ものづくり

2018年04月21日

トラックの世界販売シェアは、ダイムラーを筆頭に、中国の第一汽車、東風汽車など、さらにはインドのタタと続き、フォルクスワーゲンと日野自動車は10位前後である。

2018/4/20付けの大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 166,733部)は「RIZAPグループ/日野自動車/ファーストリテイリング/武田薬品工業 〜RIZAPと武田薬品が仕掛けるそれぞれの買収の問題点」と題する記事で、参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.フィットネスジム運営のRIZAPグループは6日、Jリーグの湘南ベルマーレの経営権を取得すると発表した。現在の筆頭株主である三栄建築設計と合弁会社を設立し、ベルマーレが実施する約1億円の第三者割当増資を引き受ける。
2.今回の買収は金額がそれほど高くないので目くじらを立てるほどでないが、お金が有り余っているという理由で買収をするのは経営者として緩い。お金があると色々な人が近づいてくる。大切なのは買収をした後の経営力があるかどうかである。
3.RIZAPの過去を振り返ると、これまでに成功した事業はほぼ1つだけで、その他の事業はほとんど失敗している。経営で重要なのはKFSであり、そこに集中するべきである。RIZAPはまだ無駄遣いをできるような時期ではない。
4.成功したRIZAPのダイエット・減量事業にしても、その成功ノウハウはインストラクターの教え方に依存する部分が大きい。優秀なインストラクターであれば将来独立する危険性も高いし、その他の面も含めまだまだ企業として土台を安定させなければいけない。むやみにあれこれと買収をしている暇はない。
5.ビジネス・インサイダーは13日、『「5兆円買収」でお粗末な市場対応』と題する記事を掲載した。アイルランドの製薬大手シャイアーの買収を検討していると報じられ、武田薬品工業の株価が急落した。買収額が約5兆3000億円にのぼることを嫌気したものである。
6.これを受けたウェバー社長の説明も、資金調達の方法に触れないなど不十分なもので
市場の疑念はさらに深まった。長谷川会長も退任し、ウェバー社長のタガが外れても抑えることができる人がいない。
ウェバー社長は目付け役がいなくなり、シャイアーを買収したら、すべてが上手くいくという夢物語を見ている。
7.5兆円の会社を買収して、その後の勝算はどのように描いているのか。武田薬品は2008年にミレニアム、2011年にはナイコメッドを買収し、相当な資金を使った。今ようやく落ち着きを取り戻してきたタイミングで、5兆円の買収をする意義があるのか、不安視されても致し方ない状況である。
8.純損益は回復したとはいえ、一昔前に比べると大したレベルではない。何より問題なのは財務状況で、かつては2兆円ほどあった現金も、ナイコメッドとミレニアムの買収などもあり、今は2000億円ほどしかない。そんな状況にも関わらず、武田薬品は時価総額に対して3〜5%という高配当をしており、最近になって社債と借入が大きく増えている。
9.武田薬品の時価総額は株価が下落し、約3.9兆円に落ち込んでいる。このような財務状況にあって、自社よりも高い時価総額のシャイアーを買収することになる。資金調達はどうするか疑問である。ここが一番大きな問題である。
10.日野自動車は12日、独フォルクスワーゲンの子会社とトラックやバスなど商用車の分野で提携交渉に入ると発表した。電動化や自動運転技術の開発、物流など幅広い分野で協業する方針である。これについて日野自動車の下社長は、「商用車の先進技術は乗用車の延長線だけでは対応できない」と述べ、親会社トヨタとの連携だけでは生き残れないと強調した。
11.フォルクスワーゲンもディーゼルの排ガス問題を乗り越えて上向いていたので、この提携は少々意外だった。世界的に見るとトラックやバスといった商用分野には、
スウェーデンのスカニア、ドイツのマンといった強豪がいる。この欧州勢に食い込んでいくためには、フォルクスワーゲンが日野自動車と手を組むのは相性がいい。
12.欧州では人手が不足しているので、トラックやバスを連結するという需要が高くなっている。日野自動車は技術力が高く、こうした需要に対応しやすくなる。最終的には、自動運転で2台のトラックやバスを連携するレベルまで目指していると思うが、大掛かりな実験は日本ではなかなか難しいので、欧州に進出することは日野自動車にとってもメリットは大きい。
13.トラックの世界販売シェアを見ると、ダイムラーを筆頭に、中国の第一汽車、東風汽車など、さらにはインドのタタと続いていて、フォルクスワーゲンと日野自動車は10位前後に位置している。三菱ふそうも取り込み、圧倒的なシェアを誇っているダイムラーに対抗するためには、フォルクスワーゲンと日野自動車が抜本的な技術提携をして力を合わせる時期である。ダイムラーへの対抗馬という意味では、意外な組み合わせで面白い。
14、カジュアル衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングが12日発表した2018年2月中間連結決算は、売上高が前年同期比16.6%増の1兆1867億円、
営業利益が30.5%増の1704億円で、中間決算として過去最高。アジアなど海外事業の伸びが大きく、中間決算では初めて海外売上高が国内売上高を上回った。
15、柳井社長は、売上が1兆円突破したときに5兆円まで目指すと発言していた。今順調に売上は2兆円をクリアし、利益も出している。海外事業が国内事業を上回るというのも、柳井社長の発言通りの結果になっている。
16.ユニクロの店舗数推移を見ると、海外が激増している。海外にも非常に大きな店舗も作っているし、営業利益も十分である。柳井社長が目指す目標に向かって、努力してきた賜物といえる。



yuji5327 at 06:51 

2018年04月19日

鉄鋼商社の柱の自動車ビジネスも、自動車業界の大変革である電気自動車〔EV)が普及すれば、鋼材を使ってきた自動車メーカーのサプライチェーンが大きく変わる。


「井戸清一(ジャーナリスト)著:EVシフトに動く鉄鋼商社・鋼材需要消失に備え、エコノミスト、2018.3.27.」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.商社の鉄鋼部門にとり、大口取引先の一つが自動車業界である。購買量が比較的安定しており、いったん取引の流れを押さえれば継続的な販売を続けることができる。大抵の鉄鋼商社は自動車用鋼材で一つの本部を構えるほどで、その取引量の多さを物語っている。
2.自動車用鋼材を扱う商社の役割は幅広い。ジャスト・イン・タイムの納品を行う厳しい物流管理、海外を含めた供給ネットワーク、そして鋼板や鋼線の加工といった機能を発揮している。以前、鉄鋼商社の事業投資で代表格だったコイルセンタービジネスが厳しかったが、今なお成り立っているのは自動車向け取引量の多さがコイルセンターを支えているからである。
3.鉄鋼商社の柱と呼べる自動車ビジネスも、100年に1度の自動車業界の大変革である.電気自動車〔EV)が普及すれば、鋼材を使ってきた自動車メーカーのサプライチェーンが大きく変わる。
4.自動車メーカーは車体を軽量化するため、鋼材からアルミニウムやCFRPなどの他素材の利用を模索している。新日鉄住金やJFEホールディングスなどの鉄鋼大手はハイテンと呼ばれる高張力鋼板の改良を進めていくことで代替を阻止したい考えだが、今と比べ鉄が使われる比率は低下していく。
5.EVでは走行距離を伸ばすため、こうした軽量化二―ズが一段と強まる。またEVは車両の設計がシンプルで、使われる部品の点数が減るのは、鋼線や特殊鋼が使われてきたので、これを取り扱ってきた鉄鋼商社は仕事が消失する。
6.将来の変化に備え、鉄鋼商社はEV向けビジネスに本腰を入れ始め、1月には伊藤忠丸紅鉄鋼がEV戦略室を新設。4月には、三菱商事系列のメタルワンもEV維進室を設ける。鋼材使用量が減ると見込まれるEVだが、鉄鋼商社にも新たなチャンスはある。代表的な例が、EVの駆動用モーターで使われる電磁鋼板である。電磁鋼板は磁気を通しやすい特殊な鋼材で、EVのモーターには不可欠な部材とされる。
7.今後、EVの生産台数が増えれば、電磁鋼板の使用量も劇的に増加する。電磁鋼板でも商社には加工機能が求められ、鍵を握るのが金型の技術である。伊藤忠丸紅鉄鋼の場合、モーターコアの大手メーカー、黒田精工の大株主、欧州企業とも組み、グローバルなサプライチェーンを構築している。
8.EVに使われる金属で商機となるのがバッテリー材科である。リチウムやコバルト、そしてこれまではステンレス原料が主な用途だったニッケルである。これに触手を仲ばす鉄鋼メーカーも出始め、韓国鉄鋼最大手のボスコは2月末、子会社を通じ豪州のビルバラ・ミネラルズへ7960万豪ドルを出資し4・75%の株と年間8万トンのリチウム権益を取得した。
9.こうした非鉄金属は伊藤忠商事や丸紅で取り扱っているが、これからは鋼材との線引きが曖昧になってくる。いずれ鉄鋼商社が金属商社となる日が来るかもしれない。

yuji5327 at 06:57 

2018年04月17日

中国スマホ企巣は各種部品の調達から設計、組み立て、販売などのサプライチエーンを分断しており、水平分裂と言い、日本企業は垂直統合である。

「高口康太(ジャーナリスト、翻訳家)著:スマホ進む徹底的な垂直分裂自動車コモディティ化も、
エコノミスト、2018.3.20」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.世界4位のスマートフォン「OPPO」が日本上陸を果たした。発売された「R11s」は、高精細かつ、多様な被写体深度を表現できるカメラ性能と急速充電機能によって商く評価されている。実機を触ると、かなり薄く、縁のカーブも丁寧に加工され、OSの設定など細部までしっかり作り込まれている。.
2.世界スマホ市場を見ると、韓国サムスン電子、米アップルの2強を、ファーウェイ、OPPO、シャオミ(小米)、VIVOといった中国企業が激しく追い上げている。絶好調の中国スマホ業界だが、企業単位で見ると栄枯盛衰が激しい。、
3.2013年に中国スマホ市場の売り上げ上位を占めた4社、ZTE〔中興)、ファーウェイ(華為〕、クールバッド(酷派)、レノボである。現在トップレベルに残っているのはファーウェイのみである。トップ企業ですら一歩間違えれば転落する激烈な競争が繰り広げられるなか、中国スマホ企業全体は大きく成長する。この構図が成立する背景には、設計を請け負うIDH(設計専門企業)、製造を請け負うEMS(竃子機器製造受託サービス)、検品・検査の代行企業、海外での販売・売上げ回収・ユーザーサポートの代行企業などの存在がある。設計・製造を請け負うのが、ODMで、言わばIDH+EMSという存在である。.
4.中国スマホ企巣は各種部品の調達から設計、組み立て、販売などのサプライチエーンを分断しており、このモデルは水平分裂と言う。一方、日本企業は、半導体や電子回路などの部品製造、製品の設計・組み立て、販売と、川上から川下まで自社、または系列企業で統一する傾向が強く、技術・部品をすり合わせた垂直統合である。
5.サプライチェーンの中で設計を担うのがIDHで、年間8000万台超と世界最大のスマホIDHであるウイングテックの創業者・ジャンシュエ自らがスマホ業界の新陳代謝を支えていると言う。設計という製造業の核心部分まで外注できる環境を作っているのはlDHであり、もの作りのノウハウがないメーカーの新規参入を可能にしている。
6.ウイングテックの有力顧客の1社が、シャオミである。シャオミは2010年創業の新興メーカーにもかかわらず、現在は出荷台数で世界5位につけるまでに成長した。同社の強みは、強力な自社の電子商取引(EC)基盤だった。同社の飛躍を支えたのはウイングテックが開発した廉価機種「レッドミー」だ。13年発売の初代レッドミーは、カジュアルなデザインと、799元〔当時のレートで約1万3900円)という低価格で爆発的な人気を獲得、シリーズ累計1億台を突破した。
7.このヒットは、技術力のない新興メーカーであっても、販売チャンネルやビジネスモデルで売りがあれば、サプライチェーンを活用して大手メーカーと勝負ができることを示した。ウイングテックの張董事長は「シャオミのビジネスモデルはECによる端末販売である。販売チャンネルの変化はスマホ業界を変える可能性があると考えた」と、新興企業の設計案件を受注した当時を振り返っている。
8.興味深いのは、IDHの顧答は有力メーカーに発展した後も委託取引を継続する点である。ウイングテックは現在、シャオミ、ファーウエイ、レノボといった有力企業の設計を受託している。メーカー側もシェアを拡大して資金力に余裕ができれば、技術者を雇用して、研究開発にも資金をつぎ込む。しかし、その人材・資金はそのメーカーを代表するフラッグシップ機に集中させる。そして、さして差別化を必要としないローエンド機の設計は外注するという割り切りを見せている。
9.IDH側も年に数十、数百の新機種の設計を担当することでノウハウの蓄積ベースが速く、技術レベルがすぐに上がる。また複数メーカー間で一部設計を共通化、使い回すというコストダウンが可能となり、中国スマホ業界全体の競争力を上げている。
10.この垂直分裂型の産業構造は、最近の携帯電話業界に限らない。古くは、テレビや冷蔵庫などの白物家竃の製造にも使われていた。広東省深圳市は近年、世界の新興企業が集うハードウエアの聖地として知られるが、その背景もやはり垂直分裂である。
11.サプライチェーンのあらゆる階層の企業があるため、アイデアさえあれば、設計も製造も外注できる。また、共有部品を使う場合、小ロットからの製造委託が可能な点も有利である。深馴市でEMS企業「ジエネシス」を経営する藤岡淳一社長は、日本で電子機器を製造するならば最低発注数は1万程度が相場だが、深圳ならば1000単位だと明かす。資金力に乏しく、また機器の改善、更新をこまめに行う必要がある新興企業にとってメリットが大きい、という。
12.中国型製造業モデルは今後どのように発展していくのか。今、注目を集めるのが自動車産業だ。吉利汽車や、「チェリー自動車」の愛称で呼ばれる奇瑞汽車など中国メーカーは、以前から部品共用化や外部からのエンジンの調達に積極的だった。今後、分業はさらに進展する可能性が高い。EV(電気白動車)化によって部品点数が削減されれば、すり合わせの難度が下がる。コネクテッド・カー(つながる車)にはスマホと同様の技術を使ったシステムLSIが搭載される見通しだ。このように、コネクテッド・カーにはスマホの技術が転用可能だ。スマホIDHの「アイデア」を率いる楊涛(ヤンタオ)董事長は「自動運転車開発には我々のノウハウが活用できる」と自信を見せた。かつては部品の寄せ集めとやゆされた中国の垂直分裂型製造業が、自動車さえコモデティー〔汎用)化させる日が来るかもしれない。


