ものづくり

2017年01月11日

欧州のシャープブランドはスロバキアのUMCから約100億円で買い戻しに成功している。米国も欧州も、シャープブランドでテレビを強化する一貫した姿勢が伺える。

1月6日付けの大前研一さんのニュースの視点は「アサヒグループHD・米ベライゾン・旭硝子・鴻海/シャープ 〜アサヒによる買収の成否の要因となるのは? 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アサヒグループホールディングスは13日、ビール大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブの東欧5カ国におけるビール事業を買収することで合意したと発表した。買収額は約8883億円で日本企業の酒類の事業では、サントリーによる米ビームの買収に次ぐ規模になる。
2.一部の投資家の間では高値掴みと指摘されているが、利益率も悪くないし、買収できるときにしておくという意味でも、良い買収になる。注目したいのは、アンホイザー・ブッシュが保有している「チェコにあるバドワイザー」というブランドが今回の買収対象に含まれているかどうかである。
3.バドワイザーといえば米国のビールメーカーで世界一の販売量を誇るブランドだが、それよりも歴史が古く本家とも言える「バドワイザー」がチェコ・南ボヘミア州にある。今回の買収対象に「チェコのバドワイザー」が含まれていて、そのブランドを使えるのではあれば非常に面白い。
4.米国バドワイザーはすっきりと飲みやすい味だが、チェコのバドワイザーは、アルコール度数が高く、味が濃いビールである。東欧スロバキアやハンガリーにも、同じようないいビールがいくつもある。これらが買収対象になっていると、スーパードライ1本で世界化していくよりも、幅が広がる。東欧の個性的なビール、特にチェコのバドワイザーのブランドを使えるかどうかが、今回の買収を成功させる大きな要因となる。
5.米ブルームバーグ通信によると、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが、米ヤフーの主力事業の買収について中止も含め検討している。当初は来春には買収が完了する計画だったが、ヤフーからの個人情報の流出が相次いだことで、大幅な価格の切り下げなどが必要と判断したとのことである。
6.グーグルから鳴り物入りでヤフーにやってきたマリッサ・メイヤー氏も、地に落ちたものである。前回が5億人、今回が10億人、合わせて15億人の個人情報の流出。しかも今頃になって発覚しているというのはあり得ない。どんな経営をしていたのか。どんな防衛策をとっていたか。ベライゾンが嫌気が差したと思われる。
7.買収前に発生した問題については責任を追わないという補償(インデムニティ)を適用し、ヤフーを免責した上で買収するという可能性はある。いずれにせよ、15億人もの個人情報が流出し、今になって表面化してくるのは、米ヤフーの状態がいかにひどいかを物語っている。
8.旭硝子は欧州でバイオ医薬品の開発・生産を受託するCMCバイオロジックスを買収すると発表した。今後、新興国などを中心に高成長が見込まれるライフサイエンス分野を強化し収益柱に育てる狙いである。ジェネリックの影に隠れているが、医薬品の受託製造・OEM製造は非常に重要な分野である。
9.旭硝子にとっても、大きな役割を果たす分野であり、すでにいくつかの企業を買収しつつ強化を図ってきている。ガラス事業の業績を見ると、低迷しているわけではないが、国内は寡占体制である。ボリュームは十分あるが、利益はそれほど大きくないので、ガラス事業で稼いだ資金を、化学品・医薬品などの事業につぎ込んで強化している。これまでの買収先に比べて大規模なCMCバイオロジックスの買収だが、国内の寡占体制が確立しているから可能になった戦略である。
10.台湾の鴻海精密工業とシャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクトが中国家電大手、海信集団(ハイセンス)へのテレビ用液晶パネルの供給を中断する検討に入った。価格の見直しで採算を改善するとともに、シャープが自社ブランドのテレビの拡販を進めるのに伴い、同社向けのパネルを確保する狙いもある。鴻海の経営参加によって、「シャープブランド」で世界中にテレビを売る、という明確な方針が示された。
11.米国のシャープブランドはハイセンスに売却していたため、買い戻しを提案したところ断られたために、テレビ用液晶パネルの供給中断の検討に入った。これが吉と出るか凶と出るか。商品の評判が落ちることで、ハイセンスが困って売ってくれることも考えられるが、商品のブランドイメージが著しく低下すると、買い戻しても意味がない。
12.欧州のシャープブランドはスロバキアのUMCに売却していたが、こちらは約100億円で買い戻しに成功している。米国も欧州も、「シャープブランドでテレビを強化する」という一貫した姿勢が伺える。シャープにいる人は、自分たちがギブアップした米国と欧州で、再びブランドを買い戻してでも、もう1度「シャープブランド」でチャレンジしようという鴻海の方針をどう感じているか、複雑な心境だろう。



yuji5327 at 06:41 

2016年11月12日

IHIは、他の会社でもできることをやる意味もない。他社に売れるものは売ってしまい、自分たちが集中すべき領域を見極めて集中していくことが大切である。

11月11日付けの大前研一さんのニュースの視点は「シャープ・IHI・三菱重工業 〜三菱重工が、GEやシーメンスに追いつくにはどうすればいいか? 」と題する記事で、参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国の家電大手、海信集団(ハイセンス)は27日、シャープから受けた米州でのブランド使用権の買い戻し提案を拒否したと明らかにした。シャープは昨年7月、ハイセンスにメキシコのテレビ工場を売却し、北米など米州で「シャープ」ブランドの使用権を供与する契約を交わしていた。
2.台湾・鴻海精密工業が親会社となり、鴻海の意向でハイセンスに「シャープ」ブランドを買い戻したいと提案していた。これは鴻海にしては非常に悔しい事態である。米国という中核を担う市場で、シャープブランドは決して悪くはない。パナソニックなどに比肩するブランドを築いてきた。
3.米国市場において、鴻海は関連会社に出資することで「VIZIO(ビジオ)」ブランドを展開しているが、「シャープ」というメインブランドは欲しい。また今回の提案で、鴻海が本気で「シャープ」ブランドを世界的に強化しようという意気込みも感じる。しかし残念ながら、海信集団は値段に関係なく、シャープブランドを売却するつもりはない。
4.数年前、シャープは困窮の極みにあり、メキシコの生産拠点の売却にあたって、北米・中南米地域(ブラジルを除く)におけるテレビブランドの使用権も含めてしまった。シャープとしては、そこまで会社が混乱していた。これは非常に高く付いた。苦い思い出にしかならない。
5.シャープ再建にあたり、シャープの戴正呉社長が社員に向けた頻繁なメッセージ配信でインサイダー情報に該当する内容を発表するなど、広報や社長室の担当者を慌てさせている。会社のカルチャーを変えるためのコミュニケーションの一環とのことだが、1日17時間働き、有言実行を宣言する戴正呉社長の流儀でシャープに独創精神を取り戻せるか注目されるとしている。戴正呉社長は中間管理職を排除し、ピラミッド型ではなく、直接社員一人ひとりに考え方を徹底する方針を選んでいる。社長就任時の挨拶にもあったが、「創業の精神に立ち戻る(Be Original)」という強い姿勢を示している。
6.1日17時間労働も、自ら先頭に立って実践している。この戴正呉社長の姿勢についていければ、それなりに効果は出てくるかも知れない。ただし、これから1年〜2年はまだ効果は見えてこない。カルロス・ゴーン氏が実践した日産リバイバルプランも、成果が出てくるまで数年かかった。その数年間は「信用されない時期」でもある。シャープは今まさに、その時期・フェーズを通過している最中である。
7.日刊工業新聞の情報サイトは先月30日、「IHIの海洋構造物、存続か撤退かの瀬戸際に」と題する記事を掲載した。IHIが複数案件で大幅なコスト増が発生し、2016年度の通期業績見通しを下方修正した。
8.光岡次郎社長はV字回復につなげる決意を表明し、原点であるモノづくり力の再興で信頼回復につなげる考えを示しており、ボイラー事業の再建へ向けて品質や工程管理体制を整え始めた。
9.大前氏なら、徹底的に撤退・売却する事業を決めて、集中する事業を絞り込むとのこと。ボイラー事業についても、大きな特徴がないのであれば、撤退・売却で良いと。その一方で、約500億円の投資を決めたターボチャージャー事業は世界一だから、徹底的に強化する。航空機事業も日本でトップだから集中するべきである。
10.IHIは、他の会社でもできることをやる意味もない。他社に売れるものは売ってしまい、自分たちが集中すべき領域を見極めて集中していくことが大切である。
11.三菱重工業の宮永俊一社長兼CEOは、先月31日、事業再編を加速し、2017年4月に社内の事業部門を「パワー」「インダストリー&環境・社会システム」「航空・防衛・宇宙」の3つに集約する考えを示した。
12.これにより既存事業の連携や効率化を促し、宮永社長兼CEOは「GE、シーメンスと徹底的に戦えるようにする」と意気込みを示した。「パワー」が電力事業を示すことは明確だが、全体的に3つの集中する事業が具体的にわかりにくい。
13.「インダストリー&環境・社会システム」「航空・防衛・宇宙」と言われても、内部の人にはわかっても、一般の人はわからないで。三菱重工業は、主として工場・事業所ごとに事業が別れている。例えば飛行機は名古屋ですし、船は横浜・神戸・長崎、産業機械は三原、高砂となっている。こうした実態とは別に、上から「別のくくり方」を見せたところで、一般の人にもちろんのこと、事業に携わっている人自身もピンとこない。勝てる事業分野が3つと言うならば、それを具体的に示すことが重要である。こうした「別のくくり方」は社長が交代するとまた変わる。
14.三菱重工や日立はこんなことを繰り返している。ほとんどお遊びに近い。GE、シーメンスに追いつくということは、今の利益を倍増させる必要がある。事業を「別のくくり方」に変えて見せるだけでは実現しない。株主にわかりやすいレベルで発表すべきである。
15.三菱重工の組織の問題点については、J-CASTニュースが報じた「三菱重工の「四重苦」「六重苦」 」と題する記事が興味深い。その中で、三菱重工業が大型客船事業からの事実上の撤退を発表したことを紹介している。
16.巨額損失の原因を調査する社内評価委員会からは、「プロジェクト運営の能力不足」や「本社のリスク管理の不十分さ」などを厳しく指摘され、ジェット旅客機「MRJ」の納期の遅れや日立との共同出資会社が抱える受注トラブルなど各所から火の手が上がっているとしている。
17.事業所の持つ強さが三菱重工の強さでもあったが、プロジェクトが大きくなってしまい、事業所のマネジメント力を超えてしまったのが問題である。さらに、この点を指摘している三菱重工本社にも、プロジェクトに対する「トータルマネジメント力」が不足しているから、こういう事態を招く。購買のこと、エンジニアリングのこと、別の会社との提携など、様々なことをトータルでマネジメントする必要がある。
18.能力的にモノが作れるからと言って受注すると、現場で大きな混乱、問題が起こす。事業所制がいいのか、あるいは別の組織体制に変えるべきなのか。三菱重工としては組織の動かし方について、今一度ゼロベースで考える必要がある。



yuji5327 at 06:24 

2015年11月22日

日本の誇り、零戦の伝統などと報道されているが、それほど甘くない。三菱航空機の航空機開発は恥をかかなければいいくらいで考えれば良い。

11月20日付けの「 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 178,133部)「三菱航空機・東芝・東洋ゴム工業・LIXILグループ〜東洋ゴム工業は同じ過ちを繰り返している」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.三菱航空機の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機が11日、約1時間半にわたり初飛行した。日本メーカーが民間旅客機の胴体や操縦システムまで開発するのは1962年に初飛行した「YS11」以来、半世紀ぶりである。このニュースに日本中が沸きましたが、本当に「長い」のはこれからである。
2.FAA(アメリカ連邦航空局)による厳しい型式認定を取得できなければ、米国で販売できず、元も子もない。かつて三菱航空機は、MU-2というビジネス機(ターボプロップ機)を開発した。米国での評判も非常に良く、かなり販売も好調だった。それを受けて、MU-2よりもワンランク上の高級ビジネス飛行機を計画した。MU-300と呼ばれたその機種は、100件ほどの仮受注を受けて量産体制に入ったが、米国のFAAから型式認定を得ることが出来なかった。ようやく型式認定を受けた時には、時すでに遅しで相次ぐキャンセルなどで、三菱航空機は大打撃を受けた。
3.今回の「MRJ」もこれから米国の型式認定を受けることになる。1時間半飛行したと喜んでいるが、米国の型式認定では2500時間ほど飛行し、あらゆるケースでのテストを繰り返す。まだまだ手放しに喜べる状況ではない。
4.MRJは「燃費がいい」ことが大きなウリになっているが、エンジンは三菱が開発したものではないので、ボンバルディア、エンブラエルを始め、競合メーカーも追随してくる。2年ほど先を歩んでいると言われてきたが、今回のMRJ開発の遅れでその優位性も失われている。エンジン以外に目を向けても、機体の設計などそれほど大きな差が生まれる部分ではない。
5.FAAの認可を受けられたら、その先は「販売力」の勝負だが、三菱航空機は競合メーカーに比べて海外の販売力は強くない。ブラジルのエンブラエルなどはかなり売る力を持っている企業である。三菱航空機としては結局のところ、ボーイングと提携して販売してもらう、というような形に落ち着くしかない。
6.日本の誇り、零戦の伝統が活きている、などと報道されているが、現実的にはそれほど甘いことはなく、むしろ開発の遅れで厳しい状況に立たされている。三菱航空機の航空機開発は日本の「国策」だから、「恥をかかなければいい」くらいで考えれば良い。
7.東芝は12日、子会社の米原子力発電会社ウェスチングハウス(WH)で原発建設などが思うように進まず、2012、13年度の決算で合わせて約1600億円の減損損失を計上していたことが明らかになった。東芝が先週末の決算発表で損失額を発表した際は、金額を公表しておらず、巨額な損失を積極的に開示しなかった姿勢に批判の声もあがっている。これは違法ではないが、限りなく黒に近い灰色である。
8.WHにはもっと大きな問題が隠れていると思っていたが、この程度ならば一気に公表して償却処理を進めるほうが良いで。ただでさえ信用を失っているタイミングで、こんなところにも隠蔽があったとなると、そのほうが大きな問題である。
9.ソフトバンクが保有しているスプリントも似たような状況で、損失があるのに計上されていない。東芝としてはソフトバンクも同じだから、という言い訳は通じない。東芝としてはすでに俎上に載せられている状況なので、一刻も早く対応するべきである。
10.相次ぐ不祥事に揺れる東洋ゴム工業は12日、新しい経営体制を発足させた。京セラ元専務の駒口氏が会長、常務執行役員だった清水氏が社長に就任する。清水氏は「創業70年の会社有史以来の危機的な岐路に立っている」と危機感を示すとともに、駒口氏は「全てのウミを出し切る」と強調し、免震ゴムと防振ゴムの問題解決に全力を挙げる考えを示した。しかし、この方法では絶対に上手くいかない。膿を出し切るのではなく、全てを表に出して、社内のマイナー事業をやっている日陰者ではなく、プライドを持った人が経営にあたるべきである。
11.具体的に言えば、非タイヤのゴム事業に専念する会社を作り、その会社で全責任を追って取り組むべきである。巨大なタイヤメーカーの10%程度に過ぎない一事業ではダメで、タイヤメーカーが取り組んでいる体制自体に問題がある。東洋ゴムという企業は、同じような過ちを何度も繰り返している。
12.LIXILグループが2日発表した2015年4〜9月期の連結決算は、最終損益が228億円の赤字だった。主力の水回り事業が国内外で好調で、売上高は前年同期比10%増の8774億円、営業利益は2.4倍の320億円だったが、中国で水回り事業を手がける子会社「ジョウユウ」の経営破綻に伴い、関係会社投資関連損失281億円を特別損失に計上したのが響いた。売上、営業利益は順調だから、臨時の損失だと理解できる。
13.一方、1兆円規模の企業にしては営業利益が低いことが気に懸かる。世界一の道を歩んでいるが、もう少し収益基盤を強化する必要がある。



yuji5327 at 06:23 

2015年10月19日

マンション傾斜

IMG_20151018_0001
2つのデータ偽装
横浜市都筑区のマンション
事業主の三井不動産レジデンシャル
全4棟の建て替えに言及
建て替えには3年半
仮住まいの費用負担
建築土木工学専門家の
詳細な議論が表に出て来ない。
勇気ある専門家の議論が待たれる。

yuji5327 at 06:51 

2014年11月27日

東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」を開発した。

「佐藤 雅哉著:東北大学、貼ると発電するバイオ電流パッチを世界で初めて開発=日経ものづくり2014/11/21 20:15」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」(以下、パッチ)を開発した。パッチは、シリコンゴムやハイドロゲル(電解質)など、生体・環境に優しいフレキシブルな有機材料から構成される。絆創膏のように皮膚に貼るだけで発電できるため、外部電源が不要な家庭用ヘルスケア商品などへの応用が期待される。
2.皮膚を通して薬を投与する「経皮投薬」では、鎮痛剤を浸透させる湿布(シップ)や禁煙用のニコチンパッチなどが知られている。経皮投薬では各種有効成分の皮膚内への浸透が、数十μAの微弱電流を流すことで数倍〜数十倍まで加速できる効果が認められており、局所麻酔剤の高速投与などに利用されてきた。
3.しかし、この方法は外部電源や配線などからなる装置が必要で、家庭での個人使用には適さなかった。小型電池を電極パッドに一体化する試みもあるが、かさばったり、安全性や使用後の処理に配慮したりするなどの課題があった。今回開発したバイオ電流パッチでは、パッチ内部に発電機構を設けることで、これらの問題を解決できると期待される。
4.バイオ電流パッチは、糖を含むハイドロゲルや酵素を含んだ1cm×1cmの2枚の炭素繊維布(電極)、ゴム製の抵抗、これらを保持するシリコンゴム製フレーム、身体に貼り付けるためのメディカルテープなどで構成される。安価な有機材料を使っており、使用後はゴミ箱に捨てることができる。パッチ全体は1cm×3cmの長方形になっており、厚さは0.5mmと薄い。
5.パッチを皮膚に貼ると、発電を始める。アノード(負)電極は糖分解酵素を含んでいるため、ハイドロゲルとの界面で酵素反応が起こり、糖が分解されてプラスイオンと電子が生じる。この電子は、ゴム製の抵抗を通ってカソード(正)電極側へ流れていき、カソード電極で空気中の酸素(O2)を消費する化学反応を起こす。このようにして、発電する。
6.上記の反応が進むと、アノード電極側では電気的に正(プラス)へ、カソード電極側では負(マイナス)に帯電していき、電気的な勾配が生じる。皮膚は電子を通さないため、代わりにアノード電極側で増えたプラスイオンが皮膚を通して、カソード電極側(もしくは人体内)へと流れていく。こうして生じたイオン電流により電気的な勾配が解消され、化学反応が継続する。西澤氏によれば、「人体を通してバイオ発電したのは世界で初めて」。アノード側のハイドロゲルに薬剤を含ませておけば、イオンの流れに伴って、皮膚内への吸収を早めることが可能である。
7.ゴム製抵抗(内部抵抗)の抵抗値を皮膚の抵抗値よりも大きくすれば、個人差や肌の状態によらず、微弱な電流を流すことができる。パッチで流せる最大電流は0.3mA/cm2程度で、人が痛みを感じる電流量とされる0.5mA/cm2よりも小さいので安全である。効果は6時間以上持続する。


yuji5327 at 06:31 

2013年11月09日

日産にとって、ゴーン氏はすでに「百害あって一利なし」の人物になった。来年で任期満了を迎えるので、日産も決断すべき時期がきた。

11月8日付の 大前研一さんの『 ニュースの視点 』(発行部数177,072部)は『 コマツ・電機業界・自動車業界〜企業の特徴を理解する 』と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.コマツは28日、2014年3 月期の連結営業利益が1%減の2100億円になりそうだと発表した。従来予想は44%増の3050億円で一転、減益予想に転じるとのことである。コマツのこのような業績見通しは近年では珍しい。
2.オーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁が「豪ドルは将来大幅に下落する」と発言した。豪ドル・円相場とコマツの株価推移を見ると、コマツの株価は豪ドルに連動するように同じ動きをしている。鉱山機械などを作っているコマツとは言え、豪ドルにこれほど足並みを揃える理由はないので非常に不思議である。
3.一方、業績回復の兆しを見せ始めたのが電機業界である。パナソニックは31日、2014年3月期の予想営業利益を2700億円、最終黒字を1000億円へ上方修正した。また日立製作所がハードディスク駆動装置大手の米ウエスタン・デジタルの株式の一部を売却すると発表した。日立の回復が一歩早く進んでいる。
4.もともと収益性の高い三菱電機は73%、東芝も29%の収益改善の予想である。そして、パナソニック、富士通は黒字転換である。銀行借入の関係で、強引に黒字を出している可能性もある。おそらく、自動車関連、白物家電関連で利益を出しているのでしょうが、体質改善に成功し、今後も黒字体質になって持続できるのであれば、非常に望ましいことである。
5. 自動車業界も好調の兆しを見せている。日本の自動車ブランドが、名実ともに、再び米国の消費者の信頼を取り戻しつつある。米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」が28日発表した2013年の自動車ブランドの信頼調査で、首位がトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」、2位はトヨタ、3位はホンダの高級車ブランド「アキュラ」と日本メーカーが上位3位を独占した。ようやく10年の時を経て、日本車の復興、名声の復興が実現できそうである。
6.トヨタ、ホンダなどが好調な一方で、1日付で新役員体制を発表した日産自動車だけが何やら危うい状況になってきている。日産自動車は、志賀俊之最高執行責任者(COO)が副会長に就任し、COO職は廃止。カルロス・ゴーン会長兼社長兼最高経営責任者が、販売や生産などを担当する3人の副社長を直接指揮する方針である。「目標未達」に終わった総責任者であるカルロス・ゴーン氏こそ辞任すべきである。
7.ゴーン氏はかつてソニーの社外役員のとき、「目標必達」を掲げ、目標未達に終わった出井氏などを激しく糾弾した。今回の人事を見ても、ゴーン氏の独裁体制が強まっていくばかりで、良い兆候とは思えない。
8.ルノーの経営状況を見ると、ボルボ売却の特別利益を除けば、日産の利益貢献は非常に大きくなっている。これだけ日産に依存しているにも関わらず、日産に対してこのようなぞんざいな扱いをすることが理解できない。
9.ルノーはフランス政府が株式を保有していることから、様々な日本(日産)にとって不利な要求を受けている。ゴーン氏はそれに逆らえないようになっている。日産にとって、ゴーン氏はすでに「百害あって一利なし」の人物になってしまった。明らかに、日産の経営に割く時間が少ない。来年で任期満了を迎えるので、日産も決断すべき時期がきた。


yuji5327 at 06:40 

2012年09月06日

スーパーコンピュータ「京」の心臓部は、2cm四方のCPUである。この中に、200m四方に0.5mmの電気配線を隙間なく引くような微細加工がなされている。 3

895
「平尾公彦著:「京」コンピュータと計算科学、学士会会報、July No.895、2012-検廚痢屐筏”は何故速い?・〜微翻化技術と並列化」は参考になる。印象に残った部分の続き自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.「京」の心臓部は、富士通が開発した「SPARC64fx」という2cm四方のCPUである。この小さなチップの中に、45nm半導体プロセス技術によって、8個の計算を受け持つ最小単位が搭載されている。これは、200m四方に0.5mmの電気配線を隙間なく引くのと同じレベルの微細加工である。この結果、CPU1つで128Gフロップスという高い演算性能と、世界トップレベルの低消費電力が実現した。
2.現在、このような微細化技術の進化によって回路の集積度が一層進み、半導体はますます高速化・高性能化している。「集積回路上のトランジスタ数は、18ヶ月ごとに倍になる」というムーアの法則というのがある。18ヶ月ごとに計算のスピードが倍になっているが、徹細化技術は2022年までに限界に達する、とも言われている。
3.別の方法として、大量のCPUを連結させ、一つのシステムとして協調して処理する「並列処理」がある。独立に計算できる問題が1000題あり、それぞれの計算に1秒かかるとすると、1個のCPUで順番に計算すると1千秒かかるが、1000個のCPUで別々に処理すれば1秒で済む。「京」には8万8千個以上のCPUがあり、CPUの1つに8個のコアがあるので、計算機の数は70万個以上あることになる。
4.「京」は、数10万台のPCがネットワークで結ばれ、互いに情報を交換しながら、全体として一つのシステムとして動いている。「京」の中の膨大な数のCPUを相互に接続するために、富士通は「Tofu」という新しいネットワーク・システムを開発した。ケーブル数は20万本、全部つなぐと1000kmにもなる。
5.「京」の心臓部であるCPUがシステムボード1枚に4個搭載されている。そのシステムポードがキャビネット1台に24枚収納されている。さらにこのキャビネットが864台並んでいるのが「京」の全体像である。「京」は、神戸の人口島ポートアイランドにある理研の計算科学研究機構の計算機棟の三階にある。50m×60mという体育館2つ分くらいの空間に整然と置かれている。


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2012年08月11日

今年になって、トップのアップルが68.2%までシェアを伸ばし、サムスンとの差は広がっている。アップルの強さが際立っており、OSの性能、豊富なアプリケーションなどでも抜き出ている。 3

8月10日付けの大前研一さんのニュースの視点は『 米IT企業の上場とタブレット市場 〜期待値の演出を考える 』と題する記事である。いつもながらIT企業情報は他では見られないもので参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2011〜12年に相次いで株式公開した新興の米インターネット企業の株価が明暗を分けている。フェイスブックは6営業日連続で下落し、2日には一時、20ドルを割り込んだ。 一方、4〜6月期決算を発表したリンクトインは同日の時間外取引で株価が9%超上昇した。
2.広告に加えて「会員情報を活用した企業の採用支援ビジネス」と「会費収入」を収益源としていることが成長期待を生んでいると見られる。リンクトインも収益だけを見ると、この四半期では落ち込みを見せているが、フェイスブックの後からスタートしたサービスとしての強みを感じる。
3.米国の新興インターネット企業の株価推移を見てみると、リンクトインやイエルプといった比較的小規模な企業のほうが堅調である。一方で、大型上場として一世を風靡したジンガやフェイスブックの株価はかなり落ち込んできている。上場時に比べると、ジンガの時価総額は約60%以上減少し、フェイスブックが約40%減といった状況である。
4.このような状況を見ると、「とりあえず上場してお金を稼げばいい」という考えがあるのではないかと感じられる。かつてはマイクロソフトなどを見ても分かるように、上場してからがスタートであり、そこから大きく株価も伸びてきた。ところが現在では、上場時に「期待値」は最大となっていて後は落ちるだけ、という状況である。
5.市場が過剰に期待値を演出する一方で、その割を食うはめになっているのが、上場時に期待して株を購入する「一般株主」という構図である。新興インターネット企業を観察するときには、上場後の動向にも注意をはらっておく必要がある。
6.米調査会社IDCが2日発表した4−6月期のタブレット型多機能端末の世界出荷台数調査によると、米アップルが前年同期比84%増で首位を維持した。3月に発売した新型の「iPad」が好調で、シェアは約70%と2位の韓国のサムスン電子(9.6%)を大きく引き離して独走している。これは相当、根が深いポイントである。
7.iPhone・iOSに対して、アンドロイドはOSを無料で利用できるということが利点になっているが、結局のところ誰もアンドロイドOSについて責任を持って取り組んでいる人がいない。一方のiOSはアップルがそれこそ命がけで開発を進めている。ここに来て、OSそのものの信頼性やアプリの優秀性の点で両者の間に差が出始めている。
8.2011年第2四半期のタブレット端末のメーカ別シェアでは、トップのアップル61.5%に対して、2位サムスン電子が7.3%で赤丸急上昇と思っていた。ところが今年(2012年第2四半期)になって、2位サムスン電子9.6%と伸びているものの、トップのアップルが68.2%までシェアを伸ばし、両者の差は広がっている。このシェア推移を見る限り、アップルの強さが際立っており、OSの性能、豊富なアプリケーションなど、全体の整合性の点でも抜きに出ている印象である。
9.日本では、KDDIがiPhoneに乗り換えた一方で、NTTドコモは今後もアンドロイドOSを採用していく方針のようである。最近、NTTドコモでは通信・システムトラブルが頻発し、システム面に弱いという面を露呈している。今後もアンドロイドOSを採用するのか否かという点は、今後の非常に重要な判断になる。盤石と思われているNTTドコモでも、 このOS問題は慎重に整理していくべきである。


yuji5327 at 06:38 

2012年03月31日

ものづくり大国危機 3

cf0b8949.jpg表面的なメディアの
町工場の技術称賛
汗と油にまみれる
技術者らの実態は
金融関係社員
公務員らと比べて
冷遇、格差拡大
原因は社会の仕組み
テレビ・大新聞も同罪


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2012年02月28日

ものづくり大国危機 3

b563c051.jpg
エルピーダメモリ倒産
日の丸半導体の没落
遅すぎた次の一手
官僚の無能力も一因に
日本の偏差値教育も遠因
サラリーマン経営者の本気度
国内外メーカーとの提携不調
万策尽きて会社更生法の適用
経済産業省元審議官の
インサイダー事件
霞が関の病巣氷山の一角
産業のコメに無頓着な日本国民
農業のコメしか知らない政治家

yuji5327 at 06:56トラックバック(0) 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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