新技術

2017年06月24日

幸運にも今日地震に襲われなければ、明日以降に地震が起きる確率は上がる。だから、全国地震動予測地図が改訂されるたびに発生確率は上ってゆき、いつか必ず地震が起きる。

「巽好幸著:地震の発生確率とは何か、予測地図はそう読むのか」は参考になる。著者は神戸大学海洋底探査センター教授・センター長である。。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.政府の地震調査研究推進本部は、全国地震動予測地図の2016年版を発表した。太平洋側の南海トラフ巨大地震の震源域周辺で、14年版に比べ最大2ポイント程度確率が上がっている。
2.北海道函館市では、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は0.99%という低確率だったが、6月16日に震度6弱以上が現実となった。そもそも、地.震発生確率とはどのような値なのか人びとは疑問を抱いている。
3.地震予測は、大きく2つに区分できる。1つ目は、緊急地震速報という直前予報である。震源近くで観測したP波(第1波)の解析から地.震の位置と規模を瞬時に決定し、より大きな揺れを起こすS波〔第2波)の到達と揺れの予告を行うもので、心の準備や火元確認、必要最小限の避難役立つとしている。
4.2つ目が短期予知という地震予知で、地.震の前兆現象を検知し、比較的近い将来、数日〜数カ月先の地震を予知するものである。この地.震予知の実用化を目指した国家プロジエクトが、1965年にスタートした地震予知計画であった。
5.この計画は33年間にわたって実施され、総額2000億円近くの予算が投入されたが、95年の阪神淡路大震災を全く予知できなかつた。現時点でも地.震予知は不可能である。理由は、確かな前兆現象を確認できないからである。
6.地震予知計画が挫折したことへの反省から始まつたのが「中長期予測」である。これは過去の地.震の発生.時期と規模から将来地震が発生する確率を求め、地盤の特性を考慮して.震度を予測するものである。地震の発生確率は、内陸部の活断層および海溝沿いのプレート境界で、ある規模の地震が、ある一定の周期で起きることを前提にして求める。
7.その原理は、例えば平均周期が120年の地震の場合、地震の"起こりやすさ(確率密度)は横軸を時間は釣り鐘形のグラフになる。釣り鐘形の部分の総面積を100%とすると、前回の地震から100年間地.震が起きていない場合の、今後30年間の地震発生確率は、残りの面積との比から算出する。問題は、全ての活断層について地震の周期や規模が分かっているわけではないし、未知の活断層もある。従って、発生確率は「最低値」である。
8.幸運にも今日地震に襲われなければ、明日以降に地震が起きる確率は上がる。だから、全国地震動予測地図が改訂されるたびに発生確率は上ってゆき、いつか必ず地震が起きる。
9.南海トラフ巨大地.震や首都圏直下地震の今後30年発生確率は70%を超える。関東から九州までの太平洋側では、強い揺れが起きる確率も高くなる。地震調査研究推進本部では地震発生確率を、高い(3%以上)、やや高い(0・1〜3%)と表現する。0.1%、3%、6%、26%という発生確率を平均周期で表すと、3万年、1000年、500年、100年に1度地震が起こることになる。
10.最大の問題は、一般の人々は1%の確率で地震が襲ってくると聞くと、99%は大丈.夫と感じること。さらに、30年問での発.生確率が1%である地震は3000年に1度程度起こると聞けば、ますます「安心感」は増す。
11.このような感覚が適切でないことは、阪神淡路大震災でわかった。震災後に、六甲・淡路島断層系について詳細な調査が行われ、地.震発生周期の概要が明らかになり、そのデータを用いて、地震前日〔95年1月16日)における今後30年間の地震発生確率を求めると約1%という低確率だったことからわかる。
12.従って、今後30年間の地震発生確率が70%という値は、首都圏にとって異常である。日本人の平均寿命よりはるかに短い時間内に起こるということで、万全の覚悟と対策が必.要である。




yuji5327 at 06:46 

2017年06月22日

中国が世界最大の風力発電王国となった。中国の2015年の新規導入風力発電容最は前年比で31.5%増の3050万kWとなり、世界全体の48.4%を占めるシェア1位である。

「富岡浩司著:新疆金風科技、世界最大の風力発電関連企業、
エコノミスト、2016.7.26」は参考になる。著者はアジア株アナリストである。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.新疆金風科技は世界最大の風力発電関連企業である。業績は絶好調で、2015年の売上高は前年70%増の4476億円、純利益は56%増の430億円となった。16年第1四半期の業績も56%増収、49%増益と高水準を維持している。メインビジネスは.風力発電設備製造と風力発電サービス、それに風力発電所の投資・運営の3大事業部門からなる。中でも、風力発電設備製造では圧倒的な規模を誇る。会社の性格は民閲企業に近い。1999年2月の設立時は新彊ウイグル自治区の地方国有企業が株式の9割を保有していたが、その後次第に割合が低下して、07年12月に深圳市場に上場する直前には国有企業の保有比率は4割まで下がった。
2.同社が急成.長したのは、中国が世界最大の風力発電王国となったことによる。中国の15年の新規導入風力発電容最は前年比で31.5%増の3050万kWとなり、世界全体の48.4%を占めるシェア1位である。また、15年末時点で中国の累積風力発電容星は1億4510万kWとなり、EU全体の1億4158万kWを超えて、世界1位となった。同社は、5年運続で発電容量国内シェア1位(15年19%⇒16年25%)を確保、2位との差を広げた。発電設備製造部門の今年の見通しも明るい。16年の発電設備の出荷目標を700万kWとし、国内シェア25〜30%と設定しているが、.第1四半期の売上高が56%増となり、通年べースで目標を突破するのは難しくない。
3.風力発電サービス部門は、同社が誇る高い技術をメンテナンスに生かす業務で、世界各地の風力発電所500カ所以上において約1万7000台の風力発電設備にメンテナンスなどのサービスを提供している。そのうち、約1万2000台の発軍設備は同社の監視システムと直結しており、何らかの異常や変化があれば同社センダーで即座に把握できる休制が整っている。
4.部門別の売上動向は発電設備製造が全体の90%を占め、残りは発電サービスが4%、発電所運営が5%となっている。粗利益率は発電設備製造が24%、サービスが11%、発電所運営が63%である。発電所運営からの利益が全体に占める割合が大きく伸びていくことが見.込まれる。技術開発にも力を入れ、発電設備製造では海上用や低風速でも十分稼働する高性能バージョンの開発、大型化も急いでいる。風力発電設備の大型化は世界的な潮流となっており、1台4000kWクラス以上の発電設備も生産販売している。15年には2000kW.以上の発電設備が全体の41%となり、14年の15%から格段に増えた。また、15年には3000kWクラスの製品投入に成功している。1500kWの発電機の回転翼の直径は66mあるが、3000kWでは90mになる。15年には6000kW.発電機の開発にも取り組み、、幾つかの開発特許を取得している。
5.同社を世界の風力発電企業に育て上げたのが、業界のカリスマ経営者と言われる武鋼董事長だ。87年12月に新疆風能に入社、01年に新彊金風科技の董事長に就任して規在に至る。15年末時点で個入としては最大株主となっている。武鋼氏は技術畑出身で、清華大学卒で新疆工学院の修士号を取得し、83~87年には新疆水利水電学校の教師を務めた経験もある、.武鋼氏は58年生まれだから、当面は次期指導者の育成に十分時問をかける余裕がある。11年には風力発電を専門に研究する金風大学を設立している。他の中国企業も専門人員育成学校や研修センターを設立しているが、それらとは異なる本格的な大学である。
6.同社にとって追い風は中国の再生エネルギー振興策である。新たな政策では20年時点の風力発電能力を2億500万kW に引き上げることを目標とし、これを実現するには風力発電設備の新規導人量の伸びを年率平均14%で持続する必要がある。また、水力以外の再生エネルギー(風力、太陽光、バイオ等)が中国全体の9%に引き上げる。
7.中国では「棄風限電」と言う現象がある。風力発電が盛んな地方は北部や西部の辺鄙なところが多く、電力需要が高くない。風力発電の買い取リコストは石炭火力などよりはるかに高いことから、送電会社はさまざまな理由をつけて、買い収りを拒否してきた。
8.中国では工業生産や固定資産投資の伸びが減速しており、電力需要自体が低迷している。今年1―5月の中国全体の電力消費は前年比2.7%増にとどまっている。こうしたなか、.再生エネルギー企業を過度に優遇するのは、既存の石炭火力や水力発電会社にとって経営の負担となり、国家全体のエネルギー政策に大きな矛盾をもたらすとの懸念が生じる。15年後半から香港の同社株価がさえないのは、市場が政策実現性を懐疑的に見ているといえる。




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2017年06月20日

米国は、ここ数年、スパコンの中核部品となるプロセッサー(演算裏置)の中国への輸出を禁止してきた。そこで今回、中国はプロセッサーも自主開発してスパコン開発に臨んだ。

「小林雅一著:中国スパコンが速度で圧勝、米国はAIチップに舵をきる、
エコノミスト、2016.7.26」は参考になる。著者は現職はKDDI総研リサーチフェローである。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.世界のスパコン開発競争で、中国の存在感が圧倒的に高まっている。今年6月、米国の専門家グループが発表したスーパーコンピューター(スパコン)の計算速度ランキングで、中国製のマシンが1、2位を独占した(3位は米国製)。同ランキングは年に2回、最新の順位が発表され、これで中国は7回連続のトップとなった。また今回、上位500位以内に167機の中国製スパコンがランクインし、米国の165機を上回った。中国が米国を抜いて、世界最大のスパコン保有国となるのは史上初のことである。
2.今回、1位にランクされたのは、中国の国家並列計算機工学技術研究センターが開発した「神威太湖之光」と呼ばれるスパコンで、1秒間に約9.3京回(京は1兆の1万倍)の浮動小数点演算を実行でき、2位の(同じ中国の研究センターが開発した)「天河2号」の約3倍、3位の米クレイ製「タイタン」の約5倍の計算速度となる。
3.日本では、理化学研究所と富十通が共同開発した「京」が5位に入ったが、この計算速度は1秒間に約1京回。1位にランクされた中国製スパコンは、この9倍以上のスピードである。一般に科学者の問では、スパコンが一国の科学技術力を示す指標になると言われる。スパコンは、軍需や医療など重要技術はもとより、自動車やエレクトロニクス、化学製品など多彩なコンシューマ製品を開発する上でも大きな役割を果たしている。このため、米国の関係者は危機感を抱き、米シカゴ大学の物理学者、エリック・イサークス氏は「中国はスパコンの開発力を強化しており、これは米国の産業と安全保障に関わる問題だと警鐘を鳴らしている。
4.米国は、ここ数年、スパコンの中核部品となるプロセッサー(演算裏置)の中国への輸出を禁止してきた。そこで今回、中国はプロセッサーも自主開発してスパコン開発に臨んだ。これが他を圧倒する計算速度を見せつけたことで、米国の関係者が受けた衝撃は一層増した。ただし今回中国が自土開発したプロセッサーは、単体としての計算速度は際立って高速とは見られず、トップにランクされた中国製スパコンでは、このプロセッサーを4万個以上も並列接続することにより、システム全体として超高速の計算速度を実現した。
5.この並列システムのべースとなったのは米国が開発したネットワーク技術であるため、総合的に見て中国のスパコン技術が米国を追い抜いたとは必ずしも言えない。この分野における両国の技術力は、非常に接近してきたと見るべきである。
6.従来型のスパコン開発では中国が米国を完全に抜き去るのは時間の問題である。そうなった場合、問題は米国、日本が、今後、どのような道を選択するかである。米国では既に新たな道を模索する動きがある。国防総省傘下のDARPA(国防高等研究計.画局)では、ここ数年、「シナプス」という新規プロジェクトを立ち上げて、「ニューロモーフィック・チップ(脳型プロセッサー)」の研究開発を進めている。この新型プロセッサーは、最近の流行語である「ディープラーニング(深層学習)」など先端AIに最も適した演算装置である。
7.従来のスパコンのように単純な計算速度ではなく、「人工知能」という質的に高度な演算処理を新たな科学技術力の指標とする考え方である。こうした発想の転換はDARPAのみならず、そこから研究予算の拠出を受けている米IBM、インテルやグーグルなど競合他社にも波及している。彼ら米国のトップIT企業は今、様にニューロモーフィック・チップのようなAI志向の新型プロセッサーに力点をシフトさせている。
8.その応用範囲は広く、たとえばフェイスブックのようなソーシャル・メディアに投稿された写真や動画を分析して、その内容にマッチした広告を掲載する。あるいはグーグルの音声検索やパーソナル・アシスタント機能の精度を高める。さらには病院のMRIやCTスキャンなどで撮影された断層写頁を.画像解析して、各種の腫瘍をはじめ病気の診断を目動化するなど、AI志向の新型プロセッサーが得意とする分野は多岐にわたる。
9.今後、ディーブラーニングなど先端AIのカバーする範囲が、現在の(.画像や音声など)パターン認識から「(人間の言葉を理解するための)自然言語処理」のような、より高度な領域へと広がると、新型プロセッサーの応用範囲は今以上に拡大する。
10.特に米国で、新型プロセッサーの導入が期待されているのが軍需分野である。その理由は、米国防総省が今、AIを搭載したスマート兵器を中心とする軍事技術の抜本的改革を図っているからである。長年積み上げられた従来技術をチャラにし、全く新種のスマート兵器へと飛び移ることで、ライバルたちとの差を一気に広げたいとしている。AIを搭載したスマート兵器の開発となる。たとえば、.画像認識に優れた新型プロセッサーを搭載したミサイルやドローンが、自らテロリストなど標的を見つけて攻撃するといった「スマート兵器」である。
11.スマート兵器を国防の要とするならば、米国は今後、スピード重視の従来型スパコンからAI志向の新型プロセッサーへと科学技術力の指標を切り替える公算は高い。これに限らず、米国の発想は、これまでのリードが縮まってきたところで、いきなり「ルールを変えて、他者を出し抜く」ところにある。日本としてはスパコンのスピード競争のような表立った現象より、その背後で進む技術戦略を練る必


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2017年06月11日

宝酒造はビール事業から撤退し、発酵技術を生かし、遺伝予工学を中心にバイオテクノロジー事業で売り出した研究用試薬を、大学や病院、研究機関向けに販売している。

「仲尾功一著:コツコツ続けた遺伝子治療が実用化へ、
エコノミスト、2016.7.26」は参考になる。著者はタカラバイオ社長で2002年に設立、従業員数1273人、売上高297億円、宝酒造の一事業部門から発展した会社である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.宝酒造はビール事業から1967年に撤退し、残った発酵技術を生かし、新たなビジネスとして、遺伝予工学を中心としたバイオテクノロジー事業を模索している。79年に売り出した研究用試薬が、現在も主力製品で、大学や病院、研究機関向けに販売している。初年度の製品は7品目だったが、今では7000品目に上り、国内のバイオ試薬分野ではトップシェアで、2016年3月期の研究用試薬の海外の売り上げは74%を占めている。
2.93年に中国・大連市に工場を設立し、今、研究用試薬の9割を生産している。市場としても中国は拡大しており、当社がシェア1位である。02年に「タカラバイオ」として分社化した後、05年に研究用試薬の老舗、米クロンテック社を買収した。バイオ研究の中心地であるアメリカで、当社が得意ではない分野を手掛ける同社の買収は大きかった。欧米に販賂を持ち、技術・販賂両面でシナジー効果があった。
3.14年には幹細胞生物学の先端研究に収り組むスウェーデンのセラーティス社を買収した。今、バイオ研究は遺伝子から細胞へと広がっているが、当社は遺伝子に長け、細胞に強いのがセラーティス社である。バイオの世界ではM&Aが活発で、技術のシナジー効果が望める提携は日常茶飯事である。
4.現在の主力は、遺伝子・細胞を扱う技術をもとにした研究支援で、その技術を用いる治療法を開発している。90年代に開発した、体の外で細胞に遺伝子を効率よく導入する技術で、1つは、体外遺伝子治療である。ヒトの細胞を取り出し、目的の遺伝子を導入して患者に投与する。がん患者から採った血から、がん細胞を攻撃する免疫をつかさどるリンパ球を取り出して、がんを攻撃する命令を出す遺伝子を入れ、体内に戻す治療である。
5.山中伸弥先生は、体から取り出した細胞に特定の遺伝子を入れると、どんな細胞にも分化できるiPS細胞となることを発見し、iPS細胞を利用した網膜や臓器の再生が研究されている。体外遺伝子治療も、体から細胞を取り出して遺伝子を入れ、患者に投与する点は同じだが、がん細胞を攻撃する免疫力を再生する。臓器ではなく体の機能の再生である。
6.もう1つ開発しているのは、腫瘍溶解性ウイルスHF10である。がん患部に注入すると、がん細胞の中だけで増え、がん細胞を破壊します。正常細胞には影響しない。アメリカで臨床試験がフェーズ兇泙膿覆鵑任い襦メラノーマ患者の皮膚の腫瘍が消えたばかりでなく、転移した内臓のがんも、直接このウイルスを打ち込んでいないのに小さくなった症例がある。
7.腫瘍溶解性ウイルスHF10は18年度、si-TCR遺伝子治療、CAR遺伝子治療は20年度です。それそれの治療法は複数の疾患を対象に開発しているが、プロジェクトの選択と集中の方針をこの春に打ち出した。最初の実用化を目指す疾患については、日本で再生医療製品の条件・期限付き早期承認制度を利用して自社単独で行い、他の疾患では他社と提携する。
8.14年に新しい開発・製造拠点の遺伝子・細胞プロセッシングセンターが稼働した。施設の目的の半分は、開発中の遺伝子治療薬の製造や細胞加工だが、今は収益源として、細胞加工や遺伝子検査の受託サービスを行っている。14年に施行された再生医療関連法では、医療機関だけでなく、企業が細胞加工をビジネスとしてできるようになった。再生医療の関連施設で細胞と遺伝子、両方を扱う企業は日本で当社だけである。昨年受託した遺伝子検査は10万サンプルを超え、日本一である。口の中の粘膜で体質を調べる検査や、腸内フローラの検査も請け負っている。
9.キノコ事業にも進出している。発酵技術を生かせる分野を探すなかで、医薬品の酵母とよく似た微生物がキノコの菌だった。ブナシメジは当社が人工栽培法を開発した。今はより付加価値の高いハタケシメジやホンシメジを生産している。昨年、分社化後に初めてキノコ事業が黒字化した。バイオ支援事業に次ぐ第2の収益源に育て、両事業の収益をもとに遺伝子治療の開発を進めている。




yuji5327 at 06:53 

2017年06月01日

シャープの経営陣が当時胸を張っていたように、亀山モデルの技術は、韓国や台湾の液晶テレビを凌駕していたが、それはユーザーが選ぶ際の他社製品との「差異」にはならなかった。

「大前研一著:
「0から1」の発想術
大前 研一
小学館
2016-04-06

0から1の発想術、小学館、2016年4月11日」は参考になる。「第1章:SDF/戦略的自由度の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.シヤープが傾いた理由:2000年代はシャープの時代だった。2001年に商品化された液晶テレビ「AQUOS」の人気も手伝って、2002年度に2兆円ほどだった売上高は、その5年後の2007年度には、約1.5倍の3兆4177億円へと急拡大した。2004年1月には液晶を製造する総投資額1000億円の亀山第1工場が稼働し、事業の軸足を液晶テレビに移していった。その結果、2002年に売上高約850億円、出荷台数が約90万台だった液晶テレビは、2006年には、売上高約6135億円、出荷台数約603万台となった。同年、亀山第2工場が動き出し、「亀山モデル」という言葉が世間を賑わせた。
2.2008年秋のリーマン・ショックで状況は一変した。韓国メーカーや台湾メーカーの液晶パネル工場への過剰な設備投資や世界的不況など、さまざまな要因が複合的に重なって、液晶パネルは年率30%の価格下落に見舞われた。しかも「亀山モデル」は、もはやブランドではなくなっていた。シャープの液晶テレビは、機能、品質、ブランド力などで競合する商品との差別化が困難になり、消費者に価格だけで選択されるようになった。コモディティ化である。ここに、技術を過信してきた企業の病巣があった。
3.シャープの経営陣が当時胸を張っていたように、亀山モデルの技術は、韓国や台湾の液晶テレビを凌駕していたが、それはユーザーが選ぶ際の他社製品との「差異」にはならなかった。技術的には優れていても、ユーザーから見た時に差を感じられなければ、それは「差異」ではない。
4.技術者は、技術の差を「差異化」だと思い込んでしまう間違いを犯した。ユーザーから見ればどうでもよい技術は、「差異化」とは言わないので、「ブランド化」することができず、値下げ競争に巻き込まれていった。シャープは大赤字に転落し、他社による救済を求めるまでに追い込まれた。ブランドとは、価格に反映できる「価値」がある、ということである。
5.液晶テレビは、人間の目が認識できる解像度(0・1)を上回るまでに高性能化した。人々は商品の差異に気づかない。だから大半のユーザーは、解像度よりも価格で商品を選んだ。日本的なコスト積み上げ方式で競争した場合、価格を維持できる差別化はできない。シャープが訴えた「画質の美しさ」なども、消費者は海外メーカーとの大きな差異を認めなかった。
6.戦略的自由度の考え方が必要になる。戦略的自由度とは、戦略を立案すべき方向の数のことで、具体的には、ユーザーの目的を満足させる方法をできるだけたくさん抽出し、その中から競争相手が追随できない戦略的に優位になり、かつ持続できる方策を講じるということである。戦略的自由度は、改善の方向が定まらなければ、闇雲に突き進むだけで、時間も費用も無駄になる。
7.技術者は「自分たちの最高の技術をユーザーに届けることがすべてだ」と勘違いする。「自分たちがユーザーに何を提供したいか」という発想をする。その象徴的な例が、シャープの液品テレビである。液晶技術のわずかな優位性などユーザーは望んでいない。発想
の最初に「ユーザーは何を求めているのか」を問うのが第1だとすると、第2にやるべきことは、ユーザーの求めに応じるために、どんなやり方があるのかを挙げることである。
8.例えば、食洗機は「家事のストレスを減らす」「食器の汚れを落とす」というユーザーの要求に対して、「食器を一晩中、食洗機の中に浸けておく」という方法がある。洗剤と食器を入れ、お湯ないし水の中に一定時間浸しておくと、面倒な下洗いを省き、時間をずらし、次に使う時に間に合うように食洗機を回すようにする。そうすれば、水の使用量も、洗う時問も節約できる。
9.ユーザーの目的を把握するということは、思った以上に難しい。一人一人の頭が固いので、ユーザーを想像することが難しくなっている。ある製薬会社では、社員全員に1年間記録をつけさせるという手作業によって、初めてユーザーの目的をつかむことができた。
10.アメリカのロボット企業iRobot社が2002年に発売したロボット掃除機「ルンバ」は、日本では2004年4月に発売されたが、2013年10月末に日本国内での出荷累計台数がロボット掃除機としては初めて100万台を突破した。「楽に掃除したい」という目的は間違っていなかった。.罅璽供爾量榲を考える。¬榲を達成するいくつかの軸(方法)を設定する。軸に沿ってどんなことができるのかを検討する、の3つが重要である。





yuji5327 at 07:02 

2017年05月18日

1927年のドイツの無声映画「メトロポリス」は、完全版を見ることができなかった幻の名画だが、数年前にフィルムが発見され、デジタル・リマスターで、現在ではBDで見ることができる。

「野口悠紀雄著:デジタル・リマスター技術のマジックに乾杯、
週刊ダイアモンド、2016/06/25」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.古い映画のデジタル・リマスター版が、最近幾つも作られている。これまで、名作なのにDVDの画質が非常に悪く、残念に思う場合が多かったが、諦めていた鮮明な画像を見ることができるようになった。
2.1927年に制作されたドイツの無声映画「メトロポリス」は、フィルムが散逸し、完全版を見ることができなかった幻の名画だが、数年前にフィルムが発見され、修復版にデジタル・リマスターの処理がなされて、現在ではブルーレイディスク(BD)で見ることができる。
3、60年代までは映画の黄金期だったが、多くは、フィルムの保存状態が悪いためか、DVDの画質が極めて悪い。例えば、47年のイギリス映画「黒い水仙」は美しい画像のはずだが、これまでは、見るも無残な色調になっていたが、デジタル・リマスター版が、制作され、期待通りの素晴らしい色彩である。「クオ・ヴァディス」や「聖衣」もデジタル・リマスター版が制作されている。
4.デジタル・リマスター版の制作には、画像をデジタル化するだけでなく、手作業で画面の1こま1こまを前後の画面と参照しながら修整する作業も必要である。コンピューターで自動的に行える作業ではなく、かなりの手間がかかる手工業的作業なので、簡単にはできないので、デジタル・リマスターで見られる映画は、数が限られている。
5.動画コンテンツを配信するもう一つの経路は、YouTubeで、最近ではハイデフィニション(HD)の長時間画像が増えているが、送られる画像ではスピードが追い付かない。これは、バレエでは特に問題になる。見ていると疲れてしまうのだ。マリンスキイ劇場などが有料のものを提供してくれてもよいはずだが、そうしたサービスはまだ始まっていない。ただし、このルートは近い将来にもっと増えるだろ
6.数年前からバレエの新しいDVDやBDはほとんど作られていないのは、YouTubeで全幕物がHDで無料で提供されているからである。デジタルコンテンツがオンラインで提供されれば、国境がなくなる。映画は言葉の壁があるので守られる面もあるが、字幕によってかなりの程度は克服される。音楽では言葉の壁がないので、最初から国境がない。また、ロングテール的な動画のデジタル配信では、求めるものを探すための仕組みが必要になる。
7.アマゾンのレコメンデーションは、多くの新規需要を開拓している。映画について、Netflixは人工知能を駆使したレコメンデーションをすでに開発している。このような仕組みはビッグデータを用いるので、ごく少数の企業しか提供できない。こうしたサービスが一般化したとき、日本のコンテンツ産業は生き残れるか疑問である。



yuji5327 at 06:42 

2017年05月12日

脳細胞の計算速度はパソコンのCPU(中央演算処理装置)の計算速度の10万分の1以下であるにもかかわらず、脳は0.3−0.6秒とコンピューター顔負けの速さで個人の顔を認識する。

「永雄総一(理研脳科学総倉研究センター元チームリーダー)
青木田鶴(理研脳科学総倉研究センター研究貝)著:顔認識の脳科学、特別な認識システムが発達、

エコノミスト、2016/5/24」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1. 我々は生まれるとまず母観をはじめとする家族の顔を覚え、成長するにつれて隣人、友人、同僚などの顔と名前とその間柄を理解し、顔の認識は重要な意味を持つ。脳は顔に特化した認識のシステムを発達させた。多くのおばあさんの中から自分の祖母を認識する脳細胞があり、おばあさん細胞仮説と呼ばれる。
2.2003〜08年に、米国ハーバード大学のドリス・ツアオ教授のグループは機能的核磁気共鳴法(f−MRI)と微小電極を併用して、サルの側頭葉に顔細胞が多く集積する5mm四方の領域が存在し、それらが6個離散的に分布していることを示した。この領域を顔パッチと呼ぶ。ヒトでもサルと同様に複数の顔パッチが側頭葉にある。
3.顔パッチの中に、特定の個人の頗を認識するいわゆるおばあさん細胞が本当にあることを05〜09年、英国レスター大学のロドリゴ・キイローガ教授と米国カリフォルニア工科大学のクリストフ・コッホ教授(現・米国アレン脳科学研究所長〕らが、存在することを報告した。
4.目から来た顔に関する情報はまず側頭葉の後方の複数の顔バッチで「顔である」ことが認識され、最終的に最前部の顔パッチの海馬を含む脳領域に伝えられる。そこで特定の個人の顔を記憶しているいわゆる「おばあさん細胞」が反応すると、我々はその顔が誰であるかを認識する。
5.ITの分野では、深層学習などを用いた顔認識システムの開発競争が今行われている。.深層学習では、まず目や鼻、口など顔の特徴となる部分を抽出する。次にコンピューターが記憶している顔のデータベースを超高速で検索し、それと最も似た顔を選び出す。NECは今年の8月から1000人の社員を対象にウオークスルーの顔認証システムの試験運用を始める。
6.脳細胞の計算速度はパソコンのCPU(中央演算処理装置)の計算速度の10万分の1以下であるにもかかわらず、脳は0.3−0.6秒とコンピューター顔負けの速さで個人の顔を認識する。コンピューターに比べてはるかに計算速度の遅い脳がそんなに速く個人の顔を識別している理由を知れば、脳とコンピューターとの決定的違いがわかる。




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2017年05月05日

望遠鏡は大きいほど、多くの光を集め細かいところまで分解できる。プエルトリコの世界最大の直径は305m、日本の長野県・野辺山は直径45m。

「須藤靖著(東大教授):ALMA、チリの高原から冷たい宇宙を見る、
エコノミスト、2015.5.10」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.天文観測においてもっとも邪魔になるのは大気中の分子(特に水蒸気)である。したがって、天文学に適した場所は人間が住みにくい。大気圏外に打ち上げた望遠鏡を用いる場合が多い。地上の場合でも、標高4200mのハワイのマウナケア山頂や南極などの環境下での観測が要求される。
2.アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計は、東アジア(日本、韓国、台湾)、北米(米国とカナダ)、ヨーロッパが共同で標高約5000mの南米チリ、アタカマ高原に建設した望遠鏡で.人間の目には見えない波長0.3mmから10mmの範囲の電波(ミリ波、サブミリ波帯と呼ぶ)で観測する。
3.ALMAは、直径12mのアンテナを50台組み合わせた望遠鏡群、直径12mのアンテナ4台と7mのアンテナ12台からなるアタカマコンパクトアレイの2つ、計66台のアンテナからなる巨大電波干渉計である。観測天体に応じて、アンテナ問の距離は150mから16kmまでの範囲で調整できる。実質的に直径16kmをもつ望遠鏡として運用できるので、直径12mのアンテナ1台に比べると、1000倍以上の分解能が向上する。
4.電波で見るとこのガスの内部まで見通すことができる。人間の視力に換算すると何と2000に対応する。重力で集まったガスやダストの雲は、角運動量を保存するために球形ではなく2次元の円盤状に収縮する。この円盤の中心に星が誕生し、その後その周りの円盤内で惑星が誕生する。
5.太陽の光が可視域であるので、すばる望遠鏡などの一般的な可視光望遠鏡は中間の波長で、通常の星やその集まりである銀河の観測に威力を発揮する。それに対して、ブラックホールや銀河団などの「熱い」天体は波長の短いX線やγ線を、星間物質や原始星のような「冷たい」天体は波長の長い電波を主として放射する。ALMAは、宇宙初期にある誕生直後の銀河、星や惑星の形成現場、さらには生命の起源に関係する星間物質のなかの有機分子などの観測を得意とする。
6.望遠鏡は大きければ大きいほど、多くの光を集めるとともに細かいところまで分解できる。電波は波長が長いために、大きな望遠鏡が必要となる。例えば、プエルトリコにある世界最大の電波望遠鏡の直径は305mである。日本の長野県・野辺山にある電波望遠鏡は直径45mである。
7.複数の望遠鏡群を組み合わせて一つの巨大望遠鏡にするのが電波干渉計である。この原理を発見した英国のマーティン・ライルは1974年のノーベル物理学賞を受けてた。同じ時刻に発せられた電波は、地球上の異なる場所には、ごくわずかではあるが異なる時刻に到達する。この時刻差を精密に観測し、一つの天体のなかの異なる場所からくる電波を区別できる。望遠鏡をなるべく距離をあけて配置する必要があるが、システムとして運用するのために、望遠鏡の数と相互の距離には限界がある。



yuji5327 at 06:37 

2017年04月09日

内視鏡機器の市場は、オリンパス、富士フイルム、HOYAペンタックスの3社でほぼ100%を占め、日本が市場を独占し、世界をリードしている。

「田尻久雄著:これからの内視鏡医療・はどこまで進化しているのか、學士會会報No917(2016-II)」は参考になる。著者は日本消化器内視鏡学会理事長・東京慈恵会医科大学教授・北大医・昭51卒である。「内視鏡診断における技術革新」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる
1.日本が超高齢化社会になるにつれ、介護とリハビリの分野は非常に重要になる。ロボット産業の市場規模は、2025年に向けて、リハビリ機器の分野で5億〜7億円から825億円へ、、介護・介助支援の分野で1億〜6億円から414億円へ、100倍以上に成長すると推測されている。。
2.医療の分野では、現在、内視鏡を用いて腹腔鏡手術を支援するロボット:「ダヴィンチ」が急速に普及している。特にアメリカ、フランス、ドイツ、イタリアで普及が進んでいる。日本は一周遅れだが、2012年に前立腺全摘のためのダヴィンチ手術に保険が適用されてから、泌尿器科を中心に導入が急増している。
3.内視鏡機器の市場は、オリンパス、富士フイルム、HOYAペンタックスの3社でほぼ100%を占めている。内視鏡分野では日本が市場を独占し、世界をリードしている。現在、日本は世界の国々に対して内視鏡治療の技術支援を行っている。今後、内視鏡治療の新しいイノベーションは、腹腔鏡と内視鏡の合同手術、ロボット技術の応用、内視鏡的外科手術といった方向で起こる。
4.2008年、私たちはオリンパスと共同で、内視鏡を用いた手術支援ロボットを開発した。内視鏡に2本のロボットアームを付け、患部を持ち上げる鉗子やナイフなどの処置具を取り付けた。アームが太すぎたことや、機械に多くの機能を持たせようとし過ぎたことなどから、開発は一度頓挫したが、腹腔鏡用と内視鏡用に分けて設計し直し、開発に成功した。5.2011年、シンガポールでマスター・スレイブ型の内視鏡ロボットを用いたESDが成功した。現在の内視鏡診療の主流である「ESD」では、内視鏡で安定的な視野を確保しつつ、アームを自在に操作することは非常に難しく、長期間の訓練が必要である。外科医が簡単に治療を行えるように、ロボットアームの改良を重ね動物実験を繰り返している。
6.日本の内視鏡診断と治療の技術は、世界をリードしているが、問題は、)臨床研究を支える人材の不足、)長期展望に立った臨床研究への理解不足、5制が厳しいため、日本の企業は欧米で行うこともある。
7.内視鏡技術が登場してから60年以上、産学官の協力の下、日本が世界をリードしてきた分野だから、若い人にもアイデアと熱意があれば、世界を変えられる、という起業家精神を持って欲しい。




yuji5327 at 06:37 

2017年04月07日

食道、胃、十二指腸、大腸にできた早期癌のほとんどが内視鏡で切除されている。特に早期胃癌の約半数は内視鏡で治っている。

「田尻久雄著:これからの内視鏡医療・はどこまで進化しているのか、學士會会報No917(2016-II)」は参考になる。著者は日本消化器内視鏡学会理事長・東京慈恵会医科大学教授・北大医・昭51卒である。「内視鏡診断における技術革新」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.胃カメラやファイバースコープの時代、医師は内視鏡で病変部の色や輪郭から主観的に判断していた。今後、コンピューター技術の支援により、内視鏡診断から得られる情報は数値化され、客観化される。かつては5〜10个箸いΕ泪ロ的観察のみだったが、今では1舒焚爾箸い細胞レベルのミクロ的診断が可能になっている。また、形態診断が主流だったが、胃、十二指腸、大腸でも数多くの「機能の病気」がある。内視鏡で機能診断も行う時代になり、分子レベルの診断が可能になり、診断と同時に治療も行う時代になる。
以上の技術革新により、外科的な開腹手術をせずとも内視鏡治療で治る疾患が増えていき、2.2015年1月、オバマ大統領は一般教書演説の中で、「的確・精密医療」という言葉を使った。、「遺伝子情報、環境要因、生活習慣などに基づいて、患者を"罹りやすい疾患"で分類し、集団ごとに疾病予防と治療法を確立する医療」のことである。この医療を内視鏡分野にあてはめると、「診断と治療に、分子イメージングとロボット技術が応用される時代が来る」と予想される。
3.内視鏡の歴史を宇宙開発の歴史と重ね合わせることで、その技術革新を振り返ると、1959年、胃カメラ学会が設立された。その1年前、NASAが設立された。1968年、日本で胃ポリープの切断技術が発表された。1年後、アポロ11号が月面着陸した。1973年、日本とドイツで内視鏡と電気メスにより、胆石を切除する乳頭切開術が成功した。この年、宇宙ステーションが建設された。
4.1980年代になると、クリップ法、純エタノール局注法、熱による凝固法など止血技術が進化した。殆どが日本人による考案である。著者の先輩や同僚たちはこれらを用いて、「EMR」(内視鏡的粘膜切除術)を開発した。消化管の粘膜の最も表層にできた早期の腫瘍(癌)を、内視鏡の先端に取り付けた処置具で除去する治療である。粘膜の下に生理食塩水などを打って腫瘍を持ち上げ、ワイヤーで切除する。1981年はNASAがスペースシャトルの打ち上げを成功させた年である。
5.1990年代になると、「EAM」(内視鏡的吸引粘膜切除術)が登場した。内視鏡の先端に処置具とフードを取り付け、病巣を吸引して切除する。1998年、内視鏡用の様々な極小ナイフが開発されたのを受け、「ESD」(内視鏡的粘膜下層剥離術)が登場した。内視鏡の先端に極小ナイフを取り付け、粘膜の下層にまで薄く剥いで腫瘍を確実に除去できる。この年、NASAでは国際宇宙ステーションが建設された。
6.今ではESDは、より簡単に、より短時間に、より完全に、病巣を根こそぎ除去できるようになり、再発率もますます低下した。広範囲にできた胃癌もESDで一括切除できるので、外科手術に近いと言える。日本ではいち早く、早期癌を内視鏡で切除する治療に保険が適用された。原則として、リンパ節転移がない、2儖焚爾寮い粘膜内の分化型癌で潰瘍を伴わないタイプ、というように適用に厳しい条件が課せられていたが、現在は適応拡大されている。
7.現在、食道、胃、十二指腸、大腸にできた早期癌のほとんどが内視鏡で切除されている。特に早期胃癌の約半数は内視鏡で治っている。オリンパスの技術者の著書に、50数年前の技術者たちがこだわった点として、ゝ蚕僂六邱垪誤で獲得する、⊂ι淵灰鵐札廛箸鯡棲里砲掘⊂錣望型化を志向する、常に新製品を出し続ける、ぞ錣忘嚢發良兵
を維持する、ソ叔たてば技術は陳腐化する、Ε薀ぅ丱襪砲脇探で常に優位に立つ、Д▲侫拭璽機璽咼垢盻斗廚併業、が列挙されている。著者らも50年前と同じ点にこだわり、「内視鏡を小さく細く、患者に優しく」を追求している。


yuji5327 at 06:42 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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