yuji5327 at 06:37 

2018年04月11日

自動車メーカーが10年以上の歳月をかけて品質を安定させてきた領域、テスラといえども、自動車メーカーが蓄積したものづくりの知見を取り込むのは容易でない。

「宮本夏実著:誰がEV覇権を握るのか、
東洋経済、2018・3・10」は面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2017年は自動車各社がEV〔電気自動車)など電動車のロードマップを大々的に公表し、「EVバブル」とも言われた年だった。同年9月には、英家電メーカーのダイソンまでが開発中のEVを20年までに投人すると公表した。調査会社EVボリュームズによれば、EV・PHV(プラグインハイブリッド車)の世界販光は17年に122万台〔前年比58%増〕で、うち半数を補助金や都市部の優遇策が充実している中国が占めた。
2.米国は17年秋から、約10州で排ガスゼロ車の販売義務を課す親制が強化され、中国でもEVなどの生産を一定割合で義務づける新規制が17年9月に発表された。欧州では、走行で排出されるCO2の削減を義務づける規制(CAFE)が強化され、30年の規定値はEVの大幅な普及.なしには達成できない。英仏は昨年、40年までにガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針を打ち出している。
3.世界各国の規制強化の根底にあるのが、15年のCOP21(気候変動枠組み条約会議)で採択されたパリ協定で、工業化以降の地球の平均気温上昇を2℃以内に抑えるという国際的な目標である。
4.これを実現するためには、ガソリン車やディーゼル車の割合を年々減少させ、世界全体の自動車保有台数のうち、4分の3以上を電動車にする必要がある。自動車メーカは電動化シフトが不可欠の情勢で、トヨタ自動車も昨年12月、電動車普及に向けた具体的なロードマップを打ち出した。EVをはじめとする電動車が注目されるきっかけは15年秋に発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題である。欧州のCAFEに対応するにはCO2排出景の少ないディーゼル申が活躍するはずだったが、不正発覚でそのもくろみが崩れ。欧州全体で電動車の必要性が急速に高まった。
5.VWのマティウス・ミュラーCEOは「25年までに電動車で世界一になる」と豪語しているが、自動車業界からは「車種や台数で大きな数字をブチ上げただけで、方策が見えない」といった批判が多い。パナソニックと提携し「〔電動車に不可欠な}電池という最後のピースが埋まった」と言うトヨタに比べ、VWの電池戦略が不透明である。VWは、25年までに6・5兆円の電池調達を実施すると発表し、不安の払拭に努めている。
6、VWはガソリン市やディーゼル車で「MQB」と呼ばれるモジュール化戦略に巨額投資中である。トヨタに比べて収益性が低く、投資家からその改善要求が強いにもかかわらず、電動車の開発は大きな負担となっている。VWに限らずEVへの巨額投資は投資家の懸念するところである。米ゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラCEOは昨年11月の投資家向け説明会で、バッテリー価格を3割下げ、新プラットホーム(車台)を投入することでEV事業を黒字化させるとの見.通しを語った。同社は26年までに排ガスゼロ車(EV、FCV(燃料電池車))を100万台にするという目標を掲げている。FCVでGMと協業関係にあるホンダもEV強化に注力している。17年秋の独フランクフルトモーターショーでは、19年に発売するEVのコンセプト車を公開した。
7.「量販価格帯のEVのリーダーはわれわれだ」と強気な発言をするのが、仏ルノー・日産自動車・三菱自動車連合で3社の会長を務めるカルロス・ゴーン氏だ。目産は昨年10月にEV「リーフ」を10年の発売以来初となる大幅刷新をした。また、ルノー・三菱とともに中期経営計画を発表し、22年までにEVを12車種を投人する予定である。中国でも日産は、合弁相手の東風汽車と22年までに20車種以上の電動車を販売する。
8.EV時代の寵児としてもてはやされてきた米テスラは、初の量販価格帯車種である「モデル3」(約400万円)の立ち上げに苦しんでいる。17年10〜12月の生産実績は2425台と、17年7〜9月の260台から増加したが、週5000台の生産目標の達成は18年第2四半期に延期された。
9.自動車メーカー幹部は、テスラの苦戦はさもありなんと言う。ロボット溶接や電池セルのパッキングなどは、自動車メーカーが10年以上の歳月をかけて品質を安定させてきた領域である。EVやコネクティッド〔車と通信の接続)、自動運転で大手に先んじたテスラといえども、自動車メーカーが蓄積したものづくりの知見を取り込むのは容易でない。
10.宇宙からトンネルまで多くの事業を手掛け、テスラでの去就が注日されていたイーロン・マスク氏が、株価に連動した今後10年問の報酬制度の下で、テスラのトップを長期にわたり継続すると1月に公表された。モデル3を軌道に乗せることに時間をかけて取り組むと同時に、小型SUV(スポーツ多目的車)や大型トラックなど、EVの車種を拡充する長期ビジヨンにコミットする姿勢を、投資家に打ち出した。
11.中国での現地生産もうわさされ、今後も資金力は旺盛で、資金調達の観点からも、信用力を維持してきたマスク氏の続投は重.要になる。テスラの量産拡大が先か、既存の自動車メーカーの巻き返しが強まるか、覇権争いの熾烈化は必至である。


yuji5327 at 06:47 

2017年01月11日

欧州のシャープブランドはスロバキアのUMCから約100億円で買い戻しに成功している。米国も欧州も、シャープブランドでテレビを強化する一貫した姿勢が伺える。

1月6日付けの大前研一さんのニュースの視点は「アサヒグループHD・米ベライゾン・旭硝子・鴻海/シャープ 〜アサヒによる買収の成否の要因となるのは? 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アサヒグループホールディングスは13日、ビール大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブの東欧5カ国におけるビール事業を買収することで合意したと発表した。買収額は約8883億円で日本企業の酒類の事業では、サントリーによる米ビームの買収に次ぐ規模になる。
2.一部の投資家の間では高値掴みと指摘されているが、利益率も悪くないし、買収できるときにしておくという意味でも、良い買収になる。注目したいのは、アンホイザー・ブッシュが保有している「チェコにあるバドワイザー」というブランドが今回の買収対象に含まれているかどうかである。
3.バドワイザーといえば米国のビールメーカーで世界一の販売量を誇るブランドだが、それよりも歴史が古く本家とも言える「バドワイザー」がチェコ・南ボヘミア州にある。今回の買収対象に「チェコのバドワイザー」が含まれていて、そのブランドを使えるのではあれば非常に面白い。
4.米国バドワイザーはすっきりと飲みやすい味だが、チェコのバドワイザーは、アルコール度数が高く、味が濃いビールである。東欧スロバキアやハンガリーにも、同じようないいビールがいくつもある。これらが買収対象になっていると、スーパードライ1本で世界化していくよりも、幅が広がる。東欧の個性的なビール、特にチェコのバドワイザーのブランドを使えるかどうかが、今回の買収を成功させる大きな要因となる。
5.米ブルームバーグ通信によると、米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが、米ヤフーの主力事業の買収について中止も含め検討している。当初は来春には買収が完了する計画だったが、ヤフーからの個人情報の流出が相次いだことで、大幅な価格の切り下げなどが必要と判断したとのことである。
6.グーグルから鳴り物入りでヤフーにやってきたマリッサ・メイヤー氏も、地に落ちたものである。前回が5億人、今回が10億人、合わせて15億人の個人情報の流出。しかも今頃になって発覚しているというのはあり得ない。どんな経営をしていたのか。どんな防衛策をとっていたか。ベライゾンが嫌気が差したと思われる。
7.買収前に発生した問題については責任を追わないという補償(インデムニティ)を適用し、ヤフーを免責した上で買収するという可能性はある。いずれにせよ、15億人もの個人情報が流出し、今になって表面化してくるのは、米ヤフーの状態がいかにひどいかを物語っている。
8.旭硝子は欧州でバイオ医薬品の開発・生産を受託するCMCバイオロジックスを買収すると発表した。今後、新興国などを中心に高成長が見込まれるライフサイエンス分野を強化し収益柱に育てる狙いである。ジェネリックの影に隠れているが、医薬品の受託製造・OEM製造は非常に重要な分野である。
9.旭硝子にとっても、大きな役割を果たす分野であり、すでにいくつかの企業を買収しつつ強化を図ってきている。ガラス事業の業績を見ると、低迷しているわけではないが、国内は寡占体制である。ボリュームは十分あるが、利益はそれほど大きくないので、ガラス事業で稼いだ資金を、化学品・医薬品などの事業につぎ込んで強化している。これまでの買収先に比べて大規模なCMCバイオロジックスの買収だが、国内の寡占体制が確立しているから可能になった戦略である。
10.台湾の鴻海精密工業とシャープが共同運営する堺ディスプレイプロダクトが中国家電大手、海信集団(ハイセンス)へのテレビ用液晶パネルの供給を中断する検討に入った。価格の見直しで採算を改善するとともに、シャープが自社ブランドのテレビの拡販を進めるのに伴い、同社向けのパネルを確保する狙いもある。鴻海の経営参加によって、「シャープブランド」で世界中にテレビを売る、という明確な方針が示された。
11.米国のシャープブランドはハイセンスに売却していたため、買い戻しを提案したところ断られたために、テレビ用液晶パネルの供給中断の検討に入った。これが吉と出るか凶と出るか。商品の評判が落ちることで、ハイセンスが困って売ってくれることも考えられるが、商品のブランドイメージが著しく低下すると、買い戻しても意味がない。
12.欧州のシャープブランドはスロバキアのUMCに売却していたが、こちらは約100億円で買い戻しに成功している。米国も欧州も、「シャープブランドでテレビを強化する」という一貫した姿勢が伺える。シャープにいる人は、自分たちがギブアップした米国と欧州で、再びブランドを買い戻してでも、もう1度「シャープブランド」でチャレンジしようという鴻海の方針をどう感じているか、複雑な心境だろう。



