新技術

2018年06月22日

スロースリップ

IMG_20180620_0001
防災科学技術研究所
政府の地震調査委員会
房総半島沖で起きている群発地震
プレート境界の岩盤がゆっくり滑り動く
スロースリップ現象
この現象、東日本大震災の前にも発生
前兆現象の1つ
次は千葉県の南東沖を巨大地震
が襲う可能性

yuji5327 at 06:46 

日本で期待できるのは、HTGRで冷却材が喪失しても炉心溶融が起こらないなど、高い安全性を持ち、発電だけでなく水素製造などの多目的利用が可能である。


「窪田秀雄(テピア総合研究所主席研究員)著:福島後の未来をつくる、エコノミスト、2018.6.26 」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.英国やトルコなど、建設費高騰が原発新設の大きな障害となっている。福島第1原発事故を受け、世界的に安全対策が一段と強化された。原子力産業界が建設費高騰に直面するなかで、工場でシリーズ生産ができ、高い安全性を備えたモジュール式小型炉〔SMR}が原子力産業再生の切り札になる。
2.原子力発電の開発の歴史を見ると、経済性の観点から大型化が進められてきた。建設には計画立案から必要な許認可までに何年もかかる。着工後も作業が順調に進む保証はない。新しい世代の原子炉を採用するとなれば、なおさら時聞がかかる。

3.この4月、中国広東省の台山1号機に採用された世界初となるEPR〔フランス製の加圧水型炉)が中国国家核安全局によって核燃料装荷が許可された。出力は175万kWという大型の原子炉である。この台山1号機も2009年の着工から核燃料装荷まで9年を要した。フィンランドやフランスで建設中のEPRは中国よりさらに遅れている。
4.原発には、規模の経済性は成立せず、kW当たりの単価でも小型炉の方が低いという見方が出てきた。国際原子力機関(IAEA)は、出力が30万kW以下を小型炉、70万kW程度までを中型炉と定義している。現在、小型炉に分類される原発は中国やパキスタンで稼働中だが、これから導入されようとしているのは、コンセプトが全く違い、工場でシリーズ生産し、需要に合わせてモジュールを追加するというSMRが主流である。
5.現場でなく工場でのモジュール製造であれば工期を大幅に短縮できる。さらに、SMRは新しい設計を採用し、人手を介さずに原子炉を冷却できるなど、従来の原予炉より安全性を高めている。発電だけでなく、海水淡水化や熱供給、海上浮動式プラントなど用途も広いが、商業運転実績がない。
6.開発中のSMRのタイプは炉型として大きく四つに分けられ、軽水炉、高速炉、高温ガス炉〔HTGR)、溶融塩炉である。IAEAによると、全部で50種類のSMRが世界中で開発されている。すでに20力国がこの小型炉を含め原発の新規導入に関心を示しているが、大半は途上国で、コストの安いSMRは魅力的である。
7.米、英、カナダでもSMRにかける期待も大きい。米オレゴン州のニュースケール・パワー社は16年12月、米原子力規制委員会〔NRC〕に対してSMRの設計認証を初めて申清した。同社のSMRは電気出力5万kWの一体型PWR(加圧水型原子炉)で、NRCへの申請では、建屋に12基のモジュールを配置し60万kWの発電所を構成する。NRCは今年4月、フェーズ1の審査を完了した。同社は20年までに設計認証を取得することを見込んでいる。
8.英ロールス・ロイス杜は今年2月、英国型SMRの実証モジュール開発で、英国政府が設立した先進的原子力機器製造研究センターと契約を締結した。ロールス・ロイス社はSMRを設計するための国内企業連合を率いており、初期段階の設計原則を確立する計画である。
9.原発の割高感が共通認識になっているカナダでもSMR導人の機運が高まっている。カナダ原子力研究所〔CNL〕は今年4月、SMRの実証炉を建設・運転するプロジェクトの提案を募集すると発表した。26年までに実証炉を建設するという長期戦略で、世界中から提案を募り審査を行う。
10.この3力国以上にSMRの導入に積極的な中国では、10万kWのモジュール2基で構成されるHTGR実証炉が来年にも山東省で運転を開始する。また、PWRダイブのSMRについても中国核工業集団公司、中国広核集団有限公司など複数の国有原子力事業者が電力や熱の供給だけでなく、海上浮動式原子力プラント用に開発を進めている。PWRタイプのSMR実証炉も近く着工の見通しとである。
11.中国は、国産の大型PWR「華龍1号」だけでなく、HTGRとPWRタイブのSMRの輸出も狙っている。SMRに期待が高まっているのは、大型炉の行き詰まりを打破できる可能性が高いからである。SMRを制する者が世界の原子力市場で覇権を握る可能性が高い。
12.日本で期待できるSMRは、日本原子力研究開発機構が開発を進めるHTGRである。HTGRは、冷却材が喪失しても炉心溶融が起こらないなど、高い安全性を持ち、発電だけでなく水素製造などの多目的利用が可能な新世代の原子炉である。
13.ポーランドで、日本原子力研究開発機構の技術で商用炉を建設する話が進んでいるが、ポーランド側の法人の設立が遅れている。海外プロジェクトへの参加は、日本のHTGR技術を存続する方策だが、他力本願ではどう転ぶか分からない。福島事故を乗り越え、次の世代に安全な原子力技術を継承するためにも日本国内にHTGR実証炉を作ることを考えるべきである。




