)離脱を決めた昨年6月の国民投票で、ロシア政府とのつながりが疑われるツイッターの多数のアカウントが離脱を支持する投稿を繰り返していたと報じた。また、英紙タイムズもロシア関連の15万以上のアカウントが自動投稿の仕組みを使い、離脱投票の呼びかけを行っていたと報じている。
2.ロシアとしてはEU弱体化を狙い、英国に離脱してもらう方が得策だと感じたのかも知れない。かなり本格的な情報操作が行われている。ロシアトゥデイやスプートニクニュースなどを使いながら、対象国のシンクタンクに資金拠出し、クレムリンの意向に沿った見解を流布している。また映像も大いに活用しつつ、SNSやフェイクニュース作成集団を使い、マルチメディアでクレムリンを利する情報を浸透させ、自分たちに有利な政治議論が起こるように仕向けている。
3.英国のEU離脱についても、ロシアのこうした動きの影響を受けていたということが、今ごろになってわかってきた。米大統領選挙においても暗躍したように、ロシアは相手の情報に入り込んで操作するのが非常にうまい。日本の対ロシア感情は必ずしも好意的ではないから、日本に対する情報操作はそれほど上手く機能していないが、欧米ではかなり成功している。
4.英紙サンデー・タイムズによると、英国議会の保守党議員40人がメイ首相に対する不信任表明に同意した。閣僚の相次ぐ辞任やEU離脱交渉で進展がないことで、メイ政権への逆風が強まっている。英最大野党である労働党のコービン党首も「メイ首相の指導力がないということが、あらゆる角度から示唆されている」と指摘している。
5.メイ首相の指導力の無さは言わずもがなだが、母体の保守党が不信任に同意したというのは、メイ首相にとってはかなり痛手である。EU離脱交渉も上手くいっていない。さらには外務大臣にボリス・ジョンソン氏を任命するなど最悪の意思決定である。
6.メイ政権は一度崩壊して、もう一度国民投票をやり直すべきである。再度国民投票を実施すれば、EU離脱に反対の国民が過半数以上いると判明する。英国民はEUの離脱について正確な情報を知らされないまま投票してしまった。「EUに帰属していることで、難民が来る」「その結果、自分たちの職が奪われている」というような「デメリット」ばかりを伝えられていた。現在の英国は完全雇用に近い状況であり、こうした情報も事実ではなかった。
7.EU離脱に伴い発生する8兆円の手切れ金のことや、多数の外資系企業が、英国がEU離脱するなら国外へ出ていくということなど、EU離脱に伴うマイナス情報を知らされないまま投票した人がほとんどである。今は冷静になって、EUに残った方が良いと考えている英国民が多くなっている。
8.ドイツのキリスト教民主・社会同盟、自由民主党、緑の党による3党連立に向けた協議が、メルケル首相の目指す16日の期限を過ぎてもまとまらず、週末にずれ込む可能性が出てきた。
9.自由民主党のリントナー党首は、デジタル化や欧州といったテーマでは協議の進展がある程度あったが、移民と財政問題を巡り意見が対立していると述べている。3党が合意できなければ、再選挙の可能性もある。
10.ドイツの「連立」に対する姿勢は非常に厳格で、各党がそれぞれドキュメントを残しており、「連立」にあたって合意文書が100ページを超えることもある。合意項目について、2ヶ月かけて1項目ずつ検討している。長い時間を掛けて、1つずつ合意形成を行っていくのは非常に大変なことである。「いい加減な合意はしない」という、ドイツ人らしい姿勢で、これは日本も見習うべきです。
11.政党はそれぞれの主義主張を持っているべきで、「連立」に際して各党の主義主張を調整し、合意するのは簡単なことではない。日本ではいい加減な連立が多すぎる。安保法制に反対でも、連立ありきで自民党と手を組む公明党。その昔社会党と連立を組んだ自民党。いずれも、党首が気軽に握手すれば連立が成立するというレベルで、そこに主義主張が存在しているとは全く感じられない。
12.今ドイツでは、財政問題、移民問題、男女の権利問題、地球環境問題など、様々なテーマで議論が行われている。ルケル首相としても、連立ありきで妥協するわけにはいかないから、再選挙をせざるを得ないという非常に苦しい状況である。
13.ドイツの各政党の主義主張に対する断固たる姿勢を見ていると、日本の希望の党など軽すぎて情けない。選挙が終わった後、2ヶ月たっても政権が発足しないというのは長すぎるが、日本の政党はドイツの政党を見習うべき点が多い。