yuji5327 at 06:41 

2016年11月12日

IHIは、他の会社でもできることをやる意味もない。他社に売れるものは売ってしまい、自分たちが集中すべき領域を見極めて集中していくことが大切である。

11月11日付けの大前研一さんのニュースの視点は「シャープ・IHI・三菱重工業 〜三菱重工が、GEやシーメンスに追いつくにはどうすればいいか? 」と題する記事で、参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.中国の家電大手、海信集団(ハイセンス)は27日、シャープから受けた米州でのブランド使用権の買い戻し提案を拒否したと明らかにした。シャープは昨年7月、ハイセンスにメキシコのテレビ工場を売却し、北米など米州で「シャープ」ブランドの使用権を供与する契約を交わしていた。
2.台湾・鴻海精密工業が親会社となり、鴻海の意向でハイセンスに「シャープ」ブランドを買い戻したいと提案していた。これは鴻海にしては非常に悔しい事態である。米国という中核を担う市場で、シャープブランドは決して悪くはない。パナソニックなどに比肩するブランドを築いてきた。
3.米国市場において、鴻海は関連会社に出資することで「VIZIO(ビジオ)」ブランドを展開しているが、「シャープ」というメインブランドは欲しい。また今回の提案で、鴻海が本気で「シャープ」ブランドを世界的に強化しようという意気込みも感じる。しかし残念ながら、海信集団は値段に関係なく、シャープブランドを売却するつもりはない。
4.数年前、シャープは困窮の極みにあり、メキシコの生産拠点の売却にあたって、北米・中南米地域(ブラジルを除く)におけるテレビブランドの使用権も含めてしまった。シャープとしては、そこまで会社が混乱していた。これは非常に高く付いた。苦い思い出にしかならない。
5.シャープ再建にあたり、シャープの戴正呉社長が社員に向けた頻繁なメッセージ配信でインサイダー情報に該当する内容を発表するなど、広報や社長室の担当者を慌てさせている。会社のカルチャーを変えるためのコミュニケーションの一環とのことだが、1日17時間働き、有言実行を宣言する戴正呉社長の流儀でシャープに独創精神を取り戻せるか注目されるとしている。戴正呉社長は中間管理職を排除し、ピラミッド型ではなく、直接社員一人ひとりに考え方を徹底する方針を選んでいる。社長就任時の挨拶にもあったが、「創業の精神に立ち戻る(Be Original)」という強い姿勢を示している。
6.1日17時間労働も、自ら先頭に立って実践している。この戴正呉社長の姿勢についていければ、それなりに効果は出てくるかも知れない。ただし、これから1年〜2年はまだ効果は見えてこない。カルロス・ゴーン氏が実践した日産リバイバルプランも、成果が出てくるまで数年かかった。その数年間は「信用されない時期」でもある。シャープは今まさに、その時期・フェーズを通過している最中である。
7.日刊工業新聞の情報サイトは先月30日、「IHIの海洋構造物、存続か撤退かの瀬戸際に」と題する記事を掲載した。IHIが複数案件で大幅なコスト増が発生し、2016年度の通期業績見通しを下方修正した。
8.光岡次郎社長はV字回復につなげる決意を表明し、原点であるモノづくり力の再興で信頼回復につなげる考えを示しており、ボイラー事業の再建へ向けて品質や工程管理体制を整え始めた。
9.大前氏なら、徹底的に撤退・売却する事業を決めて、集中する事業を絞り込むとのこと。ボイラー事業についても、大きな特徴がないのであれば、撤退・売却で良いと。その一方で、約500億円の投資を決めたターボチャージャー事業は世界一だから、徹底的に強化する。航空機事業も日本でトップだから集中するべきである。
10.IHIは、他の会社でもできることをやる意味もない。他社に売れるものは売ってしまい、自分たちが集中すべき領域を見極めて集中していくことが大切である。
11.三菱重工業の宮永俊一社長兼CEOは、先月31日、事業再編を加速し、2017年4月に社内の事業部門を「パワー」「インダストリー&環境・社会システム」「航空・防衛・宇宙」の3つに集約する考えを示した。
12.これにより既存事業の連携や効率化を促し、宮永社長兼CEOは「GE、シーメンスと徹底的に戦えるようにする」と意気込みを示した。「パワー」が電力事業を示すことは明確だが、全体的に3つの集中する事業が具体的にわかりにくい。
13.「インダストリー&環境・社会システム」「航空・防衛・宇宙」と言われても、内部の人にはわかっても、一般の人はわからないで。三菱重工業は、主として工場・事業所ごとに事業が別れている。例えば飛行機は名古屋ですし、船は横浜・神戸・長崎、産業機械は三原、高砂となっている。こうした実態とは別に、上から「別のくくり方」を見せたところで、一般の人にもちろんのこと、事業に携わっている人自身もピンとこない。勝てる事業分野が3つと言うならば、それを具体的に示すことが重要である。こうした「別のくくり方」は社長が交代するとまた変わる。
14.三菱重工や日立はこんなことを繰り返している。ほとんどお遊びに近い。GE、シーメンスに追いつくということは、今の利益を倍増させる必要がある。事業を「別のくくり方」に変えて見せるだけでは実現しない。株主にわかりやすいレベルで発表すべきである。
15.三菱重工の組織の問題点については、J-CASTニュースが報じた「三菱重工の「四重苦」「六重苦」 」と題する記事が興味深い。その中で、三菱重工業が大型客船事業からの事実上の撤退を発表したことを紹介している。
16.巨額損失の原因を調査する社内評価委員会からは、「プロジェクト運営の能力不足」や「本社のリスク管理の不十分さ」などを厳しく指摘され、ジェット旅客機「MRJ」の納期の遅れや日立との共同出資会社が抱える受注トラブルなど各所から火の手が上がっているとしている。
17.事業所の持つ強さが三菱重工の強さでもあったが、プロジェクトが大きくなってしまい、事業所のマネジメント力を超えてしまったのが問題である。さらに、この点を指摘している三菱重工本社にも、プロジェクトに対する「トータルマネジメント力」が不足しているから、こういう事態を招く。購買のこと、エンジニアリングのこと、別の会社との提携など、様々なことをトータルでマネジメントする必要がある。
18.能力的にモノが作れるからと言って受注すると、現場で大きな混乱、問題が起こす。事業所制がいいのか、あるいは別の組織体制に変えるべきなのか。三菱重工としては組織の動かし方について、今一度ゼロベースで考える必要がある。



