新技術

2018年09月18日

日本の護衛艦はヘリコプター搭載型で、ヘリコプターを多数積んで航行する。甲板が広いので、戦闘機や爆撃機を飛び立たせることもできるので空母とも言われる。

「池上彰著:
知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)
池上 彰+「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
SBクリエイティブ
2018-02-06

知らないではすまされない自衛隊の本当の実力、SB新書、2018年2月」は参考になる。「第2章:自衛隊は憲法と矛盾する存在なのか」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.1954年、今から64年前、名称が変わり。遂に自衛隊が誕生した。それまでの保安隊は陸上自衛隊になりました。警備隊は海上自衛隊に、このとき初めて航空自衛隊が新設された。
2.自衛隊の誕生の背景には、アメリカからの圧力があったと考えられる。1953年7月、朝鮮戦争が休戦状態となった。これによって、アメリカがつくっていた大量の兵器が残ってしまった。アメリカの思惑としては、それを処分しなければいけない。そこで日本に経済支援を行う代わりに防衛力を増強しろと言って、装備を買うように求めたのではないかといわれている。
3.日本としても防衛力の増強を決断して新たに法律、自衛隊法を作った。こうして朝
鮮戦争勃発からわずか4年で自衛隊が誕生した。規模も大きくなり、当時は約15万人の組織になった。自衛隊はアメリカの要求に押されるかたちで装備が拡大され、年を追うごとに徐々に巨大な組織になっていった。
4.誕生した自衛隊は、憲法9条との整合性を保つため、旧日本軍で使っていたさまざまな呼称や外国軍が使っている名称は、警察予備隊になったと同時に変えられた。陸上自衛隊普通科。陸軍といえば歩兵、陸上自衛隊といえば、一般的には歩兵部隊である。
5.自衛官の呼び方は、陸上幕僚長、陸将、陸将補とあるが、この三つを外国の軍人の呼び方で言うと、大将、中将、少将に相当する。その下は大佐、中佐、少佐だが、そのまま使うことはできないので、1等陸佐、2等陸佐、3等陸佐という呼び方にした。
6.軍隊ではない自衛隊の装備について、海外で物議をかもした。2014年9月、最大の護衛艦「かが」と同型の「いずも」の性能試験が行われたときに、中国で「日本の空母【「いずも』、海上試験繰り返す。攻撃型の実力備える」と報道された。空母とは航空母艦の略で、飛行甲板を持ち、航空機が運用できる船のことである。日本の護衛艦はヘリコプター搭載型だから、ヘリコプターを一杯に積んで航行する。甲板が広がっていれば、戦闘機や爆撃機をここから飛び立たせることもできるので空母だろうといわれている。
7.防衛省の説明は「大規模災害や国際緊急援助にも使える多目的艦で、打撃力を持つ戦闘機を載せる構想がない」で、戦闘機は載せないので、攻撃型空母ではない。日本は以前、攻撃型空母を持ってはいけないという政府見解を出している。「攻撃的兵器を保有することは、自衛のための必要最小限度の範囲を超えることとなるため、いかなる場合にも許されない。たとえば、大陸間弾道ミサイル、長距離戦略爆撃機、攻撃型空母の保有は許されないと考えている」。


yuji5327 at 06:47 

2018年09月15日

16式機動戦闘車は一般の戦車と違う。走行用ベルトの代わりにタイヤになっており、、有事の際、高速道路を走り、速やかに目的地に到着できる。16式機動戦闘車なら時速100kmは出せる。

「池上彰著:
知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)
池上 彰+「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
SBクリエイティブ
2018-02-06

知らないではすまされない自衛隊の本当の実力、SB新書、2018年2月」は参考になる。「第1章:知らないでは済まされない国防の要、自衛隊の基礎知識」の「3.陸上自衛隊」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.陸上自衛隊は全国158ヵ所に拠点を持ち、約13万5000人の陸上自衛官が配置されている。海上自衛隊や航空白衛隊と違って、陸上自衛隊のいる場所は基地とは呼ばない。駐屯地、あるいは分屯地と呼ぶ。規模の大きさで呼び方が変わり、大きいものは駐屯地、小さいものは分屯地である。
2.基地とは、戦闘機が離着陸する滑走路や艦艇が停泊するための港など、移動できないものがある場所のことである。陸上自衛隊の部隊は、もし有事になれば、作戦ごとに移動して展開する。その場所にずっといるわけではなく、あくまで「現在はここにいる」というので、駐屯地という名前になっている。
3.駐屯地や分屯地は、大きく5つの方面隊に分かれており、北部方面隊、東北、東部、中部、西部と5つの方面隊に分かれて、それぞれの地区を各方而隊が中心となって守る。首都東京を守るのは東部方面隊で、その中でも、主に首都防衛にあたるのが練馬駐屯地の陸上自衛隊第1師団である。
4.この部隊は都市部における市街戦を想定している。有事の際には敵のゲリラ部隊が侵入してくるかもしれないので、市街地での戦闘ということが起こり得るので、装備を軽くして機動力を重視している。方面隊によって、さまざまな特色がある。
5.最近は、自衛官や装備の配置なども大きく変わってきている。たとえば北朝鮮、あるいは中国からの攻撃や侵攻に備えて、南西地域の防衛体制を強化した。その動きの一環として、2016年3月、日本の最も西の端にあたる沖縄県の与那国島に、新しく駐屯地をつくっている。
6.2017年秋には、中部方面隊や西部方面隊に新装備が配備されました。それが16式機動戦闘車、一般の戦車とはっきり違う。走行用ベルトの代わりにタイヤになっている。理由は、有事の際、速やかに目的地に到着できるようにするためである。走行用ベルトを装着していると高速道路を走るわけにはいかない。タイヤなので道路を傷めることもなく、高速道路を走っても問題ない。戦車の場合、最速で時速70キロ程度だが、16式機動戦闘車なら時速100kmは出せる。海外にもこのようなタイヤを使った機動戦闘車はあるが、高速で走りながら横に向けて主砲を撃てるという能力は、世界でも16式機動戦闘車が一番優れている。
7.陸上自衛隊が持つ戦車などには、全て名前の頭に数字が付いている。74式、90式、10式、16式といった具合で、この数字は西暦の年号で、それぞれその年から配備されるようになったことを表している。74式は1974年から使われるようになった。90式は1990年、10式は2010年、そして16式は2016年から使われている。
8.零式艦上戦闘機。読み方は零。ゼロは英語。レイシキを、アメリカではゼロファイターと呼んでいたのです。戦後になって、これを「ゼロ戦」とみんなが呼ぶようになった。零式は。戦時中の皇紀2600年(西暦1940年)に配備された。皇紀は天皇の「皇」という字と紀元の「紀」を合わせたもの。神武天皇が即位した年を元年とした日本独自の年号である。



yuji5327 at 06:46 

2018年09月13日

F-35Aの機体には、さまざまな方向に赤外線カメラが組み込まれている。その赤外線カメラはヘルメットと連動していて、パイロットが下を向くと、真下の光景が映し出される。

知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)
池上 彰+「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
SBクリエイティブ
2018-02-06

「池上彰著:知らないではすまされない自衛隊の本当の実力、SB新書、2018年2月」は参考になる。「第1章:知らないでは済まされない国防の要、自衛隊の基礎知識」の「2.航空自衛隊」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本は最新鋭の戦闘機をアメリカから購入した。最新鋭ステルス戦闘機、F-35Aである。敵のレーダーに映りにくいという特徴を持つ、つまり敵に見つかりにくいことからステルスという。
2.次世代の主力戦闘機といわれるF-35Aの値段は1機約140億円。これを自衛隊では42機、調達する予定。
3.この戦闘機のシステムで画期的なのは、パイロットがかぶるヘルメットである。値段は一つで約4500万円もする。透明なバイザー。ここにさまざまな情報が映し出される。飛行機の高度や速度、あるいは飛行針路などの情報である。
4.F-35Aの機体には、さまざまな方向に赤外線カメラが組み込まれており、いろいろなところを映し出している。その赤外線カメラはヘルメットと連動していて、パイロットがたとえば下を向くと、真下の光景が映し出される。本来、そこには機体があるので下は見えないはずだが見える。
5.パイロットが顔を動かせば、コックピットにいながら上下左右360度、全て見渡せる。真後ろも見える。赤外線カメラなので、昼も夜も関係なくはっきりと敵を認識することができる。最新鋭の戦闘機なども導入して、航空白衛隊は日本の空を守っている。


yuji5327 at 06:48 

2018年09月10日

P-3Cのもう一つの役割は、災害時にいち早く飛び立って状況を把握し、情報を伝えることである。東日本大震災のときに、P-3Cで津波は確認できた。

「池上彰著:
知らないではすまされない自衛隊の本当の実力 (SB新書)
池上 彰+「池上彰緊急スペシャル!」制作チーム
SBクリエイティブ
2018-02-06

知らないではすまされない自衛隊の本当の実力、SB新書、2018年2月」は参考になる。「第1章:知らないでは済まされない国防の要、自衛隊の基礎知識」の「1.海上自衛隊」の印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.全国に4万人以上いる海上自衛隊の使命は、第1に、国際平利協力のための活動。そして何より大切なのが、国土の防衛と海上交通の保護である。国土の防衛とは、有事、つまり外国からの侵略などがあったとき、海や空からの脅威に備えることである。また海上交通の保護には、日本経済を支えるという意味がある。日本は海外からの輸入の9割以上を海上輸送に頼っているので、それが止まってしまったら経済は大打撃を受ける。日本に運ばれるさまざまな物資が安全、確実に届くように民間の船を警護するのも海上自衛隊の重要な使命の1つである。
2.2009年から中東・アフリカのソマリア沖で海賊対策を実施することになり、海上自衛隊の船が派遣された。ソマリア沖は日本から遠く離れたところだが、日本に関係する船だけでも年間1600隻以上が航行する。日本にとっても大事な海上交通の保護となるので、これも海上自衛隊の任務で、民間の船などを守るために派遣されたのが、護衛艦と哨戒機P-3Cである。
3.この哨戒機P-3Cの部隊は海上自衛隊八戸航空基地に配備されている。海上自衛隊なのに八戸航空基地なのは、P-3Cを運用するための維持整備を行うための基地だからである。哨戒機とは、空から潜水艦や外国の軍艦などを警戒監視したり、怪しい船がいないかどうか見たりする。自然災害が起きたときは、たとえば津波の様子を空から撮影する、あるいは、事故が起きたときに人を救助することもある。
4.レーダーが前と後ろに2つ付いており、2つを組み合わせてタイミングよく作動を合わせることで、回っているように機内では見える。潜水艦のペリスコープを、海の上から探す能力がある。赤外線のアーズと呼んでいる暗視カメラで監視する。.
5.胴体随方の下部はボンベイドアと言う爆弾倉があり、魚雷や機雷を搭載することができる。ここから不審船に対して前方に、当てるわけではなく、逃走阻止のために爆雷を投下する。能登半島沖に不審船が現れる事件が起き1999年3月、初めて「海上警備行動」が発令され、八戸から飛びったP-13Cが不審船の針路を妨害するために爆弾を投下した。
6.P-3Cは、毎日、空からの監視飛行を行っている。P-3Cは海上で見つけた船舶に接近してカメラで撮影し、どんな船舶なのかを識別する。数秒間で小さな窓から撮影し、不審な船かどうかを判断する。
7.最大の特徴は、ソノブイというもので、それに火薬をつけて、射出する。空を飛びながら海の中を航行する潜水艦を探し出せるのがP-3Cの最大の特徴である。投下され、海中に向けて出す信号で周辺にいる潜水艦を見つける。P-3Cの潜水艦を探し出す能力は世界屈指である。
8.P-3Cのもう一つの役割は、災害時にいち早く飛び立って状況を把握し、情報を伝えることである。東日本大震災のときに、津波が一気に海岸に押し寄せてくる映像が公開されたが、あれは現場の上空から海上自衛隊のP-3Cが撮影した映像だった。たまたま地震発生時に飛んでいて、連絡を受けて現場に急行した。津波は確認できた。
9.漁船か海賊か、見分けるポイントは、ソマリア沖に出没する海賊は、海賊とわかるようなマークを付けずに、漁船を装って近づいてくる。油断をしていると、タンカーや貨物船に乗り込んできてその船を制圧する。そうなる前に、空からするために、P-3Cが近づいて上空から写真を撮る。布に包まれたハシゴらしきものが見えると海賊と見極め、連絡をする。
10.P13Cが配備されている八戸航空基地には、災害時に私たちを援助してくれる陸上部隊、機動施設隊がある。2016年4月の熊本地震のとき、この部隊は、陸路で約52時間かけて現地に駆けつけ、復旧活動を行なった。
11.海上自衛隊の自衛官は、船舶や潜水艦に乗りっぱなしで、今日が何日なのか、何曜日なのか、わからなくなる。そこで週に1度、金曜日には必ずカレーライスを食べて、「今日は金曜日だ」という曜日感覚を取り戻すようにしている。「海軍カレー」といわれるもの
で、旧日本海軍からの伝統である。基地ごとにそれぞれの特徴を生かしたオリジナルのカレーがあり、「うちが一番おいしい」と競っている。
12.海上自衛隊には、ほとんど情報が公開されていない部隊、特別警備隊がある。主な任務は、武器や違法物資などを積んでいると思われる不審船に乗り込み、立入検査や武装解除をする。特別警備隊は、アメリカ海軍の精鋭部隊であるネイビーシールズやイギリス海軍のSBSを参考にしてつくられた。


yuji5327 at 06:30 

2018年09月09日

AIは、ニュートンと同じ疑問を抱くことはない、リンゴが木から落ち、月が天空に留まっている動画を見せても、万有引力と力学法則で説明できる、と答える。

「野口悠紀雄著:
超独学法、AI時代の新しい働き方へ、KADOKAWA,2018年7月10日」は参考になる。「第10章人工知能の時代に独学の必要性はたかまる」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.AI時代に重要なのは、私が知りたいことは何なのか、あるいは、私がすべきことは何なのか、ということである。知識の探求における、最も重要な課題で、その人がそれまで習得した知識と問題意識によって決定されることである。何を知るべきかという方向を決めることが最も重要な課題で、AIによっても解決できない問題である。
2.検索語をいかに選ぶかが重要で、1つの言葉ではなく、文にする必要があるが、問題意識がないとできないことである。問題意識なしに検索すれば、知識の海に溺れる。
3.自動翻訳が発達しているが、外国語の勉強は必要なくならない。自動翻訳では微妙なニュアンスは伝えられない。また、正確な翻訳が必ずしもよいわけではない。文学作品であれば、翻訳された作品と本物は別のものである。ゲーテのファウストは、ドイツ語でしかその真価を理解することができない。英語に翻訳しただけでその価値が大きく減少してしまう。いかに自動翻訳が発達しても、外国語を習得することが必要である。外国語を使える能力は、どんなにAIが発達しても要求される。
4.フランシス・ベーコンは、「知識は力なり」と主張したが、「もはや知識は必要なくなった」という見方がある。グーグルの元CIO(最高情報責任者)のダグラス・C・メリルは、「知識は力なり』の時代」は、「古きよき時代の想い出でしかない」と書いている。インターネットの普及で知識は簡単に手に入るようになったから、知識は経済的価値を失ったと言う。
5.知識は外部メモリにあればよいという意見もある。物知りの価値は低下した。「歩く百科事典」は要らなくなったと言われるが、知識の価値そのものが低下したとは思わない。理由は、新しい情報に接したとき、それにどのような価値を認めるかは、それまで持っていた知識による。新しい情報に接しても、知識が少なければ、何も感じない。しかし、知識が多い人は、新しい情報から刺激を受けて、大きく発展する。
6.新しいアイデアを発想するためには知識が不可欠である。既存の知識と問題意識のぶつかり合いでアイデアが生まれる。その場合、知識が内部メモリにあってすぐに引き出せるようになっていないかぎり、それを発想に有効に使えない。したがって、アイデアの
発想のためには、多くの知識を内部メモリに持っていることが必要である。
7.知識が必要だと考える第2の理由は、質問をする能力を知識が高めるからである。何かを知りたいと思うのは、知識があるからで、質問を発することによって、探求が始まる。知識が乏しい人は、疑問を抱くこともなく、探求をすることもなく、いつになっても昔からの状態に留まる。質問を発することによって探求が始まる。
8.ニュートンは、リンゴが木から落ちるのを見て、「リンゴは落ちるのに、なぜ月は落ちないのか?」との疑問を抱いた。そして、ここから力学法則が導き出された。創造的な人は、それまで他の人がしなかった問いを発することによって、新しい可能性を開く。
9.AIは、ニュートンと同じような疑問を抱くことができるかというと、リンゴが木から落ち、月が天空に留まっている動画を見せたとしても、「その2つは、万有引力と力学法則で説明できる現象であり、何も不思議なことはない」と答えるだけではなる。
10.これまで知られているあらゆる法則をAIに学習させ、それと矛盾する現象をAIが指摘することは可能かというと、ニュートンが抱いた疑問は、これとは異質のものである。彼が見た現象は、自然法則と何ら矛盾するものではなかったのである。ニュートンと同じような疑問を抱けるAIが将来作られる可能性は否定できない。しかし、そうした機械は、簡単には作れない

yuji5327 at 08:59 

2018年09月05日

パーカー探査機は出発から3カ月ほどでコロナに飛び込み、12月上旬には最初のデータを地球に送ってくる予定である。何年もかかる惑星探査に比べると、かなりスピーディーである。


「エイミー・トンプソン著:NASAの探査機、太陽に挑む、Newsweek,2018.09.04 」は興味深い。概要の続きを自分なりに纏めると以下のようになる。
1.「太陽フレアや太陽風を引き起こすエネルギーは太陽の磁場によるものらしい」とバイアルは言う。「磁場がなんらかの形でエネルギーを生み出し、太陽の大気内に蓄積し,やがて放出すると考えられる」。
2.探査機は磁気計を搭載しており、エネルギー放出直後の磁気の状態も計測できる。それで大きな手掛かりが得られるかもしれない。このようなデータを集めれば、宇宙の「天気予報」の精度も増すだろう。
3.探査機はもうーつの謎、太陽のコロナはなぜあれほど高温なのかという疑問に答えるヒントも見つけてくれそうである。60年前のパーカーを悩ませた大きな謎である。地球の磁気圏外まで探査機を飛ばせなかった時代にも、太陽の周辺が表面より300倍も高温なのは知られていた。どう見ても自然界の法則に反している現象だと、ジョンズ・ホプキンズ大学の応用物理学研究所に所属するフォックスは言うが、どうしてなのかは、まだ誰にも分かっていない。
4.パーカー自身は、コロナの高温は太陽の表面で起きるナノフレアという微小な爆発現象によるものと考えている。探査機はコロナの中を飛んでナノフレアの形跡を探す。「パーカー探査機の任務は,いわば太陽に温度計を突っ込むことだと、バイアルは言う。「今までは写真の分析で温度を推測していたが、それだけでは分からないことか多い」。
5.パーカー探査機は出発から3カ月ほどでコロナに飛び込み、12月上旬には最初のデータを地球に送ってくる予定である。何年もかかる惑星探査に比べると、かなりスピーディーである。探査機にその名を冠せられたユージン・パーカーは、今度のミッシヨンをどう考えているのだろう。「ワクワクするよ、今までは探索できなかった宇宙の領域を調べられるのだから」。と語っている。
6.「太陽風の中で何が起きているのか、より詳しいデータが得られるだろう。きっと驚くべき発見があると思う。それが宇宙の常だ」と言う。


yuji5327 at 06:37 

2018年09月04日

最後は太陽系で最も大きく謎めいた太陽である。その太陽にNASAがいよいよ挑み、特大ロケット「デルタ4ヘビー」が打ち上げられた。


「エイミー・トンプソン著:NASAの探査機、太陽に挑む、Newsweek,2018.09.04 」は興味深い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.たき火が熱過ぎたら.一歩下がればいい。これは常識であり、物理学的にも正しい。しかし太陽にはこの常識が通じない,太陽の場合は表面よりも大気層(コロナ〕のほうが熱い。こうした宇宙をめぐる謎の解明に取り組んでいた若きユージン・パーカーは太陽は継続的に高温の粒子を噴き出しているとひらめいた。.
2.これが、太陽風となって地球まで届くと、オーロラを出現させたり、送電線や通信衛星に悪影響を及ぼしたりする。たき火のパラドックスは解けなかったが、当時30歳のパーカーはこの発見で博士号を取得し、一流の天文学者と認められたのは1958年のことである。
同じ年、アメリカの科学者たちは太陽系で探査すべき14の天体をリストアップして.以来60年.NASAはそのうちの13に探査機を送った。月、小惑星、水星、から海王星まで、私たちが知る全ての惑星を探査し、準惑星に格下げされた冥王星にも接近した。
3.最後に残ったのが太陽系で最も大きく最も明るく最も謎めいた天体;太陽である。その太陽にNASAがいよいよ挑む。8月12日、フロリダ州のケープカナベラル空軍墓地から、先端部分に乗用車サイズの探査機を搭載した特大ロケット「デルタ4ヘビー」が打ち上げられた。
4、切り離された探査機は既に地球の軌道を離れ、探査機史上,最高の時速69万kmにも達するスピードで太陽を目指している。目的は私たちの太陽系の中心で燃える.巨大な物体を間近で、7年間にわたって観察することである。.
5.探査により太陽の仕組みの解明が進み、ひいては銀河系のかなたの天体への理解も深まると期待されている。「太陽は地球上では再現できない自然の実験室」だと、ゴダード宇宙飛行センターのニコリーン・バイアルは言う。「遠くの星を眺めて星が発する光を観察することはできても、その星へ探査機を送って観測することはできない」。でも太陽なら、距離的には不可能ではない。「パーカー太陽探査機」と命名された今回の探査機は、別の意味でも.画期的である。NASAの発足以来、存命の科学者の名が探査機に付けられるのば初めてのことである。その科学者こそ、太陽風の存在に気付いたユージン・パーカー(91)である。
6.これまで探査を拒んできたのは、すさまじい熱である。太陽に近づいて調査するには、宇宙船の太陽に面する部分が1370℃もの高温に耐えなければならない。従来の探査機は低温に耐えるよう設計されていた。カメラやサンブル採取装置や磁力計などの精密機器を守れる耐熱シールドか聞発できなければ、探査計画は立てられない。
7.「技術が夢に追い付くのに60年かかった」と、プロジエクトに参加した科学者のニコラ・フォクスは言う。パーカー探査機の耐熱シールドは驚くべきテクノロジーのたまものである。幅2.4mのフリスビーのような形状で、炭素繊椎強化炭素複合材(テニスのラケットに便われる素材に近い)の断熱材が2層になっている。2層に挟まれた厚さ11.4cmの中心部分は超軽量の炭素発泡体である。その97%が空気で、熱が伝わりにくい。シールド全体の重ささはわずか72kgに収まった。非常に強靭な構造を超軽最で実現した、とシールド開発の責任者ベッツイー・コングドンは言っている。
8.動力源は太陽電池だから,太陽の強烈な放射エネルギーに負けない電池の開発にも苦労した。NASAはソーラーパネルに管を巡らし、加圧水を循環させる冷却システムを考案した。さらに人間の肩のように動くロボットアームにソーラーパネルを装着し、あまりにも高温になったときにはシールドの裏にしまい込める。
9.さらに困難なことは、宇宙空間は非常に寒く、太陽の近くでさえ寒い。だから探査
機には、パネルが影に人った時に冷却システムを凍結から守るヒーダーが付けられた。
出発から6週問後,パーカー探査機は太陽に2番目に近く,地球の隣の惑星である金昆のそ
ばを通り過ぎる。その6週間後には,高温でもやのかかった気体である太陽のコロナと初めて接触する。太陽の周辺で24回方向転換をし、金星付近で7回の接近通過を行う。
10.パーカー探査機は金星の重力によって減速する。太陽に突つ込まないためのブレーキである。そして探査機はゆったりしたらせんを描きながら、太陽の表面近くを滑空する。表面からの距離は約600万kmである。探査機はできるだけ長期間、デーダを地球に送り続ける。7年ほどでミッションが終了すれば、あとは燃え尽きる。
11.このミッションで、いくつかの重大な疑問の答えが見つかると科学者たちは期待する。まず,太陽はなぜ時に莫大なエネルギーを持つ粒チを噴出し、何百万kmも先まで送り届けるのかという疑問である。太陽フレアと呼ばれるこの予測できない現象は、地球に深刻な影響を及ぼす。太陽風と同じ働きで起こると考えられているが、そもそも太陽風についても分かっていることは少ない。
12.太陽風はどんどん速度を増し、地球などの惑星に到達するときは音速を超える。なぜ加速するのか。太陽の強力な磁場が関係するらしいが、詳しいことは不明である。


yuji5327 at 06:33 

2018年09月03日

新しい人工木材が優れているのは強度だけではない。レゾールは難燃性なので火災に強い。


「アビー・インテランテ著:本物を超えた?スーパー人工木材、Newsweek55, 2018/09/04」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1. この夏、世界各地で記録的な猛暑による山火事が続出している。炎に包まれて燃え落ちる森林の映像を目にしていると、木造建築の多い国の人々も不安に駆られる。朗報は、科学誌サイエンス・アドバンシズの記事である。中国の複数の研究機関の科学者が「燃えない人工木材」を開発した。天然の木材と同等の強度がある。
2.天然木材の強度が高いのは、リグニンという天然のポリマーが含まれているからである。リグニンは木の主要成分であるセルロースの小さな結晶を網目状に結び付ける。今回の研究では、リグニンの代わりに合成ポリマーのレゾールを使用し、レゾールも網目状の構造を持ち、結晶を結び付けて強度を持たせることができる。
3.この人工木材は結晶の構造を使用目的に応じて変えられる。レゾールが結び付ける結晶を追加したり種類を変えたりして、色や特性を変化させることが可能である。また、結晶が結び付いて硬化する際に天然木材の細胞に似た構造に変化するため、圧力を加えると天然木材と同様に反発する。
4.研究者は天然木材から着想を得て、その構造や特性を徹底的に模倣した。屋外のポーチや柵に用いられる既存の人工木材はプラスチックと木の複合素材で、強度が天然木材に劣る。それでも好んで使われるのは、染色や塗装、研磨の必要がないからである。
5.新しい人工木材が優れているのは強度だけではない。レゾールは難燃性なので,火災に強いという利点もある。米消防局によれば、16年にアメリカで発生した民家の火災は36万4300件。うち1800件で死者が、7000件で負傷者が出ている。さらに天然の木材とは違い、湿度や酸に対する耐腐食性があり、強度や硬さといった機能的特性が失われることはない。つまり最近になって増えている極端な気象現象にも耐えられる。断熱性もあるので、屋内の保温にも効果的であ。熱からの保護が必要な製造現場などでも使用可能である。。
6.バイオミメティック(生体模倣)素材の一種として、この新たなポリマー木材は過酷な環境下で天然木材の代わりに使われることを想定している。極端な気象現象が各地で観測されるなか、安全で快適な暮らしを守るためにも、こうした新建材の登場が期待される。



yuji5327 at 06:30 

2018年08月29日

工場が従来稼働していなかった休日や夜間にものづくりができ、米国がドイツから受注した製品のプログラムをその夜ドイツに送り、夜中に生産して翌朝納品も可能になる。


「入山章栄(早稲田大学准教授)著:シリコンバレーで最も有名な試作品工場、PRESIDENT、2018.8.13」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.世界最先端の技術が集まる米国シリコンバレーで、存在感を示す日本の試作品メーカーがある。京都府宇治市に本社を構えるHILLTOPである。同社は多品種少量生産のアルミ切削加工を手がける。強みは、圧倒的なスピード生産、発注から5日目の納品をうたい文句に、NASAやUBERなど名だたる取引先を獲得している。
2.日本本社も「試作専業のトップ企業」として広く知られ、月間に生産する試作晶は3000種以上。火星探査機、医療機器といった精密機械からアーティストのマイクスタンドに至るまで、多様な加工を手がける。その興味深い経営スタイルから、日本中から企業訪問が後をたたない。
3.工場らしくない工場では、昼聞にプログラマーが組んだデータをもとに、夜は無人状態で機械が自動加工を進行。人は翌朝、仕上がった製品を検品するだけ、というオンラインシステムが導入されている。
4.経営学の3つのキーワードは、第1は、「内発的動機」である。人がお金や昇進のためではなく、本心から「面白い、ワクワクする」と思える動機付けである。HILLTOPは社員の内発的動機を高めることを、根本の哲学としている。同社で初めて革新が起きたのは今から30年以上前に、創業者の次男、山本昌作代表取締役副社長が事業内容を刷新したことから始まる。
5.ルーティンワークに追われ疲弊するのではなく、人間本来の働きがいを取り戻したい、みんなが生き生.きと楽しく働ける会社にしたい。その一念で昌作氏が踏み切った改革は、受注の80%を打ち切り、事業内容を試作品の製造、すなわち多品種少量生産に完全に切り替えた。この時期には食費も切り詰め、3年間悪戦苦闘の日々だった。
6.昌作氏はオンラインシステムの導入を図った。まず、熟練工の技能を数値化、データベース化し、プログラムをつくった。そのうえでレンタルの機械を撤去し、かわりに最新のNC旋盤を設置し、パソコンと接続して自動運転するシステムをつくりあげた。現在、この「HILLTOP System」と呼ばれる制御プログラムは、息子の勇輝氏に引き継がれ、人工知能〔AI〕やロボット技術を使ってさらなる革新に繋がっている。現在では、365日24時間稼働する無人工場となった。
7.データの設計も、プログラミング画面をクリックするだけでできるまでに進化、言語入力すら必要ない。「入社したての新人でもできる、簡単な仕様になっている。プログラミングそのもののAlも進めており、23%はすでに無人化でできる」。このようにHILLTOPでは、AIや機械に作業を任せることによって、エンジニアたちは機械設計やシステムデザイン、プロダクトデザインなど、より付加価値と創造性の高い仕事を手がけられるようになった。
8.社内に併設された最先端の「Foo’s Lab〔フーズラボ}」では、デザイナーや研究者などとコラボレーションし、自社プロジェクトやクライアントのアイデアを自由に形にしている。最新製造マシンや工作ツールを一通り揃えたこの部屋は、エンジニアにとっては最高の仕事場であり、遊び場となっている。
9.受注した仕事に必要だから機械を買うのではなく、興味を持った機械を買って、これで何ができるかなと考えるのが同社のやり方である。このようなルーティンワークではなく、人間らしいワクワクする仕事をするという、親子2代にわたるHILLTOPの哲学と施策が、社員の内発的動機を高めた。
10.ルーティンワークにも大きな価値があるが、創造性が求められる現代社会において、ルーティンワークが若者など従業員の内発的動機を高めにくいのも事実である。米ペンシルベニア大学の著名経営学者アダム・グラント教授等の研究では、「内発的動機が高い人ほど、人は創造性が高まる」という結果が得られている。
11. HILLTOPの成功のカギを示す第2のキーワードは、「シェアードリーダーシップ」である。特定のひとりがリーダーになるのではなく、組織メンバー全員がそれぞれビジョンを持って自律的に動き、お互いに影響を与え合う。変化のスピードが速くなり、経営環境が不透明化した現代では、あらゆる仕事がプロジェクトベースで動くようになった。ひとりのリーダーがビジョンを掲げて変革をめざすより.メンバー全員がリーダーシップを発揮するほうが、成功確率やスピードは高まる。
12.取材した2018年5月、同社は組織を再編成したばかりだった。会社の部署を実質的に全部撤廃した。組織図としては残っているが、やりたいプ.ロジェクトがあれば部署に関係なく自由に参加できる。今、みんな大混乱に陥っている。会社の規模が急激に大きくなり、組織の生産性を高めようと効率化を進めたが、効率化するほど仕事が増えてしまうことに気づき、余裕ができた分、クリエーティブな仕事をしてもらいたかったが、暇になった組織はすぐ別の仕事を抱え込むので、組織そのものをなくした。
13.組織がないということは、上司も存在しない。誰かに言われた通り働くのではなく、社貝全員がリーダーシップを持ち、自主的にプロジェクトを動かさないと仕事が回らない。肩書は、社外活動の都合上、適当につける。リーダーシソプを発揮し、他人を巻き込むには、組織内の誰がどんなノウハウ、スキルを持っているか、事前に知っておく必要がある。。水平型の人間関係が組織風土が根づいている。
14.経営学キーワードは「エボリューショナリーセオリー(進化の法則)への逆行」である。進化の法則とは、「あらゆる企業は、誕生した瞬間から徐々にイノベーティブではなくなる」である。創業期の企業はメンバーがやりたい放題で、毎日がトラブルの連続で、職場は楽しくスリルに満ちていて、時にあっと世問を驚かせるようなイノベーションが起こる。
15.企業規模が拡大し、成熟していくと、次第に組織は管理の色を強め、硬直化する。財務部門、コンプライアンス部門などができ、手続きが増え、あらゆる仕事に許可由請が必要になる。新しいことはやりづらくなり、イノベーションが起こる確率はどんどん低くなる。HILLTOPは規模が拡大し、海外進出もしたのに、管理体制よりも、逆に部署を撤廃したので、社員たちは制約を受けることなく、新しいアイデアをどんどん考え、実現できる。同社が取り組んでいるのは、HILLTOP Systemを搭載した新しいプラットフォームづくりである。AIを活用し、世界中の工場にプログラムを配信する「分散型ものづくり」の実現である。あらゆる工場が従来稼働していなかった休日や夜間にものづくりができる。米国がドイツから受注した製品のプログラムをその夜ドイツに送り、夜中に生産して翌朝納品、といったことも可能になる。


yuji5327 at 06:46 

2018年08月28日

ヒトの大脳皮質の機能地図の精密化はなかなか進まなかったのは、倫理的な理由で、動物に適用可能な実験技術の多くを適用することができないからである。


「藤田一郎(大阪大学教授)著:バージョンアップで急進展、ヒトの脳の機能地図作り、週刊ダイヤモンド、2018.08.26」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.首を傾ける、握った手を開く、足の指を曲げるなど、体のあちらこちらの部位を個別に動かすことは簡単である。一方、「右脳の前方下部分だけを働かせて」と言われても、どうしたらよいのか分からない。そのようなことができるとも思えない。しかし実は、脳もまた体と同じように、異なった働きを果たす部品が集まつてできている。
2.脳はそもそも大脳、中脳、間脳、小脳、延髄と、はっきりと構造の異なる部品から成るが、ここでは大脳に話題を絞る。大脳では表面から2−4mmの深さに神経細胞が集まつており、その皮のような部分は大脳皮質と呼ばれる。
3.大脳皮質は、脳の表側だけでなく折り込まれたしわの中にも広がる連続した1枚のシートである。その表面積は35cm四方にもなる。チーズや豆腐に例えられることがある脳だが、その中身は一様ではない。あえて例えるならば、大脳皮質はミルフィーユだ。その厚みの中で、大きさや形の異なる神経細胞が表面に平行かつ層状に積み重なっている。
4.多くの場合、層は6つに分かれる。第1層には細胞がほとんどなく、第2層と第4層には小さな細胞が多く、第3層や第5層には大きな細胞があり、第6層にはさまざまな形の細胞が混在する。
5.大脳皮質の層構遣の細かな特徴は、シートの中での位置によって異なる。このことは神経解剖学発展のごく初期から多くの研究者が気付いていたが、層構造の特徴を詳しく解析し、大脳皮質を「領野」と呼ばれる多数の小区域に分類したのはドイツの神経解剖学者コルビニアン・ブロードマンである。1909年のことである。
6.彼はニッスル染色と呼ばれる方法で、神経細胞の細胞体を染め出し、その大きさや形、分布密度を調べた。そして、大脳皮質を52の領野に分類した。これらの領野は、ブロードマンエリアを略したBAを頭に菖てBAlとかBA2というように番号付けがなされた。日本が47都道府県に,分けられているように、大脳皮質は形態学的特徴の異なる領野という単位に分けられた。
7.ブロードマンは「異なった構造を持つ領野は異なった機能を持っている」と信じていた。実際、その後の研究により、ブロードマンの領野は特定の機能と結び付いていることが明らかになった。例えば、BA17、18、19は視覚野に、BA4は一次運動野に、左半球の
RA44と45は言語野にそれぞれ対応している.
8.発表当時の彼が気付かなかった領野もあり、その後、区分の仕方が変更されたりしながら.今日まで1世紀以上、ブロードマンによる分類は利用されている。47年には、フォン・ボーニンとベイリーにより、サルの大脳皮質においても層構造に基づいた区分けがなされた。サルにおいては個々の神経細胞の活動を調べたり、神経連絡を調べるための標識色素を注人したりする実験が可能であることから、その後、大脳皮質の領野構成に関する知見は爆発的に増えた。
9.これらの知見を91年にフェルマンとヴァン・エッセンがまとめたものが、サルの大脳皮質の機能地図である。大脳皮質の展開図に何10もの領野が示されており、そのうちの視覚に関わる領野が色付けされている。大脳皮質の半分が視覚に使われており、視覚に関する領野だけでも30以上あることが判明した。この地図は、大脳皮質における情報処理の在り方や認知機能のメカニズムに関するその後の研究の重要な礎石となった。
10.機能や神経連絡などを考慮に入れることで大脳皮質の構成をはるかに詳しく記述できたことは、細胞の形態や分布だけで作製された地図では、大脳皮質の構成を十分に捉えていないことを示している。だが、ヒトの大脳皮質の機能地図の精密化はなかなか進まなかった。それは、倫理的な理由により、動物に適用可能な実験技術の多くを適用することができないからである。
11.近年、状況が急激に変わりつつある。生きているヒトの脳に外科手術を施すことなく、その構造を頭の外から計測する磁気共鳴撮像法〔構遣MRI法)、特定の課題を行っている最中の脳活動を血流の変化として捉える機能的MRI法、安静状態における脳の異なる部位の神経活動が時間の経過とともにどう変化するかを調べることで、機能的なつながりを推定するrslMRI法、神経線維が通っている様子を可視化する拡散強調MRI法により、ヒトの脳についても、構造、機能、神経連絡に関する高い精度のデータを得られるようになった。さらに、コンピューターとデータサイエンスの発達は、得られた膨大なデータの総合的な解析を可能にした。
12.2009年から5年間、米国の国立衛生研究所が主導して、ヒトの脳の構造の解明を日指すヒューマンコネクトームと呼ばれるプロジェクトが実施された。その過程で、210人の健康な若い人(成人)を対象に前述の方法を用いた脳イメージングが行われた。グラッサーらはそのデータに基づいて領野構成の解明に取り紐み、180の領野を同定した。そのうちの93領野はこれまで知られていないものであった。
13.この研究において、新しい領野が数多く見つかったこと以上に重要なのは、機械学習と呼ばれるデータ解析手法を適用して領野の弁別を行うと、新規の被験者における領野同定の正解率が97%にも上ることが示されたことである。つまり、世界中の誰であっても、同じ方法を用いてデータを取得さえすれば、自動的に確度の高い領野の同定が可能となった。
14.正確な世界地図が地球規模の人間活動にとって重要であるように、脳の地図は脳の機能の探索、心のメカニズムの解明にとって必須である。その大.幅なバージョンアツプがなされた。


yuji5327 at 06:29 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
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