yuji5327 at 06:34 

2017年11月29日

1930年代の大恐慌は、激化した各国の通貨切り下げ競争が原因であるという「神話」をいまだに信じている。これは経済理論的には間違っている。

「高橋洋一著:
日本は世界1位の政府資産大国、講談社新書、2013年」は参考になる。「第8章:100兆円の外為特会はいらない」「終章:役人が狙う年金準備金100兆円」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.マスコミが好む「通貨安競争」という言葉は、ミスリーディングである。1930年代の大恐慌は、激化した各国の通貨切り下げ競争が原因であるという「神話」をいまだに信じている。この考え方は経済理論的には間違っている。
2.どこかの国が通貨引き下げをすると、短期的に、それ以外の国はマイナスの影響を受ける。しばらくすると他の国も金融緩和を実施し始め、各国ともにインフレ率が高くなるが、いずれの国も許容できるインフレ率には限界がある。際限のないインフレに陥らないようにするため、金融緩和競争が永遠に続くことはない。一定のインフレ率と失業率に抑えようと各国が経済運営すれば、通貨切り下げ競争にはならない。通貨切り下げ競争自体を避けるために、通貨引き下げを避ける必要はない。
3.経済運営の結果、一時的な通貨切り下げによって「近隣窮乏化」が起きたとしても、各国経済の向上につながるのは、各国がマイルドなインフレを維持することになり、最終的には「近隣富裕化」に転じ、世界経済全体に貢献するからである。
4.先進国は、通貨安競争は悪くないという考え方で、自国経済優先の金融緩和を行っている。日本は、一刻も早く「通貨安競争」に加わればよかった。もはや役割を持たない外為特会を徐々に減らしながら同時に借金も返済し、為替リスクには金融政策で対応していくべきだ。
5.海外の政府系金融機関の株に買い換えていくのがいい。米国債などの外貨建て債を手放し、ファニーメイの出資証券などの個別銘柄に乗り換えていく。金融機関の出資証券に直接する最大のメリットは、日本の顔が見える支援になるという点である。政府系金融機関なら、国の倒産はまずあり得ないので、リスクもほとんどない。こうして適宜、外為特6.株式個別銘柄への転換は、国際局長は拒絶した。新たなことにはチャレンジしないという役人の習性と、財務省国際局の役人が運用先への天下りを確保し続けたいという思惑
がある。
7. GPIFは、日本のGDPのおよそ4分の1の運用資産を持つ世界最大級の年金基金である。GPIFの年金積立金は2012年3月末現在で、113.6兆円。うち国内債券(市場運用)が58.5兆円、国内株式が.4.2兆円、外国債券が9.9兆円、外国株式が13兆円、そのほかに財投債(簿価)が13.4兆円となっている。
8.GPIFは、桁が多い資産規模を扱っているGPIFの職員数は、2010年4月時点で75人しかいない。この人数で真っ当な運用ができるはずもなく、わざわざ国が国民から強制的に年金保険料を徴収し、それを国民に代わって財テクする理由がわからない。積極運用が好きな国民なら、自分で財テクすればいい。
9.国民から強制的に徴収したものを国が財テクするのか? GPIFがなくても困らない。市場での運用にはリスクが不可避なので、当然、責任が伴う。ところが、公的組織は責任を取るのが苦手だし、たとえ責任を取ってもらっても意味がない。だから、市場での運用は民間が行うべき分野だというのが常識だ。
10.GPIFが年金準備金の運用指針を見直し、株式の組み入れ比率を高めたり、海外の道路や港湾などのインフラ事業に投資するファンドへの投資を検討するという。国が財テクをしても、責任の所在がひどく曖昧で、組織の状態を変えず投資に積極的になれば、それこそ莫大な損失を抱える可能性が生じる。
11.役人は、少子高齢化で加入者が減る一方、受給者は増える。運用利回りの改善が必須、と主張する。投資が成功するのが大前提となっているが、1993年から2013年までの20年間におけるGPIFの運用成績は、芳しいとはいえない。マスコミは、官僚の天下り先たるGPIFが人件費を増やせる環境づくりに手を貸した。横浜市に移転することになっていたGPIFは、いまも虎ノ門に残っている。その理由も、優秀なファンド・マネージャーが集まらない、であるが、だまされてはいけない。
12.株高によって年金運用が楽になったという事実がある。2012年10月から12月における、厚生年金と国民年金の公的年金積立金を運用するGPIFの運用益は、約5.1兆円。公的年金の保険料収入は30兆円程度なので、この運用収入は大きい。最終的には、年金受給者の利益になる。GPIFが胸を張る「ノウハウ」とはまったく関係のないところで、年金運測益が生まれた。GPIFにしてみれば、棚からぼたもちである。
13.GPIFを通して積立金を投資する理由は、インフレヘッジができるからだとされている。インフレ率と株価には相関性があるので、株式で運用しておけばヘッジになり、かつ利回りも追求できるという理屈だ。インフレヘッジは、厚労省の担当者1人でもできる。市場での運用など行わず、全額をこの非市場性国債に回せぼいい。国債を運用する際の弱点ともいえるインフレヘッジもできるし、国として支払っている200億円をゆうに超える運営コストが、そのまま節約できる。
14.100兆円を超える資産を運用し、その信託報酬を0.1%取れただけでも、金融機関には手数料として1000億円が転がり込む構図になっている。金融機関にしてみれば、年金運用は外為資金の運用とともに、とてもおいしい仕事である。金融機関の厚労省詣では霞が関でも有名で、担当部署は、金融機関にとってお得意さまとなる。関連団体のポストを天下り用に用意する、といったことも含まれ、金融機関にしてみれば、年収1000万円を超える天下りを受け入れても余りある利益を受け取れる。GPIFを排除し、物価連動国債引受にすれば、こうした厚労省と金融機関の癒着構造も解消できる。
15.国民が保険料の一部を委託する金融機関を自分白身で選べる形にしたらいい。運用方法は各金融機関に委ねられているが、どの金融機関を選ぶかはGPIFが決め、それぞれの金融機関に対し勝手に金額を割り振っている。そこで、この金融機関の運用基準を公開し、国民みずからが金融機関を選べる形にするのが良い。今後、政治がGPIF にどのようにメスを入れるのか、国民はそこに注目しなけれぼならない。こうした日本国の仕組自体を根底から変える改革が成功すれば、2020年に向け、日本の成長率を実質3%以上に引き上げることもできる。



yuji5327 at 06:40 

2017年11月28日

日本に入ってくると、キリスト教でも、仏教でも、儒教でも、もととは似ても似つかないものに変容する。みんな日本教の分派になる。

「山本七平、小室直樹著:
日本教の社会学
小室 直樹
ビジネス社
2016-11-25

日本教の社会学、ビジネス社、2017年2月」は面白い。第4章:日本教の教義」の「日本人を理解するために」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本に入ってくると、キリスト教でも、仏教でも、儒教でも、もととは似ても似つかないものに変容する。みんな日本教の分派になる。日本教とは、日本人の行動様式であり、何教を信じようと、どんなイテオロキーを持とうと、日本人はみんな日本教徒である。日本教を理解することは、日本を理解し、日本人を理解することである。
2.日本教を社会科学的にとらえ直す必要がある。キリスト教の場合は、教義、救済儀礼、神義論などが決定的な役割を演じる。キリスト教の本質を理解するうえで最も適切なのが基本主義である。日本教には、本来、教義も救済儀礼も神義論もないのが、日本教の特徴である。原則のないところが日本教の日本教たるゆえんである。
3.日本教に教義と同じ機能をするものはないかと探ってゆくと、「空気」に突き当たる。正に「空気」である。キリスト教が日本に入ってくると、その宗教本来の意味が骨抜きになる。
4.日本に来ると、徹底的な原則があるがゆえに、その原則に反するものは全部骨を抜かれてしまう。その原則を「空気」と定義した。「空気」は、なんらの原則を有しないという意味で、組織神学的には教義から遠いものである。キリスト教的な教義と正反対である。構造神学的にいえば、「空気」は規範的に絶対で、「それが空気だ」ということになると誰も反対はできない。
5.教義の社会学的意味は、集団加入のための判定条件である。宗教、社会学的にいえば教団に加入するための判定条件である。これを満たせば加入できるし、満たさなければ加入できない。教義が一つのシステムでなければならないというの、は日本人が一番嫌う。たとえば、浅見綱斎と内村鑑三との似た点である。内村鑑三は絶対に組織神学を排除する。絶対神があって、個人の規範しかない。あいだを組織でつなぐという発想がない。だから無教会で教会はなくてもいい。
浅見綱斎にも同じで、一方の極に天皇の絶対制があり、他方の極に個人の絶対的規範があって、このあいだをつなぐ組織はない。天皇が絶対だということと、これと個人の規範の間に組織的連関がない。本来はこの中間を契約で埋める。契約というのは一種の教義で、これがないことが日本である。
6.戦後、自己の行動規範がわからないので完全に「空気」だけになる。二極を無理につくる。たとえば日中復交のとき、新聞の論調は。向こうの中国は絶対善に対して、日本軍という絶対悪を置く、この二極の真ん中に各人を拘束するものがなくちゃいけないが、それが「空気」になる。
7.西南戦争のときも、官軍と西郷軍で、西郷軍は絶対の悪、それから官軍は絶対の善とする。たとえ嘘でも西郷軍がこんな残虐なことをやった。→方、官軍のほうは博愛社をつくって西郷軍をも救済したと。戦前の場合には両極というのは固定して一方は天皇で、それに規定された個人規範があった。戦後の場合はその起点となる二つの焦点がないから、もう戦前以上に「空気」の流動性が増大する。「空気」は一つの霧みたいになって、視界零に近い状態になる。



yuji5327 at 06:40 

2017年11月27日

名目賃金は、OECD35か国中で19位で、2000年時点と比較すると、各国が軒並み大幅に上昇しているのに対し、日本だけが下がっている。

「大前研一著:日本人よいつまで自分のヘソを拝んでいるつもりか、週刊ポスト、2017.11.14」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.50年以上も前、サイバー社会の到来を予想していたオムロン創業の立石一真氏の、「質問する力」がイノベーションの源だった。現状に対して、疑問や不満を感じてなければ質問はできない。質問しないと考えは進まないから、答えも出ない。質問して初めて問題の
解決策が見つかり、新しいアイデアも生まれる。
2.日本企業が最も元気だった時代は、この「質問する力」が経営者にあった。代表的な例が、立石さんや、京セラの創業者の稲盛和夫さん、パナソニック創業者の松下幸之助さんも同様である。天井から下がる電球ソケットが唯一の電源だった当時、母親が暗い部屋の中でアイロンをかけている姿を見た幸之助さんが「電球をつけたままアイロンがけができないか?」と質問して二股ソケットの商品を開発した。
3.目の前の問題点や不満に対して「何とか改善できないか?」ととことん考えて答えを見いだそうとして、的確な「ソリューション」を見つけ、日本の高度経済成長を牽引する様々な新商品を世界に送り出してきた。世界を変える新技術や新商品の"原点“は、単なる知識量や資本力ではない。突破口を見つけるまで問い続ける「質問力」にあった。
4.各種のセンサーが安くなり、GPSもパケット通信網もあるので、技術革新や商品開発が低コストで簡単にできるようになったが、日本企業は、かってのような世界を変.える新技術や新商品を生み出せず、本来は力があるシャープや東芝などが討ち死にした。
5.世界で大活躍していた時代の日本企業の違いは「経営者の質」である。今の日本企業の経営者に、「質問する力」がないため、革新的な技術や商品を生み出して高い付加価値を取ることができない。
6.なかでも現在、世界から大いに後れをとっているのが、日本の銀行である。今のフィンテックを使えば、国際的に瞬時にお金を動かすことができる。人々は世界的に最も運用益が高いところにお金を預ければよい。みんなのお金を最も効率よく運用し、かつ決済に使っていくための技術がフィンテックである。フィンテックに対する日本の銀行の動きは極めて鈍い。自分たちの既得権益を守るためにサボタージュしている。
7.世界ではフィンテックが広がり、スマホやタブレットPCで簡単にモバイル決済ができる中国の「アリペイ」や「ウィーチャットペイ」に象徴されるように、従来の銀行が要らなくなる方向へ進んでいる。日本だけはそこから遠い。どの国でも人々は金利選好が当たり前なのに、日本人は金利が付かない銀行に約1000兆円も預けている。
8.給料が下がっている唯一の国で、日本は給料が20年も上がらず、初任給は平均20万円ほどのままで、今や欧米先進国に比ぺてだ大幅に低くなっている。世界第3位の経済大国でありながら、名目賃金は、OECD35か国中で19位で、2000年時点の賃金と現在を比較すると、各国が軒並み大幅に上昇しているのに対し、日本だけが下がっている。
9.雇用では、団塊の世代がリタイアする一方、少子化で若手の労働人口が減っているため、建設、小売り、介護といった業界では、人手不足が深刻である。それでも給料は上がらない。
10.中国の通信機器大手ファーウェイの日本法人が初任給40万円以上で新卒者を募集している。中国も右肩上がりで賃金が上がっており、今深圳では月給40万円ではIT系の優秀なエンジニアは採用できなくなっている。
11.アマゾンが北米で第二本社を作ると発表したが、採用予定の5万人の平均給与が年俸約l130万円)だという。給料が上がらないことに慣れきっている日本人のほうが、世界の潮流から乖離しているが、そのことに対する危機感は全く感じられない。その根本的な理由は日本が、ぬるま湯社会なって、厳しい競争がなくなったことである。
12.社内に競争原理を導入しているリクルートやサイバーエージェントなどのように、社員が正当に競争する仕掛けを作れば、日本人はかなり優秀な能力を発揮する。今は世の中が「内向き・下向き・後ろ向き」で、「競争は悪」という風潮が強い。だから政府がやろうとしていることも逆さまで、「働き方改革」と称して残業時間の上限を一律に規制したり、社員をロボットのように統制しようとしている。
13.英語では「内向き・下向き・後ろ向き」に考えることを「へそを拝む」という言い方をするが、今の多くの日本人は下を向いて自分のへそばかり拝み、裕福ではなくてもそれなりに暮らせる現状を肯定している。だが、上を見上げて高みを目指さなければ、人も企業も国も成長するわけがない。政府や連合の「働き方改革」論議は、日本を100%間違った方向に向かわ、日本はますます衰退していく。




yuji5327 at 06:33 

2017年11月23日

頭の中の考えを「見える化」できるかどうかで企業の将来は決まる。「見える化」できさえすれば、今はICTによって、ほとんどの発想が実現可能だからである。

「大前研一著:すべてを見える化した立石一真はIoT時代の予見者だった、週刊ポスト、2017年11月17日」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.いま、多くの日本企業で、人材戦略の練り直しが求められている。とりわけ、ICT(情報通信技術)が急速に進化しビジネス環境が激変.する中で、それらに十分対応できていないホワイトカラーの生産性の低さが日本企業の給料が上がらない原因ともなっている。会社を窮地から脱出させられる人材、あるいは従来よりも効率的で質の高い仕事のやり方を考えられる人材を育てるためのキーワードは「見える化」だ、と述べた。
2.「見える化」というのは非常に重要なキーワードで、採用や育成についてだけでなく、開発や構想を練る上でも武器となる。世界標準の能力である。たとえば、グーグルのラリー・ペイジやフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、テスラのイーロン・マスクら、世界で時価総額トップ10に入るような巨人企業を生み出した起業家たちの共通項は、プログラミングという「見える化」していく分野で子供の頃から頭角を現わしていたことである。
3.プログラミング能力は十分条件ではないし、単なるコーディング能力(設計書や仕様書を基にコードとして記述していく作業)の問題でもない。プログラミングは、リアル社会とサイバー社会を結ぶ道具であり、「こういうことができたらいいな」と頭で考えたことを実現する手段だが、それを駆使して自分の構想を「見える化」することに意味がある。
4.例として、100人の顧客を抱えている営業マンが、どの顧客を、どれくらいの頻度で、どんなルートで回ったら最も効率が良いのか、ということを考えるとき、プログラミングができない人は、自分の経験や勘に頼るしかない。プログラミングができる人は、顧客データをインプットしてAIに最適解をアウトプットさせることができる。
5.答えを導き出すプロセスを「見える化」し、その先を見通すことができる。さらにフェイスブ.ックなどのネット上で見つけられる顧客の情報を訪問計.画に連動させれば、インパクトのある営業トークを繰り出せる。この差は極めて大きい。優れた起業家や経営者というのは、小さい頃からそういった発想で物事を見る癖がついている。
6.シスコシステムズのジョン・チェンバース会長はプログラミングが得意ではなかったが、新しい仕掛けを生み出す能力が卓越していた。例えば、納品した機器が壊れたらサービスマンを派遣しなくてもネット経由で修理できるシステムや、社員の出張経費精算をカード会社のアメックスに委託して間接業務とコストを大幅に削減するシステムなどを構築した。そうした改革によって売上高を40倍に伸ばした。
7.頭の中の考えを「見える化」できるかどうかで企業の将来は決まる。「見える化」できさえすれば、今はICTによって、ほとんどの発想が実現可能だからである。チェンパース氏も、基調講演で「インターネット・オブ・エブリシング(IoEだ」と強調している。
8.チェンパース氏よりもはるか以前に、自分の頭の中を「見える化」しようとしていた日本の経営者がいる。オムロン創業者の立石一真さんである。センサーが感知した信号をプロセッサーを介してアクチュエーターにつなげる技術で自動販売機や紙幣両替機、現金自動支払機、ATMなどのオートメーション機能機器を次々に開発した。
9.これらべてを立石さんは「サイバネーション革命」と呼んでいたが、いま世界を席巻しているIoTの技術や概念は、パケット通信網の中でセンサー、プロセッサー、アクチュエーターが無限につながっていくというだけの話である。立石さんは50年以上も前にIoTやIoEの本質を理解し、サイバー社会の到来を予見していた。
10.立石さんは交通渋滞の「見える化」にも取り組んだ。無接点技術と自動販売機で開発したコンピューター技術を駆使し、車両検知器や車の通行量によって信号機の時間をコントロールする電予交通信号機などを開発した。駅の自動券売機や自動改札機も、最初に開発したのはオムロンである。



yuji5327 at 06:24 
池上技術士事務所の紹介
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池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
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