yuji5327 at 06:24 

2015年11月22日

日本の誇り、零戦の伝統などと報道されているが、それほど甘くない。三菱航空機の航空機開発は恥をかかなければいいくらいで考えれば良い。

11月20日付けの「 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 178,133部)「三菱航空機・東芝・東洋ゴム工業・LIXILグループ〜東洋ゴム工業は同じ過ちを繰り返している」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.三菱航空機の国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機が11日、約1時間半にわたり初飛行した。日本メーカーが民間旅客機の胴体や操縦システムまで開発するのは1962年に初飛行した「YS11」以来、半世紀ぶりである。このニュースに日本中が沸きましたが、本当に「長い」のはこれからである。
2.FAA(アメリカ連邦航空局)による厳しい型式認定を取得できなければ、米国で販売できず、元も子もない。かつて三菱航空機は、MU-2というビジネス機(ターボプロップ機)を開発した。米国での評判も非常に良く、かなり販売も好調だった。それを受けて、MU-2よりもワンランク上の高級ビジネス飛行機を計画した。MU-300と呼ばれたその機種は、100件ほどの仮受注を受けて量産体制に入ったが、米国のFAAから型式認定を得ることが出来なかった。ようやく型式認定を受けた時には、時すでに遅しで相次ぐキャンセルなどで、三菱航空機は大打撃を受けた。
3.今回の「MRJ」もこれから米国の型式認定を受けることになる。1時間半飛行したと喜んでいるが、米国の型式認定では2500時間ほど飛行し、あらゆるケースでのテストを繰り返す。まだまだ手放しに喜べる状況ではない。
4.MRJは「燃費がいい」ことが大きなウリになっているが、エンジンは三菱が開発したものではないので、ボンバルディア、エンブラエルを始め、競合メーカーも追随してくる。2年ほど先を歩んでいると言われてきたが、今回のMRJ開発の遅れでその優位性も失われている。エンジン以外に目を向けても、機体の設計などそれほど大きな差が生まれる部分ではない。
5.FAAの認可を受けられたら、その先は「販売力」の勝負だが、三菱航空機は競合メーカーに比べて海外の販売力は強くない。ブラジルのエンブラエルなどはかなり売る力を持っている企業である。三菱航空機としては結局のところ、ボーイングと提携して販売してもらう、というような形に落ち着くしかない。
6.日本の誇り、零戦の伝統が活きている、などと報道されているが、現実的にはそれほど甘いことはなく、むしろ開発の遅れで厳しい状況に立たされている。三菱航空機の航空機開発は日本の「国策」だから、「恥をかかなければいい」くらいで考えれば良い。
7.東芝は12日、子会社の米原子力発電会社ウェスチングハウス(WH)で原発建設などが思うように進まず、2012、13年度の決算で合わせて約1600億円の減損損失を計上していたことが明らかになった。東芝が先週末の決算発表で損失額を発表した際は、金額を公表しておらず、巨額な損失を積極的に開示しなかった姿勢に批判の声もあがっている。これは違法ではないが、限りなく黒に近い灰色である。
8.WHにはもっと大きな問題が隠れていると思っていたが、この程度ならば一気に公表して償却処理を進めるほうが良いで。ただでさえ信用を失っているタイミングで、こんなところにも隠蔽があったとなると、そのほうが大きな問題である。
9.ソフトバンクが保有しているスプリントも似たような状況で、損失があるのに計上されていない。東芝としてはソフトバンクも同じだから、という言い訳は通じない。東芝としてはすでに俎上に載せられている状況なので、一刻も早く対応するべきである。
10.相次ぐ不祥事に揺れる東洋ゴム工業は12日、新しい経営体制を発足させた。京セラ元専務の駒口氏が会長、常務執行役員だった清水氏が社長に就任する。清水氏は「創業70年の会社有史以来の危機的な岐路に立っている」と危機感を示すとともに、駒口氏は「全てのウミを出し切る」と強調し、免震ゴムと防振ゴムの問題解決に全力を挙げる考えを示した。しかし、この方法では絶対に上手くいかない。膿を出し切るのではなく、全てを表に出して、社内のマイナー事業をやっている日陰者ではなく、プライドを持った人が経営にあたるべきである。
11.具体的に言えば、非タイヤのゴム事業に専念する会社を作り、その会社で全責任を追って取り組むべきである。巨大なタイヤメーカーの10%程度に過ぎない一事業ではダメで、タイヤメーカーが取り組んでいる体制自体に問題がある。東洋ゴムという企業は、同じような過ちを何度も繰り返している。
12.LIXILグループが2日発表した2015年4〜9月期の連結決算は、最終損益が228億円の赤字だった。主力の水回り事業が国内外で好調で、売上高は前年同期比10%増の8774億円、営業利益は2.4倍の320億円だったが、中国で水回り事業を手がける子会社「ジョウユウ」の経営破綻に伴い、関係会社投資関連損失281億円を特別損失に計上したのが響いた。売上、営業利益は順調だから、臨時の損失だと理解できる。
13.一方、1兆円規模の企業にしては営業利益が低いことが気に懸かる。世界一の道を歩んでいるが、もう少し収益基盤を強化する必要がある。



yuji5327 at 06:23 

2015年10月19日

マンション傾斜

IMG_20151018_0001
2つのデータ偽装
横浜市都筑区のマンション
事業主の三井不動産レジデンシャル
全4棟の建て替えに言及
建て替えには3年半
仮住まいの費用負担
建築土木工学専門家の
詳細な議論が表に出て来ない。
勇気ある専門家の議論が待たれる。

yuji5327 at 06:51 

2014年11月27日

東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」を開発した。

「佐藤 雅哉著:東北大学、貼ると発電するバイオ電流パッチを世界で初めて開発=日経ものづくり2014/11/21 20:15」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」(以下、パッチ)を開発した。パッチは、シリコンゴムやハイドロゲル(電解質)など、生体・環境に優しいフレキシブルな有機材料から構成される。絆創膏のように皮膚に貼るだけで発電できるため、外部電源が不要な家庭用ヘルスケア商品などへの応用が期待される。
2.皮膚を通して薬を投与する「経皮投薬」では、鎮痛剤を浸透させる湿布(シップ)や禁煙用のニコチンパッチなどが知られている。経皮投薬では各種有効成分の皮膚内への浸透が、数十μAの微弱電流を流すことで数倍〜数十倍まで加速できる効果が認められており、局所麻酔剤の高速投与などに利用されてきた。
3.しかし、この方法は外部電源や配線などからなる装置が必要で、家庭での個人使用には適さなかった。小型電池を電極パッドに一体化する試みもあるが、かさばったり、安全性や使用後の処理に配慮したりするなどの課題があった。今回開発したバイオ電流パッチでは、パッチ内部に発電機構を設けることで、これらの問題を解決できると期待される。
4.バイオ電流パッチは、糖を含むハイドロゲルや酵素を含んだ1cm×1cmの2枚の炭素繊維布(電極)、ゴム製の抵抗、これらを保持するシリコンゴム製フレーム、身体に貼り付けるためのメディカルテープなどで構成される。安価な有機材料を使っており、使用後はゴミ箱に捨てることができる。パッチ全体は1cm×3cmの長方形になっており、厚さは0.5mmと薄い。
5.パッチを皮膚に貼ると、発電を始める。アノード(負)電極は糖分解酵素を含んでいるため、ハイドロゲルとの界面で酵素反応が起こり、糖が分解されてプラスイオンと電子が生じる。この電子は、ゴム製の抵抗を通ってカソード(正)電極側へ流れていき、カソード電極で空気中の酸素(O2)を消費する化学反応を起こす。このようにして、発電する。
6.上記の反応が進むと、アノード電極側では電気的に正(プラス)へ、カソード電極側では負(マイナス)に帯電していき、電気的な勾配が生じる。皮膚は電子を通さないため、代わりにアノード電極側で増えたプラスイオンが皮膚を通して、カソード電極側(もしくは人体内)へと流れていく。こうして生じたイオン電流により電気的な勾配が解消され、化学反応が継続する。西澤氏によれば、「人体を通してバイオ発電したのは世界で初めて」。アノード側のハイドロゲルに薬剤を含ませておけば、イオンの流れに伴って、皮膚内への吸収を早めることが可能である。
7.ゴム製抵抗(内部抵抗)の抵抗値を皮膚の抵抗値よりも大きくすれば、個人差や肌の状態によらず、微弱な電流を流すことができる。パッチで流せる最大電流は0.3mA/cm2程度で、人が痛みを感じる電流量とされる0.5mA/cm2よりも小さいので安全である。効果は6時間以上持続する。


yuji5327 at 06:31 

2013年11月09日

日産にとって、ゴーン氏はすでに「百害あって一利なし」の人物になった。来年で任期満了を迎えるので、日産も決断すべき時期がきた。

11月8日付の 大前研一さんの『 ニュースの視点 』(発行部数177,072部)は『 コマツ・電機業界・自動車業界〜企業の特徴を理解する 』と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.コマツは28日、2014年3 月期の連結営業利益が1%減の2100億円になりそうだと発表した。従来予想は44%増の3050億円で一転、減益予想に転じるとのことである。コマツのこのような業績見通しは近年では珍しい。
2.オーストラリア準備銀行のスティーブンス総裁が「豪ドルは将来大幅に下落する」と発言した。豪ドル・円相場とコマツの株価推移を見ると、コマツの株価は豪ドルに連動するように同じ動きをしている。鉱山機械などを作っているコマツとは言え、豪ドルにこれほど足並みを揃える理由はないので非常に不思議である。
3.一方、業績回復の兆しを見せ始めたのが電機業界である。パナソニックは31日、2014年3月期の予想営業利益を2700億円、最終黒字を1000億円へ上方修正した。また日立製作所がハードディスク駆動装置大手の米ウエスタン・デジタルの株式の一部を売却すると発表した。日立の回復が一歩早く進んでいる。
4.もともと収益性の高い三菱電機は73%、東芝も29%の収益改善の予想である。そして、パナソニック、富士通は黒字転換である。銀行借入の関係で、強引に黒字を出している可能性もある。おそらく、自動車関連、白物家電関連で利益を出しているのでしょうが、体質改善に成功し、今後も黒字体質になって持続できるのであれば、非常に望ましいことである。
5. 自動車業界も好調の兆しを見せている。日本の自動車ブランドが、名実ともに、再び米国の消費者の信頼を取り戻しつつある。米消費者団体専門誌「コンシューマー・リポート」が28日発表した2013年の自動車ブランドの信頼調査で、首位がトヨタ自動車の高級車ブランド「レクサス」、2位はトヨタ、3位はホンダの高級車ブランド「アキュラ」と日本メーカーが上位3位を独占した。ようやく10年の時を経て、日本車の復興、名声の復興が実現できそうである。
6.トヨタ、ホンダなどが好調な一方で、1日付で新役員体制を発表した日産自動車だけが何やら危うい状況になってきている。日産自動車は、志賀俊之最高執行責任者(COO)が副会長に就任し、COO職は廃止。カルロス・ゴーン会長兼社長兼最高経営責任者が、販売や生産などを担当する3人の副社長を直接指揮する方針である。「目標未達」に終わった総責任者であるカルロス・ゴーン氏こそ辞任すべきである。
7.ゴーン氏はかつてソニーの社外役員のとき、「目標必達」を掲げ、目標未達に終わった出井氏などを激しく糾弾した。今回の人事を見ても、ゴーン氏の独裁体制が強まっていくばかりで、良い兆候とは思えない。
8.ルノーの経営状況を見ると、ボルボ売却の特別利益を除けば、日産の利益貢献は非常に大きくなっている。これだけ日産に依存しているにも関わらず、日産に対してこのようなぞんざいな扱いをすることが理解できない。
9.ルノーはフランス政府が株式を保有していることから、様々な日本(日産)にとって不利な要求を受けている。ゴーン氏はそれに逆らえないようになっている。日産にとって、ゴーン氏はすでに「百害あって一利なし」の人物になってしまった。明らかに、日産の経営に割く時間が少ない。来年で任期満了を迎えるので、日産も決断すべき時期がきた。


yuji5327 at 06:40 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード