新技術

2017年08月21日

コンパクトで単純な電力貯蔵装置は「空圧電池」で分散・多数設置型が可能である。圧縮した空気を解き放つときにタービンを回し発電する。

「福田良輔(中部大学客員教授)著:福島後の未来をつくる、中山間地域の切り札:空圧電池、日本全体の電力は1億kWで十分、
エコノミスト、2016.11.8」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本は、「中山間地域」と呼ぶ地域が国上の70%を占める。中山間地域とは、平野の端から山聞地にかけた地域の産業は農林業が中心だが、農林業従事者の高齢化や後継者不足などから過疎化が進行し、衰退が著しい。中山間地域には、木材資源や放棄田畑など、再生可能エネルギー施設を設置するうえで必要な資源や土地が豊富で、安く入手できる。
2.著者と神戸製鋼所グループは「山麓フロンティア研究会」を設立し。中山間地域のメリットを生かして、再生エネルギーを活用した地域振興を取り組んでいる。太陽光発電は天気による発電量が変動、発電した電力を消費地に送るための送電系統網が脆弱で、電力会社は、中山間地域の太陽光発電を系統網につなぐことに制限を設けている。
3.課題の解決策の一つが電力貯蔵装置だが、電力貯蔵施設に使う蓄池として、鉛電池は蓄電容量が小さいので、多くの電池が必要になるし、重い。リチウムイオン電池も、数百kW級の電力を貯蔵するには高コストで、寿命も短い。
4.できるだけコンパクトで単純な構造ということで、電力貯蔵装置として「空圧電池」を用いた小容量・分散・多数設置型再生可能エネルギーシステムの開発・実.用化に取り組んでいる。システムでは、圧縮した空気を解き放つときに生じるエネルギーを使ってタ一ービンを回し、発電する仕組みである。空気の圧縮には、太陽光発電や風力発電などで余った竃力を使う。圧縮した空気は鋼製タンクにためておき、電力が必要になったら、圧縮空気を放出して発電する。研究会が岡山県美咲町で計画中の実証事業では、この空圧電池や空気タービンに・太陽光発電装置や木質バイオマス発竃装置を組み合わせた総合システムを構築する。
5.空気タービンには、神戸製鋼所製の「2軸スクリュータービン」を用いる。同社はすでに出力500kWのテストプラントを稼働中で、静岡県河津町でも風力発電と組み合わせた同2000kWの空圧電池・空気タービン設備を12月の完成を目指して建設中である。
6.農林水産省は当初木質バイオマス発電事巣の損益分岐点を発電規模5000kW級と算定していたが、最近では技術の進展もあって、2000kW程度まで下がっている。しかし、1000kW.級の大規模な木質バイオマス発電設備は燃料である木材資源の調達が難しい。出力300kW.以ドなら、システムを設置した周辺町村の地域木材を燃料資源として持続的に活用できる。容量効果が出ないとコストは高止まりしてしまうため、小さな容量クラス単独で利益を出すのは困難であるが、太陽光発電と空圧電池を組み合わせ、数百kW.規模の木質バイオマス発電でも安定した利益を生み山せる。
7.空圧電池の寿命はほかの蓄電池よりも長い。長い期間にわたって利益を確保できる。空圧電池の主要部材である鋼管は、空気貯蔵向けだけなら50年間超、長ければ100年聞使用可能である。シンプルな構造の空気圧縮機と空気タービンは、メンテナンスすれば50年間は十分持つ。
8.研究会は「100年」の超長寿命構造の太陽光パネルの開発・商用化を目指しており、パネル両面を厚さ2ミリの強化ガラスで覆った寿命50年の太陽光パネルの商用化に成功している。これを空圧電池と組み合わせ、20〜30年の長期にわたって初期投資費用を回収するとともに、それ以降の寿命まで太陽光発電の売電で得た利益をシステムの維持に充てる事業モデルを検討している。
9.日本全体の発電施設を合わせた総発電容量(能力}は、本来、1億kWで十分だが、電力量と使う電力量を一致させる「同時発電岡時消費」の原則があるために、使用量の多いピークに合わせて発電施設を設ける必要がある。このため、総発電容量は必要以上に多くなる。電力会社すべての余剰設備は計1億kWに上る。さらに企業の自家発電設備が5000万kWもあることから、日本全体の総発竜容量は2億5000万kWに及ぶ。
10.これを太陽光発竃を中心とした「再生エネ発電+空圧電池」のシステムに置き換えていけば、理論的には電力会社の余剰設備の1億kW分が不要になる。この不要になった発電資産を売り払い、売却で得た資金を空圧電池の設置に充てれば、それだけでも日本に必要な空圧電池すべてを設置できる。純国産資源で電力を賄うことができるようになれば、、現在の年10兆円に上る発電燃料の輸入向け外貨の持ち出しは不要になる。


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2017年08月19日

三菱商事は英国で洋上風力発電から地上に電気を送る海底送電線を約270億円で取得し、欧州全域を網羅する発送電網構築を目指す。

2017/8/18付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 166,851部)は「ソフトバンクグループ/米ウーバーテクノロジーズ/三菱商事/エールフランスKLM 〜スカイチームの提携強化で変わること」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先月25日、配車サービスを展開する米ウーバーテクノロジーズにソフトバンクグループが出資を検討していると報じた。ソフトバンクは中国で配車大手の滴滴出行に加え、インドのオラなど複数のライドシェア(相乗り)関連の企業に出資しており、今回の出資が実現すれば、ソフトバンクがアジアで事業運営を統合するよう働きかける可能性があると伝えている。
2.ソフトバンクが事業運営を統括することになる可能性は薄い。ソフトバンクは、中国の滴滴出行、インドのオラ、シンガポールのGrabに投資しているが、この種のサービスは国をまたいで投資しても相乗効果はそれほど期待できない。ソフトバンクがウーバーに出資することになっても、中国やインドで大きな変化が起こるとは思えない。
3.カラニック氏がウーバーのCEOを辞任し、ウーバーの舵取りをするか、に関して、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは先月28日、トラビス・カラニック氏の後任候補の1人として、ゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルトCEOを検討していると報じている。
4.7月末でGEを退任したイメルト氏に関して、パワハラ問題などで社内はぐちゃぐちゃのウーバーでも、イメルト氏なら何とかしてくれるという期待が持っている。イメルト氏の立場であれば、ウーバーのCEOは受けない。もしイメルト氏が引き受けたなら、ソフトバンクの孫社長はイメルト氏と旧知の仲だから、出資に好影響が出るかも知れない。
5.日経新聞は先月26日、三菱商事は英国で洋上風力発電から地上に電気を送る海底送電線を約270億円で取得すると報じた。風力発電は安定的に電力を供給するのが難しいとされているが、発送電の分離が進み今後も需要がある英国を中心にノウハウを蓄積し、欧州全域を網羅する再生エネルギーの発送電網構築を目指すとのことである。
6.商社は潮流発電など、様々なものに投資をしているが、その1つが今回の海底送電線への投資である。この電源は、おそらく3000ボルト以下のものだから、サハリンから日本へ送り込むような高圧直流は必要ない。欲を言えば、高圧直流を研究して、ウラジオストクから新潟へ送電する、あるいはサハリンから日本へ送り、さらに福島に残っている送電網へつなぐなど、もう少し戦略的に投資すると良い。
7.仏蘭航空大手エールフランスKLMは先月27日、英ヴァージン・アトランティック航空の株式31%を取得すると発表した。同時に米デルタ航空と中国東方航空から出資を受け入れると発表。北米、欧州、アジアの3地域にまたがる航空ネットワークを構築し、競争力を高めるのが狙いとのことである。
8.スカイチームの提携関係を整理すると、次のようになる。エールフランスとKLMが2004年に経営統合した。エールフランスKLMは、アリタリア航空の業績が良くないときに支援をした仲間である。今回の記事によると、エールフランスKLMがデルタ航空と中国東方航空から10%ずつ出資を受け入れ、さらにヴァージン・アトランティック航空に31%出資をすることで、提携関係を大きく広げることになる。ただし、ヴァージン・アトランティック航空はスカイチームメンバーではない。
9.ヴァージン・アトランティック航空にはデルタ航空がすでに49%出資しているので、チーム全体で見れば、ヴァージン・アトランティック航空の株式を80%以上保有し、完全にコントロールできる状態である。これにより、欧州、米国に加えて、中国、アジアなどが一体化して、スカイチームが強くなる構図である。
10.航空業界にはいくつかのアライアンスがあるが、ここまで提携関係が強くなった例は他にない。中国東方航空がメンバーに入ったのも初めてである。アライアンスを組むことで、マイレージの共通化、乗り継ぎの融通などができるようになる。そのためにはオペレーションを改善していく必要がある。
11.デルタ航空には、4月に暴力問題で炎上したユナイテッド航空とは違うところを見せて欲しい。今後、オペレーションがどのように改善されていくのか見守っていきたい。




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2017年08月15日

太陽光を有効に活用するためには、可視光ではたらく光触媒の開発が必須である。2000年代になって、ようやく可視光を使った水分解活性を示す光触媒がいくつか見出された。

「光化学協会編:夢の新エネルギー:
人工光合成とは何か、講談社、2016年」は参考になる。「第6章:人工光合成への道筋(3)」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.1967年に二酸化チタン半導体光電極を用いた世界で最初の水の光分解実験の成功例として、ホンダーフジシマ効果が報告された。それを契機に、世界中の研究者がいろいろな光触媒や半導体光電極を用いた水分解などの人工光合成研究の取り組みを始めた。ホンダーフジシマ効果で用いられた二酸化チタンなどの金属酸化物、金属硫化物、金属(酸)窒化物、C-N有機物などは、半導体的な性質をもった物質であり、人工光合成で最も有望な触媒群である、,
2.光触媒は、一般に粉末にして水溶液に懸濁させた状態で用いる。半導体は、電子が存在できる軌道が隣の原子の軌道と結びついて、そのエネルギーが帯状に広がった軌道を作っている。エネルギーが低く電子がそれ以上は入らないバンドは価電子帯という。電子が定員いっぱいに入った最高被占軌道(HOMO)にあたる。また、エネルギーが高く電子がほとんど入っていないバンドは、「伝導帯」という。まだ電子が入る余地のある最低空軌道(LUMO)にあたる。
3.価電子帯と伝導帯のバンド状の軌道問のエネルギー差をバンドギャップとよぶ。半導体光触媒では、バンドギャップを満たすエネルギーをもった光子が当たると、価電子帯から伝導帯へと電子が飛び上がる。これは、色素分子に光が当たると、HOMOからLUMOへ電子が汲み上げられたことにあたる。色素分子と半導体は、どちらも人工光合成に利用できる可能性のあることがわかる。
4.価電子帯から電子が抜けてできた孔をホールとよぶ。ホールは価電子帯中を動くことができる。半導体のエネルギーレベルは、電極の電位に対応してV(ボルト)で表示することが多い。価電子帯の電子1個を伝導帯に汲み上げるには、1個の電子を電位差に逆らって上に運ぶ仕事の単位がeV(エレクトロンボルト)なので、バンドギャップエネルギーはeVの単位で表す。
5.半導体粉末光触媒は、1種類の光触媒を用いるタイプと、2種類の光触媒を用いるタイプに分類される。前者は、「単一粒子型光触媒」とよばれ、1つの光触媒粒予の上で水の還元および酸化反応により水素と酸素を生成する。この場合、水素を作るには2個の水素イオンH+に電子を2個与えるので、電荷分離を引き起こす光子は2個必要となる。一方、酸素を作るには、水から電子を4個引き抜くので光子は4個となるが、全体として見れば、1つの光触媒粒子に4個の光子を当てて、2分子の水素と1分子の酸素が発生することになる。
6.後者は、水素のみを生成する光触媒粒子と酸素のみを生成する光触媒粒子の2種類の粉末光触媒粒子と、それらの粒子間で電子のやり取りを行う電子伝達剤で構成される。酸素発生側の光触媒粒子が光子を4個吸収し、水から電子を汲み上げて酸素1分子が発生し(1段階目)、さらに水素発生側の触媒粒子も光子を4個吸収して電子を水素イオンに渡して2分子の水素が発生するので(2段階目)、形式的には天然の光合成の光化学系機↓兇卜犹した系となる。このような2光子過程ではたらく光化学系を「Zスキーム型光触媒」とよぶ。
7.太陽光水素エネルギー変換効率(STH)
=水素に蓄えたエネルギー量/全太陽光入射エネルギー
=水素生成量×水素のエネルギー含量/太陽エネルギー量×受光面積
と表される。
太陽光は、いろいろな波長を含んでおり、波長ごとに異なる数の光子が降り注いでいる。、人工光合成の効率を決めているのは、吸収波長と量子収率ということになる。量子収率とは、光吸収で生成した電子とホールがどのぐらいの割合で反応に使われたかを示す指標である。
8.光触媒の効率を決める吸収波長については、赤外線から紫外線まで幅広い波長の光が混ざっている太陽光から、光触媒が、どれだけ多くの光子を吸収できるかが重要となる。バンドギャップが狭いほどエネルギーの小さな光、すなわち波長が長い光まで吸収できるが、単にバンドギャップが狭ければよいわけではない。水の電気分解の理論電圧は1.23V(光の波長としては約1000nmに対応)なので、バンドギャップもそれより大きくなくてはならない。実際は余分なエネルギー(過電圧)も必要なので、1000nmよりもさらに短波長の光を用いないと水を分解することはできない。1000nmよりも短波長の光を効率良く吸収でき、さらに幅広い吸収波長領域で高い量子収率をもつ光触媒が、高効率なものと言える。
9.二酸化チタンTiO2の結晶構造には3種類があるが、これらのバンドギャップは、それぞれ3.2、3.2、3.0eVである。すなわち、同じ組成の物質でも、結晶構造が異なるとエネルギー状態も異なる。材料設計を行うことにより、より効率の高い光触媒を開発できる可能性がある。
10.1980年代後半からそれまで報告のなかった新しい光触媒が見出されるようになった。化学式で表すと、K4Nb6O17、K2La2Ti3O10、ZrO2、Ta2O5などである。しかし、可視光ではたらく効率の良い光触媒がなかったため、1990年代にはこの研究領域は低迷した。1990年代後半から、タンタル系複合酸化物光触媒をはじめとし、数多くの新しい光触媒材料が開発されるようになった。、特に高い活性を示すものとして東京理科大学の工藤昭彦教授らによって開発された光触媒(NiO/NaTaO3:La光触媒)がある。光触媒の粉に光を当てるだけで、高難度な水の分解反応が進行する。
11.太陽光を有効に活用するためには、可視光ではたらく光触媒の開発が必須である。2000年代になって、ようやく可視光を使った水分解活性を示す光触媒がいくつか見出された。


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2017年08月14日

フラッシュメモリーはHDDより高価なのが難点だったが、技術革新で、価格の高さを補う大容量・省電力化に成功した。

「種市房子、花谷美枝(編集部)著:世界中のハードディスクがフラッシュメモリーに置き換わる、
エコノミスト、2016.10.25」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.米国のフィラデルフイア半導体株指数〔SOX指数)は過去10年間で最高値水準の800ポイント超で推移している。東京市場でも半導体関連株ばかりが上がっている。半導体産業で今、注目を集めるのは、世界中でコンピューターサーパーの証憶装置が、ハードディスクドライブ〔HDD〕から、NANDフラッシユメモーリーに置き換わっていることである。新しいメモリー市場である。
2.ゲームはネット接続が主流になり、動画や音楽の配信サービスや竃子商取引が日常的になり、情報を保存サーバーの需要は今後、爆発.的に増える。年聞に生成されるデータ量は現在、世界で推計8ゼタバイト(ゼタは10の21乗〕とされるが、2020年までに40ゼタバイトに膨れ上がると予想される。このデータ量やサーバーのフラッシュメモリー採用状況から、20年にはフラッシュメモリーの工場が新たに200棟必要になる。製造技術の改善で歩留まりを高めたり、データの圧縮などで、実際にはそれだけの工場を建てなくても済む。
3.データセンターに置くサーバーはこれまでHDDが主流だった。ディスクを高速回転させてデータを書き込んだり読み込む仕組みで、低価格が売り物だった。回転させるモーターの電気代がかかること、モーター回転で発生する熱もサーバーの動作に悪影響を与えていた。
4.フラッシュメモリーはHDDより読み書きのスピードが速い。モーター駆動は不要で熱も発生しないが、価格が高いのが難点だった。情報量1ビット当たりの単価では、NANDはHDDより7〜8倍高く、データセンターも初期投資を躊躇していた。最近、フラッシユメモリーは技術革新によって、価格の高さを補う大容量・省電力化に成功した。
5.それを可能にしたのが、三次元NAND技術である。これまでは大容量化の技術競争は、1層の基板の上にいかに細かい線幅で回路を描くかという「微細化」が主戦場だった。線幅の微細化は10ナノメートル幅前後で限界に近づいた。線幅が小さくなり、隣り合うセルが近すぎると、電子が干渉し合う。最近3年の技術競争は、基板を重ねて回路を増やす「積層化」に移った。1次元NANDは、電子干渉で起きる動作エラーを修正するために竃力を消費していたが、3次元NANDは上にスペースを確保できた分、線幅に余裕を持った設計にできる。この結果、電子干渉対策の電力が不要になったので、3次元NANDは低消費電力で、電力コスト削減も含めたトーダルコストで見れば、3次元NANDがHDDを追い抜く段階に来た。
6.今や、データセンターの新設に当たっては、3次元NANDのサーバーの注文が相次いでいる。この波に乗り、世界のメモリー半導体メーカーは今年に入って大型の設備投資に踏み切り、インテルとサムスン電予は中国で.3次元NAND工場を立ち上げ、増力中である。。米マイクロンは9月、シンガポールの工場に3次元NAND用ラインを増設した。束芝も四日市工場に3次元NANDラインを増設した。さらに、中国勢の設備投資も活発である。
7.メーカーの設備投資の恩恵にあずかっているのが、半導体装置メーカーである。積層化は、セルの材料を積み重.ねて、電子を通す電極を埋め込むので、数10層に積み重.ねた材料に一気に員通孔を開ける。この「積層」「穴開け」「電極埋め込み」には、徴細化とは別の特殊技術が必要である。米アプライドマテリアルズや東京エレクトロンなどは、これらの技術に長けており、装置メーカーの株価は今年半ばから高値圏で推移している。
8.半導体市場の成長分野は、メモリーだけではない。自動運転、AI(人工知能)囲発、あらゆるものがネットにつながるIoT〔モノのインターネット〕時代に向けて、制御用や演算用の半導体市場にも期待が集まる。こうした成長を見越して、足元では大規模なM&Aが加速している。10月初旬、米紙は、スマホ向け通信情報処理チップ大手クアルコムが、マイコン世界2位のNXPセミコンダクターズの買収を検討していると報じた。買収規模は3兆円。9.買われる側のNXPは当時のマイコン世界4位・フリースケール・セミコンダクタを約2兆円で買収したばかりだった。こうした規模の利益を出すためのM&Aは半導体業界で繰り返されてきた。
10.他業界から半導体へ進出するためのM&Aも活発化している。ソフトバンクグループが英ARMを買収した。HDD事業を柱とする米ウエスタンデジタルも今年、メモリー大手のサンディスクを買収した。市場は、大型M&Aのうわさ話が絶えない。買収対象候補の株価は、買収する側が、時価より高い株価で買い付けるケースが多い。それを見越して、機閏投資家が先回りして株を買う。
11.半導体全体では、需要予想は弱い。2016年の世界半導体売上高はマイナス成長である。今はは完全にバブルである。フラッシュメモリーはしばらくは好調だろうが、2020年までには供給過剰になる。半道体バブル崩壊への足音にも耳を澄ます必要がある。




yuji5327 at 07:15 

2017年08月13日

北朝鮮核弾頭小型化

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弾道ミサイルに搭載可能
小型核弾頭に成功
最大60発
軍事的脅威
急速に拡大
米本土を射程に収めるICBM
弾頭部の大気圏再突入技術不透明


yuji5327 at 06:53 

太陽光による人工光合成で、水を原料にして直接空気中の窒素を還元固定しアンモニァを生成することができれば理想的である。

「光化学協会編:夢の新エネルギー:
人工光合成とは何か、講談社、2016年」は参考になる。「第6章:人工光合成への道筋(3)」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.半導体光触媒を使った水の光分解で水素を生成できる人工光合成系には、いくつかのタイプがあり、1つめのタイプは、太陽電池により得られた電力を使って、水を電気分解する。2つめのタイプは、太陽電池の表と裏に、直接水素生成と酸素生成に適した触媒を貼り付けて一体化したデバイスである。これは、見かけ上1枚のデバイスで人工光合成ができるので、ArtificialLeaf(人工の葉っぱ)とよばれている。
2.3つめのタイプである水の中に粉末の光触媒を分散させて光を当てる方法や4つめのタイプとして電極に付けた半導体に直接光を当てて水素を作る方法がある。電極と半導体触媒が一体化しているので「半導体光電極」という。これらの系では光触媒や光電極材料自身が光を吸収し、その固体表面で水素や酸素を生成する。すなわち、光エネルギー捕集と化学反応が同一光触媒上で進行する。
3.4つめの半導体光電極による方法では、水から電子を引き抜いて酸素生成反応を引き起こす半導体は、電極としては光照射で陽極(アノード)としてはたらき、水素生成反応を起こすことができる半導体は、光照射で陰極(カソード)としてはたらく。半導体を付けた陽極だけに光を当てて白金のような対極とつなぐ方法、陰極だけに光を当てて対極とつなぐ方法がある。
4.陽極と陰極それぞれに別の半導体を付けてつなぎ、両方に光を当てる方法がある。。電極系の最大の長所は水素と酸素が分離して得られることである。
5.単一の粉末光触媒を用いた系では、水素と酸素の混合物が得られてしまうため、そのあとにそれらのガスを分離することが必要になる。しかし、簡便さ、拡張性や経済性を考えると粉末系が優位性をもつと考えられる。
6.人工光合成により生み出される化学エネルギーとしては、現在、クリーンエネルギーとして水素が最も注目を集めている。水素は万能に見えるが、全てが優れているというわけではない。水素は酸素が共存すると引火爆発の危険性が高い。また、室温で気体なので体積がかさばり、常圧では2gで22.4リットルにもなるので、多量を運搬するには加圧して鉄製のボンベを運ぶことになる。例えば、最も一般的な水素ボンベ(7000リットル:重さ約53kg)に加圧して満杯にすると水素自体は9kg程度だが全体で約62kg程度にもなる。水素を運ぶというより、容器のボンベを運ぶことになるのである。あるいは極低温で液体にして運ぶ方法もある。この場合にも水素の沸点は-252.6℃と極低温なので冷却のための余分なエネルギーが必要となるし、容器も重くなる。いずれの場合にも、容器の方がはるかに重くなるのでそう簡単ではない。
7.水素をそのまま運ぶことに多くの問題があるので、水素をいったん安全に運搬できる別の物質に変換して、使用する場所まで運び、必要なときにまた水素を取り出す方法が研究されている。変換された物質を水素キャリァというが、水素キャリアとして注目されているのが「有機ハイドライド」や「アンモニア」である。
8.アンモニアは、引火燃焼や爆発のリスクが水素に比べて小さく、重量換算で17.6%と高い水素含有率を有していながら、水素と比べてかなり容易に液体にできるため、輸送に非常に適した水素キャリアである。アンモニアは20℃では、8.46気圧で液化するし、常圧でも-33.34℃で液化する。たとえば、燃料電池自動車に燃料としてアンモニアを搭載し、触媒を用いてアンモニアから水素を取り出して燃料電池に導入すれば、水素を燃料として搭載する必要が無くなり安全性や可搬性を確保できる。アンモニアを直接燃料電池の燃料として使用する研究も始まっている。
9.人工光合成で作った水素を、水素キャリアとしてのアンモニアに変える場合、新たな問題が出てくる。現在、アンモニア合成法として広く利用されているハーバー・ボッシュ法は、水素と窒素を直接、鉄を主体とした触媒上で反応温度400〜600℃、圧力200〜400気圧という過酷な条件で作っている。アンモニアを作るために消費されるエネルギーは極めて大きい。したがって、水素キャリアとしてアンモニアを活用するためには、より穏和で環境負荷の低い合成法を開発することが望まれている。
10.太陽光による人工光合成で、水を原料にして直接空気中の窒素を還元固定しアンモニァを生成することができれば理想的である。



yuji5327 at 06:43 

2017年08月12日

電気自動車になると使用する部品の数も10分の1程度になる。トヨタを頂点とした3万社の業者にどう対処するかが課題である。

2017/8/11付けの大前研一さんの「ニュースの視点 」(発行部数 167,027部)は「トヨタ自動車/日産自動車/中国自動車大手/韓国・現代自動車〜トヨタは全方位ではなく迷走している」と題する記事で興味深い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.トヨタ自動車とマツダは資本提携を正式に発表した。電気自動車(EV)の共同開発や米国内で新工場の建設を今後検討するとのことで、自動車技術や排ガス規制など競争環境が大きな転換点を迎える中で、トヨタは全方位の提携で生き残りを図る。
2.トヨタは迷走していると思われる。ハイブリッド車が成功したので、現状は悪くないが、将来に懸念を感じる。電気自動車の開発で遅れを取り、自動運転、水素自動車の分野では、さらに遅れている。
3.テスラが新モデルを発売するなど、電気自動車市場で躍進し、すでにこの分野では勝負あったという状況である。将来の水素自動車はどうするのかを考えなくてはいけない。
4.今さら電気自動車で、マツダと提携して共同開発では遅すぎる。トヨタはハイブリッド車が上手く行き過ぎて、電気自動車の開発が遅れたことが今になって影響が出ている。全方位戦略と言えば耳あたりは良いが、方向感覚を失っている。
5.今後のトヨタにとって大きな課題は3つある。1つは「電気自動車」、について、どう考えるか。2つ目は「シェアリング・アイドル」で、自分で持たない市場が大きくなると、
自動車販売台数は3分の1程度になると予想され、この需要の減退について、どう考えるか。3つ目は「自動運転」で、レベル4の自動運転が実現すると、自動車の数は激減する。スマホで予約して自動運転の車が来てくれる、という世界になることをどう考えるか、である。
6.電気自動車になると使用する部品の数も大きく減る。10分の1程度になるとも予想される。この部品需要の激減に対して、トヨタを頂点とした3万社の業者にどう対処するか、トヨタはどう責任を取る、という課題もある。
7.世界の自動車販売台数を見れば、マツダを加えることで、フォルクスワーゲンを10%程度抜いてトップになるが、これは短期的な話に過ぎない。マツダと提携して、電気自動車の開発というレベルの話ではなく、もっと未来の危機感を抱くべきである。
8.日産自動車が発表した2017年4〜6月期の連結決算は、営業利益が前年同期比12.8%減の1533億円だった。国内販売が好調だった一方、カルソニックカンセイが連結対象から外れたほか、北米市場で実施した販売奨励金によるコスト増加が響いたと見ているが、甘い見方である。
9.北米日産は、50%弱をレンタカー会社に供給している。そのような提供をすることで
販売台数を水増ししているとも言える。浮かれている場合ではなく、増収減益になった理由は北米にあり、日産の北米がどのくらい崩壊しているのか、注意深く見守る必要がある。10.日経新聞は2日、「中国、自動車3社に統合構想」と題する記事を掲載した。これは、中国国有自動車大手の中国第一汽車集団と中国長安汽車集団の経営トップが入れ替わる人事が明らかになったと紹介した。東風汽車公司を含めた3社間でトップが持ち回りのように交代しており、中国では3社が経営統合を視野に入れたとの見方が浮上している。かつて鉄鋼会社同士でも似たようなことがあったが、国策会社として大同合併をするという流れである。
11.中国のメーカー別自動車販売台数を見ると、VW、GM、日産、本田など外資系との合弁企業がトップから名前を連ねている。逆に言うと、外資系の資本が入っていない企業は非常に規模が小さい状況である。
12.今の中国の動きを見ていると、外資系企業と袂を分かち、自分たち自身で電気自動車を世界に輸出して大きくなるという布石のようにである。合弁会社を作ってきた外資系企業からすれば、今まで信じて一緒にやってきたのに、技術だけ盗まれて終わり、という可能性が出てきている。
13.電気自動車が普及し、内燃機関の自動車は2025年以降販売できないとなったら目も当てられない。その意味で、「また中国にやられるのか」という戦慄が走っている。今後、中国がどの程度乱暴に外資を排除しにくるのか、注目する必要がある。
14.産経新聞は先月24日、「韓国・現代(ヒュンダイ)自動車が「自壊」危機」と題する記事を掲載した。今年上半期の最重要市場の中国での販売台数が前年同期比でほぼ半減していると紹介。同社は中国販売の急減は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備に対する中国側の報復措置の影響と説明しているが、現代自動車自体の競争力も低下している現状で、労働組合は6年連続のスト実施を決定していることなどを含め、韓国の製造業を代表するガリバー企業は「自壊」の危機にひんしている。
15.米国市場をみるとよくわかるが、現代自動車の特徴は、それほど質と価格が高くないということである。明らかに、日本車や欧州車の下の値段で勝負している。その意味では米国のような市場で競争するには、魅力的なものではなく、実際2回ほど米国市場からは撤退をしている。
16.低い価格帯のブランドとして買収した起亜自動車などを活用し、世界戦略は成功してきた。途上国、インド、トルコ、そして中国市場での成功が大きな要因になっていた。その中国市場で傷ついてしまったので、今の状況は非常に厳しい。





yuji5327 at 06:40 

2017年08月10日

太陽光から水素へのエネルギー変換効率(STH)は、すでに10%を超えており、最近では多接合型太陽電池を用いて22.4%である。

「光化学協会編:夢の新エネルギー:
人工光合成とは何か、講談社、2016年」は参考になる。「第8章:人工光合成の展望」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.太陽光によるエネルギー獲得には、‥杜論言、太陽電池:Si、化合物半導体、多層膜色素増感、ペロブスカイト、有機薄膜など、⊃郵光合成:燃料・化学原料の生成、)植物の利用・改変、金属錯体による人工光合成、半導体光触媒:ホンダーフジシマ効果、がある。
2.太陽電池については。最近の注目すべきは、ペロブスカイト型太陽電池の急進展である。桐蔭横浜大学の宮坂力教授の研究グループは、2009年、有機物と無機物が混合した化合物である(NH3CH3)Pbl3がペロブスカイト型結晶構造をもち、可視光照射による太陽電池の特性をもつことを初めて報告した。以来、世界中の研究者が研究に参入し毎年のようにそのエネルギー変換効率記録が更新されており、2016年3月時点で、22.1%にまで達している。
3.他の太陽電池でも多接合型太陽電池は46%までの高効率に届いている。太陽光から水素へのエネルギー変換効率(STH)だけから見ると、1982年の段階ですでにSTHは10%を超えており、2001年には18.3%にも達している。最近では多接合型太陽電池を用いて22.4%という報告も出ている。
4.太陽電池を用いて水を分解する方法は簡単ではない。そこには実用化への視点で重要な問題点がある。再生可能エネルギー因子REFは必ず1を超える必要がある。1以下ならば、エネルギーを獲得するために投入したエネルギー以下のエネルギーしか得られないことを意味するので、そんなことならば投入エネルギーをそのまま利用する方が良い。
5.人類がこれまで開発してきた文明の利器や、多くの新材料、新製品などは、製造コストに比べてそれ以上の価格で売れる良付加価値型のものである。現在のエネルギーシステムでは、全体の原油消費の中で実際にエネルギーとして消費されているのは約3分の2で、残りの3分の1は、エネルギーを使える形、例えば電力にするために使用されている。
6.人工光合成のエネルギー変換効率は10%を超えることが目標になっている。2000年頃からの東京大学の堂免一成教授、東京理科大学の工藤昭彦教授らの研究グループによる研究進展で加速度的なエネルギー変換効率向上が見られている。2016年初頭の段階で数%にまで達しており、実用化への議論が開始されている。
7.太陽電池による直接の水の電気分解を行う際に電極上に人工光合成で開発した分子触媒を配置して高効率に水素を発生させる報告が相次いでいる。二酸化炭素の還元についても半導体光触媒と金属錯体などの分子触媒を組み合わせて水とCO2を原料とし酸素とギ酸を生成する完全人工光合成系の報告例がある。エネルギー変換効率も急速に進歩した。
8.太陽光による水素生成やCO2還元固定化は、地球の気候変動の観点でも一日も早い実用化が望まれる。そのために、他の再生可能ネルギー科学技術と連携し、再生可能エネルギーを考慮しながら研究開発を展開することが期待される。


yuji5327 at 06:41 

2017年08月09日

スマホの有機EL化の特微は、薄さ、色再現性や動画表示性能だが、決定的な違いは形状の可変性であり、折り畳みや折り曲げ、さらには巻くことも技術的には可能である。

「中根康夫(みずほ証券シニアアナリスト)著:有機ELでサムスン独走、日本勢の反攻はあるか、
週刊東洋経済、2016.10.15」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.スマートフォン向けを中心に、有機ELの普及が加速している。この傾向は本物と見ているがリスクもあるので検.証したい。11インチ以下の中小型フラットパネルディスブレーの生産能力はアモルファスシリコンが主流で、有機ELのシェアは現時点で約6%にすぎない。そのうちほとんど韓国のサムスンが占める。
2.有機ELと競合する液晶は、日本のジャパンデでスブレイをはじめ多くの企業が投資。シェアも10%程度と有機ELを上回り、米アップルをはじめ、ほぽすべてのスマホプランドが採用している。
3.有機ELを採用しているスマホブランドは、サムスン電子、中国のOPPO,Vivoなどが主体で、全体の2割程度である。この構図は、2017年、アップルがアイフォンに曲面パネルとなるフレキシブル有機ELを採用する動きで大きく変化する。
4.16年のアイフォン向け液晶ディスプレーパネルの供給は、JDIが8700万枚、韓国のLGディスプレイが8500万枚、シャープが5700万枚。一方、有機ELは、17年に5000万枚、多ければ8000万枚程度の供給が想定され、その全量をSDCが占める。SDCは現在、2つの工場でフレキシブル有機ELを生産しているが、さらに第6世代のライン拡張を実施、生産能力を現在の月産1.5万枚から17年末までに同12万〜15万枚に拡張する。
5.テレビ用の第7世代液晶ディスプレー工場の1部を閉鎖し、別途、月産6万枚程度の有機EL生産設備を導入すると予想される。これら一連の投資総額は2兆円程度にも及ぶ。このうち、アップル向けには月当たり9万〜10万枚の生産能力を割り当てる。これは5・5インチ換算で年間2.1億〜2.3億枚分に相当し、すべてのアイフォンに有機ELを採用したとしても間に合う。
6.SDCに後れを取らぬよう、LGDも動き始めた。規模こそ小さいものの、17年、18年と矢継ぎ早に第6世代の有機ELの生崖工場を稼働させる。2工場の合計月産能力は4.5万〜6.万となり、18年からアイフォンへ供給を始める町能性が高い。日本勢ではJDI、シヤープが試作ラインに投資しており、中国のパネルメーカーも多くの工場投資を計画している。有機ELの生産能力は18年第3四半期〔7〜9月}時点で液晶ディスプレーを抜き、20年末に全体の17%程度、現在の3.4倍程度に膨らむと予想。最大でスマホの約7割を賄える程度の生産能力となる。
7.スマホの有機EL化の特微は、有機ELは薄さ、色再現性や動画表示性能のよだが、決定的な違いは形状の可変性であり、将来的に有機ELは折り畳みや折り曲げ、さらには巻くことも技術的には可能である。折り曲げ可能な有機ELパネルはまだ量産可能な状況ではない。サムスン電子は17年に折り畳みパネルを搭載した機種の投入を計画しているが、アップルが導入するのは19年以降となる。
8.有機ELはコスト、消費電力、精細度などにおいても課題を抱えている。単に折り畳む程度であれば、液晶ディスプレーでも超薄型化の技術などを応用すれば対応可能だ。曲面パネルに関しては、アップルとSDCの契約期間は、投資規模などを勘案すると3年程度と考えられるが、実はアップルも自社でマイクロLEDなど、有機EL代替技術の開発を行っている。
9.有機ELが本格的に普及するには、サムスンとアップル以外の端末メーカーが追随するが、SDC以外のパネルメーカーが十分な供給体制を整えることが必要である。LGDは、投資はしているものの慎重な姿勢を崩していない。JDIやシャープは資金面で課題を抱えている。積極投資を行う可能性が高い中国メーカーに関しては、量産出荷の実績がなく、技術力でSDCに大きく水をあけられている。
10.SDCが先行者利益の独占に走れば、出遅れた日本のパネルメーカーの反攻の芽が潜んでいるかもしれない。



yuji5327 at 06:42 

2017年08月08日

2050年頃の世界のエネルギー需要の3分の1を人工光合成プロセスで製造したソーラー水素でまかなうには、日本列島の15分の1の面積で済むので非現実的ではない。

「光化学協会編:夢の新エネルギー:
人工光合成とは何か、講談社、2016年」は参考になる。第7章:人工光合成大規模プラント実現への挑戦」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ホンダ・フジシマ効果の発見以来、半導体光触媒を用いて水素を作る方法の実用化への検討が進んでいる太陽エネルギーを利用して水を分解して得られる水素はソーラー水素とよばれている。
2.ソーラー水素製造の実用化には経済性が必要である。経済産業省は、2020年頃に水素の価格を450円/kgにすることを目標としている。2015年時点で、燃料電池自動車用水素の水素ステーションでの値段は1000円/kgである。米国エネルギー省は水素供給価格の目標を200〜400円/kgと定めており、日本の価格目標に近い。
3.2013年に米国で種々の形式のソーラー水素製造プラントの水素の販売価格について分析されている。ソーラー水素の作り方は、半導体光電極を用いる方法と粉末光触媒を水の中に分散させて用いる方法がある。光触媒電極を用いた場合に、太陽光水素エネルギー変換効率(STH)が10%を達成でき、水素の価格は160〜1040円/kgになる。STHとは、全太陽光入射エネルギーのうち、水素に蓄えたかを示す指標である。
4.いずれの方法でも、10%程度以上のSTHを達成することが、水素供給価格の目標を満たすうえで必要である。半導体光触媒でSTHが10%に達するには、量子収率という吸収で生成した電子とホールがどれだけの割合で反応に使われたかを示す指標を上げる必要がある。
5.太陽エネルギーは入射強度が時問帯や天候や季節により大きく変動し、エネルギーが豊富な地域も砂漠地帯に偏在している。太陽エネルギーを利用するには長期間の貯蔵や長距離の輸送技術が必要である。体積が大きくなる気体のソーラー水素はそのまま輸送するのではなく、触媒プロセスを用いていったん炭化水素やアンモニアなどの液体燃料に変換して輸送し、そのまま利用したり、水素に戻したりして利用することが想定さる。
6.太陽エネルギー強度の強いサンベルト地帯(アメリカ合衆国南部、ほぼ北緯37度以南の温暖な地域フロリダ州、ジョージア州など)で、25km^2の規模の人工光合成型ソーラー水素製造プラントが10%のSTHで稼働する場合、1日あたり5100トンの水から570トンの水素が製造される。これを分離・精製して貯蔵や輸送が容易な液体燃料に物質変換し、消費地まで運送して利用することか想定される。
7.2050年頃の世界のエネルギー需要の3分の1を人工光合成プロセスで製造したソーラー水素でまかなうには、25万km^2の面積が必要となる。この面積は、日本列島の面積:377万7900km^2なので日本列島の15分の1の面積で済む。アフリカのサハラ砂漠の面積は約940万km2なのでその37分の1で良い。ソーラー水素製造プラントの建設は、決して非現実的ではない。
8.ソーラー水素製造プラントで使う大規模な人工光合成装置のイメージは、粉末光触媒の粒子が固定化されたシート状のデバイスを作り、それを太陽電池のようにモジュール化し、パネルの上に並べる。シート状のデバイスを「光触媒シート」とよび、それを並べて水を入れ、発生した水素を集めるしくみを「人工光合成パネル」とよぶ。
9.粉末光触媒をガラス基板や柔軟な膜上に塗布・固定化すれば、パネル状、シート状の光触媒として利用できる。このシートを水に浸して光を当てるだけで、水素と酸素が発生する。可視光で水を水素と酸素に分解することができる光触媒の窒化ガリウム酸化亜鉛固溶体を光触媒シートにするには、シート状に固定化された光触媒をそのまま水に浸漬させただけでは、粉末光触媒をそのまま懸濁させた場合と比較して水を分解する活性が落ちる。10.理由は、光触媒粒子が緻密に積層するために、光触媒粒子の隙間に水が浸透しにくくなったり、生成した水素や酸素の気泡が光触媒層から出にくくなる。そこで、親水性の二酸化ケイ素粒子を光触媒粒子に混ぜて光触媒パネルを作製したところ、粉末をそのまま水に懸濁させた場合と同じ程度の水分解速度を示す。シリカ粒子の添加効果はシリカ粒子の粒径が大きいほど高い。粒径が大きな親水性の二酸化ケイ素粒子が混じることにより光触媒粒子層に十分な空隙が生じて気泡や水の出入りが改善され。
11.光触媒粒子をシートに層として固定する手法を検討することで、粉末のまま光触媒を使ったときと同じ水分解速度を発揮する光触媒パネルを作製することができるので、将来大規模なプラントで用いる光触媒パネルの作製に活用できる。
12.粒子転写法という方法を用いて金属膜上に固定化した光触媒シートが開発された。この方式では、光触媒粒子と金属膜などの導電層の間に十分な機械的強度があり電気的導通性も良いものを作ることができる。
13.金属膜を用いた光触媒シートの一般的な作製手順はシンプルで、まず、水素を生成する光触媒と酸素を生成する光触媒のそれぞれの粉末の混合物をガラス基板などに塗布する。次に、光触媒粒子の層上に金属膜などの導電層を製膜する。その後、光触媒粒子層・導電層の接合体を別の基板に転写する。最後に、超音波処理などにより余分の光触媒粒子を取り除く。これで、水素生成光触媒と酸素生成光触媒の粉末が導電層に埋め込まれた光触媒シートを簡単に作ることができる。
14、この方法では、理想的には光触媒粒子が1層に並んだ配置となり、電子が縦方向に粒子と金属膜の間を移動するだけなので電気抵抗の少ない光触媒と導電層の接合体を得ることができる。


yuji5327 at 06:33 
池上技術士事務所の紹介
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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