yuji5327 at 06:36 

2018年06月20日

中国に1億7000万台ある監視カメラのうち、2000万台の監視システムの下で、顔認証技術により14億人の全国民を1秒以内に照合できる。

2018/6/15付けの 大前研一 さんの「ニュースの視点 」(発行部数 168,172部)は「欧州情報規制/中国情勢/中国・紫光集団/日立製作所」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本と欧州連合(EU)は先月31日、現地で得た個人データの移転を相互に認めることで実質合意した。EUは5月に施行した一般データ保護規則(GDPR)で、域外へのデータ持ち出しを厳しく規制している。日本側が、企業が新たに守るべき指針を7月初旬までに定めることで、今秋にもデータを円滑に移転する枠組みを作る方針である。
2.GDPRにおいて、日本はEU域外へのデータ持ち出し可能な国として認定されていないので、今回新たに日本との間のルールを制定する運びになった。この枠組みが円滑に運営されればされるほど、フェイスブックが起こした個人情報流出の問題の大きさが改めて浮き彫りになってくる。
3.フェイスブックの問題の厄介なところは、例えばクレジットカードのデータなどを購入してきて、それをフェイスブックのデータと重ね合わせることで、活用しやすくなり価値も上がる。
4.欧州の場合には、業を煮やしてGDPRを施行し、フェイスブックなどにも罰金を課せるようにした。非常に高いペナルティなので、しばらくの間はGDPRが抑止力として働くことになるが、フェイスブックのようなデータを持っているところは他にもあるし、そのデータを広告に活用すると多くの広告費が取れるので簡単にはなくならない。フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOは、厳重に注意する、と述べているが、フェイスブックの会社を潰さない限りは、芋づる式にこの問題は続いていく。
5.日経新聞は1日、『「天網」が覆う中国の超監視社会』と題する記事を掲載した。中国政府が運用する監視システム「天網」により過去2年間に2000人以上の逃亡犯が逮捕されている。中国に1億7000万台ある監視カメラのうち、2000万台がこのシステムの下にあるほか、核となる顔認証技術により14億人の全国民を1秒もかからずに照合できる。
6.2000人の逃亡犯を逮捕できたというのは、恐ろしいほどの超監視社会になっている。犯罪の抑止につながるのは間違いないが、逆に言うとこの監視システムを使って政府に都合が悪い人間を追いかけることもできる。さらにSNSなどのデータと照合して組み合わせれば、政治思想や宗教など、より深い個人情報として認識することも簡単である。
7.政府が恣意的に利用することを考えると、中国はスマホ決済で便利だと喜んでいる場合ではない。日本の場合には警察が保有しているデータが指紋データなので、中国のように顔認証システムによる監視はできない。技術が先行しているがゆえの課題である。こうした監視システムが社会秩序を守るのに有効なことは間違いないが、誰の秩序を守るために利用されるのかが恣意的になると大きな問題になる。
8.日経新聞は1日、『紅い半導体、自立の夢』と題する記事を掲載した。中国の国策半導体メーカー、紫光集団の新たな工場が年内に稼働する。総額3兆円を投じ湖北省武漢市で建設を進めているもので、今後10年で約11兆円を投資する方針で、供給過剰を懸念する世界の半導体関係者が固唾をのんで見守っている。
9.中国企業の課題の1つは、米国企業の半導体を使っているケースが多く、そこに依存している状況があることである。ZTEのように米国企業とのつながりを断たれると、ひっくり返る。中国市場の中心になる半導体メーカーは米国メーカーであり、中国の半導体メーカーはメインではない。中国が国を挙げて紫光集団を大きくしようと考えるのも頷ける。
10.10年間で約11兆円の投資というのは、通常の企業ではできない。国策だからこそ、可能な額である。この方針が実現すると、長期的に見ると、サムスンを筆頭に大手半導体メーカーにも大きく影響してくる。
11.英国のクラーク・ビジネス・エネルギー・産業戦略相は4日、日立製作所が英国で進める原子力発電所の建設計画を継続することで日立側と合意したと発表した。クラーク氏は「英国が低炭素経済へと移行するなかで原子力は重要なエネルギーだ」と述べるとともに、日立の新たな事業が地元経済に多くの雇用を生み出すとも指摘した。
12.日立としても、背に腹は代えられないという決断である。原子力発電所の開発を行う場合、どこまでリスクを抑えられるかが非常に重要である。あまり大きなリスクを背負ってしまうと、米国における東芝の二の舞になる。
13.三菱重工は仏アレバに出資したが、アレバは半分倒産しているような瀕死状態だったから、リスクを抑えられたとは言えない。
14.日立が建設する予定の2基の原子炉は、世界でもめずらしいことに、先進国で原子炉建設が国民投票で承認されたものである。これまでにも英国では中国系の企業が原子炉の建設を進めてきたが、国として補助しなかったために建設コストが跳ね上がった。
15.結果として電気料金に影響するため、不満が国民から政府に寄せられる可能性がある。日立は、このような背景を理解した上で、電気料金を抑えるための建設コストについて、英国のメイ首相にも説明した。クラーク氏も、元BCG出身の人なのでビジネスに明るく、そのような話が通じやすかった。


yuji5327 at 06:44 

2018年06月16日

米シリコンバレー、中国の深圳と並び世界の投資家の注目を集めているのがイスラエル。ベンチャー企業の輩出数でシリコンバレーをしのぐ。


「エコノミスト編集部著:サイバー、AI,自動運転で世界が注目、商社よりタフなイスラエルの企業家たち、エコノミスト、2018.6.19」は参考になる。概要をまとめると以下のようになる。
1. 米シリコンバレー、中国の深圳と並び世界の投資家の注目を集めているのがイスラエルである。ベンチャー企業の輩出数でシリコンバレーをしのぐといわれ、昨年は米半導体大手のインテルが自動運転向けの車載コンピューター・システムのモービルアイを約1兆7500億円で買収した。
2. 大手商社も1990年代から三井物産や三菱商事が現地に拠点を設け、情報収集やスタートアップへの投資を行っている。スゴイのはチーム8で、世界最強といわれるイスラエルのサイバー防衛部隊で、その世界に精通している人である。イスラエルは高校卒業後に徴兵され、そのトップ1%をリクルートするといわれるのがイスラエルでサイバーセキュリティーを担当する8200部隊である。
3. 三井物産は、この部隊の隊長が創設しサイバーセキュリティーに特化したファンド、チーム8に、2015年に出資している。投資額などは明らかにしていないが、シスコ、アクセンチュア、マイクロソフト、AT&Tなど米国を代表する通信・IT大手などが出資する企業である。
4.同社は同じ15年にはヘルスケアーTでユニークな技術を持つアーリーセンスにも500万ドル出資している。患者がベッドに寝ている時に心拍数、呼吸数、体の動きなどをマットレスの下のセンサーが感知し、容態が変化したらナースステーションに知らせる技術を持つベンチャーで、米国で15件、日本で3件、韓国で1件の特許も取得している。株主には米大手医療機器メーカーのウェルチ・アレン、韓国サムスングループのサムスンベンチャーが名を連ねている。
5.三菱商事は90年代にテルアビブに拠点を開設、丸紅も今年4月、テルアビブに出張所を開いた。トヨタグループのデンソーも4月からイスラエルで先端技術に関する研究開発を始めると発表。自動運転やサイバーセキュリティー、人工知能(AI)などで現地企業と技術開発を進めるという。
6.日本企業のイスラエルの進出は70社程度にとどまり、「中国やドイツに比べ出遅れている」とドイツ在住でイスラエルに詳しいジャーナリストの熊谷徹氏は指摘する。これは1973年の石油危機の際、アラブ産油国が石汕の禁輸を盾にイスラエルへの外交政策の転換を迫った「過去の歴史、そして日本企業の自前主義が足かせになっている」(熊谷氏)。
7.米国でのシェールオイルの産出やイランの台頭など環境は大きく変わった。三井物産は、イスラエルに早くから注目した理由として、水や天然資源がない地政学的要因やスタートアップを育てるエコシステムにより、ハイテクに依存したIT、ライフサイエンスに優れた起業家が生まれる環境があった、という。
8.イスラエルのエコシステムとは、国の支援、徴兵制、国際企業に散らばった人材の予備役での情報交流、投資家の存在、グローバル企業の進出や買収といった環境である。同社は車車間の通信用チップセットのパイオニアや高精細なマルチメディアコンテンツを配信・送信する半導体製造品メーカー、バーチャル・リアリティー(VR)の制御技術、種子開発を手がけるアグリサイエンス企業にも出資している。
9.イスラエルの特徴について同社は、事業が軌道に乗ると売却して経営から退き、また新たなベンチャーを立ち上げることを繰り返す。不成功に終わっても、その失敗を糧に次の事業に挑戦する連続的な起業家精神という。
10.近年、資源高騰で好業績を上げる総合商社は、グローバルな人材に育ててくれる、と新卒に人気だが、入社する多くの若手が石炭や鉄鉱石などに行きたがる、というぼやきも聞こえてくる。イスラエルの起業家精神に学ぶのは、将来を担う若手商社マンである。


yuji5327 at 06:55 

2018年06月12日

AIの活用によって、特定の投資家の永続的利益にはならないが、金融全体の機能は高まる。


「野口悠紀雄著:AIによる金融取引が利益をもたらさぬ理由、週刊ダイヤモンド、2018.6.9.」は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.将来値上がりしそうな株の銘柄に買いが集中して値上がりし、自分が購人する際の買い値が上がる。将来値上がりしそうな株を見いだす方法が発見されたとしても、発見者は、それを自分だけで活用する。
2.その投資戦略を、間接的にも教えないように努力するは。狙いをつけた株を購入する場合に注文する証券会社を分散するなどして、慎重に購人を進める。市場に知られていない情報を活用して利益を得られる場合もある。しかしそのような情報を持っている人は、極めて慎重に取引する。
3. 投資家の成績を.示すものとして、PQを考える。PQが高い人は、知能指数(IQ)も高いから、自分の投資手法を他の人に教えるようなことはしない。PQの高い少数の人々は、その才能をフォード財団とか地方の銀行の信託部門などに貸したりしない。仮にAIによる必勝投資法が開発されたとしても、それを用いたファンドが発売されることはない。
4.「この投資信託はA1を用いているので、必ず市場の平均より良い成績を挙げられます」と言つ営業員がいるとしたら、「AIの進歩が金融市場や金.融取引に何も影響を与えない」と矛盾する。AIの活用は、金融取引に関する強力な手助けになり、その結果、市場の効率性を向上させる。
5.これまで知られていなかった株価変動のパターンをAIは見いだし得る。SNSなどのビッグデータの分析から、そのような傾同が検出され、株価を予測できるようになるが、それを利用した取引が直ちに行われると、超過利益は永続できない。
6.市場はこれまでよも状況変化に素早く反応できることになる。市場の効率性は高まる。最適なリスク資産は誰にとっても同じでも、それを計算するためのデータは、時々刻々変化する。それらの情報を反映させて、最適資産をつくり替えていかなければならない。
7.AIの活用によって、これまでより成績が良いインデックスファンドができる。そのファンドの成績が市場の平均値を常に上回るわけではない。市場の平均的な収益率自体が上昇する。つまり、特定の投資家の永続的利益にはならないが、金融全体の機能は高まる。


yuji5327 at 06:31 

2018年06月11日

人工知能(AI)は囲碁で人間を打ち負かすまでに進歩しているが、金融取引では、同じようにはいかない。


「野口悠紀雄著:AIによる金融取引が利益をもたらさぬ理由、週刊ダイヤモンド、2018.6.9.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.人工知能(AI)を用いて株価を予測したり、市場の平均より常に良い成績を実現するファンドを作ったりすることはできない。AIは囲碁で人間を打ち負かすまでに進歩しているが、金融取引では、同じようにはいかない。
2.理由は、現在のAIが未熟であるためでもない。金融では、市場を相手にしなければならない。金融市場は、他の市場とは大きく異なる。確実に利益を上げる方法が見つかれば、誰でもそれを簡単にまねできる。
3、通常の商品では、新商品が開発されたとき、直ちに他の事業者がまねできない。技術は特許によって保護されているかもしれない。同じようなものを製作するための体制づくりは容易ではない。新工場の建設が必要であれば、巨額の投資が必要だ。新しい商品を作り出した企茉が、巨額の利益を継続的に得る、ということが生じる。
4.金融取引の場合に利益を得るのに必要なのは、どのような対象に投資するかという情報である。投資資金が手元になければ、借り入れることもできる。確実に利益を上げられる情報があり、それが公表されていれば、多くの人がそれを使い、市場価格が変化してしまう。超過利益(市場の平均を超える利益)を得られなくなる。
5.同一商品に関して極めて多数の取引者がいる市場、外国為替市場では、取引される円やドルは、どの人にとっても同じものである。国債市場や株式市場についても、同様で、超過利益の可能性が永続することはない。
6.不動産市場の場合は、事情が異なる。個々の不動産の価値はさまざまな個別事情によって影響される。細分して取引するわけにはいかず、最低取引単位があり、それは通常はかなり大きいので、市場価格が割安であることが分かっていても、超過利益の機会が残っている可能性がある
7.仮に金融市場で超過利益を獲得する方法が見いだされても、それを利用したファンドなどが売り出されることはな。理由は、その方法が他人に使われてしまい、市場価格が変化してしまうので、自分の取り分が少なくなる。



yuji5327 at 06:48 

2018年06月09日

日本では、自動車リサイクル法で、使用済み自動車のリサイクル率95%以上という目標値がある。原料から製造、使用、廃棄に至るリサイクル体制が不可欠である。


「尾崎望(みずほ銀行産業調査部素材チーム調査役)著:伸びる炭素繊維、世界シェア6割の日系3社積極M&Aで自動車向け進出、エコノミスト、2018.6.5.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.炭素繊維の世界市場は15年には約6万tだったが、20年には14万tを超えるとみられる。中でも自動車の需要の伸びが大きい。
2.日本の炭素繊維メーカーが自動車市場を狙った川下領域のM&Aを活発化させている。東レは18年3月、炭素繊維を樹脂に浸したシート状のブリプレグ〔硬化させるとCFRPになる中間基材〕の知見や成形加工技術を有するオランダ・テンカーテの買収を発表した。買収金額は約1230億円を予定しており、同社として過去最大級の買収である。
3.テンカーテのメインビジネスは航空機向けであり、今後、中小型機を中心に.需要の拡大が見込めることから、ボリュームゾーンを押さえるというのが第一の目的である。また、熱可塑性樹脂は熱によって軟化するため、プレス加工によって量産化を図りやすいという特徴を持ち、加工コストを下げることが可能となる。
4.中長期的には、東レが有する素材の知見とテンカーテが有する加工のノウハウを組み合わせ、コスト面の競争力を上げることで、自動車への展開を標傍しているものとみられる。
5.帝人は、17年1月にガラス繊維強化プラスチックなど樹脂性部品の成形加工技術を有する米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(以.卜、CSP〕を約900億円で買収した。こちらも帝人として過去最大級の買収であ.る。CSPは米国のみならず欧州、日本の完成車メーカーとも取引があ.り、販路拡大が期待できることは言うまでもない。さらに、帝人は、以前より素材メーカーからティアー(1次部品メーカー}への転身を表明している。加工技術と合わせて自動車向け部品設計のノウハウを獲得することで、完成車メーカーに対する提案力向上を目指すと考えられる。
6.三菱ケミカルも、17年3月にCFRPの部品設計を営む米ジェミニコンポジッツを買収した。さらに、同年10月には自動車部材の設計技術に加えてCFRPの成形加工技術を有するイタリアのCPCに44%を出資した。東レ、帝人同様に炭素繊維を素材として売るだけでなく、川下領域に積極的に進出している。
7.自動車という新たな市場を切り開くために、素材を提供するメーカーにとどまらず、加工技術や部品設計の知見を取り込むことで、完成車メーカーに対して最適なソリューション(課題解決策〕を提供する姿勢、そして、そのためには大型のM&Aも辞さない覚悟が各社に共通している。
8.現在、CFRPは、月産数台から数十台の車種が中心だが、月産数干台クラスにも徐々に広がっている。日系完成車メーカーでは、トヨタ自動車が17年に発売した「プリウスPHV」のバックドアに、量産車向けとしては初めてCFRPを採川した。海外に目を転じると、欧州系完成車メーカーがCFRPの採用を加速させている。独BMWは、13年に発売した電気自動車「i3」では車体の骨格部位に、15年に発売した「7シリーズ」ではルーフ周りを中心とした補強材にCFRPを採用した。独アウディも「RS5CouPe」や「A8」の部品の一部にCFRPを使うなど、採用は着実に増えている。日本の炭素繊維メーカーによる欧米企業買収が相次いでいるのも、ここに理由があると考えられる。
9.軽さ、強さだけを見ると夢のような素材だが、炭素繊維が自動車、とりわけ大衆車に普及するためには、価格が高いこととリサイクルが難しいことの大きく2点が課題として挙げられる。
10.まず炭素繊維の価格は、1kg当たり4000円前後と、自動車用素材の代表格である鉄鋼の約60倍、炭素繊維同様に鉄鋼の代替素材として期待されるアルミの約20倍高い。この背景としては、原料のPANを焼いて炭素化する際にかかるエネルギーコストの高さや歩留まりの低さが主な要因となっている。加えて、現在の自動車の生産ラインは鉄鋼を前提として組まれており、メインの素材としてCFRPを使うためには、接合や塗装など、既存の工程に打人きく手を入れる必要があ.る。
11.BMWが「i3」を製造するために新工場を建設した際には約800億円を投じた。確かに、軽量性や強度を考慮すると、素材の使用量や部品点数が減少し、ある程度コストが抑制されるとは考えられるが、素材そのものの価格に加えて、生産工程の変更にかかる費用などを含めると鉄鋼とのギャップは大きく広がる。
12.2点目にリサイクル上の課題がある。炭素繊維の製造工程やCFRPの加工工程で発生する廃材や、最終製品に使用されるCFRPのリサイクル技術は現時点では確立されていない。代表的なリサイクル方法として、CFRPを炭素繊維と樹脂に熱分解した上で、新しい製品の原材料として再利用する「マテリアルリサイクル」、焼却時の熱をエネルギーとして利用する「サーマルリサイクル」がある。しかし、いずれも分解時に多量のエネルギーを必.要とするためコストと環境.面で負荷が大きい。このため、廃材となったCFRPの一定割合は廃棄処理されているのが実情である。
13.日本では、自動車リサイクル法で、使用済み自動車のリサイクル率95%以上という目標値が掲げられるなど、完成車メーカーは、原料から製造、使用、廃棄に至るまで環境.問題に取り組まなければならない。大衆車市場を考える上で、リサイクル体制の確立は必要不可欠である。
14.日本の炭素繊維メーカーも手をこまねいているわけではなく、価格、リサイクルに対して、各社で、あるいは産官学一体となって課題解決に向けて取り組んでおり、進化を続けている。炭素繊維は、自動車軽量化の最適解として、成長するポテンシャルを秘めた素材である。創成期から市場を牽引し、数々の困難をきり抜けてきた日本の炭素繊維メーカーが、主役の座.にすわり続けることを期待する。



yuji5327 at 06:41 

2018年06月08日

日本の炭素繊維メーカーが期待を寄せるのが自動車。CFRPはレーシングカー、2000年代には高級車へ、次のターゲットは大衆車。

「尾崎望(みずほ銀行産業調査部素材チーム調査役)著:伸びる炭素繊維、世界シェア6割の日系3社積極M&Aで自動車向け進出、エコノミスト、2018.6.5.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ここ数年、炭素繊維が、日本を代表する高機能素材として取り上げられる機会が増えている。炭素繊羅は、ゴルフクラブや釣りざおなどスポーツ用途から始まり、ボーイング787やエアバスA380に代表される航空機用途、最近、特に注目を集める自動車用途など、需.要を創出することで成長を続けてきた。
2.現在、日本の炭素繊維メーカーは、素材の域にとどまらず、加工工程など川下領域に進出することで、自動車という新たな市場を拡大しようとしている。炭素繊維の歴史を振り返り、日本のメーカーの動向と、自動車に用途を広げる上で直面する課題は以下の通りである。
3.炭素繊維は、19世紀末に発明王トーマス・エジソンが木綿や竹の繊維を焼いて炭素化し.白熱電灯用のフィラメントとして使ったことに端を発する。.ISO〔国際標準化機構)により「有機繊維を焼成して得られる炭素含有率が90%以上の繊維」と定義される。その原料や製造方法によって特性が大きく異なるが、現在主流となっているのは、1959年に大阪工業技術試験所の進藤昭男博士が発明したPAN〔ポリアクリロニトリル)を原料とするPAN系炭素繊維である。
4.日本で生まれ、日本企業が中心となって育ててきたことから、世界市場を牽引しているのは東レ、三菱ケミカル、帝人の日系3社である。東レは、2014年に買収した炭素繊維メーカー米ゾルテックの生産能力を合算すると、世界シェアトップの40%超を有するリーディング企業である。次いで、三菱ケミカルが13%、帝人が11%を有しており、日系3社を合計した世界シェアは65%に達し、日本を代表する高機能素材と言える。
5.立ち上がりから順風満帆だったわけではなく、創成期から苦難の時代は長く続いた。この間、欧米の大手化学メーカーの多くが撤退する中、長期的な目線で研究開発を続けた先人たちの苦労の上に今の姿がある。
6.炭素繊維は、繊維単独で使われることはほとんどなく、樹脂と組み合わせてCFRP〔炭素繊維強化プラスチック〕として使われることが一般的である。CFRPに使用される樹脂は、熱を加えることで固まれる樹脂は、熱を加えることで固まる熱硬化性樹脂と、熱を加えて変形させた後、冷却することで固まる熱可塑性樹脂に分かれ、求められる特性によって便い分けられる。現状では、ほとんどの用途で熱硬化性樹脂が使われている。
7.「鉄の10倍強く、重さは4分の1」と言われるが、その軽量性と強度、剛性が最大の強みである。加えて、さびない、耐熱性や耐薬品性に優れるなどの特性が評価され、さまざまな分野で使われている。1970年代にゴルフシャフトや釣りざおなどスポーツ用品に採用されたのを皮切りに、風力発電用ブレード,、天然ガスタンクなどの産業用途に広がった。
8.最大の市場となっているのは航空機である。ユーザーとのすり合わせにより地道な用途開発を続けた結果と言える。
日本の炭素繊維メーカーが、今、最も期待を寄せるのが自動車である。CFRPは、1980年代にレーシングカー、中でも多くのF1メーカーに採用され、その後1台数干万円するスーパーカー、2000年代には高級車へと徐々に普及していった。次なるターゲットと目されるのはボリュームゾーンの大衆車である。環境規制が厳しくなる中で、軽量化を実現する素材として炭素繊維が注目を集めている。


yuji5327 at 06:38 

2018年06月06日

水に太陽光を当てるだけでは何も起きない。触媒が必要で、その役割を果たすのが酸化チタン。触媒を混ぜた水に光を当てと水素と酸素が作られる。


「清水孝太郎(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)著:化石燃料を用いず水素を生産、人工光合成研究は日本が突出、エコノミスト、2018.6.5」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.人工光合成は、植物の働きにならい、太陽光エネルギーから燃料を生産したり、工業原料を生産する技術である。‖斥杆で水に化学反応を起こし、水素を生産、∪源困気譴真總任函大気中にある二酸化炭素を反応させて有機物を生産、という2段階からなる。
2.第1段階の水素の生産では、水に太陽光を当てるだけでは何も起きない。反応を促進するための触媒が必要となる。触媒の役割を果たす代表的な物質が酸化チタンである。触媒を混ぜた水に光を当てることで、化学反応が起きて水素と酸素が作られる。
3.触媒を混ぜた水溶液に太陽光を当てる、触媒を塗布したシートや基板を水中に沈めて上から太陽光を照射する。水の中から水素と酸素の気泡が上がってくる。光を当てることによって水を分解したり、殺菌作用などの機能を示す物質を「光触媒」という。光触媒は1970年代に日本人研究者が発見した。
4.光触媒は、水素の生産性、太陽光エネルギーからの変換効率、耐用時間、生産プロセスの簡便さなどが課題であった。水素量産用ではなく、酸化還元作用を生かして、消臭や殺菌などに用いられることが多かった。トイレなどの衛生陶器に光触媒を混ぜた薬剤を塗布して抗菌作用を持たせるといった事例である。この作用には水分子の分解は関係しない。
5.水素を燃料として発.電する「燃料電池」が注目されると、光触媒は化石燃料を用いずに水素を生産できる技術として注目される。技術開発では、光触媒に使う物質がカギとなる。従来主に使われているのは酸化チタンだが、他の物質の効能が研究されている。たとえば、エネルギー変換効率を高めるには、太陽光のうち、より弱い光もエネルギーとして取り入れる必要がある。
6.酸化チタンは紫外線でしか作用しない。紫外線は太陽光の中で強い光だが割合が小さい。そこで紫外線の次に強い可視光を取り入れる物質の研究が進められており、その他のチタン化合物、ビスマスを用いるものや白金族元素ロジウムを用いるものが注目されている。従来の光触媒に、これらの物質を滉ぜて使うことで変換効率が高まることが期待される。
7.光触媒は、何時間か水素を生産すると劣化して、処理能力が落ちる。光触媒に自己再生機能を付与して劣化を極力抑制する研究も進む。これらの研究で、光触媒の処理能力が高まれば、より少ない光触媒で水素をより大量に生産できる。
8.人工光合成の実現に向けた光触媒の研究は、例えば経済産業省とNEDOの事業では、人工光合成化学プロセス技術研究組合〔ARPChem)が研究開発を進めている。同組合では、従来20時間程度に過ぎなかった光触媒の寿命が1100時閲以上へと改善されたほか、2018年には太陽光エネルギーからの変.換効率を10%程度〔従来は数%程度)まで高めることに成功している。同組合には、国際石油開発帝石、TOTO、ファインセラミックスセンター、富士フイルム、三井化学、三菱ケミカルが参画している。


yuji5327 at 06:41 

2018年06月05日

高性能な光触媒が登場しつつあることで、再生可能エネルギーによる水素供給の可能性が見えてきた。


「清水孝太郎(三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員)著:化石燃料用いず水素を生産、人工光合成研究は日本が突出、エコノミスト、2018.6.5」は参考になる。印象に残った部分の概要の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.水素は、自然界でそのまま産出することはないため、事実上の化.右燃料である天然ガスを分解して得るか、化石燃料や原子力などから得られた電力で水を電気分解するぐらいしか方策がない。高性能な光触媒が登場しつつあることで、再生可能エネルギーによる水素供給にも大きな可能性が見えてきた。
2.人工光合成の2段階目は、光触媒で得られた水素と、工場などで発生する二酸化炭素を原料として、樹脂の原料を合成するものである。この取り組みは、二.酸化炭素の吸収源対策にも通じることから、地球温暖化対策の一つとしても期待されている。
3.水素と二酸化炭素を合成させる手法は、電圧をかけて化学反応を起こす「電気合成」や、酵素などを触媒に用いるものなど多様だが、いずれも小規模実験のレベルだが、期待の持てる研究も進んでいる。
4.12年に経済産業省が開始した先述の「人工光合成」プロジェクトは、ARPChemが21年度まで政府研究開発プロジェクトとして進める。このプロジェクトでは、光触媒で塗産された水素と二酸化炭素とを反応させ、樹脂原料となるエチレンC2H4〕、プロピレン〔C3H6〕、プテン(C4H8)などのオレフィン(不飽和炭化水素)の合成を目指している。
5.実現すれば、これまで排出抑制の対象とされてきた発電所や工場などから発隼する二酸化炭素を、樹脂原料に利用することが可能になる。現在、日本は、ナフサやシェールガスといった樹脂原料は海外からの輸入に頼らざるを得ないが、輸入に依存することも少なくなる。
6.人工光合成の研究は、日本が世界で突出している。草分けはトヨタグループの豊田中央研究所である。11年、可視光の太陽光エネルギーを利用しながら、水中で二酸化炭素を有機物(蟻酸、CH2O2)、に変換する技術を開発した。蟻酸は水素貯蔵材料として持ち運びも可能だ。その蟻酸を、水と二.酸化炭素を基.に生産できる技術原理を明らかにしたことは意義深い。
7.パナソニックは13年、太陽光エネルギーを利用して二酸化炭素と水から蟻酸、また都市ガスの主成分であるメタン〔CH4〕を合成する技術を公開した。昭和シェル石油も二.酸化炭素からメタンやエチレンの合成に成功した。東芝は 二酸化炭素からペットポトルなどの.原料となるエチレングリコール〔C2H6O2〕の生成を試みている。
8.戸建て分譲住宅販売の飯田グループホールディングスは、大阪市立大学と連携しながら、二.酸化炭素を消費して水素燃料を生み出すという「1Gパーフェクトエコハウス」構想の実現を目指している。人工光合成で得られた蟻酸を基に水素を発生させ、これを燃料電池に通せば、家庭で必要な電力をまかなうことができる。
9.人工光合成は、地球温暖化対策として、また自国における資源開発プロジェクトとして大いに期待される。現在の光触媒には、エネルギー変換効率や耐久時間では課題があるものの、実現すれば究極の「無炭素社会」を体規するキーテクノロジーとなるだろう。


yuji5327 at 06:38 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード